知財制度専門調査会、フェアユース規定の導入を提言 22
ストーリー by nabeshin
図書館や学校が特例だとみなが認識できている? 部門より
図書館や学校が特例だとみなが認識できている? 部門より
デジタル・ネット時代における知財制度専門調査会(政府・知的財産戦略本部内)は、「フェアユース規定」の導入を提言した(Internet Watchの記事、報告案、意見募集の告知)。報告書案では、個別の権利制限規定(図書館や学校での複製はOKといった類の例外規定)を拡充するだけでは新たな技術やサービスの出現に柔軟に対応できないとし、公正利用(権利者の利益を不当に害しない利用)であれば許諾なしでの著作物利用を認めるべきと提案している。これがそのまま法制化されるというわけではなく、途中で横やりが入れられる可能性は高いと思われるが、利用者の権利拡大へ向けた重要な一歩と言えるだろう。
関連記事 (スコア:3, 参考になる)
ニュースリリース [jasrac.or.jp]
フェアユース議論、利用者側の声も聞いて~MIAUが要望書 [impress.co.jp]
ニュースリリース [miau.jp]
簡単にまとめるとこんな感じ
音楽権利者団体:
権利者にお伺い立てずにそんなの導入するのは不公平だろう。権利者加えて議論しなおせ。
MIAU:
議論しなおすならユーザーも加えてよ。じゃないと不公平だし。不公平はよくないよね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
古文しか載ってないウィキクォート日本語版 (スコア:2, 興味深い)
現状の著作権法でも引用はかまわないと思うのですが、著作権厨が幅を利かせていてニンともカンとも。
英語版は読んでいて楽しいです。
love && peace && free_software
t-nissie
Re:古文しか載ってないウィキクォート日本語版 (スコア:3, すばらしい洞察)
日本の著作権法にいう「引用」は、評論や例示等のためでなくてはならず、引用の量が必要最小限でなければならず、かつ、分量等から見てその引用以外の文章の「従」になっていなければならない。さもなければそれは「引用」ではなくて「複製」であり、著作権者の許諾を要する。
Wikiquoteの方針と日本の著作権法を照らし合わせると、著作権の切れていない文章を載せていた場合に著作権者から訴えられた場合に抗弁できないのです。抗弁できる理論があれば是非是非ご教示を。
Re:古文しか載ってないウィキクォート日本語版 (スコア:1, 参考になる)
方法論自体は簡単でしょ。日本の著作権法を改正すればいい。
DL違法化が利権団体による民事裁判を起こしやすくするため等々を含めたネット全般における利用の萎縮を目的としたのものであれば、今回のフェアユースの提言がそれに対向する法改正を視野に入れていることぐらいわかるでしょう。
時代背景や状況に公正に順応して変更のできないルールなぞ何の意味がある。ましてほとんど民意を汲まず基本的に出版社のために作られた(てる(<現在進行形))著作権。
変わる必要のないルールはそのルールのおよぶ世界が変わらなかったから変わらなかったのであって、そうでないならば変わるべきだ。
だから私的複製だろうとデジタルコピーには課金可能にして、輸入CD規制も成立して、DL違法化もほぼ確定してしまったんだろ?それが公正な順応であったかどうかは別として。
それらの利用主体(お金を払って買っている消費者!)であるユーザーがフェアユースを求めることが不公正であるといえるのだろうか。そしてフェアユースが認められたならばそれに関連する著作権法を改正するための足がかりになるだろう。その時に引用の定義が見直されないと誰が言えるのだろうか。
# 多分あちこちつつかれるだろうけど反論する気も無いので書くだけ書いてACで
Re: (スコア:0)
>それらの利用主体(お金を払って買っている消費者!)であるユーザーが
きちんと金払ってくれてるならね。
Re: (スコア:0)
Re:古文しか載ってないウィキクォート日本語版 (スコア:1)
例: http://en.wikipedia.org/wiki/Category:Haruhi_Suzumiya_images [wikipedia.org]
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
国も多少は必要性があると思っているはず (スコア:2, 興味深い)
まあ、あと国産サーチエンジンを作ろうとしたらやっぱり「キャッシュ」などはフェアユースにならないといけないし。
-- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
Re: (スコア:0)
ですよね。だから個人でサーチエンジンを立てれば、ダウンロードしたファイルも「キャッシュ」ですよね。
その『横やり』が問題だ (スコア:1)
『今日の屈辱に耐え明日の為に生きるのが男だ』
宇宙戦艦 ヤマト 艦長 沖田十三氏談
2006/06/23 JPN 1 - 4 BRA
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:0)
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:2, 興味深い)
