「忘れられる権利」は必要か 48
忘れることはできるのか 部門より
産経新聞にて、「忘れられる権利」の是非が取り上げられている。現在、ネットの掲示板などに書き込まれた個人に関する情報は、なかなか完全に消すことはできない。とくに何らかの事件に関するものや、偏執的なアンチ、ストーカーなどによって書き込まれた情報は広く拡散される傾向があり、事実に反するものでもなかなかそれを消し去ることはできない。「忘れられる権利」とは、このような情報をネットから削除する権利として主張されており、具体的にはより容易に情報の削除依頼などを行えるようにすべきだ、という議論がされている。
いっぽう、「忘れられる権利」は表現の自由と衝突する可能性があるため、どこまでを認めるかが難しいところだ。「公共の福祉」との兼ね合いもある。そもそも、書き込み主が繰り返しさまざまなサイトに情報を書き込むといったことを行った場合、その都度それを見つけ出すといった作業も必要であり、完全に消し去るということは困難なような気もする。
「忘れられる権利」は確かに尊重すべきだが、どう実現すべきかについてはまだまだ議論が必要で障害も多い。落としどころはどこにあるのだろうか。