欧州委員会、海賊版は正規版の売り上げにほとんど影響しないという報告書を2年以上公表せず 122
影響 部門より
今回公表された300ページを超える報告書(PDF)は、欧州議会議員でドイツ海賊党のJulia Reda氏が情報公開請求により入手したものだ。調査はドイツ、英国、スペイン、フランス、ポーランド、スウェーデンの6か国から各5,000人、計30,000人のインターネットユーザーを対象に実施された。調査の目的は海賊版による正規版売り上げへの影響のほか、海賊版利用者がいくらまでなら代金を支払って正規版を利用するのかを解明することだ。
報告書では映画を除き、海賊版による正規版の売り上げへの影響はほとんどないと結論付けられている。映画の場合、新作の人気映画では海賊版利用数の40%程度が正規版の売り上げ減につながる。一方、同じ作品を2度観る人はほとんどいないが、実際に観る場合には正規版の売り上げ減は20%程度になるという。そのため、旧作に対する海賊版の影響は40%未満、海賊版の新作人気映画に対する影響は、現在の売り上げの5%程度と推計されている。