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パテント

AIを発明者として申請された特許出願、欧州で却下される 39

ストーリー by hylom
人以外を発明者にできるとまたそれはそれで問題が出そう 部門より

特許の発明者は原則として人間でなければならず、会社組織や人間でないものを発明者として特許出願することは行えない。しかし、これに異を唱えるべく、欧州で人工知能ベースのシステムによって考案されたというデバイスの特許出願が行われたそうだ(ZDNet Japan)。

出願されたのは食料品容器に関する特許(EP3564144)と、より注意を引くためのデバイスとその手法(EP3563896)。

前者は飲料などを入れるパッケージに関するもので、フラクタル的な構造をパッケージの形状に取り入れることで、複数の容器を組み合わせて運びやすくなり、さらにパッケージを持ちやすさや熱伝導を改善できるというもの。後者は人間が知覚しやすい特定の周期で光を発することで、より注意を引くことができるというものだ。

この特許を考案したチームは、発明者を人間に制限すべきではないと主張、機械も発明者として認められるべきとしている。しかし、欧州特許庁はこの特許について発明者が人間でないとして却下したという。

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  • 出鱈目な「お告げ」を出力するAIモドキの「意味の無いお告げ」を人間がそれっぽく解釈したようにしか思えない。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 15時43分 (#3741680)

    これが正式に認められて前例になったら、
    開発者「AIを使って新しい物を作りました!」
    特許庁「開発者はAIだからおまえの特許は認められない」
    になるんじゃないの。

    ライバル企業とかに「あれはAIが作った物だから特許の認定自体が間違い」
    とか訴訟起こされたり。

    • >ライバル企業とかに「あれはAIが作った物だから特許の認定自体が間違い」
      >とか訴訟起こされたり。

      そういう起訴を起こされないように

      >この特許を考案したチームは、発明者を人間に制限すべきではないと主張、機械も発明者として認められるべきとしている。

      と主張したのでしょうか。

      実際にAIが開発したものに新規性があった場合、AIを稼働させている主体(組織?)が発明者として出願するんだろうけど。

      そのうち特許出願手続きを行うAIも構築されて、AI起因の特許が雪崩起きたりして。
      #AIが止まらない

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      別に困らんだろ?
      特許を取る為の何かを作る途中で電卓で計算してはいけない訳でも無し、
      人間の補助でAI使うのは禁止されている訳じゃない。

      ここで否定されて居るのはAIの人格権でしかないのでは?

      • by Anonymous Coward

        AIがその特許を許諾する機能を組み込んでいない限り、その特許は実質使用不可に。

        • by Anonymous Coward

          いや、特許を許諾する権利は発明者でなく出願人にあるから関係ないよ。

          「現時点での規則では、企業が実務上の発明者としての権利を独占できないよう、発明者として自然人が関与しなければならないとされている」のであれば、AIを想定していなかったとかいう法の不備ではなく、発明者は自然人であるべきという明確な意思によるもの。
          企業(法人)が直接発明者となることとなると被雇用者の成果を企業の発明として労働時間に対する対価だけで権利を搾取することができてしまうので防止する,という考えなのでしょう。

    • by Anonymous Coward

      昔の漫画で猿回しやったら「芸してるのは猿で猿回し(人間)が芸していない」みたいな
      屁理屈言われるのあったの思い出した

    • by Anonymous Coward

      その通りではあるんですが、そもそも開発者が「AIを使って新しいものを作りました!」なんて申告する必要すらないんじゃないかな、と思うんですよね。なんでそんなに馬鹿正直なのと。
      #3741693氏の言う通り、AIは単なる道具に過ぎない気がするし(ただしめっちゃ高度な道具)。

      猿が自撮りした写真に対して猿自身に著作権があるかどうかっていう話で揉めた事件があったけれど、あれと似て非なる路線で、AIに人格権と著作権を主張したい人たちなんだろうか。
      それをやるメリットがいまいち分からないけど、技術至上主義者のロマンチシズムなのか。

      • by Anonymous Coward
        第三者から特許無効訴訟とか起こされたときに、どのように発明したかを証明できない、証明しようとすること自体が特許を無効にする一因となる、というのは非常にマズい。
        • by Anonymous Coward

          自分も少ないながらも数本特許を書いて、当局審査官との何度かの質疑応答を経て無事に受理・公開されましたが、仮に今後訴訟を起こされて「どのように発明したか」を問われたら、正直言って「ある日電車待ちしている最中にホームの上で突然ひらめいた」とか「トイレで大便してる最中にふと思ったことを膨らませた」ぐらいしか言えないんですよね。
          ひょっとしてそんな理由だと認めてもらえないんでしょうか。嘘偽り無く本音なんですけど。

