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書籍

「著作権切れ」の書籍を出版している出版社の声 131

ストーリー by hylom
一部の利益か、全体の利益か 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

カーリルのブログにて、「図書館デジタル化の波紋、パブリックアクセスと出版は両立するか」という記事が公開されている。先日「国会図書館による著作権切れ書籍のネット公開、出版社側の異議申し立てにより一部を公開停止」として話題になった件の、出版社側の意見を掲載したものだ。

出版社側の主張としては、「いくら著作権切れとは言え、現在刊行中で実際書店に並んでいる作品であるということを全く無視して、無断でインターネットに公開すること自体が商業道徳に反するのではないでしょうか。」とのこと。同様に著作権切れになった作品が「青空文庫」などの手によってインターネット上で無料公開されていることについては、「私が言っているのは、著作権切れになっていても実際に出版社が継続して売っているもの」「全然性格が違う」と述べている。が、夏目漱石の著作権切れの作品でも、1950年からいままで出版され続けており実際に書店に並んでいる(たとえば新潮文庫の「坊っちゃん」など)わけだが……。

また、図書館での利用についても図書館が実際に購入しているため、問題視はしていないとのこと。そのほか、「著作権者がわからなくなっているものは、最初に復刻した出版者に著作権を付与するべきではないか」などとも述べている。

そのほか同じ記事にて、「デジタル化資料をきっかけに紙で復刊」という話題も掲載されている。こちらは、「エロエロ草紙」という書籍が近代デジタルライブラリーで無料公開され話題になったのをきっかけに、カラーで復刻して書籍として販売したというものだ。こちらは装丁や補正、レタッチなどに工数がかかっているとのことで、かなり気合いを入れて復刻しているようだ。お値段は2,500円だが、相応の価値はありそうである。ただ、原本には著作権はないため、今回の復刻版の著作権についても微妙な状態になっている点については出版社側も難しいと述べている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • ソースとなるものが無料、あるいは著作権切れとなっていたとしても、要は売り方次第と思います。
    著作権の切れた文献でも、そこに背景解釈を助ける資料や論文を付加してみたり、現代語訳の注釈を付与すれば、そちらには別の著作権が生じると思います。
    また、何らかのアフターサポートや、公式の電子書籍版のライセンスなどを売る方法もあるでしょうし。(コストは増大しますが)

    オープンソースのソフトウェアで営業している企業の手法を少し取り入れるなどすれば、何か新たな生き道が探れるのではないかなぁ。

  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 12時05分 (#2407846)

    大蔵出版は宗教系の大全集など、宗教の研究などに置いて基礎的な資料を整備・出版なさっています。
    今のように情報技術が発達する前は、彼らのような存在がいなければこれらの資料は集める事が難しかったでしょう。書籍という形にするために、フィルムを用いた転写など当時としては最先端の技術を用いられた旨、非常によくわかります。

    はっきり言ってすでに今となっては、その役割は終えたと言わざるを得ません。
    今同じように全集を作ろうとなったとき、まず真っ先に上がるのはデジタルアーカイブでしょう。コストは大幅に下がっています。印刷物に耐える以上の品質でデジタル化も可能です。またコストが下がったため、商業的に販売した益がなければ不可能とせず、博物館や図書館といった公共の研究機関が予算を増やす程度で可能になり、公共機関がデジタルライブラリを作るために公共のお金を使うことに対する理解も進んでいます。あるいは場合によっては個人でも高品質なものが可能になりつつあります。

    大蔵出版さんも、戦後苦労して復刊したという思いもあるのでしょうが、その原本もそれ以前の人間が書き写してきたものです。以前は木管だったものを技術革新で紙にしたため、その内容は広く伝わりました。とはいえそれは手書きで書き写すしかありませんでしたが、印刷という技術革新が現れ、さらに出版流通網の発達で、多くの人により安価に広まるようになりました。大蔵出版さんもその1人で新たな技術で焼き直したに過ぎないのでは無いのですか。
    手書きで書き写し伝承してきた人々は、あなたのように「よりあたらしい技術で安価に出回らせるのは問題である。権利は我にある」と言うでしょうか。木管から紙に移るとき、だれかがそう行ってその流れを止めたら、あなたはそれを見ることができていたのでしょうか?
    みな、巨人の肩の上に立っているわけです。自らは巨人の肩の上に立って、先人が築いた礎を利用してより遠くを見ているのに、これから先の人々はそれを制限すべきなんでしょうか。

    印刷の次の技術革新が来たのです。かつて木管だったものが紙にになり、印刷になり、活版・銅版になり、フィルムになり、プロダクションコストが大幅に下がって今はデジタルになった、その流れの一つです。
    それを受け入れるべきだった。時の流れの中でもまれてそうして生き残ってきた偉大な知識に対してはそう接するのが正しいのではないですか。

    • 同感ですね。

      著作権が切れたときの事は確定事項で予見できていたわけですし、
      デジタル化の波が訪れることも、それほど高度でもない程度の見識があれば予測できたとも言えます。

