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JASRAC、「生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方」を発表 28

ストーリー by nagazou
考え方 部門より
n日本音楽著作権協会(JASRAC)は24日、「生成AIと著作権の問題に関する基本的な考え方」を発表した。それによると、生成AIによってクリエイターの著作物が無制限に学習され、代替のAI生成物が大量に出回ることで、文化芸術の持続的発展が阻害される懸念があるとし、クリエイターが安心して創作に専念できるよう、AI利活用の枠組みを創造のサイクルと調和させることが必要だとしている。大まかな方針としては以下の4項目が示されている(JASRACリリースPHILE WEB)。

1. 人間の創造性を尊重し、創造のサイクルとの調和が必要である
生成AIの開発・利用は、クリエイターや文化の発展にとって有益なものとなり得るが、一方で、AIによって著作物が無制限に利用され、AI生成物が大量に流通することによって、創造のサイクルが破壊され、文化芸術の持続的発展が阻害される懸念がある

2. フリーライドが容認されるとフェアではない
著作権法第30条の4の規定により、営利目的の生成AI開発に伴う著作物利用が原則として自由に行われることが認められるが、これにより多くのクリエイターの努力や才能、労力がただ乗りされることになり、公平ではない

3. AIの国際的な調和を確保すべきである
AIには国境がなく、国際的な流通が容易であり、世界中に影響を及ぼすため、国際的な共通の考え方やルールを整合させる必要がある。日本は他のG7諸国と比較して著作物の利用に関する制限が特に緩いため、大きな懸念がある

4. クリエイターの声を聴き、懸念の解消を図るべきである
現状では多くのクリエイターが生成AIに対する懸念を持っている。議論を深め、国際的な調和を図るためには、クリエイターの意見を広く丁寧に聴くことが重要であり、彼らの懸念を解消し、文化芸術やコンテンツビジネスの持続的発展を図る必要がある
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 著作権法って元々は「フリーライダーが市場を破壊する問題」を解決することを目的にして生まれた概念で(参考 [srad.jp])、新しい技術への対応も原則ここを念頭に置いて考えられる。

    なので、著作権法の改正は、ほとんどのケースで「新手のフリーライダーをどうするか」という点に収束するわけで、AI生成コンテンツに対してもやっぱり同じ考え方が適用されることになる。
    プロンプトエンジニアリングがどんなに素晴らしい技術であっても、ベースになってものが著作物である限り、フリーライド的な使われ方は著作権法の理念としては許されない、という結論にならざるを得ないだろう。

    その意味で、今回発表された考え方は著作権法の理念通りの内容であると思う。

    落とし所をどうするか、はまた議論が必要ではあるだろうけど、ネットで公開して好きに使わせる、というのが容認できないのはおそらく音楽でもイラストでも文章でも同じじゃないかと思う。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • クリエータも生成AIが作ったものを参考にするということが一般的に起きそうですので,
      生成AIがフリーライダーとは言い切れないように思います。
      実際,ChatGPTの文章を下地に文章を書くということはかなり行われています。

      親コメント
      • >生成AIがフリーライダーとは言い切れない
        生成AIがフリーライダーに利用されていることが問題なので、生成AIがフリーライドかどうかは論点にすらならないです。
        今回のJASRACのやつだって「フリーライドが容認されるとフェアではない」とは言ってるけど、生成AIがフリーライダーであるとは言ってないでしょ?

        おそらく、JASRACは生成AIに可能性があることをわかった上で、だめな使い方を容認、あるいは黙認する形で生成AIが公開されていることを懸念してます。
        「クリエイターの意見を広く丁寧に聴くことが重要」って言ってるのは、生成AI推進するなら、フリーライダーに業界荒らされないように配慮すべきで、そのためにクリエイターにちゃんと理解を求める努力をしろってことだと思いますよ。

        --
        しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
        親コメント
    • 著作物を学習したAIの学習元になっているクリエイターに適切な利益が配分できる仕組みが作られるなら個人的には歓迎するのだけども…
      他ツリーでもあるように、私的AI生成補償金みたいなものができるのかなあ

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        著作権利用料にかかる所得税を減税するというのはどうだろうか。
        これなら、ある程度の客観性を保証できるし、配分のための団体を運営する経費も節約できる。
        対象を現在の制度で源泉徴収されているものに絞ることで、最小の制度変更で実行可能でもある。

      • by Anonymous Coward

        AIの学習元になっているクリエイターも、AIの利用を取り入れるのが現実的だと思うのだが。
        どう転ぼうとも、利用しないと生産性で競争に勝てない時代がくるのは時間の問題なのだから。

    • by Anonymous Coward

      参考文献に書かれていないことをさも書かれているかのように書くのはさすがにどうかなぁ。

      • by Anonymous Coward

        さもリンク先の記事が文献かのようなコメントだが、ラジオ番組の記事にたいしてそれはどうかなぁ。

  • by Anonymous Coward on 2023年07月27日 15時24分 (#4501623)

