国会図書館による著作権切れ書籍のネット公開、出版社側の異議申し立てにより一部を公開停止 95
著作権なんて飾りですか 部門より
国会図書館がインターネットに公開していた著作権切れの書籍が、日本出版者協議会(出版協)のクレームによって公開が停止された事が明らかになった。停止されたのは、大蔵出版が復刻した「大正新脩大蔵経」全88巻全巻、「南伝大蔵経」全70巻中21巻。
国会図書館は「国立国会図書館デジタル化資料」 「近代デジタルライブラリー」として、積極的に貴重書・準貴重書のネット公開を進めている。今回公開が停止されたものはそれらの資料の一部として、著作権切れ貴重書としての公開が行われたもの。
日本出版者協議会は6/14付プレスリリースにおいて、6/5に大滝国会図書館館長と面談をし、7日には国会図書館・田中副部長から高須会長に連絡が入り「申し入れを受けて、国会図書館でどう対処するかという結論が出るまでは、館内閲覧に限定する」という事になった、と経緯を説明している。
また、出版協は文化庁の出版関連小委員会においても「古典を新たに組み直したり、翻刻、復刻するなどして出版した出版者」「著作権が消滅した未発行の著作物を発行した出版者」などに「一定の条件をつけて一定期間保護するための法的整備を要望したい」として、絶版出版物の復刻などに関しての権利付与を訴えている(詳細は出版協の提出資料を参照のこと)。
これらを受け、一部ネットユーザーや研究者、図書館関係者からは「著作権切れの書籍についてまでそのような申し入れを行う権利はあるのか」、「著作権は著作者を保護するものであり、復刻をしたからといっても著作権切れの著作物に対してまで出版社の権利を主張するのは倫理的に問題があるのではないか」という声が上がっている。
追記@16:00:国会図書館に申し入れを行ったのは「日本出版社協議会」ではなく「日本出版者協議会」とのこと。本文を修正しました。
権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:5, すばらしい洞察)
「一定の条件を付けて一定期間保護」ってそれただの著作権で
作品が生み出された瞬間から発生していた権利じゃないですか。
「他人が作った作品でもう一度儲けるために俺に独占権を与えろ」ってことを言ってるんですよね?
独占権なしに商売するだけじゃダメなんですか?
独占したいんですか?
人の欲は限りがないんですね。
# 富が有限だから独占したいと考えるのか
# それとは関係なく人間の基本的な欲なんでしょうか?
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:5, おもしろおかしい)
># 富が有限だから独占したいと考えるのか
># それとは関係なく人間の基本的な欲なんでしょうか?
欲によって独占したいという当の書籍が仏典だというのが笑い所
Re: (スコア:0)
権利が切れているのは著作権だけで、組版した書籍のデザインなどは別に権利者がいるってことなんじゃねーの?
テキスト化してテキストを読めるようにしてれば問題ないでしょうよ。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:2, 興味深い)
>組版した書籍のデザインなどは別に権利者がいるってことなんじゃねーの?
版面権は、今のところ存在しない(だから、作ってほしいと出版社が希望している)
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:2, 参考になる)
復刻版と全く同じ内容の原版が無料で公開されたら商売にならないとクレームつけられてる。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
出版社に金銭的インセンティブ与えてどんどん電子化してもらった方が社会全体の益になるだろ(と少なくとも出版社は主張してるわけだ)。それが青空みたいなボランティアに負けるならそれはそれで仕方ないけど、税金で民業圧迫して叩き潰すのは絶対に間違ってる。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:2, すばらしい洞察)
夏目漱石は権利が切れてますけど、本屋には相変わらず新刊が並んでいるわけで、叩き潰されてはいないですよ。
「絶対に間違ってる」というのは何故なんでしょうか
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
かつて俺が授業を受けた、著作権法の先生のお言葉があまりにも的確だったので載せておきますね。
「他人の褌で金儲けをたくらむな」
そこで思い出すのは・・ (スコア:1)
著作者よりも「著作権者」や「著作物の利用者」のほうが著作権(または著作隣接権)を強く主張するのは何故なんでしょうね?
Re:そこで思い出すのは・・ (スコア:1)
だから何度でもネズミを延命させる法律を通すわけですね
---
アメリカだもの~
Re: (スコア:0)
>「他人の褌で金儲けをたくらむな」
それが今の商売の基本、その先生は素人か理想家。
一次産業から遠ざかるほど利鞘が大きくなるが証拠。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
立法主旨の話じゃ?