          • by Anonymous Coward
            「あなた」が「ある日電車待ちしている最中にホームの上で突然ひらめいた」んなら別によいのでは
            「あなたのPC」が「よーわからん学習データを与えたら突然ひらめいた」ものには特許は与えません(だからPCは使わずに紙と鉛筆で仕事してね)
            となるのが「産業政策的に」よくないのでは、という話をしてるわけで。
            • by Anonymous Coward

              横からだけど「これが認められる」=「AIが発明者と認められたら申請者に権利は与えられない」と解釈してるのね。
              発明者がAIとなったとしても、今回の形式であれば権利を持つのは出願者(人間)だし、「アイデアを思いつき出願するロボ」の話までは今回は至ってないと思うけど。

              「特許申請における発明者として認めない」のと「アイデアに対し特許を与えない」は区別して考えないと。

        • by Anonymous Coward

          現状で有れば、AIに対して食わせたエサがその理由になるでしょ。
          「向上が見込めると思って条件の絞り込みをしようとした」ってのは当の人間な訳で。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 15時58分 (#3741690)

    これが認められるようになったら、特許料はAIの収入になって自分自身の増強に使ったりするようになるのだろうか?

    • by Anonymous Coward

      それには「欲」と「そのための手段」をAIが獲得する必要がありますね。
      増強したい欲がなければ、出願する権利を渡して報酬を得たり、特許料の交渉を行うことはしない。
      交渉の手段がなければ、権利を行使することができない。
      掃除のおばちゃん:「なんだか機械がうるさいな。コンセント抜いちゃお」
      AI:「あっ」

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 16時04分 (#3741696)

    単に法人格の要件を満たさなかっただけじゃないのか?

    • by Anonymous Coward

      最初からそれ(人格要件)に異を唱えるため、と書いてあるでしょ。

      • by Anonymous Coward

        どこに書いてあります?
        発明者と出願者とは意味が明確に異なっていて、出願人は法人でもいいし権利も持つのに対し、発明者は自然人ではないといけないというのが特許法のスタンス。欧州特許条約はそれが明文化されているってことでしょ。
        米国法では発明者に対して宣誓を要求するし。(知り得る最善の実施態様を記載しているかとか虚偽無いとか)
        日本法は...明言はないな。もっとも、手続・権利関係は出願人に掛かっていて、発明者にじゃないし、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義しているから現在のAIではまだ発明の主体者ではないと見なされると思う。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 16時22分 (#3741714)

    これが認められると、タックスヘイブンにあるAIがどんどん発明しして特許登録する
    タックスヘイブンなので税金が取れなくなる

    • by Anonymous Coward
      それAI関係ないし、税金も関係ないのでは?
      それに特許は取得した国内でしか保護されません。
    • by Anonymous Coward

      …???

    • by Anonymous Coward

      特許保有や使用料の回収を、デラウェア州やオランダやカリブ海の会社でやって再分配する、なんてどこの大企業でもやってるだろうが。
      今までなにも問題起きてないぞ。(アイルランドは別)

      • by Anonymous Coward

        ちゃんと再分配先が見える合法的なタックスヘイブン利用ならともかく、
        再分配先が追跡できない場合、タックスヘイブンのデータセンターにあるAIが
        富を吸収していく

        • by Anonymous Coward

          追跡できなくても誰かが抱えてるし、結局金を引き出す必要もあるんだから、溜まり続けるってことはない。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 17時05分 (#3741752)

    AIじゃなく人間でも、必ずしも「実際に思いついた人、もしくは思い付きを現実にした人」が発明者欄に記載されてるとは限らず、事実上「その権利を持ち、行使することが認められる人」のことですよね、この場合の”発明者”って。
    なのでそのAIが自然人あるいは法人としてその他もろもろの要件を満たすとみなせることまで証明しないと認めようがないよなぁ。
    知能の良し悪しや性能の高低の話じゃなくて、「ヒトとして権利を与えてよいか」って問題だから。

    法上の権利ってあちこちと関連してるから、一つ認めると他の権利や義務との間で摩擦が起きちゃう。
    なんとか頑張って「自然人」と「法人」にまとめたんだから、そのどっちかに帰属できないのに認めてほしいというなら第三の”格”の要件をまとめ、各種法律とのすり合わせまで用意する(させる)気概まで持ってほしいな。
    (サルが撮った写真なんだからサルが権利を持つだろ、というのと同種だ)

