米政府が米疾病予防センターに対し予算案で「証拠に基づく」などの語句の使用を禁じると報じられる 24
証拠と科学に基づかない政府だったのか 部門より
米疾病予防センター(CDC)は来年度の予算書で7つの語句の使用を米政府から禁じられたそうだ(The Washington Post、The Verge)。
禁じられた7つの語句は以下の通り。
- vulnerable(脆弱な)
- entitlement(受益権)
- diversity(多様性)
- transgender(性転換)
- fetus(胎児)
- evidence-based(証拠に基づく)
- science-based(科学に基づく)
「evidence-based」や「science-based」については「CDC bases its recommendations on science in consideration with community standards and wishes(CDCの勧告はコミュニティの標準と要望を考慮した科学に基づいている)」といった代替のフレーズが提示されたが、他の語句の代替は提示されなかったようだ。
アナリストに禁止語句のブリーフィングを行ったCDC財政部門幹部のAlison Kelly氏によると、「vulnerable」「entitlement」「diversity」に関しては提出した予算案の草案で要修正として返されたもので、そのほかについては口頭で伝えられたものだという。Kelly氏は言われた通り伝えているだけだとし、禁止の理由については触れなかったとのこと。
CDCの仕事の多くは超党派の支持を受けており、CDCのベテランアナリストによれば、これまでイデオロギーによって変更を要求されたことはないそうだ。ブリーフィング出席者の反応は「にわかに信じがたい」といったもので、今後CDCの科学者の多くに伝われば強い反発が予想されるとのことだ。
この件についてCDC所長のブレンダ・フィッツジェラルド氏が「CDCに禁止された言葉はない」と反論している。The Washington Postの記事には米保健福祉省(HHS)の声明として「(HHSは)すべての米国人の健康を改善するため、最良の科学的証拠を使い続ける」と記載されているが、フィッツジェラルド氏によれば、この声明の冒頭にあった「HHSに'禁止された言葉'があるという主張は、予算案作成過程に関する議論を完全に誤って表現したものだ」という部分を割愛していたようだ(フィッツジェラルド氏のツイート、 Ars Technica)。