みんなで基準を決めて、みんなで判断や運用をするのです。
最終的には裁判官の裁量、という事になると思いますが、それに大して「社会的常識」という形で影響を行使するのは、社会を構成する全員だと思います。
・使用者が「これくらいならフェアユースだべ」と使う
・権利者が「おま、それフェアユースの範疇超えてるべ」と指摘する
・使用者なり権利者なりの間で調整。できなければ裁判など法的決着
・裁判ではいろいろ包括的に考えて判断
・裁判の判例が溜まればある程度の基準が見えてくる
また、場合によって建設的に「ウチの会社としてはこれはフェアユースだと考えるからOKだぜ」と言ったりします。その辺のFAQが蓄積していくということもあります。現行法上でもそういう事やってますが(たとえば、「二次創作に関するガイドライン」なんかを提示する、とかね)、その前の段階で使用者が「このくらいならフェアユースじゃないですか?」と言えるという所がポイント。
今現在の著作権法で明示的に許諾されてないけど、常識的に(ということは、時代によってその限度は移り変わっていくのは当然です。常識は変わるものですから)やってしかるべきだと思われるような事が違法状態に陥らずに(少なくとも、裁判所の判断を得るまではね)可能になります。
だから、「これはフェアユースとして当然であるべきだ」という事は社会的合意を得るためにも、必要であれば常に発言していくべきでしょう。何もせずにフェアユースという果実が落ちてくるわけではないと思います。もちろん、それに大して「それはフェアユースの範疇とはいえない」という意見も出てくるでしょう。
このあたりを考えるに、マスコミに対するチェック機構としてのネットワーク、というのはさらに重要になってくるかもしれません。マスコミは一般的に著作権者側であることが多いので、チェック機構を強化していかないと「フェアユース」とは名ばかりの運用が成される可能性も十分にあります。
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:5, すばらしい洞察)
> というのはさらに重要になってくるかもしれません。
> マスコミは一般的に著作権者側であることが多いので、
> チェック機構を強化していかないと
> 「フェアユース」とは名ばかりの運用が成される可能性も十分にあります。
例えばニュースの映像なんかを動画共有サイトに上げても、
ちゃんとフェアユースと認められる状況にしたいなぁ。
現状では(ただそれだけでは)引用と認められる状態に無いけど、
報道がミスリードしていないか?と言った検証や議論を行う材料として、
引用に当てはまらない状況でも「実際の映像」を共有する必要があるんだよね。
「報道」は公益(知る権利等)の名の下に、
必ずしも被写体の承諾を取らずに、自身の判断のみでガンガン撮って公へと流すのに、
その内容に問題があっても、実際の「放映された映像」を示して議論出来ないのは、
一方的過ぎると言うか、腐敗・特権化を助長していると言うか...
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:2, すばらしい洞察)
ちゃんと、そういった目的をもった動画サイトがあれば、現状の法律でだって対応出来る。
逆に言うと、現状の動画アップロードサイトは、そういう使い方をして欲しいとは思ってないのでは?
目的が違う場所を無理に検証用に使うのなら、フェアユースが導入されても、いずれ問題が起きると思う。
マスコミのチェックを動画サイトに求めるなら、そういう動画サイトを作るのが一番だと思う。
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:1, 興味深い)
「これはおかしいと思う。なぜなら(以下略)」
みたいに「主」と認められるだけのコメント付けておけば
現行法でも「引用」になるんじゃないですか?
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:1)
可能か不可能かで言えばそのような解釈も可能な気がするけど。
引用なのか侵害なのかの線引の解釈が無い点が、日本のフェアユースに関わる問題の根幹なのでは。
TVをキャプチャして画像1枚公開したら、著作権違反で訴えられる可能性もある状況だし。
強制デジタル化以降は正当な手法ではデジカメで撮影するしかなさそうだし。(B-CAS問題)
著作権ってNET上での言論封鎖の言い訳なんじゃないかとも思えてくるよ。
#壮大なストーリ。空転するアイディア。
Re: (スコア:0)
しかし、実際には通用しません。
「引用」は権利ではなく免責であり、
自由な言論のためにそれを尊重しようと言うのは、
一部の学者や文筆家と、リベラルな一般人だけでしょう。
マスメディアの場合は「引用の要件」を理解している事さえ稀です。
(新聞なんか年中「引用と転載を区別しない説明」を書いてますよね。)
で、後は訴訟リスクに耐えられるか?と言う話になります。
営利企業の運営するサービスであれば、黙って削除するでしょう。
堂々とそれが出来る規約にしてあるはずで、どうしようもありません。
# 個人だと動画配信サーバを維持する事自体がしんどくない?
Re:誰が基準を決めて、どうやって判断や運用するというのだ (スコア:1)