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パテント

政府、社員の発明を無条件で会社へ帰属させるよう方針転換 199

ストーリー by hylom
発明したければ独立しろということか 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、

政府は、社員が仕事で発明した特許を「社員のもの」とする現在の特許法の規定を改め、無条件で「会社のもの」とする方針を固めたそうだ(朝日新聞)。

経済界からの強い要望を受けてのこと。さらにこの改定では十分な報償金を社員に支払うことも条件にする方針だったが、これも無くすという。

青色LEDの特許問題など、過去には裁判にもなったが、今後は、特許は完全に会社に帰属し、報償金は法的根拠を失う事で決着しそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by whitedog (12102) on 2014年09月03日 19時00分 (#2669718)
    記事へのリンクしかないので、とりあえず一次資料など。
    産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会 [jpo.go.jp]第一回から第七回までの議事録と資料が閲覧できます。
    全部詳細に読むのは少々大変ですので、個人的に分かり易いと思った要約がこの記事 [braina.com]です。
    第七回の委員会を受けての記事なので今年の6月のものですね。

    朝日の記事では企業側が根こそぎ搔っ攫うぞという感じですが、企業の法務担当者の中には
    産業界側が当初描いていたような“思惑”を達成できるとは到底思えない [hatena.ne.jp]という意見をお持ちの方もいる様です。
    今日、第八回の委員会が開かれたはずなので、しばらくすればその議事録等も公開されるでしょう。

    #ところで資料にも出て来る“オープン・クローズ戦略”というのが調べてもイマイチよく分かりません。どなたか説明プリーズ。
    • by takl (14577) on 2014年09月03日 21時12分 (#2669848)

      オープン・クローズ戦略は「発明を公開するかしないか、するならどう公開するか」という戦略の事ですね。

      例えば発明が「音声情報を記憶できる設計図」みたいなものだった場合、
      普通特許は取りません。
      他社が特許を侵害しても、設計図が公開されなかったら侵害を発見できません。
      技術が流出するだけ損です。

      しかし、設計プロセスを標準化して
      「国に提出するソフトウェアには音声情報を記憶した設計図が無ければならない」
      みたいな決まりを作ることができそうなら、
      特許を取っておく戦略もありえます。
      # 標準に回避不能の特許をねじこむと大変儲かります

      また、既に「紙に音声情報を記憶する装置」の特許を持っているなら
      「音声情報を記憶できる設計図」を無償で公開しつつ
      装置の方で儲ける戦略もあるでしょう。

      発明をオープンにするかクローズしておくかで色々な選択肢があるわけです。

      ところで(特許申請前の)発明が個人のものであるなら、
      それを特許申請するか否かを会社が決めていいのか?という疑問が出てきます。
      国外企業はこれを理由に日本に研究所を置くのを避けるかもしれません。
      「職務の発明は会社のもの」ということにしておけば、
      まあ、とりあえずは、この辺の問題はなくなります。

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    • by hideyuki (4998) on 2014年09月03日 21時51分 (#2669888)

      第8回の配布資料も載りました。議事録はさすがにまだですが。
      http://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/newtokkyo_shiryou8.htm [jpo.go.jp]
      配布資料見るかぎりでは報奨条件なしで会社帰属にすべきだとはっきり言っている主張は見当たらないです。
      参考資料1の経団連声明が一番会社寄りではありますが、報奨条件不要だとまでは明言してないし。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 18時45分 (#2669694)

    クズ発明は会社に申請料負わせて置いて、
    本当に金になりそうな発明を思いついたら、会社辞めて自分でこっそり申請するような社員が増えるだけじゃね?

  • by NOBAX (21937) on 2014年09月03日 19時18分 (#2669737)
    大手はだいたいそういう制度じゃないの。
    某大手企業は、特許が公告になったときに寸志、
    特許に関わる製品が売上に立ったら、それに応じて報奨金を出している。
    沢山もらう人は年末にボーナス以上の報奨金をもらっている。
    製品が売れ続ける限り継続してもらえるし、会社を辞めた後でも金を送ってくる。
    特許だけで製品が売れるわけではなく、設計者や製造、営業があって初めて製品となるわけで
    オレの発明がなければなどと思うのは研究屋の不遜、傲慢。
    たいていの発明は他の人でも思いつく。
    • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 19時29分 (#2669759)

      これまで:報奨金が少なすぎるとか不満なら裁判をおこして、社員の発明権に対し妥当な報奨金額かどうか判定を求めることが出来る(社員に主導権)
      経団連の主張するこれから:基本的に会社に報奨金の設定権があるので、不満があっても「それはあなたの会社の裁量次第なんだから仕方ないですね」と言われるだけ。

