パスワードを忘れた? アカウント作成
1439865 story
著作権

「オリジナルと同じように撮影」した写真、著作権侵害と認定される 104

ストーリー by hylom
分かるような分からないような 部門より
capra 曰く、

オリジナルをそのまま複製した訳では無いが、インスパイアして撮影されたと思われる写真が著作権侵害にあたるという、英国で下された判決が本家/.で話題を呼んでいる。

2つの写真は同じ場所で撮影され、同じ題材を扱っており、そして同じ後処理が加えられている。ただし撮影角度および構図は異なっている。難しい決定であるとしながらも「再生された要素の質的評価」が判決の要となったとされている。元の写真は「熟考された選択および処理が施されている」、単なる写真とは異なる「写真的作品」であり、これらの要素が複製されたというのが今回の判断だそうだ。

ちなみに知的財産に詳しいJane Lambert弁護士はこの件に関し、自身のブログにて「論理は理解できるが、この判決は表現の著作権ではなくアイデアの著作権を保護するというのに非常に近づいており、とても気掛かりである」と述べているそうだ。

問題の2点の写真は元記事に掲載されている。/.Jerの皆様はこの件をどう見る?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by simulacrum (41765) on 2012年01月28日 0時51分 (#2088872) 日記

    写真自体は一応二百年近く前からあるんだけどもともとオリジナリティーにかけては”?”がつきやすい。
    あまり知られていないけど実は写真が芸術として認知され始めるのは実は1980年あたりから。
    * シュールレアリズムの作家の写真とかはそれなりに探せば一応あるんだけど。一般的に1980年くらいからと言われる。
    * ここでの芸術の定義が難しいけど省略 :-p

    とりあえずなぜ1980年からと言うと、このあたりに大物の写真作家を生み出す展覧会がメトロピクチャーズギャラリーで開かれるからなんだけど、この時のメンバーが結構みそだったりする。
    写真家をあげるとCindy Sherman、Richard Princeと Sherrie Levineという名前が上がるんだけど、どういう作品で有名なのかというとアプロープリエーション [wikipedia.org]で有名な作家になる。

    例えばSherrie Levineの作品で有名なのはWalker Evansの写真を撮りなおす作品。(今だったらある意味スキャンニングした的な感じで)
    一応この作品は著作権的には確か問題はないんだけど、一般的な意味でのオリジナリティーはかけらにも残っていない。(元ネタのWalker Evansの作品が世界恐慌時の政府の芸術家支援プログラムの支援で撮影された作品だったからかな?たしか??)

    そんなこんなで他にもいろんな理由があるのだけど写真は芸術史に組み込まれた時点で著作権的には”?”が付いているというお話。

    まーついでになんでSherrie Levineの作品が作品として意味あるのかは簡単に説明すると・・・

    アートの制作は男性的なものだった。(だから歴史的に男ばっか)
    特にモダニズム(美術史的に約1950年以前)というものは超マッチョな芸術だった。
    そして一人の天才作家の独創性・オリジナリティーという概念はマッチョと結びついていた。
    だからそれらを迂回すること(複製すること)はマッチョでファラティック(男根的)なものを回避する。
    よってその当時のポストモダン的状況ににふさわしいフェミニスト的な芸術になる!
    ・・・って感じだったと思う。

    上記を統合するとこんな結果 [wordpress.com](特に中上段・一応裸体なので閲覧注意)になる。

    前にも似たこと別のとこで書いたし、教科書チックですまん。

  • by baishi (28995) on 2012年01月28日 10時40分 (#2088955) 日記

    モノクロのビッグベンにダブルデッカーだけ赤い写真なんて結構な人が思いつきそうだけどなぁ。
    検索結果 [google.co.jp]

  • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 18時45分 (#2088667)
    • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 20時20分 (#2088710)

      1914 Gross vs Seligman の有名なヌード写真事件がありまして、それがこの手の判例の最初です。

      http://www.studentweb.law.ttu.edu/cochran/Cases%20&%20Readings/Cop... [ttu.edu]

      これはあるカメラマンが自分の写真(著作権)を譲渡した後、2年たって同じモデルを使って
      似たような写真を撮影・販売し、最初に譲渡した相手から訴えられ、原告が勝訴したものです。

