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アメリカ合衆国

Democracy Index 2016、米国が初めて「欠陥のある民主主義」に区分される 119

ストーリー by headless
欠陥 部門より
The Economist Intelligence Unit(EIU)による国・地域別の民主主義指標「Democracy Index 2016」で、米国が初めて「欠陥のある民主主義」に区分されている。

Democracy Indexでは「選挙プロセスと多元性」「正常に機能する政府」「政治への参加」「民主的な政治文化」「市民の自由」の5つのカテゴリーで各8~17問を0~1点で評価する。各カテゴリーのスコアは10点満点に換算され、全カテゴリーを平均したスコアにより「完全な民主主義(8点以上)」「欠陥のある民主主義(6点以上8点未満)」「混成政治体制(4点以上6点未満)」「独裁体制(4点未満)」に区分される。

米国は2006年にEIUが初めてDemocracy Indexをまとめて以来、完全な民主主義に区分されていたが、2016年は「正常に機能する政府」カテゴリーでスコアを落とし、トータル7.98点で欠陥のある民主主義に区分された。これは大統領選挙の結果を受けたものだが、当選したトランプ大統領の問題ではなく、選挙結果が既存の政治体制に対する不信を示すものだからだという。

Democracy Index 2016のサブタイトルになっている「Revenge of the "deplorables"」は、ヒラリー・クリントン氏による「トランプ候補の支持者の半数は人種差別主義者や性差別主義者、同性愛嫌悪者、外国人嫌悪者、イスラム教嫌悪者といった嘆かわしい人々(deplorables)だ」という選挙期間中の発言が元になっている。

米大統領選挙だけでなく、英国のEU離脱(Brexit)に関する国民投票の結果や世界各地でのポピュリズム台頭も、既存の政治エリートが一般大衆の利益を代弁しなくなっていることへの反発の現れだ。しかし、これらは民主主義の勝利ではなく、現代における民主主義の危機的状況を示すものだという。

なお、日本は2014年まで完全な民主主義に区分されていたが、2013年に成立した特定秘密保護法が2014年12月に施行されたことや、自民党がメディアに圧力をかけたと報じられたことにより、2015年には「市民の自由」でスコアを落とし、トータル7.96点で欠陥のある民主主義となった。

2016年は「政治への参加」でスコアを伸ばしたものの、「選挙プロセスと多元性」でスコアを落とし、トータルでは7.99点で引き続き欠陥のある民主主義となっている。ただし、順位は前年の23位から20位まで上昇しており、2008年以来初めて米国を上回った。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 民主主義は多数決の結果最も最適な政策が選ばれることを暗黙の了解にしているけど、その前提が正しくないと思う。
    イギリスのEU離脱の件もそうだし、トランプ騒動も、民主主義の正当なプロセスに則っても主権者が判断を誤って非合理な選択をしてしまう場合がある、と言うことなんじゃないかなぁ。

    民主主義が正しく実行されているのではなくて、民主主義自体が構造的欠陥を抱えていて、たまたまその欠陥を踏み抜いてしまったのが今回の結果なのでは。

    まあ、欠陥があると言っても、今のところ他の政治体制に比較すると一番ましなので、民主主義を採用するしかないと思いますが。

    --
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    • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 15時37分 (#3151722)

      スラドのモデレ(略)
      # まず、参加者数が多くないとダメでしたっけ?

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 16時24分 (#3151750)

      民主主義は一人一人が権利の自覚をしていて賢い事を前提とした物ですから・・・
      昔はその権利がなかった、意見を通したかった!って事で民主革命やらで権利を手に入れましたけど
      人間慣れるわけで慣れてくるとどうでもよくなるんです。
      だから、だんだん愚衆政治になっていってしまうわけで・・・。

      第二次大戦の反省としてヨーロッパでは枠組みをなくして一つになっていこうって努力をしましたが
      何故二次大戦が起こったのかという反省を忘れた結果イギリスはEU離脱するんだ!と言い出しちゃった。
      アメリカも忘れちゃったからブロック経済するもーん!みたいなことを言い出した。
      よく言われることですけど「戦争を知らない世代」が増えた結果とも考えられますよね
      (この場合の戦争はイデオロギーなんかの戦争)

