乗客の横幅に合わせて3種類の座席設定が可能となるベンチ型シートに関する特許をエアバスが出願している(
United States Patent Application: 20160039387、
The Vergeの記事、
Consumeristの記事)。
エアバスのベンチ型シートは3席分程度の横幅で、座面と背もたれはそれぞれ1面ずつになっており、太った大人2名、普通の大人3名、大人2名と子供2名という3種類の座席設定が可能となる。シートベルトは座席設定によって位置を変更でき、アームレストは背もたれに格納されており、2人掛け用と3人掛け用に合わせた位置から引き出せるようになっている。4人掛け用のアームレストは両端のみとなるようだ。背もたれについては固定されていることが望ましいとされ、通常の背もたれを起こした状態と倒した状態の中間に固定するという例が提示されている。
通常の旅客機では座席の幅が固定されており、太った乗客には狭いことがある。
1名で2席分の座席が必要な乗客に対する特別料金を設定している航空会社もあるが、座席は分離しているため座り心地は悪く、シートベルトも扱いにくい。一方、2席分の幅までは必要なくても1席に収まらなければ2席分を予約するほかなく、体の小さな子供も1席分を占有する。ベンチ型シートは座席設定を柔軟にすることで乗客の利便性を高めつつ、より多くの乗客が搭乗できるようにしたい航空会社の要望に応えたもののようだ。