      彼ら出版社や書店が、著作者の作ったものを、その時代の先端技術で印刷し、流通していた立場の者であることを考えますと、その次の世代の出版や流通、著作権の切れたものをその後もいかに売るか、もっともっと先取りをしているべきだったと思えます。

      彼らが今の立場に甘んじると、聖書の翻訳や印刷を頑なに拒み続けていた、かつてのカトリックのような誹りを受ける可能性もあります。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 15時34分 (#2408061)

      木管じゃなくて木簡ですよ、というのはさておいて、あらゆる寺院にネット環境があるという仮定がそもそも間違いでは?
      とりもなおさず仏教は"密教"や"秘仏"にまつわる秘密主義がないわけでもないんだから、「紙媒体はいいけどネットで読めるようにするのはダメ!」と主張する方が居てもおかしくないのでは。
      #非許諾同人誌アップロードやキンタマウィルスのように、データ化することによる「紙媒体以上に情報の劣化が起きることなく分散する」というデメリットは特に「建前は衆生救済、本音は寺院維持」が多い宗教と相性が悪いと思う

      ただ、この手の出版社による仏典は少なからず高額なものがあるので、アーカイブ化は単に銭の回収ができなくなるとゴネている可能性もあるんですよねぇ。
      (例えば貝葉書院手摺りの般若心経600巻は紙質により600万を超える物もある…檀家制度があるとはいえ、新しく寺院を建てる際にこういうのがいくらかさむかと考えると…)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 12時15分 (#2407859)

    この出版社の問題の書籍は、どちらかといえば研究者向けの資料の性格が濃いものだ。
    このような一次資料に近い性格を持った書籍制作を専門にしている出版社による危機感は理解できる。
    その危機感というのは、煎じ詰めれば、制作した際のコストがデジタル化の波の中で回収できなくなる懸念であり、
    かつ国会図書館のような公的施設に対する、民間の太刀打ちできなさだろう
    (「著作権者がわからなくなっているものは、最初に復刻した出版者に著作権を付与するべき」という発言は、
    ひとつはそこから来ていると思う。お経の著作権は問えないのでは、という提起もあるかもしれんが)。

    ソースでも、ごっちゃにというか、拡大解釈的に書かれているが、
    同じ「流通している」といっても、一般の読み物にあてはまる問題かどうか。
    もちろん、文芸作品においても、忘れられた作家の傑作を復刻する際の問題を考えられなくはないが、
    今回の例とはコストが違ってくると思う(「大正新脩大蔵経」は全88巻からなり、
    「南伝大蔵経」は全70巻が予定されている。「エロエロ草子」はたった1種の底本から復刻されている)。

  • 著作権法ガン無視 (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2013年06月25日 11時56分 (#2407841)

    > いくら著作権切れとは言え、現在刊行中で実際書店に並んでいる作品であるということを全く無視して

    いつから日本は著作権法をガン無視して、出版社がごり押しできるような無法国家になったのだろう?
    ネズミーランドですら著作権法を改正するように働きかけたというのに。

    • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 12時07分 (#2407849)

      きみにはこれらの件が

      > 著作権法をガン無視して、出版社がごり押し

      しているように見えるのかい?
      どんだけ書籍に対して敵意を持ってるんだっていう。
      親でも殺されたのか?

      俺には出版社は「いやまあ権利切れてるけど、金も絡むし、俺だけじゃない、色んな人の事情もくんでくれよ~」くらいの
      弱気で情け無いことを言ってる だ け に し か 見えないんだが。

      親コメント
      • by I-say (18650) on 2013年06月25日 13時11分 (#2407923)

        >いくら著作権切れとは言え、現在刊行中で実際書店に並んでいる作品であるということを全く無視して、
        >無断でインターネットに公開すること自体が商業道徳に反するのではないでしょうか

        相手に向かって「道徳に反する」と言い放つのは、全く弱気じゃないと私も思いますわ。

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        そうかなぁ〜、道徳に反すると言ってるよ。道徳に反するという言葉は重いと思うよ、誰の道徳かは知らないけど。

        • by Anonymous Coward

          儒教でしょう。
          権利切れてるけど仁義も切れと。
          えっと、任侠の話でしたっけ?

      • by Anonymous Coward

        著作権法第1条
        「第一条  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

        この出版社側意見のどこが「文化の発展に寄与」するのか、ぜひとも教えてもらいたい。

      • by Anonymous Coward

        >いくら著作権切れとは言え、現在刊行中で実際書店に並んでいる作品であるということを全く無視して、無断でインターネットに公開すること自体が商業道徳に反するのではないでしょうか

        っていうくらいだから、俺の権利をしっかり守れよ、的な意味に聞こえるけどね。弱音より俺様的。おまえら何様だ、みたいな。
        正直、著作権法について詳しくはないんだが

        >1977年に遺族から著作権も買い取った。遺族との絆もある。そういう意味では、その50年後の2027年までは大蔵出版の著作権保護期間であると考えることもできます。

        これが通っちゃうと譲渡し続けると永遠に著作権って切れないよね。

  • 全ての人が納得いく法改正は出来ないのでどこかで妥協はしないといけないわけだけど
    この調子でいけば整備に入る前段階に進むだけでもかなり時間かかりそうですね。