      馬鹿だなぁと自らを賢いと考えてしまっていますが私も馬鹿なんでしょう
      大体私は中道右派ですが左の人が居てもいい、いるべきだと思いますしそれぞれの多様性こそが大事だと信奉していますが
      そういうことをいうと右派の人にはチョンだなんだと罵倒され左派の人には右翼だなんだと罵倒する人が多いです。

      何が言いたいのかわからなくなってきた

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2017年01月29日 0時45分 (#3151914)

      > 民主主義は多数決の結果最も最適な政策が選ばれることを暗黙の了解にしているけど、その前提が正しくない

      それは民主主義の一面に過ぎませんが、多数決だけを民主主義だと考えるとそういう結論になります。
      そもそも単純な多数決自体、政策なり何なりに対して存在するはずの多軸なものの考え方を賛成か反対かの二分論に持ち込んでいる時点で
      あきらかに「おまえらバカだから○×だけ投票すればいいんだ」という、一種の反知性主義が含まれていますし。
      (そういえば不可能性定理 [wikipedia.org]などという、多数決民主主義の最適性不可能証明すらありますね)

      けれど小学校あたりで別のことも習いませんでしたか。「多数決に頼るのは最終手段である」とか。「ちゃんと話し合え」とか。
      歴史的に民主主義を見れば、①多数決による人民の意志を重視し知的議論や少数派を弾圧するフランス系あるいは大陸系の革命民主制
      (広義ではナチスもソ連もこれに含まれる)に対し
      ②英国系の、知性と人権に依拠し、議論にもとづく弁証法的決定過程を経てより最適な政策に接近することを重視する議会主義というものがあって
      どっちも民主主義という看板を掲げていたけれど両者は同じものではありませんでした(主意主義と主知主義の違い程度には違います)。
      現代的な民主主義はその両者の折衷あるいはハイブリッドと考えることができます(ダールのポリアーキー論 [wikipedia.org])。

      現実には②の知性を使った議論ができるのは結局エリートと思しき人たちなので(実際英国は政治への参加をエリートに限り、長いこと制限選挙を行っていた)
      エリートによる議論の成果が破綻した場合は反対側の①の反知性主義的な多数決の暴力のほうへ針が振れてしまいます(これが実際に起きていることです)。
      ただ、今の世間的な流れがそうだからといって、議論(とそれを保証する人権)を捨ててあるいは無視して民主主義を考えるというのはいかにももったいない。
      アローの不可能性定理にしても、議論をくりかえした場合によりまともな(というより功利主義的な)結論が出ることは否定されていませんし。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      WWI-II戦間期と同じこと繰り返してるのかなぁ

      >民主主義が正しく実行されているのではなくて、民主主義自体が構造的欠陥を抱えていて、たまたまその欠陥を踏み抜いてしまったのが今回の結果なのでは。

      当時の時点において、世界一優れた民主主義体制と言われたワイマール憲法下で、
      「合法的に」ナチス体制が憲法を停止して権力を把握した。
      #ちなみに「法に反していない」という意味で「合法的に」であって、正or邪としては何とも言えん方法を取っている

      イタリアのムッソリーニ体制(ファシズム)を代替の理想の制度として、当時は「衆愚的な民主主義は欠陥体制だ」という思想があった

      >まあ、欠陥があると言っても、今のところ他の政治体制に比較すると一番ましなので、民主主義を採用するしかないと思いますが。

      それを受けて、独伊と戦ったチャーチルの名言のその通り。

    • by Anonymous Coward

      米国の一般労働者(≒有権者)を顧みない際限のない国際主義や移民の受け入れ、つい20年前迄IRAテロに苛まされていた英国民に、テロに怯える仏国民が如き状況を再び招来するであろうEU流の国境管理制度維持を受け入れろとか、ここ数年大もめだったギリシャ通貨危機を招いた通貨統合を含むEUの際限のない膨張が、全て無条件で正しいと断言できるとは、凄い見識。

      • ここ数年大もめだったギリシャ通貨危機を招いた通貨統合を含むEUの際限のない膨張が、全て無条件で正しいと断言できるとは、凄い見識。

        別の視点では、結果的にユーロ安になり、ドイツは輸出で有利に商品売りさばけたともいえるかも。
        独仏が貿易で儲けても、スペインギリシャイタリアが原因でユーロ安になる仕組みが正しいかどうかは不明だけど。

