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ビジネス

デジタル市場は「法を守った者負け」でよいのか 76

ストーリー by hylom
法はなんのためにあるのか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

ハーバードビジネスレビューにて、かつての動画権利保持者ViacomとYouTubeの裁判を挙げ、「法を順守していては他社に敗れる」というメンタリティについて言及されている。

GoogleVideoなどでは、動画が投稿されるたびに従業員が権利侵害チェックしていたが、裁判で明らかになった電子メールによるとYouTubeでは、共同設立者の一人が著作権侵害を黙認していた。その経営判断は、権利侵害動画を削除した場合、YouTubeでは視聴回数が80%減少するという自社分析に基づいていた。

これはスタートアップ企業の競争の根源にかかわる問題であったから、YouTubeは権利侵害を黙認し、初期に設置されていた「著作権保護されたコンテンツを通報する」ボタンを削除し、YouTubeが「魅力的な買収対象」となるような経営判断を行っていたと裁判で明らかになった。

しかし裁判では、実質的にYoutubeは賠償金を支払ずに済む結果となったため、ハーバードビジネスレビュー誌は、ネット事業の起業家らは「自分たちがやらなくても他社がやる」と考え、市場全体が「法を守ったら負け」という姿勢に前のめりになっていくのではないかと論じている。

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  • by EnergyField (42789) on 2015年04月07日 14時20分 (#2792425) 日記

    法律は肉体や不動産といったのろのろ案件だから通用するモノ。
    だからたとえ頭が光速に達していても肉体があるからコーヒーハウスやら公衆浴場やらにいた反逆者を法律で逮捕できた。
    だが実装当初から「バレなきゃ勝ち」というシステムに極めて適合していて肉体の不自由さに左右されないデジタル関連において
    法律は思いとどまらせる枷にはなれど、実効力を伴うには無茶苦茶なインフラ整備が必要になる。
    真に法律を徹底させたいならプロパイダを国有化して住基ネットと紐付けさせないといけない。
    そうすればP2Pの逮捕者のように密かに特定し突発的に肉体を拘束できるようになり脅迫的法順守が成立する。

    そもそも、法律は守る守らないの話ではなく、それを根拠に決着がつかないことを(いい意味で)非人道的に決着させるためのシステム。
    その点で法は警察官や裁判官の口撃のネタではあれど一般市民においては法の問題ではなくモラルの問題。争点が違う。
    逆に言えば法の実効力を伴えない時点で警察権力も国家名分もネットには存在しないし通用しない。それを画策している中国にしてもあのザマ。

