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法廷

音楽教室からの著作権料徴収を巡る裁判、教室内での演奏は公衆に聞かせるものとの判断 150

ストーリー by hylom
広まる公衆の範囲 部門より

日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室から著作権使用料を徴収する方針を決めたことに対し、音楽教室らの団体が教室での演奏は著作権が及ばないことの確認を求め提訴していた裁判で、東京地方裁判所は音楽教室内での演奏に対し、不特定多数に聞かせる演奏に該当するとして著作権が及ぶと判断した(NHK毎日新聞日経新聞ITmedia)。音楽教室らは控訴する意向を示している。

著作権法第22条では次のように規定されており、著作権者以外が音楽を公衆に聞かせることを目的として演奏する場合には、著作権者の許諾が必要となる。

著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

そのため今回の裁判では、音楽教室内での演奏が公衆に聞かせるものに該当するかどうかが争点となっていた。なお、「公衆」は著作権法上では「不特定多数」と解釈されているが、今回の判決ではこれについて、音楽教室の生徒は受講前にはつながりがないため「不特定」であり、かつ生徒の入れ替わりがあるため「多数」であると判断したという(福井健策弁護士による解説)。

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  • by akiraani (24305) on 2020年03月02日 19時32分 (#3771757) 日記

    ヤマハが提訴した直後の解説記事がこちら
    JASRAC vs 音楽教室:法廷で争った場合の論点を考える [yahoo.co.jp]

    カスラック呼ばわりしてる方々の大半が勘違いしているのがこちら

    4)教育目的
    前にも書いたように、日本の著作権法では教育目的だから、教育機関だからという理由で演奏権が権利制限の対象になるということはありません(あくまでも、非営利・入場無料・無報酬(38条1項)だからということになります)。なので、教育目的だから著作権利用料支払い義務は生じないという主張は裁判官の心証にある程度影響を与えるかもしれませんが、あまり意味はありません。

    本当に争点になっていたあたりがこのへん

    5)演奏権の解釈
    上記の「一人でも公衆」に加えて、この点も一般的感覚からは納得しにくいかもしれません。(有料の)リサイタルにおける演奏に著作権料支払い義務が発生するのはわかるとしても、それに至るまでの練習が演奏権の対象なのかという点です。
    著作権法22条では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的とした」演奏が演奏権の対象になっているので、これを狭義に解釈すれば練習は演奏権の対象ではないという主張も可能なような気がします。ただし、講師の模範演奏は練習ではないですし、参考のために市販CDをレッスン中に聴く(CDの再生も著作権法上は「演奏」と扱われます)ということもあるので、すべて演奏権の対象外であるというロジックは困難なような気がします。

    とまあ、こんな感じで、もともと音楽教室側の言い分は無理筋じゃね? というのが知財方面の専門家の予想でございました。

    残念ながら当然、と言うしかないですな。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
  • by unsignedint (7810) on 2020年03月02日 19時28分 (#3771753) ホームページ 日記

    こういう話が出るたび、JASRACというか、著作権管理団体って文化破壊の権化の如く、悪く言われがちなんだが、反対にこういう団体がないと円滑に音楽利用ができないのも事実。

    著作権管理団体がないとどういうことになるかというと、曲を使いたければ著作者に直接交渉しに行く必要があって、そもそも相手してもらえるかもわからないし、許諾が下りたとしても著作者の言い値になる。(あと著作者と一言でまとめてるけど、作曲家、作詞家、編曲家、etc.と、その交渉相手は数多い。)
    非信託曲だと、許諾取り付けるのは現状でも手間がかかる。

    後、YouTubeやニコニコで歌唱や演奏などで利用できるのはサイト側が包括契約しているから、という側面もあって、悪く言っている人はこのあたりも理解しているのかな、と思ってしまう。

    結局、JASRACガーとという話は、著作者に還元されるべき使用料を元から払う気もない人から出ていることが多い感じがする。

    • by Anonymous Coward

      還元されるべき費用かどうか?ということが論点なんじゃないの。
      日本の法律は著作権者が強すぎるし。

      • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 20時37分 (#3771795)