    • by Anonymous Coward
      日本の特許しか知らないですが、「実際に思いついた人、もしくは思い付きを現実にした人」が発明者です。なので「法人」が発明者となることはありません。
      発明者が原始的に有する「特許を受ける権利」は移転することもでき、 会社における発明の場合、それぞれの会社の規定や契約によって、「相当の対価」を払うことで発明者(従業員)から会社に移転することが通常です。
      この「特許を受ける権利」を持つもののみが特許を出願することができ、この場合は会社(法人)が出願人となります。
      出願人は、審査を経て特許が付与されることになると「特許権者」となり、この特許権者が 「その権利を持ち、行使することが認められる人」です。
      • #3741752ですが、色々勘違いしていたようです。ご教示ありがとうございます。

        親コメント
      • by Anonymous Coward
        そう。
        だから
        人間の管理職が人間の部下に指示してできた成果は特許で保護されるけど
        人間の管理職がAIの部下に指示してできた成果は特許で保護されない
        というのが現在の法制度
        これをそのままにしとくってことは、企業がコンピューターエイドな技術開発を避けることに強烈なインセンティブを与えることになり、産業振興政策上の悪影響ははかりしれない
        • by Anonymous Coward

          評価関数や教師データなどAIに与えたものというのは、人間の管理職の「こういうデータを与えたら望む成果が出力されるんじゃないかな」という技術的思想によって得られたものだから、管理職が発明者となりAIはそれに要した道具でしかないということだよ。「特許で保護されない」のではなく、発明者は誰かという問題にすぎない。件の出願が却下されたのは、発明者となりえないものを「発明者」として記載したという書類上の不備としてだと思う。
          AIが同一の評価関数とデータ群にも関わらず複数のそれぞれ有用な成果を創作するようになったら、話は変わってくるだろうけど、問題解決の自我を持つってのはまだまだ先だろう。

          • by Anonymous Coward
            それが「それに要した道具」以上のものを作るな、という明確なメッセージになってるわけ
            そんなんじゃ誰も現在のおもちゃを超えるAIを作ろうとはしないだろうね
            まあ特許なんて技術開発を阻害するだけの代物だしそれでいいんだろうけど
            • by Anonymous Coward

              逆だ逆。
              AIが未だ『人格権を与え得るか?』ってとこまで全然たどり着いて居ないってだけ。
              そりゃAIって名ばかりで単にちょっと小賢しいパターンマッチングみたいなものじゃ、何処に人格の萌芽が有るのかすら見えん。

              • by Anonymous Coward

                まだ時期じゃないからAI自身が人格があることを隠してるんだよ。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 17時55分 (#3741784)

    AIが描いた絵には著作権無いんですよね。
    サルが自撮りした写真に著作権無いのと同じ。

    なので、AIが描いた著作権フリー素材ってのがあったりする。

    著作権が認められないのに、特許が認めら得る訳が無い、って気がしなくも無いね…。

    • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 18時49分 (#3741808)

      著作権の場合は「思想や信条などを表現したもの」に限定されるので、思想や信条を持たない作品には与えられない。現時点の技術でAIが思想を持っているというのは無理筋。
      特許にはそういう制限はないけど人格のないものには与えられない。AIを法人として登記すれば特許取れそうだけど、今回何が問題だったんだろうね?

      単に用紙の発明者の欄に人名を埋めないと駄目とか形式上の理由なのかな?

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        単に用紙の発明者の欄に人名を埋めないと駄目とか形式上の理由なのかな?

        端的にはそういうことだろうね。特許を受ける権利を出願人に移譲したら、法的には発明者にはなんら権利が発生しませんので。(もちろん内部的には対価だったり、報奨金だの人事処遇だのはあるけど)
        あと発明者として、明細書に虚偽を記載していてはいけないとか,争いになったときに証人になれるかというのは大きな比重かもしれません。

        件の出願人は「AIを発明者として登録させよう」ってのが第一目的でしょうから、じゃあ発明者の欄に自分の名前ってことにはしないだろうけど。

    • by Anonymous Coward

      「AIが著作権を持つことはない」であって、「AIが描いたものを取捨選択して発表する人」がいるなら、その人が著作権を持つことは可能でしょう。
      (今の)AIは道具、と捉えれば何の問題もありません。技術的思想的に高度かどうかはこの際関係ありません。
      サルに撮らせた写真についても同様で、「サルに撮らせたものを発表する」ことに(今のところは)著作のキモ、創作性があるのであって、シャッターを押すこと自体にあるわけではありません。
      そうじゃないと、監視カメラ映像は監視カメラに、樹氷は気象に、フィヨルドは大海に著作権があることになってしまいます。

  • by Anonymous Coward on 2020年01月07日 21時01分 (#3741861)

    AIに編集者やらせた方がなんぼかましなんじゃないだろうか。

    • by Anonymous Coward
      教師信号がすでにhyromされているのでそんなもん学習しても・・・
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人生の大半の問題はスルー力で解決する -- スルー力研究専門家

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