    # 議論することはいいことなんだが・・・

  •  今回のエピソードが象徴してますが、日本の出版文化って良くも悪くも著作権を無視したところで成り立っています。著作権とは似て非なる業界のルールで動いているので、著作権法的には明らかにアウトなことが問題なく行われていたり、逆に著作権法上問題ないことが問題視されたりすることがままあるようです。
     良くも悪くも法律とは異なるルールで動いているので、ちゃんとした法務部を持ってない中小の出版社だとこのあたり法の認識がガタガタというケースは結構多いんじゃないかと思います。
     今回の件も「うちが先にこういう商売してるんだから、後から入ってくるなら筋通してくださいね」と言いたいのだと思います。
     権利買い取ってから50年という主張も、著作権がどうこうではなく、業界慣習としてそうふるまうのが筋という部分に無理やり著作権を後からあてはめているからそういう理屈になるのでしょう。

     では、それが正しいのかといわれると、もちろん間違ってます。これが、相手が同じ出版業界の組織団体ならまだ通る理屈ですが、文化事業の一環でやってる図書館の電子アーカイブにケチをつけるのに、業界慣習の感覚を持ち出されても筋が通ったことになるわけがない。反感を買うのは当然だと思います。

     家庭用の非破壊ブックスキャナScanSnap MV600が発表され、図書館の本を借りて電子化という行為が一般家庭で手軽にできるようになる時代がすぐそこまで来ています。著作権法でこれを止めるのは非常に困難です。
     電子化データの貸し出しならカジュアルにコピーされてしまうことはないですし、出版社的にはむしろ図書館の電子化を推進した方が良いのではないかと個人的には思います。

  • 仏様の言葉を売って金儲け、ですか。さもしいですね…大蔵出版が文句つけなければ、経典が自由に誰でも利用できるというのに。著作権法は権利一辺倒ではなく、著作権者が生活に困窮するようでは困るが、十分に利益が得られたら、後は社会に広く役立てるほうが、というのもあって今は50年と区切られているのだが。だいたい大蔵出版はどのような法的根拠で文句をつけているのか。著作権は編集著作権を含め主張していないから、後は商法の不法行為ぐらいしか訴えようが無い。しかし、これも認められないだろう。それで「商業道徳に反するのではないでしょうか」とか、子供みたいな事を言っている。j自分は、著作権が切れているので仏様には著作権料は払っていません、しかしウチが出版したんだから他所は出すな、と。
  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 12時35分 (#2407880)

    1977年に遺族から著作権も買い取った。遺族との絆もある。そういう意味では、その50年後の2027年までは大蔵出版の著作権保護期間であると考えることもできます。

    http://blog.calil.jp/2013/06/digital.html [calil.jp]

    権利を売買すれば、永遠に保護期間になるのかw

  • 「文化伝承の為に細々と貢献して来たがいらなくなったらお払い箱か、首吊れというのか」
    とか、
    「このような事をされると我々も事業を続けていく事は難しい。
    国会図書館でアーカイブ化出来るものも限られている。
    文化伝承の為にも今回の制限は必要な事である」
    みたいなそれなりの正論かと思いきや、リンク先とんで見れば出てくる言葉は

    「著作権買い取ったらそこから50年は保護すべき」
    「国会図書館がやった事はデジタル海賊版」
    「著作権者がわからなくなっているものは、最初に復刻した出版者に著作権を付与するべき」

    とまあ、「ウチが復刻したモンはウチのモノ」と言わんばかりの内容が無駄に反発を招いてると思うんだよね。
    現状正当な権利が無いのにこういう態度はポジショントークとしても
    逆にマズイんじゃねえのって思っちゃうわ。

  • by duenmynoth (34577) on 2013年06月25日 20時10分 (#2408296) 日記
    権利と利権を履き違えてますね

    #「昔から商売してたんだから法律とか関係無くウチに権利がある」とか言われても・・・
  • 高木貞治プロジェクト [srad.jp]もなんだか残念なことになっていますね。学術書は夏目漱石のようにはいかない、とは思いますが‥‥
  • by Anonymous Coward on 2013年06月25日 12時03分 (#2407845)

    著作権は著作者のためならず。
    文化の発展のためにある程度の権利を設定してるというだけの話なので、商業道徳とかなにそれ?なんですが…
    作者が死んで50年以上たった著作物を無償公開したところで新たな著作物が生まれなくなるとも思えず。

    公開差し止めを主張するなら、差し止める事で創作者達にどのようなインセンティブを与えられるかを説明するべきでは。
    自分たちが商売したいってだけで謎の権利を主張されてもね。

    • by Anonymous Coward

      そりゃ出版社側からすれば自分に不利になるようなことは言わないでしょ。ポジショントークみたいなものです。

    • by Anonymous Coward

      死後50年なんてルールでなく、公開後50年とか100年みたいにもっと分かりやすい権利付与ルールにしないと。

      だいたい、特許なんて出願後原則20年(特許成立後じゃない)で切れるのに優遇されすぎているよ。

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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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