        × 著作権者が強すぎる
        ○ 著作権管理団体が強すぎる

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        他の人のものを使ったら対価を払う、かなり当然なことのような気がしますが。
        特にそれが営利である場合は。

        • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 20時09分 (#3771775)

          対価が正しく支払われている感じがしないから
          叩かれているのだと思っていました。

          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 18時55分 (#3771729)

    タレコミ文より
    > なお、「公衆」は著作権法上では「不特定多数」と解釈されているが、
    いいえ、特定多数を含むことが明記されています。

    著作権法第2条5
    この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。

    また、判例上『公衆』は不特定かつ多数ではなく不特定または多数と解釈されます
    文化庁の解説でもそのように言明されています。
    https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/naruhodo/outline/4.3.html [bunka.go.jp]

    • by Anonymous Coward

      しかし、判例上は不特定少数も公衆とするのに、
      第2条5はそこについて言及できていないというのは・・・
      # 立法者がペン図を描かなかったのか
      # 判例がなあなあで出来上がってしまったのか

  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時19分 (#3771745)

    欧米ではどうやってるの?

  • ごく少数の、ユニークなご判断をする同じ人が転勤してるだけだと信じたい。発表会だけなら未だしも、練習するだけでアウトなんておかしいわ。

    気になったので検索してみたら、高校野球の応援の演奏はやってるのが客なので著作権料をいただかない [togetter.com]とかなんとか。どう考えても逆で、取るなら高校野球、音楽教室からはしないが妥当だろ。将来の音楽家の卵に負担をかけてどうするんだ馬鹿者が。

    # 高校野球で取るにしても各校ではなくて高野連からな。相手が大きい非営利の団体だと怯んで取れないんじゃないかと勘ぐってしまう。

    ## 音楽教室なら著作権切れのクラシックとか古い曲で練習すればなんとかなるけど、高校野球で宇宙戦艦ヤマトと狙い撃ちとルパン三世とサンライズをとったら何が残ると言うのか。だったら校歌をと思ったら校歌の作曲家が許可してないと突撃される恐れが。

    ### 最後に科学忍者たいガッチャマンが潜んでいました。世界の悪魔ギャラ食ったーを倒してくださいお願いします。

    • by Anonymous Coward

      音楽家の卵に負担を掛けたくないなら、音楽教室が非営利でやればいいんだよ。

    • by Anonymous Coward

      ごめん、この判決の何がおかしいのか説明してもらえる?

      元々は、古い童謡とかクラシックをやってたんだけどそれじゃ客寄せにならない!っていって
      最近話題のあの曲を弾けるようになる!とか散々広告打ったからこうなったんだよ?
      かつ、音楽家の卵とかの場合音大とかそっち方面に進むのでYAMAHA出身はあまり聞いたことがない

  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 18時26分 (#3771706)

    >今回の判決ではこれについて、音楽教室の生徒は受講前にはつながりがないため「不特定」であり、かつ生徒の入れ替わりがあるため「多数」であると判断した

    そのうち、学校の生徒は入学前には繋がりがないため「不特定」であり、かつ生徒の入れ替わりが(毎年)あるため「多数」であると判断したとか言い出して各種教育現場にまでJASRAC踏み込んでくるんじゃないの?

    • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 18時40分 (#3771718)
      不特定多数の定義に関しては学校だってその通りだろ?
      「1人でも公衆」法理というのがあって、その通りの判決が出たというだけ。
      他にも手足理論とかカラオケ法理とか、著作権法は明文の規定が判例でことごとく権利者の有利なように逆転されているから、今さら条文解釈で争っても無駄。
      学校は非営利だから許されてるだけ。
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        で、その理論で「不特定多数」じゃないものって何があるの?
        「全て」が該当するのなら、何で法律に「全て」ではなく「不特定多数」って書いてあるの?

    • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時10分 (#3771738)

      教育現場は元々著作権適応対象外の一部例外がある
      音楽教室は営利目的だからだめで幼小中高大は教育目的なら問題ないよ
      だから、この音楽教室も一条校になるなりすりゃいいだけ

      https://www.jasrac.or.jp/info/school/index.html [jasrac.or.jp]
      JASRACにも書いてあるし散々JASRACはこの件について音楽教室側と話し合いをした上で
      音楽教室側がふざけんなって蹴り続けたからこうなっただけでJASRAC側のが現行法上正しい。
      その上でJASRACが音楽教室で教室内で使う場合は著作権料の対象外とするって条項でも作った上で
      作曲家などから合意を得られた場合に対象外にするとかしてもいいとは思うが。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      営利目的じゃない

    • by Anonymous Coward

      おっと、転校生の存在を忘れてもらっては困るな。

      むしろ開始前から繋がりがあって、その後に入れ替わりもない集団って、一体なんなんだろう。

      この理屈だと家族すら「不特定」扱いになる可能性がありそう。(さすがにい多数になる例は少ないが)
      婚姻届けを出すまでは他人だからな。出産で子供が追加されたりもする。

      #リンク先
      >特に、受講申込の時点で”他人"なのでその後いくら親しくなっても、たとえ総勢1人でも「公衆」という判断には強い違和感も感じる。
      >誰でも最初は他人なので、これだとほとんど誰でも公衆ということになり、法律が「公衆」「公の演奏」という制約を権利に設けた意味がなくならないか。

    • by Anonymous Coward

      普通の非営利の教育では問題ないんですよ。ネットから画像かっぱらってきて小さい範囲で発表するのは問題なし。コンテストに出したらダメ。

    • by Anonymous Coward

      著作物の教育目的利用の例外を知らない君の頭がヤバい

    • by Anonymous Coward

      報酬を出してプロに演奏してもらうとかなら、学校だろうが著作権料は発生するぞ。

  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 18時33分 (#3771712)

    音楽屋の登場が望まれる

    • 無意味 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時44分 (#3771764)

      今でもフリー素材は大量にあるし、いらすとや的な使われ方はされている(アマチュアの投稿動画は大体フリー素材が使われている)けど、こういう音楽教室じゃだれもそれで満足しない。

      何故なら客寄せにならないから。
      何故なら生徒のやる気への刺激が段違いだから。

      つまり、利益への貢献度が全く違うから。
      金のために、不特定または多数にアプローチできる有名な楽曲を使いんだよ音楽教室は。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 18時41分 (#3771719)

    国民の目が届かないせいで、裁判所は腐る一方
    地裁レベルのトンデモ判決に驚かなくなったなぁ

    • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時00分 (#3771733)

      司法の専門家でもない、文化の専門家でもない、音楽の専門家でもない
      自分の意に沿わない判決が出たら、とりあえず裁判所が腐っていることにする
      でも客観的・専門的な意見・データは出せないので場末で一言居士
      世の中は何も変わらない
      いつもの光景

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時19分 (#3771746)

      現行法制上正しい判決にしか見えないんだが何がおかしいの?
      幼小中高大に対して出たならおかしいけど音楽教室は営利目的だからこの判決の方が正しいよ
      音楽教室側が営利を目的としていないって言うなら利益を全て寄付すりゃいい
      それか作曲家に著作権破棄してもらうべき話でしかない

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      キチガイ裁判官の中から権力者に阿る判事を選抜してるわけで
      上級審に行ったからといって何かが改善するわけではないが
    • by Anonymous Coward

      この手の確認を求める裁判を最高裁までバンバンやるべきだね。

    • by Anonymous Coward

      地裁は裁判を長引かせるためだけに存在してるから
      地裁の判決で納得されないようにするにはトンデモ判決は効果的な手段

  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時18分 (#3771743)

    受講前にはつながりがないため「不特定」であり

    生まれたときから考えると、つながりがあるの家族ぐらいなので特定というのは家族限定?

  • by Anonymous Coward on 2020年03月02日 19時29分 (#3771755)

    もう有ったっけ

    でも、入門者にこそ音楽を楽しんでほしいし、
    そのためには身近な曲、つまりその時々のヒット曲が良いのは確かなんだよなぁ。

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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家

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