      ざっくりこんな感じ。
      今、「これで社員やる気出るの?これでやる気出させる方法は何か考えてるの?盾とか賞状?やる気でないと競争力落ちるし」みたいな議論中らしい。

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      • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 20時05分 (#2669782)

        その議論が会社の上層部の話だったら、良い傾向かも知れませんね。

        会社間で、報酬を出す出さないに差が生じれば、
        きちんと報いる契約になっている会社に、優秀な人材が集まることに繋がります。

        就職先を選ぶ際に何も考えなくても後付けで上手く行くという利便性がなくなるので、
        その辺りをちゃんと調べて会社を選ぶ手間は増えるでしょうけど。

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    • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 19時50分 (#2669768)

      青色LEDの報奨金が2万だったのにそれで納得しろって?
      マジで言ってます???

      親コメント
  • by saratoga (23467) on 2014年09月03日 19時02分 (#2669723) 日記

    まぁ、特許なんて書いたこともないし、書いてる技術者なんて何考えているのかよくわからないオタクみたいな連中だし、みたいな人たちが考えたとしか思えないですね。政府が諮問してる有識者って一体誰なんだろう。
    本当の問題は、特許の権利が強すぎること、に尽きる。パテントトロールみたいな商売が成り立って、年がら年中特許侵害の訴訟が起こって、弁護士が大儲けするような現状こそがおかしい。
    今回の話が現実になったら、企業に勤める技術者にとっては、見返りがない特許作成業務(発明ではなく)なんて時間の無駄ですから、アンチパテントの考えが蔓延するのは間違いないですね。

  • 訴えられた時のカウンター用にやたらと申請しあうなんてバカらしい。
    発明に独占使用権など無くても競争は確保できるでしょうし、むしろ新たな発明の出現を阻害しているようにしか思えないなぁ。

  • by sakamoto (8009) on 2014年09月03日 18時37分 (#2669682) 日記
    発明のできるような人は会社に勤めちゃいけないんですね。
    --
    -- 哀れな日本人専用(sorry Japanese only) --
  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 18時40分 (#2669686)

    会社の経費や資材を使って研究・開発をして特許を取得したのなら、その特許が会社のものになるのは当然のことでしょう。
    ただ、その特許によって会社が利益を得るのであれば、発明した従業員に何らかのリターンがあっても良いとは思いますが。
    それでは納得がいかないというのであれば、部門名の通りにするしかないですね。

    • by clay (41656) on 2014年09月04日 10時01分 (#2670203) 日記

      >会社の経費や資材を使って研究・開発をして特許を取得したのなら、その特許が会社のものになるのは当然のことでしょう。

      1) 資材があれば誰でも発明できるなら一理ありますが、発明とはそんなもので無いでしょ
      2) 大企業の多くは雇われ社長です、会社の金で偉くなったのだから、高額報酬はおかしい
      3) 芸能人やプロスポーツ選手の一部も高額報酬を得ているけど、事務所や球団の力を使っていますから、高額報酬はおかしい。職場であるスタジアムや放送局を個人で立ている?
      4) 3)の人気商売ってTVを中心に話題になっているから、人気が保てるのですが、TVは半公的な存在で、広告料も製品から知らぬ間に抜き取られているお金、極端言えば半税金みないなものですから、関係者は高額報酬を得るのはおかしい。
      突き詰めたら、現時点で金持ちで無い人は、全部報酬が低くても良いとも考えられる

      なんだか発明者とは縁の無い人のやっかみなのではと勘ぐってしまうが、いずれ発言者に返って来るかもよ?

      >発明した従業員に何らかのリターンがあっても良いとは思いますが
      おおざっぱな流れとしては、
      1) 発明者が、会社に譲渡する場合、それ相応の対価を受け取る権利がある
      2) それ相応の対価が、青色LEDクラスでも数万円とかいう例が多数
      3) 海外との比較も含めて、発明者が怒るorやる気なくす

      という背景があって、発明者を優遇しようという流れだったので、会社がリターンをするとは到底信じられない

      政府や経団連の言っていることや行っていることが、いつもいつも信用できない、てのが根底にあるのね
      ホワカラエグザンプションとか派遣労働とか、、、、

      上に書いたけど、そのうち形を変えて自分に返ってくる可能性が有りますよ

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 19時20分 (#2669740)

    どうなっているのか気になります。

  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 19時37分 (#2669764)

    社員の発明を無条件で会社へ帰属させる~というのは、発明は個人の創造的活動により生まれるという理念を否定する発想
    お前らは会社の特許出願のノルマだけこなしてりゃ良い~というわけ
    ということで、画期的発明のアイデアを掴んだら会社の研究ノートには記入しないで会社辞めてから個人で出願すべし~と推奨してるようなもの
    突き詰めれば日本企業では研究ノートなんて真面目に書くだけ損ということにもなる