貴方の突っ込みは現代社会でそれが軽んじられてるって指摘なわけで、よろしくないよね。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
テキスト化だって只じゃできねーしな。
出版社に金銭的インセンティブ与えてどんどん電子化してもらった方が社会全体の益になるだろ(と少なくとも出版社は主張してるわけだ)。それが青空みたいなボランティアに負けるならそれはそれで仕方ないけど、税金で民業圧迫して叩き潰すのは絶対に間違ってる。
社会全体の益にはならない。
出版社は利益を出すためにやるんであって、利益が出ない本の電子化をコストかけて行うわけがない。
となるとそれ以外の文献は絶版になって、そのうち失われてしまう。
国会図書館がやろうとしているのは、そういう利益ベースではピックできない本含め、
「全ての書籍を電子化、アーカイブ化」する学術的な野心からのアプローチ。
税金で民業を叩き潰すのは絶対に間違っている、という意見自体には同意するけど、
国会図書館がやろうとしていることについてはおそらく当てはまらない。
むしろ配慮してるから今回一旦止めたんだろうし。
Re: (スコア:0)
そんな感じ。
既にデータベース化されてるようなんですね、このお経。
そっちを電子書籍化すればいいのに、
わざわざ刊行された本を電子化してゴルァされたと。
詳細はわからないけど、これだけ見れば出版側が悪いとは思えない。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:3)
国会図書館がやってるのは、「テキスト化やデータベース化されたお経の電子書籍を作る」のとは違うと思う。
出版された『本』そのものの、写真のようなデジタル保存が目的のようです。
そのデジタル化の際にもしも復刻版の本を撮影して公開されていたのだとしたら、(刊行中とのことなので)
売上げへの悪影響を心配して出版社が異議を申し立てるのは、気持ちとしては分らなくはない。
でも、元々著作権切れのものであれば、そもそもそこまで言う権利は無さそうだ。
デジタル化の際に(復刻版では無い)元の本を撮影していたのだとしたら、完全にお門違いのクレーム
だと思うんだけど。(そのあたりの情報ってある??)
出版社側は、刊行中のものについては(実質的に)著作権切れにならないように要望しているようだけれど。
それを認めるなら逆に、絶版になったものは即時著作権切れと同様の扱いにするとかしないとバランスが悪い。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:2)
絶版マンガを電子化してるJ-comiなんかは、
その問題で苦労というか、努力してますね。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
Togetterでこれの赤松氏の苦労話みたいなもんを見た事有るけど、
権利以前に物理的に原稿を取り返す必要が有って、そこでトボけたりゴネたりされるって話だったな。
「法律なんぞ知った事か俺がイヤだと言っている」的な事まで言い出して
原稿渡さないDQNも居るみたいな話だったな…クボォーかよ
法的には余裕で勝てるんだろうけど一々そういうやりとりすんのは疲れんだろうなあ。
Re: (スコア:0)
>大蔵出版が復刻した『大正新脩大蔵経』全88巻全巻、『南伝大蔵経』全70巻中21巻が、
> 刊行中にもかかわらず、著作権保護期間切れということで、
>原本がネット公開されていることへの異議申し立て・公開中止要求を軸に、
~~~~~~~
>国会図書館のデータネット公開・公立図書館への配信に関して意見を交換しました。
組版もテキスト化も関係なく無理無理な要求なのだと思います。
Re:権利というものは磨り減るんだと認識をはっきりさせてよ (スコア:1)
それは少し言い過ぎかな。復刻版というのはできるだけ原版に近いことに価値があるのが普通なので。
出版社には文化貢献的な意図もあって、あまり売れない資料の復刻を行ってるところもある。