        親コメント
  • 民主主義を捨てるといっても、右派の方向性じゃなくて、
    いわゆる"リベラル"に向けての話なんだが。

    「ポピュリズム」という言葉があちこちに出ているけど、
    これは左派リベラルにとって都合の悪い風潮が広がれば「ポピュリズム」と呼び、
    都合が良ければ「民意」と呼んでいるだけ
    の話だ。

    そこにあるのは、自分の主義主張にとって都合がいいかどうかの弁別でしかない。

    不思議なのは、こういう人たちが民主主義を捨てないことだ。
    自分の理想に合わなければポピュリズムと呼んで切って捨てるというなら、
    それはもう民主主義じゃなく哲人政治かテクノクラシーだ。

    だったら、さっさと民主主義を捨てて哲人政治を目指せばいい。

    それなのに表面的には民主主義を標榜したがるのが理解できない。
    現代日本の"リベラル"が求めているのは、どう見たって哲人政治かテクノクラシーだ。
    「世間の風潮がどうであれ素晴らしい理想を持ったオレたちが人々を指導していく」という思想なのだから。

    正直に捨てればいいのに、なぜ民主主義を捨てない?

  • by StandardIO (47182) on 2017年01月29日 0時10分 (#3151911) 日記

    ずっと55年体制なのに20位とはこれ如何に。

  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 14時33分 (#3151689)

    記者クラブというしくみがおかしいと言われていて、評価を下げられている原因のひとつなのに、その指摘はなかったことにして触れようとすらしない。
    日本のメディアの中の人は心に棚がいっぱいあるんですね。

    • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 16時08分 (#3151739)

      もっとおかしな外国人記者クラブが有るじゃ無い。それにEconomistにはデイビッド・マックニール居るよね。

      親コメント
      • 民主主義を標榜してる国で、記者クラブをこれだけ排他的な組織として、官民共同でシステマティックに構築運営してる国は殆ど無いですよ。

        日本の記者クラブの場合、
        ・官庁内に、一部企業への常駐場所をタダ同然で貸し出し続ける(電気代や通信費などもかなり持つ)
        ・記者会見等で、記者クラブ参加社以外を締め出すようなやり方を、「記者クラブに委任する形で」行ってる
        ・記者クラブ参加社の記者と、官庁幹部が頻繁に会合や飲食会を行ってる。
        と言う問題が指摘されてる訳ですよ。

        要は、官庁が一部の会社に対して排他的な便宜供与をする見返りに、その会社は官庁に不利な記事を載せないどころか、有利になる記事や論調を続けるという水面下での暗黙の「約束」をベースに廻されてる訳です。

        これ、非常に悪質なカルテルでもあるし、マスコミ自体も腐りすぎてしまうから問題なんですよ。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 14時58分 (#3151705)

    評価する側の人間(=リベラル)が正しいと思っていることに沿った政府が正しく、
    評価者の思想が国民の大多数の考えとズレた国は低く評価されるってだけでは?

  • このような愚民共は我々の様な、人種や性への偏見を持たず、多様な愛の形態に慣用で、外国と共に共存できる友愛に満ちた優れた人々に教導されねば生きている価値も無い!
    民主主義とはその為に存在するのだ!!

    …トランプ氏が勝った理由というのはものすごく単純で、上記の様な価値観を是としない有権者から一定程度の支持を受ければ当選できると判断し、その為に必要な行動・言動を行っただけの事。
    ヒラリー女史の得票総数>トランプ氏の得票総数なのも当然で、トランプ氏は「何をどうやっても自分には投票しない、この州では勝てない」という州を全部切り捨てただけ。あとは「自分が勝てる州では程ほどに、接戦州では全力で。最後に選挙人の総数で勝てれば勝利だ」という至極単純な戦略を愚直に最後まで貫いたから。

    アメリカ国民の今回の選択が「正しい」選択なのか、「善い」選択なのかは解らないし、米国民ではない私が口を挟む事でもない。しかし彼は紛れもなく、制度に則り、(少なくとも現在までに判明した限りでは)選挙での不正もせず、「このような人間が大統領に就任する」と憲法と法律に定めたとおりの米国民の支持を集めて就任した、紛れもなく民主主義を体現する国家元首であるとは断言できる。
  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 18時06分 (#3151789)