    これからどんどん人材の流動性が高まってくることは必然なのに古きよき時代の終身雇用をベースにしたような制度がうまくいくはずない

  • これ、誤報ですから。 [twitter.com]

    と断言している東大教授がいますがどうなんでしょうね。

  • ・会社に帰属させるべきという主張はあるが、無条件に、などという主張はない。
    ・こういう内容の記事は朝日新聞だけ。
    ・なぜか政府が勝手にそう決定したという論調。

    特許がどうこうじゃなくて、政府叩く偏向報道できそうだ!ってことか。

  • by Anonymous Coward on 2014年09月04日 11時05分 (#2670252)

    経団連寄りの記事かと思いきや朝日の記事とはちょっと違う。

    特許庁は企業の従業員が発明した特許について、条件付きで企業に帰属させる方向で検討に入った。いまは発明した従業員が特許を持つが、企業の設備や同僚の協力なしに発明するのは難しいためだ。ただ従業員に報酬を支払う新ルールを整備し、企業が発明者に報いることを条件とする。

    社員の発明、特許は企業に 産業界が報酬ルールに理解  2014/9/4 0:24
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H1X_T00C14A9EE8000/ [nikkei.com]

  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 18時31分 (#2669675)

    あえてこの時点でSTAP細胞をない事にしてるのはあとで理研が独り占めする為なんですね!!

  • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 18時32分 (#2669677)

    発明者に無報酬ってありえん・・・

    • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 18時48分 (#2669699)

      「ホワイトカラーエグゼンプションを年収400万円から適用」とか言ってた経団連なら、
      そういう有り得ないことを平然と言ってのけそうで怖い。

      「政府が条件として検討してきた十分な報償金制度をめぐっては、
      経団連などが「条件の内容が不明確で使いにくい」などと反対し、
      無条件で「会社のもの」にすることを強く求めていた。」

      そのくらいが「分かり難い」のなら経営者は廃業した方が良いと思う。
      なんでそんなことも分からないようなゴミ屑経営者のために、
      発明者が不利益を被らなければならないのか。

      ましてなんでそれで「無条件」ということになる?
      #「36協定はオレの頭には難しいから、無条件で残業可にしました」。なにそれ怖い。

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    • by Anonymous Coward on 2014年09月03日 21時51分 (#2669889)

      他が報道しない理由

      日経:言わずもがな。経団連に都合の悪いことは...
      読売:同上
      産経:政府方針に反対するわけない。改正案がどっちよりになっても政権ヨイショできるよう今は大本営発表待ち。
      赤旗:インテリの権利?知ったことか。たぶん気がついてない。もはや。
      毎日:ごめん!忘れてた。そのうち後追いするから。でも社として意見統一は出来ないの。そのうち記者が好きに書くから。

      こんなところだろう。

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    • by Anonymous Coward on 2014年09月04日 13時36分 (#2670375)

      http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS03H1X_T00C14A9EE8000/ [nikkei.com]

      政府・産業界で一致しているのは、特許を会社に帰属させること。
      一致していないのは、帰属させる条件。
       政府:企業が発明者に報いることを条件とする
       産業界:報酬の方法は会社が自由に定めるべき

      ここまでは朝日も日経も同じだが、結論は全く逆なんだよな。

      朝日:報酬条件は無し。つまり無条件で発明を企業に譲渡できる
      日経:報酬条件を定めることに産業界が合意。つまり発明を譲渡するための条件が法的に明記される

      どちらもメディアとしては胡散臭い上に、どちらかが必ず誤報ってことだぜ。
      見方によって変わるとかそんなチャチなもんじゃあ、一切ねぇ。

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    • Re: (スコア:0, フレームのもと)

      by Anonymous Coward

      今時、朝日新聞(や傘下のメディア)の記事を信じる方がどうかしていると思います。
      法改正にあたって「発明報奨規則」なるものを政府が私企業に押し付けることをやめたという(恐らくは)事実が、朝日新聞フィルタを通すとこうなるのだな、という例ではないでしょうか。(参考:企業法務戦士の雑感 [hatena.ne.jp])

      改正は拙速だと思いますが、少なくとも朝日新聞は事実の解釈においてねじ曲がったことを書くという前提で読まないとこちらの方が嘘つきになってしまいます。
      ちゃんと条文が出て、朝日新聞やカルトメディア以外のところからも解説がされてからでないととても議論する気にはなれません。

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「毎々お世話になっております。仕様書を頂きたく。」「拝承」 -- ある会社の日常

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