そういう出版社が商売にならないので公開を止めて欲しという主張をするのは理解はできる。
もちろん何の権利も持たないので、それは単なるお願いに過ぎないわけだが。
今回のニュースの価値はそのお願いを国会図書館が受け入れちゃったことだと思う。
個人的には紙資料の入手性を高める復刻より、電子資料の無料公開の方が文化貢献度が高いと判断するんだけど、
図書館とか出版社の価値基準はどうなってるんだろうね。
んなこと言ってたら (スコア:3)
組みなおしたり復刻とかやり続ければ期間とか関係なくなるやん
Re:んなこと言ってたら (スコア:3)
文字だけの小説などの組版はほとんど流しただけなので著作物とはいえないでしょう。つまり、組み直しても著作権は認められない。
(ビジュアルな雑誌の誌面とか、辞書などの誌面ならデザインと呼べるでしょうが)
もちろん、表紙や挿絵を追加した場合、その表紙や挿絵は著作権が認められますから、その新装版を元に著作権が切れた作品として公開する場合、少なくとも表紙や挿絵を避ける必要があるでしょう。
今回の場合はそうではなく、原本の公開にクレームを付けているようなので、それは無理筋と言ったところでしょうが。
著作権とは無関係に、復刻版ビジネスが難しくなるので配慮してくれとお願いする自由はあると思いますが、法的根拠はないと。
法的根拠がないとはいえ、民間企業のビジネスに障害となることを推進するべきか、それとも学術文化活動として、公開を続けるか、それは案外、難しい判断かも知れない。貴重の冊子の復刻版が多数、流通することは、それはそれで有意義とも思えるのだから。
Re:んなこと言ってたら (スコア:2)
竹本泉さん見たく前書きや中書きや後書きをどんどん付け加えていかないと。
らじゃったのだ
なんだかな (スコア:1)
著作権が切れた物に目を付けて売る商売をしておきながら、その著作権や保護を主張するとか浅ましくてもうね…
Re: (スコア:0)
よくわかんないけど、例えば、青空文庫全部ダウンロードして、本にしてISBN打って1冊でも出版したら、青空文庫は自由に配布できなくなるってことなの?
Re: (スコア:0)
え、著作権フリーのものに付加価値を付けて売ったりしてはいけない、というわけではないですよね?
そりゃ自分たちが手間暇かけて作業した部分については権利を声高に叫びますよ。
それが嫌な人は自分で著作権フリーのものを入手すればいい。
Re: (スコア:0)
「作業した部分」なら判らないでもないんですけどね。
プレスリリースによれば「著作権保護期間切れということで、原本がネット公開されていることへの異議申し立て」
らしいですよ。
#著作権が切れた原本に対する権利要求じゃないかと。
Re: (スコア:0)
復刻版を使ったのがマズイのでは?
復刻版の刊行の時期次第では、書面デザインの著作権は切れていない可能性があります。
Amazonで見ると初出が1988年みたいですし。
写真で丸ごとだと問題に成る可能性は十分にあるでしょう。
経典なんかだと素直にテキスト化すれば良いと思うんですけどね。
Re:なんだかな (スコア:1)
使ったのって復刻版なんですか?
プレスリリースの方を見ると刊行中にもかかわらずとか言いつつも、"原本"をネット公開とも言ってて、
凄くわかりにくいです
Re: (スコア:0)
あと、このお経は別途素直にテキスト化されてるみたいですよ。
Re: (スコア:0)
こんな主張が通るなら、早い者勝ちということになりますね
著作権が切れたことにより復刊自体は誰でもできるようになったわけですから、どの出版社が有料で売ろうが、国会図書館や一個人が無料で公開しようが自由なはずです
なんか解釈が錯綜しているようだけど (スコア:1)
復刻版をデータ公開したと読んでる人と、
大元の本をデジタル化して公開したと読んでる人ですれ違いが起こってないか?
記事の文章は正直どちらにも取れてしまう。
日本出版者協議会のプレスリリースでは「原本」と書かれている…が、
これも一応読みようによっては「復刻版の原本データ」を指しているように読めなくもないかも?