      写真表現の創作性を理解していないと感覚になじまないのかもしれませんが、
      商業写真の世界では「写真の創作性の意味において同じ写真は先行者の著作権を侵害する」
      ということは常識になっていると思います。

      親コメント
    • 写真の被写体や構図だけの場合、こういう一致はしばしばあるので、この場合はよくて別の場合はダメという線引きは難しいかもしれない。

      タージマハルの画像検索結果@google image
      http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B8... [google.co.jp]

      親コメント
      • 「同じ人が取った別の写真」に見えるか「誰がとってもそうなる」から同じ人が取ったと言えないかでしょうね。
        線引きは難しいと思いますけどタージマハルのそれは難しくないと思います。

        ビートルズの横断歩道なんかも被写体違うから、真似しただけと認定されるだろうことを祈ります。

        元の写真はたしかに同じ人が作ったんだよっていわれたらそうかって思っちゃいそう
        --
        # yes, fly. no, fry.
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        創作性の有無で簡単に判別できるだろ。
        タージマハールの写真はそこ行った旅行者なら誰でもただ撮るだけでこういう写真になるから、そもそも著作物じゃない可能性がある。
        • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 20時56分 (#2088738)

          足尾銅山に一般市民を100人連れて行って、
          何人が同じ被写体を選ぶかを調べればいい
          んじゃない?それが100人にひとりも居なかっ
          たら創作性があるし、100人中10人も居たら、
          まぁ、誰でも思いつくってことで

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            タテマエとして裁判官の主観が通常人の主観を代表していることになっていてその主観を原告と被告の双方が全力で押し引きするってのが裁判。

            日本の裁判はそういう科学実験はやらないて、

        • by Anonymous Coward
          100人くらいで写真をとってブログにそれぞれアップしたら、創作性は失われるかもね。
          • by Anonymous Coward

            鉄道写真の世界だと、同じ被写体をほとんど同じ構図で撮った画像が
            各所でアップされるというのはよくあることですね。

            • by Anonymous Coward
              物理的に構図変える余地がないことが多いですから。
              雄大な雰囲気の写真を見て撮影地点まで行ってみたら、むちゃくちゃ藪の中で木と木の隙間から決まった構図で覗き込むように撮るしかないってことよくあります。
        • by Anonymous Coward

          じゃあ、上記写真は創作性があるんですか、ないんですか?

    • by Anonymous Coward
      一枚くらいだったらしょうがないとは思うけどさ
      次から次へと同じようなのを発表はアウトだと思うけどねぇ・・・
    • by Anonymous Coward

      同じ著作物でも、qvwmとかgimpとかのオリジナルとの酷似っぷりは事実上許容されてるね。

      ある時期のKDEやgnomeも(今もか、)一つだけじゃなく次から次へとWindowsアプリケーションを模倣していた。

      • by Anonymous Coward
        別に許容されてるわけではないでしょ、著作権者が黙認しているだけで、gimpなんて訴えられたら潰されるレベルだと思うが。
      • by Anonymous Coward

        ソフトウェアのルックアンドフィールに関しては、真似も黙認されているよね。
        インターフェイス等便利な部分は、特許で守れとなっていて、リモコンの音量バーとかジョグダイヤルとかが有名かも。
        プルダウンメニューや右クリックにどれだけ特許があるか知らないけど、
        ソフトウェアに関しては、機能と使い方が定まるとデザインは必然的に似てくる。

        そのあたり、ソフトウェア業界の線引きと共通認識はかなりはっきりしているよ。

        • by Anonymous Coward

          ソフトウェアのルックアンドフィールに関しては、真似も黙認されているよね。

          黙認してねーだろ。Appleとかサイボウズとか。

  • 英語 inspire の意味はご存知のとおり「インスピレーションを与える」なんだけど
    これを「インスピレーションを受ける」って意味で使っちゃう言い方はもう市民権を得たんですかね?
    初めて聞いてからもう4~5年以上は経つから、すでに定着済みってことなんだろうか。

    #そういえば「課金する」って言い方も(ry

    • by Anonymous Coward

      単に頭の悪い人が本来の意味を無視して連鎖的に使っているだけでしょう。
      「オマージュ」なんかもその気配がするな。

    • by Anonymous Coward

      課金は「金を課する」だもんなあ

  • 一部分だけ着色して、残りはモノクロってよく見かける表現だしなぁ。
    例えば「天国と地獄」とか「シンドラーのリスト」とか。

    と言うか、アイデアは保護されないので、
    それで問題だって言ってるんでしょうけど

    --
    TomOne
  • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 22時14分 (#2088786)

