個人を監視している企業はFacebookだけではない 17
新たなリテラシが必要に 部門より
Facebookの個人情報不正利用問題で、ビッグデータを利用したビジネス全体への疑惑が広がっている。個人情報を利用している企業はFacebookだけではない。収益のために何千もの企業が個人に対するストーカー行為を行っている。ハーバード・ビジネススクールのShoshana Zuboff教授はこのことを「監視資本主義」と呼ぶ。米国では、昨年流出事件を起こしたEquifaxのような個人データを売買するデータブローカーが2500~4000社ほど存在しているが、ほとんどの人はこうしたデータブローカーに情報収集の許可を与えていないはずだ(CNN)。
監視資本主義はこれをさらに一歩進めたものだ。FacebookやGoogleなどの企業は、あなたの個人情報と引き換えにサービスを無償で提供している。検索エンジンに嘘をつくことはないため、Googleは私たちの興味と好奇心、希望と恐怖、欲望と性的傾向をすべて知っている。スマートフォンからもGoogleの広告ネットワーク、Gmailアカウント、Googleマップを介した移動情報などが収集されている。
多くの個人情報収集が秘密裏に行われており、データ漏洩事件やその調査でもなければ情報公開されることはない。多くの人はその規模や実態を知らないままだ。とはいえ、それが変わっていく可能性もある。欧州連合(EU)では2016年に個人情報の扱いを定めた「一般データ保護規則(GDPR)」が制定され、今年の5月に施行される。ほとんどの監視資本主義企業は、EU域内でサービスを提供していることから、これにより監視資本主義の情報公開が進む可能性がある。