住民基本台帳ネットワーク統一文字の完全変更
本日2013年4月1日付で、住民基本台帳ネットワーク統一文字が完全に変更された。これまでは、21170字を収録した16ビットコードだった住基文字は、本日を機に16~64ビットの多倍長コードとなり、戸籍統一文字をも全て包含するものとなった。実は、昨年3月におこなわれた「住民基本台帳ネットワークシステムの統一文字の文字種追加作業」の入札は、傍目には不調に終わったかに見えたのだが、その実、追加作業は着々と秘密裡に進められていて、とうとう今日の秘密リリースに至ったわけである。ウラを明かすと、先週3月26日に起こった住基ネットの大規模障害は、今回の住基文字変更と無縁ではない。本来は、今日の時点で流されるはずだった完全移行の「大号令」が、ミスで3月26日朝にLASDECから流れてしまい、既に移行準備の終わっていた200ほどの自治体のコミュニケーションサーバが、その「大号令」に反応してしまったのだ。ミスに気づいたLASDECは、すぐに「大号令」の取り消しをおこなったが、これらのコミュニケーションサーバからは新しい住基文字で通信が始まってしまい、その結果、住基ネット全体で24時間以上にも渡る大規模障害となったわけである。
なお、私(安岡孝一)自身は、今回の住基文字変更をかなり苦々しく感じており、その旨を『住民基本台帳ネットワーク統一文字の問題点』(情報管理, Vol.55, No.11, pp.826-832)でも事前に指摘したつもりだったのだが、総務省にもLASDECにも見事に無視されてしまった。しかも、今回の作業に関しては「機密保持誓約書」とやらがあって、大規模障害を起こそうがどうしようが、一切が外部に公表できないのだそうだ。まあ、今日はエイプリルフールなので、この文章自体が全くの「嘘」だということにして、ここに書いておくことにする。あくまで全くの「嘘」なので、読者はそのつもりで。