    何よりも最大の問題が、著作権は本来著作権者が「その作品は私のものである」と発言する根拠を付与するためのものなのに
    現状では頒布者(つまり音楽で言えばそれをリッピングしてCD化し商業流通に乗せるレコード会社など)の利益を守るために流用され、音楽を例に取れば
    ・昔は録音や編集は専用のスタジオや広告業者などを用意しなければならなかった(のが頒布者が利益配分を握る言い訳だった)が
     現在では自宅でも録音や編集が可能なため頒布者が高い金を要求せずとも音楽を発信できるようになったこと
    ・広告業者(電○)や頒布者が(少なくとも日本においては)強権的かつ寡占的で、特に広告についてはネット上のほうが十分広告業務を代行しているため、とうてい中立的ではなく不信の根が広がったこと(cf,韓流(笑)のむやみな押し付け)
    ・頒布者はコスト回収のために才能があり対人関係に問題がない歌手ばかり採用してアイドルなり何なりに仕立て上げてCDなどを売ってコストを回収していたわけだが
     現在では対人関係に問題があるやつでも初音ミクなり動画サイトなりを利用して自炊できるようになったため頒布者の商業モデルが崩壊したこと
    ・パッケージングの価値(CDでいえば歌詞カードの絵や編曲者のコメントなど)も当の本人がTwitterなどで発信するため低くなったこと
    ・動画サイトなどで音楽どころかライブ映像なども流れているため頒布者が著作権と独占流通を名目に金を徴収できなくなったこと
    ・今まで頒布者の都合で売れないデータや昔のデータなどが絶版・廃棄され著作権の名目で再販やデータ起こしを妨害し続けたことへの反動
    (言い換えれば100年歌われ続けるような歌曲も頒布者の都合で2年で発売中止になり48年間歌わせなくなる可能性がある)
    ・そもそも著作権は著作権者を守るためのものなのに企業の利益を守るために恣意的に流用されている現状への反動
    (上述の理由で頒布者が著作権を盾に取って取り分を要求する理由である「スタジオ利用料」「CD流通手数料」「広告費用」が不要になったので頒布者自体が不要になりつつある)
    ・テレビ業界の低劣化が激しすぎた上にネットのほうが編集などがないナマの反応が得られるので作曲者などがテレビに出る動機を失っていること
    (その結果頒布者はコマーシャル会社やテレビ業界などへのコネなどを維持する理由がなくなりつつある)
    と現状法律を守る価値が全くなくなっていることにあると思う。
    誰のせいとは言わない("頒布者"にあるとも言えない)が、特に音楽などは頭のなかで発生してくるものだから、
    頭だけで成立するネットと干渉し始めた時点で金をとれなくなって当然だと思う。そしてもうテレビから金が生まれる時代じゃなくなりつつあるのに
    民放も"頒布者"も電○も既得権益が惜しくて(もしくは旧態化を認めなくて)未開土人の槍のように著作権を振りかざすから「法が負け」なんだよ。

    • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 14時27分 (#2792433)

      大変だ!これコピペじゃないよ!!

      親コメント
    • 肉体がないから執行力が弱い点も、権利者のための法律が頒布者の武器になってるのもその通りだと思うけど、法が負けである一番の要因は頒布者が個人単位に分散したことによってどれがオリジナルであるかどうかをほとんど判別できなくなってきてることにあるんじゃないだろうか
      他人の動画を全くパクってアップロードしてもそれがパクリであることに気付けない
      他人のアプリをソースごとパクって公開してもそれがパクリであることに気付けない
      使用者も気付けないし、Googleも気付けない、著作権者だけは気付けるけどずっとネットを監視してるわけにもいかない
      今は誰がYouTubeに削除依頼メール出してもたいてい削除されるけど、その削除依頼が本当に正しい権利者によるものか誰も確かめられない
      いくら大手頒布者が武器をふりかざしても、武器はすでにボロボロ
      そんな現状に見えます

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      春だな

    • by Anonymous Coward

      長い!3行で頼むよ。

  • 未成年犯罪者の個人情報が公開されてたり、顧客データが売り買いされてたり
    プライバシーに関しても「法を守ったら負け」な時代が既に来てると思われる。
    嫌な時代になったもんだ…

  • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 14時23分 (#2792428)
    新ビジネスを展開しようとする場合は、お役所に問い合わせるのではなく、まずは独自に法解釈をする。
    専門家に知恵を借りて徹底的に精査して理論武装する。
    そこまでできたら突き進む。
    グレーゾーンが避けられない場合はロビー活動を併用しつつ、慎重に実績を積み上げて既成事実を作って押し切る。
    (実質的にYoutubeは賠償金を支払ずに済む結果となった・・・というのもこの企業努力の成果)

    時代に即した法が制定されるまで律儀に待つのも正論だが、それまで指をくわえて待っていても商機を逸するだけだ。
    企業利益の最大化という視点から見れば極めて自然な考え方だと思う。
    • それをやろうとして捕まった人がライブドアに居ましたよね。
      法の隙間をかいくぐって金を儲けるのもいいが、捕まりたくないなら危ないことはやらないことですな。
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      そして破れたMYUTA、ロケーションフリーたちと