法的整備を要望したいとか言ってるあたり、
私は大元の本をデジタル化したけど文句が出た、という話ではないかと思うが…
Re:なんか解釈が錯綜しているようだけど (スコア:1)
ああ、そうですねやはり大元の本をデジタル化したとこに難癖付けられたって話が正しそうですなあ。
Re:なんか解釈が錯綜しているようだけど (スコア:1)
やっぱりそういう話なんですねえ。呆れる。
回帰 (スコア:1)
著作権のもともとの始まりは、
当時のイギリスで古典の出版に独占権を与えたことに見出されるんじゃなかったかな。
古典に評価が与えられ発見や修復にお金をかけて出版される一方で、
一度出版されれば印刷技術の発達でコピーも簡単に行われる。
そのため元の出版者が利益を得られるようコピーライトが必要とされるようになった。
似たような感じでおもしろい。
国会図書館の立場からすれば (スコア:1)
国会図書館の機能としては無料で図書を公開することを目的としているわけじゃなく、国民が妥当な負担ですべての出版物を参照出来れば良いという立場だと思うので、復刻版の入手が容易な間は慌ててネットで公開する必要はないって判断なのかもしれない。
復刻版が不当なほど高くて一般人が入手出来なくて、国会図書館の処理能力を超えるほど多くの閲覧希望者が存在すると考えたら、相手に法的根拠がない以上は公開を続けたかもしれない。
官憲に図書デジタル先導の資格なし (スコア:1)
グーグルも、著作権が切れた図書であるにもかかわらず、どこかの出版社がコピーを出版しているようなものを、
グーグルブックの公開からはずしている。
これらはおかしいが、一民間企業のやることであるから、文句は言えない。
しかし、日本の税金で運営されている国会図書館で一部の出版社の利益に迎合して、接待を受けて、法律に沿わない
公開停止をするなら、国会図書館に図書デジタル化の先導をする資格はない。
国会図書館が、妙な行動をするなら、そのコピーを他の誰もがホームページに貼付けることで、この暴挙を無効に
することができる。コピーによっては著作権は発生しない。
よろしい、ならば戦争だ (スコア:0)
でも、『図書館戦争』の設定はいろいろ頭おかしいと思う。
Re:よろしい、ならば戦争だ (スコア:1)
私は「図書館戦争」というと佐藤明機さんの「楽園通信社綺談」を思い浮かべてしまう。
らじゃったのだ
Re: (スコア:0)
笑えばいんじゃね?
Re: (スコア:0)
https://twitter.com/tarareba722/status/340425278436302848 [twitter.com]
原典の著作権を主張してるわけではない (スコア:0, 興味深い)
これは復刻して売り出したら即デジタル化されたでござるやっとれん、という話なので
原典の権利を主張してはいないでしょう。それなりに妥当な主張に思われますが。
Re:原典の著作権を主張してるわけではない (スコア:1)
「著作権が切れた貴重書を複製して売り出すよ!原本はプレミア価格だから買う人はいるよね」
↓
「原本のデジタル複製を国会図書館が公開しやがった! うちの本が売れなくなるじゃないか! 公開をやめろ!」
って話じゃないんです?
「出版社が複製した本を国会図書館がデジタル複製した」なら妥当な主張かもしれませんが、そうじゃないんじゃ?
Re:原典の著作権を主張してるわけではない (スコア:1)
原典の権利でないという事なら、
・図書館は原典を公開した
・出版は復刻版を出版した
両者は無関係なモノということで訴えが不当だということになります。
原典と復刻版の内容がほとんど同じなら、復刻版について新たな権利は何処に発生したのでしょう。
日本出版社協議会もあるのかもしれんけど。 (スコア:0)
X 日本出版社協議会
O 日本出版者協議会
http://shuppankyo.cocolog-nifty.com/ [cocolog-nifty.com]
じゃないの?大蔵出版という社名も会員にあるし。
釈迦の言葉は誰のものかとは言いたくなるが、法華七喩の方便もある。
現代資本主義社会というものを前に、多くの場合専業の従事者の解説が必要な仏典という性格を踏まえて、
ネットで解放されているのと、商業的に流通し学校の書棚に収まっているのと、
どちらが衆生教化の利となるかは一考の余地がある。
Re:日本出版社協議会もあるのかもしれんけど。 (スコア:1)
失礼しました、タレコミ時の私のミスです。
日本出版者協議会様へも大変失礼いたしました。
こういう時は著作権法を参照してみよう (スコア:0)
# まあ、特許法と違って著作権法の現状は法の趣旨から大きく逸脱していると思うけどね。現状は著作隣接権者の権益ばかり過剰に保護され、ちっとも文化の発展に寄与してない。
Re: (スコア:0)
> 現状は著作隣接権者の権益ばかり過剰に保護され、ちっとも文化の発展に寄与してない。
Youtubeやニコニコ動画では(一部ではあるものの)JASRAC管轄の曲ですらわりと自由に使えて
「演奏してみた」「歌ってみた」もかなり自由に投稿できて
よほど「そのまんま」あるいは「下劣すぎ」で無い限り、二次創作については削除された形跡がほとんどなく
もう消化しきれない程の作品が大量生産されている、この現状が
キミにはどう見えているのか?
Re: (スコア:0)
出版社に便宜をはかる代わりに、
公がやってる文化的事業を出版社に科すようハンドリングしよう
重版や電子化が出版社の負担になるなら、仕方ない
著作権が切れたぶんは税金でフォローしましょう
金で解決できないことなのか? (スコア:0)
嫌儲のにおいがプンプンするぜ