芸能人のコミケへのサークル参加が議論を呼ぶ 95
すり寄らないと怒る人たち 部門より
女優・歌手の真木よう子さんが、自身で企画した出版物を自費出版するための資金を集めるクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げたのだが、このプロジェクトの目標の一つとして「コミケに参加する」という点があったことに対し賛否両論が集まっている(Togetterまとめ)。
問題となったプロジェクトは、「真木よう子、フォトマガジン出版プロジェクト。」というもの。個人での活動で、出版社を挟まずに独自で企画した雑誌を出版し、それをコミックマーケット(コミケ)で頒布するというものだった。目標金額は8,000万円で、出資に対するリターンとしては5,000円でA5・オールカラー・320ページのフォトマガジンとTシャツ、8,000円でそれに加えてカレンダー、1万円で誌面にクレジット記載など、特に高価というわけではなく、また目標金額が集まらなくてもプロジェクトは成立するというものになっている。 真木よう子さんがコミケに参加して感銘を受け、自分もサークル参加したいと思ってのことだそうだが、これに対しコミケの商業利用に当たるという指摘や、プロがコミケに参加することへの批判などが出ている(はてな匿名ダイアリー)。いっぽうで、コミケにサークル参加しているプロの漫画家は少なくないことや、多額の売り上げを上げる大手参加サークルが存在することから問題ないと擁護する声もある(はてな匿名ダイアリーの別記事)。
批判的な匿名記事で問題とされている点のうち、「自費出版が原則のコミケでクラウドファンディングにて製作した本を頒布」についてはほかにも例がある(CAMPFIRE上でのプロジェクトだけでも漫画「ハロウィン・パジャマ」2017年8月、夏コミ新刊制作やサルミアッキ フィクション!、熊本震災どうぶつ支援同人誌など)ほか、「A5カラー320頁の搬入」についても500ページ超えの本があったという話があり、問題ないと思われる(ただし部数については不明なので、超多数の搬入となった場合どうなるかは分からない)。収益や売名についてはむしろ何が問題なのか分からないし、電子的に簡単にコンテンツを公開できる昨今、コミケの意義はファンや参加者同士の交流にあるという声も少なくない現状、ファンとの交流目的での参加はなんら咎められる点ではない。結局のところ、批判している人たちが問題としているのは「コミケを知らない/慣れていないファンに対応できるかどうか疑問」という点、言い換えれば「コミケを知らない/慣れていない人は来るな」という部分に集約されるのではないだろうか。