      • by Anonymous Coward

        米国で比較対象として適切なのは、Napsterかな。

    • by Anonymous Coward

      日本企業はリスクを嫌うから、だいたい問題起こしそうな事業に手をつけず、わりと行儀よくやるか、そもそもやらない。
      一方、海外(特にアメリカ)のベンチャーなんかは既存のシステムをぶっこわしてなんぼ、的に法律が追いつかないところにどんどん足を伸ばしてる。
      近年だと一気に成長したAirbnbやUberなんて、日本じゃまず生まれなかっただろう。そして、海外で人気になった今でも、日本だとグレーもしくは違法となってる。Uberは実験さえ禁止された。

      デジタルコンテンツをわりと進んで出してくるアメリカで今回のネタだし、公式配信なんかにも後ろ向きで新事業もサッパリな日本だともう起業するだけ無駄だろうなぁ。こういう国でこそ「法を破った者勝ち」の動機付けが欲しいものだ。法破っちゃまずいけど。

      • by Anonymous Coward

        日本でもUberはガチで白タク。無償実験と言いながら有償だった。
        国交省幹部が語る「Uberに行政指導を下した本当の理由」 [newspicks.com]

        • by Anonymous Coward

          この件はUber(のマイカータクシー)が白タクという判断じゃなく、
          「実験」が有償であり白タク営業と判定されたという話です。

          まあ実際に客から対価(経費)を取ったら、ますます白タクですが。

      • by Anonymous Coward

        日本ではグレーなところに突っ込んで行ったドワンゴが独自の動画サイトを起動に載せましたよね。

    • by Anonymous Coward

      金と労力かけて10トライして、1本決まれば成功、
      こういう考えはもう日本はもとより海外でも無理なんじゃね。
      できるのは金のあるとこだけ。

      まああちらには、
      新ビジネスに挑んでうち90%失敗し10%が成功、なんていうのにも金を出す投資家がいるから、その差は大きい。

  • by the.ACount (31144) on 2015年04月07日 13時44分 (#2792395)

    破滅に向かう話のような…

    --
    the.ACount
    • by Anonymous Coward

      破滅に向かってるところにのっかって
      寸前で売り抜けるのが、起業の醍醐味じゃないの?

      • by Anonymous Coward

        ×起業
        ○投機

        市場は投機の場だから、起業形式の投機が目立つだけ。

        • by Anonymous Coward

          起業ってのは普通はあなたの言う投機でしょうに。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 13時49分 (#2792400)

    法律を順守して利益が出ないより法律を破って大きく利益を稼ぎその利益から賠償金を払えばいい、というのは別に変な話じゃないです。守る方が馬鹿を見る、というなら破った時の賠償金の金額を上げるように働きかけましょう。
    日本でも小笠原諸島にサンゴを取りに来ていた中国船が賠償金が上がったりしたことで来なくなりました。割に合わない、と思わせない限りいつまでも法を破る人・ものは出続けます。

    • Re:損して得取れ (スコア:4, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2015年04月07日 14時32分 (#2792436)

      日本の労働問題とかまさにそれ

      ブラック企業が残業代不払いやっても、後から取り返せるのは「最大限に見積もって不払いだった金額」が上限(厳密には利息もつくけど大抵は微々たるもの)
      そこから弁護士の費用とかさっ引かれるし、満額支払えなんて判決はだいたい出ない

      つまり残業代不払いをされた時点で、やられた側はどう頑張っても勝ち目はない
      100の被害を10ぐらいに下げることはできても、0にすることは不可能

      そして企業の側は、最悪でも不払いだった金額しか取られないから、不払いでいるほうが合理的、ということになる
      万が一裁判を起こされても「最悪でも本来払わなきゃいけない金額を払えばいい」のだから

