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医療

偽薬を偽薬と知って使用しても精神的苦痛の緩和に効果があるという研究結果

タレコミ by headless
headless 曰く、

被験者が偽薬を偽薬と知って使用した場合であっても、精神的苦痛の緩和に効果がみられたという研究成果をミシガン州立大学などの研究グループが発表した(MSUTodayの記事SlashGearの記事論文)。

偽薬は有効成分を一切含まないにもかかわらず、効果を期待して使用することでさまざまな症状を改善できる。しかし、患者をだますという倫理的な問題が幅広い利用の妨げになっている。患者をだまさずに偽薬を使用する研究は既に行われているが、過去の研究では偽薬の効果が明確ではない外傷の治癒速度といった領域を対象にしているため、偽薬と知って使用した場合の効果を客観的な生物学的基準で観察できていないという。

今回の研究では2つの実験を通じ、有効成分を含まないと知りつつ使用した偽薬が好ましくない画像を見た時の精神的苦痛を緩和できるかどうか検証している。実験1(被験者62人)では40枚の画像(好ましくない画像30枚、中立的な画像10枚)をそれぞれ見た後で、どのように感じたかを1(全く好ましくなくはない)~9(非常に好ましくない)の9段階で被験者に報告してもらう。実験2(被験者198人)では60枚の画像(好ましくない画像30枚、中立的な画像30枚)を見せ、事象関連電位の後期陽性成分(LPP)を測定している。

偽薬は生理食塩水を点鼻スプレーにしたもの。被験者は偽薬だと知らせて使用する偽薬群と、記録のために必要な薬品だと伝えて使用する対照群の2群に分け、点鼻を行ってから実験が行われた。偽薬群には偽薬と知らずに使用すれば精神的苦痛の緩和に効果があるとも伝えてある。その結果、中立的な画像を見た場合には2群の間に違いは見られなかったものの、偽薬群では好ましくない画像を見た場合に受ける精神的苦痛が小さくなったとのこと。

今回の研究では、実験者が聞きたいことを被験者が答えることによる回答の偏りを超える範囲で、偽薬だと知りつつ使用した偽薬が少なくとも精神的苦痛の領域で効果を表すことが示された。今後は今回の研究成果の一般化可能性について研究する必要があるとのことだ。

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