    5.クリエイターへの利益還元は、我々JASRACにぜひお任せください。パソコンやスマホから一定料金徴収します。
     
    ってのが隠れてそう。

    • by Anonymous Coward

      ほんとこれ
      どんだけ主張が正しくともJASRACとだけはno thank you

    • by Anonymous Coward

      それは私的録音録画補償金管理協会 [sarah.or.jp]のほうでは
      まあ似たような連中が噛んでるんだろうけど

      • by Anonymous Coward

        > それは私的録音録画補償金管理協会のほうでは
         
        そうですね。
        JASRACメソッドで例えるなら、Webを巡回してAI絵使ってるの見つけたら料金徴収凸ですかね。

    • by Anonymous Coward

      直収システムが主流になったらと警戒しているのか。
      それじゃあ、直収システムにするのが正しいな。
      どうせ配布はネット経由なんだし、ネット完結でいいよね。
      クラウド収用システム構築代行業にでも業態転換(転職ね)するといいよ。
      あ、税金対策をお忘れなく。

    • by Anonymous Coward

      5.クリエイターへの利益還元は、我々JASRACにぜひお任せください。パソコンやスマホから一定料金徴収します。
       
      ってのが隠れてそう。

      文末にに夜露死苦 邪吮羅苦も入れましょうか

  • by Anonymous Coward on 2023年07月27日 15時41分 (#4501638)

    著作権における問題は表現方法のパクりなんだから、
    それをきっちり監視すれば良いのに。
    楽曲の類似性の判定が、学習して生成するより難しいとは思えない。

    • by Anonymous Coward

      んなこと言うと 無限の猿定理 [wikipedia.org]が出てきちゃうぞ。
      少しの類似も駄目とか言い出すと、なんもクリエイトできなくなる。猿が先に作ってんじゃん! って言われる。

      無限の猿定理、かつては単なる思考実験だったけど、AIとCPUパワーで現実性を帯びてきた。
      もし、AIが大量の作品を作って公開したとする。
      AIに著作権は無いので、パブリックドメインになってしまう。
      すると、それに類似した作品は全てAI作品の翻案になる。著作権どこ?

      AIには著作権無いとしたら翻案も無いから、AIからのパクリ作品がオリジナルになってしまうが、それは既に公開されている。
      AI作品

      • >少しの類似も駄目とか言い出すと、なんもクリエイトできなくなる。猿が先に作ってんじゃん! って言われる。
        >無限の猿定理、かつては単なる思考実験だったけど、AIとCPUパワーで現実性を帯びてきた。

        SpotifyはAI作成楽曲が溢れすぎてるし(削除された)
        https://gigazine.net/news/20230510-spotify-removes-ai-generated-songs/ [gigazine.net]

        Amazonの写真集のランキングはAIグラビアがほとんどを占めている

        著作権というよりも売り場の占有によって人間はAIに支配されてしまうのかもしれない

        親コメント
      • by Anonymous Coward

        著作権は複製を作る権利なので、偶然同じものができたときは関係ない。パクリにはならない。著作権的には。
        特許や商標とは違うんだよ。

        これからはクリエイター志望者は生まれたときからクリーンルームにこもるべきだな。
        そうすれば著作権を主張できることが明らかにできる。

        パブリックドメインの方じゃなくて、それが使われるかどうかはけっきょくそのものの価値によるな。
        プロプライエタリのソフトとそれに似たフリーソフトと同じだよ。

      • by Anonymous Coward

        偶然似たようなものができるのは問題ない。

        著作権侵害は似ていることと、その著作物を元にしたこと(人間の場合はその作品を見たことがあると証明されると依拠性が認められる)の両方を満たしているのが条件。
        似てるだけなら著作権侵害にはならない。

    • by Anonymous Coward

      音楽なんてパクリだらけの世界なのにね。
      パクリだ!って非難されたらオマージュ・リスペクト・サンプリングとか言っとけば許される。

      • by Anonymous Coward

        それを言ってしまった時点で、権利処理ちゃんとやってないならパクり元の作品の権利保有者との交渉が必要になりますが。

      • by Anonymous Coward

        まともな「オマージュ・リスペクト・サンプリング」するクリエイターは、その元権利者に対して適切に権利処理を行っています。
        あるいは権利がフリーであることが保証されたソースを使用しています。

        • by Anonymous Coward on 2023年07月28日 2時20分 (#4501932)

          そういう論調なら、AI学習も日本の法律上は権利に問題ないのだから、認めなければなりませんね。
          法規外のお気持ちでJASRACは述べているのだから、法規上の権利で話すのは得策ではありません。

          親コメント
    • by Anonymous Coward

      ラップによる切り貼りに比べれば、AIの場合には類似性の立証が難しかろう。
      楽譜にしたところで、1小節も一致しない物を類似性があるとは立証できない。
      AIがやっているのは、統計亭処理でしかない。

      今までだって、統計的な出現予測で、○○風の曲を自動生成するなんてものがあったが、著作権違反を証明できた事例はない。

  • by Anonymous Coward on 2023年07月29日 8時14分 (#4502557)

    どーせ金せびるだけの話に落ち着くかと思いきや、
    思ったよりはマトモな観点の話だったので意外だった。
    でも具体性も無いから現状は懸念を表明したのみって感じかな。

    具体的な対応が出来ないか、出るには出るけど金の無心が付いてくる
    あたりオチに行き着きそうで正直期待はしてない。
    まぁこの面倒な組織が懸念側に立ってるってだけでも多少はAI信者の牽制の役には立つか……

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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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