      そして雇用主側が経時的責任を負わされることなんて、ほとんどない

      まあ、アメリカみたいな社会がいいのかどうか、って問題はあるだろうけど
      法律を破って不当な利益を得ていた人に対して、本来利益を得られる筈だった人が賠償を要求するときは、懲罰的賠償金を請求できるようにしたほうがいいと思う
      たとえば「残業代不払いが発覚したら、その10倍の金額を請求できる」となれば、訴訟で争っても5倍ぐらいはぶんどられる可能性があるわけで、そんなリスキーなことする企業がなくなるから

      親コメント
    • by shima_tetsuo (46446) on 2015年04月07日 14時07分 (#2792418) 日記

      デジタルメディアに関してはほぼ不可能だよ。
      実際に法を犯してるのは世界中に居る違法動画をアップロードしてるユーザーだから。

      全員を逮捕して賠償金を払わせればいいけど、まぁ無理だよね…。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        youtubeは違法動画のアップロードを支援したというロジックで請求できないのかな

        • by shima_tetsuo (46446) on 2015年04月07日 16時09分 (#2792513) 日記

          YouTubeはもはや取り締まれる規模をはるかに超えて巨大サイトになっちゃってるから
          そこを突いていけばいいように思う。

          取り締まれる(動画をチェック出来る)キャパシティを超えて運営してはいけないみたいな。

          親コメント
    • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 13時55分 (#2792412)

      なんだ、Appleの事か

      親コメント
    • 逆に法を守るほうにインセンティブを掛ける、という手段もありますが簡単にできることじゃないですよね。
      罰則を厳しくするほうが手っ取り早いのは間違いないです。

      --
      一人以外は全員敗者
      それでもあきらめるより熱くなれ
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      賠償金とは別に関連売上没収(請求)にすればいいのにとは思う。

    • by Anonymous Coward

      日本でも、USENとかね。昔はかなりひどい非合法企業だった。
      ニコニコ動画も、当初はYoutubeの動画を勝手に再編集(コメントを上に載せる)してたので、
      出自はクリーンとはいえないが、今や与党・野党問わず政治家も広報に使う綺麗なサービスです。

      • by Anonymous Coward

        >日本でも、USENとかね。昔はかなりひどい非合法企業だった。

        昔も?

        • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 15時07分 (#2792463)

          今のUSENは、非合法行為を指摘されたら、反論しながらも、監督官庁に再発防止策を出すくらいには丸くなりました。

          親コメント
      • by Anonymous Coward

        入会制限制だった初期のニコニコは、他のYouTubeクローンと違って、分割なしでアニメ30分まるまる掲載されてるサイトで有名だった。。
        これも競争上の優位点。

    • by Anonymous Coward

      だよね
      紀元前の昔からの真理だ
      デジタル市場はーとか
      ムリにこじつけんでもいいでしょうに

      # 信じる者は掬われる

  • IT系で大成した企業は、そうやって大きくなった企業が多い気がする。
    グレーなビジネスでとにかく手早く成長して、国からのお取り潰しが難しいくらいデカくなってしまえば勝ち、的な。
    ソフトバンクなんか色々アコギなことしてきたし、モバゲーなんかも規制前に荒稼ぎして企業基盤を建てたし。

    • by Anonymous Coward

      ×ソフトバンクなんか色々アコギなことしてきたし、モバゲーなんかも規制前に荒稼ぎして企業基盤を建てたし。
      ○ソフトバンクなんか色々アコギなことしてるし、モバゲーなんかも規制前から荒稼ぎして企業基盤を建てるし。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 15時08分 (#2792464)

    ある程度悪いことしないと大成しないような気もする。

  • by Anonymous Coward on 2015年04月07日 15時09分 (#2792468)

    法律を犯した方が「損をする」という運用にならない限り、詐欺も脱法もなくならない。

    • by Anonymous Coward

      ぷらす、摘発率も高くないと、
      罰だけ上げてもやり得なのは変わらない。

      というわけで、親告罪っと。

    • by Anonymous Coward

      強制捜査が可能な刑法による懲罰的罰金と、その相当割合を報奨金として告発者に支払う制度はどうだろうか。

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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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