    加工のアイデアを著作権により保護するのはどうかと思う。
    日本の判例でちょっと思い出したのは、「スイカ写真事件」 スイカの配置を真似して別のスイカを同じように撮影した事件。著作権ではなく著作者人格権の訴訟ですが。
    地方裁ではアイデアしか共通しないと侵害を否定したけど、高裁では表現の共通性を認めて著作権侵害とされました。
    ある本では、写真の創作性が高い場合には撮影方法をマネしただけでも著作権侵害になりうるけど、写真の創作性がきわめて低い場合にはデッドコピーに限る、つまり創作性の高低が複製権の及ぶ広さに比例すると書かれていました。

    • 同じく同意です。
      リンク先の画像を見ましたけど、写っている「物体」が同じだけで異なる写真だと感じました。
      そもそも、被写体として重点が置かれているものが違うように感じるのですが、加工が同じだと見る人によっては同じになっちゃうんですかね;
      (自分的には完全に別な写真なので争点になること事態が理解できないという愚痴です)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 19時57分 (#2088695)

    「あんたの写真、俺のとそっくりの加工がしてあるじゃないか。著作権侵害だ。」
    「いいや、構図が違うだろう。著作権侵害じゃない。前例もある。」

    こうして、構図と角度さえ違えば、他人の写真のやり方をぱくり放題の世界が出来上がったのであった。

    という事態を避けたのではないでしょうか。個人的にもこの判断を持ちたいですね。
    まあ日本だったら裁判費用も高いし、ちょっとのことで著作権侵害を訴える人も少ないと思うが。

    • >こうして、構図と角度さえ違えば、他人の写真のやり方をぱくり放題の世界が出来上がったのであった。

      これ、一概に悪くは無いと思う。
      芸術の一派なんて、そうでなければ生まれないし。印象派とかキュービズムとか。
      ロックのビートにオリジナリティとか言われた日には....

      作風の真似をどう定義するかになってしまい、法でそこまで踏み込むことにどれほど価値があるかで
      この先の流れが決まってきますね。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      この程度の加工が「創作」ねぇ‥‥‥。

    • by Anonymous Coward

      「あんたの写真、俺のとそっくりの加工がしてあるじゃないか。著作権侵害だ」
      「つかこれ被写体も場所も違うし」
      「加工の方法が同じだからアウト」

      かくして、モノクロに赤い車体だけを浮き立たせる加工で
      写真を撮った者は即刻訴えられる事態に…

      • by Anonymous Coward

        被写体と場所はほぼ同じじゃん
        予備知識が無い俺からすれば
        同じ人が作った一連の作品だと思う

        • by Anonymous Coward

          http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E7%99%BD%E9%BB%92%E3%80%80... [google.co.jp]

          こんだけ、似た様なチュートリアルが見つかるんだから、同じ処理をする人はやまほどいて、あとは被写体と場所がほぼ同じになる場合ってのは単に確率の問題なのでは?

          ロンドンに住んでたら、ビッグベンはランドーマークだし、赤いダブ

        • by Anonymous Coward

          http://formula-mix.up.seesaa.net/image/mts0776.jpg [seesaa.net]

          今後は、コーナリング中のレーシングカーの一台をカラーにし、それ以外を白黒にするような画像処理を加えたらイギリスでは盗作になる可能性があります。

    • by Anonymous Coward

      何らかの知的所有権として法で保護するべきかどうかはともかくとして、これが著作権で保護されるべきかというと……

    • by Anonymous Coward

      よし、製法特許だ!

  • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 21時25分 (#2088761)

    撮影者じゃなくて、プリント自体に著作権を持たせればいいんじゃね?

    • by Anonymous Coward

      モノに権利を与えるなんて、誰もが同意してくれるどころか、むしろほとんどの人に同意してもらえないと思う。

  • by Anonymous Coward on 2012年01月27日 21時37分 (#2088769)

    写真じゃないけどコレ [blogimg.jp]だった

typodupeerror

未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

読み込み中...