    要するに自分たちと異なる意見を批判してるだけなんだけど、それを「民主主義の欠陥」と呼び、ポイント制を採用して客観性を演出するあたりが上手さだよね。

    政治宣伝はかくあるべしという見本のようなやり方といえるだろう。
    世界中の独裁者たちにとっては見習うべき点が多々あるだろう。

  • by tomorou (37252) on 2017年01月28日 13時36分 (#3151666)

    「マスコミのモラル」

    「共産主義(グローバル主義)側に立つマスコミ」が多すぎ。
    アメリカですら日本と変わらない酷さだったのが驚き。
    そのなかでのトランプの当選や安倍政権の選挙勝利は民主主義の健全さだと思いますけどねえ。

    • by Anonymous Coward

      君の頭の中では共産主義とグローバル主義は似たものなのかw

      • by tomorou (37252) on 2017年01月28日 14時05分 (#3151676)

        もっといえば帝国主義とも似ている。
        国境の否定、各国の既存文化・風俗の破壊、格差の極大化、既存思想への非寛容的攻撃性。

        マスコミこそが反民主主義の構成装置となり果てているのに各国の民主度を裁くとは乾いた笑いしかでませんがな。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          思想や手法、主義と民主主義か反民主主義かは結びつきません。民の合意に基づいて政治的決定を行うのが民主主義です。イギリスは第二次大戦前に普通選挙を導入しましたが帝国主義は維持されました。国家社会主義ドイツ労働者党は極めて社会主義的(国家社会主義と社会主義の違いなんて紅と真紅くらいの違いしかないと思うが)な政権運営を行いましたがその権限は民主主義的手法により与えられたものです(相当反民主主義的ではあるがまあドイツの法律がそうなってたからしょうがない)。
          それに各国の既存分化・風俗を破壊しているのは各国の国民でしょう。
          ああ別に私はあなたが適当なことを言うのを止めはしませんよ。あなたが私が適当なことを言うのを止めようとしなければ。

        • by Anonymous Coward

          人間には何かを維持する努力をする権利もある何かを放棄する権利もある。
          グローバル化によって文化が均質化していくのは人が楽な方向に流れていくいきものだから。
          人類の進化の結果が文化のグローバル化ですよ。それでも国ごとに違いはあるのだからそれでいいではないか。
          民主主義を尊ぶのであれば文化を捨てるか守るかも民主主義的に決めようではないか。

      • by Anonymous Coward

        マスコミのモラルについてはノーコメントですか?

    • ばかは自分がばかだってわからないからな。

      • by Anonymous Coward
        と、バカが申しております
    • by Anonymous Coward

      結局、「国民の賢さ」というのも足りなかったということでは。
      # 選択が賢くなかったという前提であればね

    • by Anonymous Coward

      少なくともポピュリズム台頭はマスコミの責任は大きいでしょう。
      大衆迎合、わかりやすさ第一、感情に訴える手法などなど。

      それとマスコミ自体は特に主義主張は持ってないと思いますよ。
      グローバル主義寄りに見えるのは、単にスポンサー企業がグローバル経済主義だからそれに合わせた論調になってるだけかと思われ。

  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 14時02分 (#3151674)

    もちろん評価する自分たちは賢い市民だからな。

    • by Anonymous Coward

      エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの国ランキングほど信用性のない指標はないわ

      • by Anonymous Coward

        「自分たちに都合の悪い選択をするものはすべて愚か」
        という主張でしかないものをバーンと発表しちゃう組織ですし

      • by Anonymous Coward

        分析・予測はさておき、元データは結構使えるぞ>EIU

  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 14時30分 (#3151687)

    とても民主主義とはいえないな。
    憲法より上位にある安保と日米地位協定があるし
    封建主義でもない、植民地支配下

    • by Anonymous Coward

      元記事の調査では、少なくとも選挙はインチキではないのでは?

  • by Anonymous Coward on 2017年01月28日 15時56分 (#3151731)

    ランキングの信憑性は、EU各国の結果がどうなってるか次第だなぁ。

    • by Anonymous Coward

      もちろんランキング上位は西欧ばっかりだよ。わかってるくせにー。

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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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