Stallman、電子書籍に吼える 82
ストーリー by reo
always-look-on-the-bright-side-of-ebooks 部門より
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hylom 曰く、
近年 Gmail から JavaScript、Chrome OS、果てには携帯電話にまで噛みついているフリーソフトウェア原理主義者であり GNU、FSF の創始者である Richard M. Stallman 氏が、今度は電子書籍に物言いを付けている (原文 PDF: The Danger of E-books) 。
尊師曰く、
印刷された書籍には、
- 金さえあれば匿名で買える。
- 買った書籍は所有できる。
- 書籍の利用を制限するライセンスに署名する必要がない。
- フォーマットが公であり、書籍を読むのにプロプライエタリなテクノロジは不要である。
- 合法的に書籍をスキャンしたりコピーできる。
- 所有している書籍を破壊する権利は誰も持たない
といったメリットがある。一方 Amazon の電子書籍の場合 (ごく一般的なこととして)
- Amazon は電子書籍の購入時にユーザー認証を求める。
- いくつかの国では、Amazon は「ユーザーは電子書籍を所有していない」と述べている。
- Amazon は電子書籍の利用時、ユーザに対し制限のあるライセンスに従うことを求める。
- フォーマットは秘密になっており、プロプライエタリでユーザーを制限するソフトウェアでしか読むことができない。
- 電子書籍のコピーは DRM のため不可能。著作権法よりも制限のきついライセンスによっても禁止されている。
- Amazon はリモートからバックドアを使って電子書籍を削除できる。実際、このバックドアは 2009 年に使われている。
このような権利侵害により、電子書籍は印刷された書籍よりも「後退」したものとなっている。我々は我々の自由を尊重しない電子書籍を排除しなければならない。
なお、原文は Creative Commons Attribution Noderivs 3.0 にて提供されている。
電子化なんて、いったいどこの異次元の話なのかって感じですが。 (スコア:2)
私自身は
そもそも、ずっと持っていたいものしか買わないので、
紙だけです。
メディアが変わったりデバイスが変われば全部買いなおしになったり、
購入した自分のコンテンツなのに売り手の都合で購入後に勝手に消される?
そんな、ふざけたものにお金を出すつもりはない。
友達には同じ理由で、自炊専門の奴がいます。
個人的な結論。
この現実が覆らない限り、
当面は、著作権ぎれのコンテンツ、それから読み捨てるような物以外、
電子書籍が普及することはないと思います。
できれば、外れて欲しい予測なんですけど…。
本当は今すぐでも電子化して欲しいんだから。
排除するの? (スコア:1)
権利者側がDRMつき・DRMなしのフォーマット・流通を選ぶ自由だってあるわけでしょう?
紙の書籍だって契約結ばないと売ってくれないとか、転載禁止するとかあるわけですし。
排除ではなく選べるように規格を立ち上げて、あとは市場の判断に任せるというのがOpenSource畑がとるべき道じゃないんですかね。
Re:排除するの? (スコア:4, おもしろおかしい)
Re:排除するの? (スコア:4, すばらしい洞察)
たしかに匿名性は大事だ。エッチ本を買うときに
翻訳時のニュアンスだと思うよ (Re:排除するの? (スコア:4, 参考になる)
いつも過激な御仁だけど、ちょっとかわいそうなのでフォロー。
原文では以下のようになっています。
訳し方の差だとは思うけど、「自由を尊重するまでは、拒絶しようぜ!」と言ってると思うのです。
「積極的に排除していこう」と「我々はそれを選んではならない」というのは、結構差があるかな、と。
で、やり方としては2つオススメがあると。(そこは原文読んで判断してください:-P)
んで、ポイントは「選べるように規格を立ち上げて、あとは市場の判断に任せる」ってのじゃ駄目だってところでしょうな。
別に今は攻撃されてないけど、このままだと奴らに首根っこを掴まれる。戦いは既に始まっているのだ!とブチアゲて終わる辺りさすが尊師といったところ:-P
(市場に任せたら)たぶん水は低きに流れるし、僕らはEbooksを便利だ便利だと言ってありがたがる。
そして普及しきったあたりで方針が変わっても、もう後戻りはできないのだって指摘自体は、真摯に聞く必要があるかな、と。
寡占よりも多様性を目指す方向性自体は、一般のユーザーにも良いんでないかなー
# イデオロギーによって啓蒙するという手法が有効かどうかは別としても:-P
Re:排除するの? (スコア:3, 興味深い)
その運動を平和にやってるだけだと金を持ってる企業の囲い込みには勝てなさそう、とかも含めた色んな理由で、「あらゆる物・全ての人に自由を『強要』する」ぐらいの最左翼な原理主義的立場を敢えて貫くのがこの方々の流儀・社会的役割かと。
そういう考え方にも優れた点はあるけど、完全に方針で生活するのは過剰だよなぁ、というぐらいが普通の人の感覚。 一般の仏教徒が常に仏陀のごとく振る舞うことを目指さんでも良いけど、時々は仏陀のような慈悲の心で行動を選んだら社会がちょっと良くなるんじゃね? ぐらいに思っとけば十分じゃないかな。
Re: (スコア:0)
>「あらゆる物・全ての人に自由を『強要』する」ぐらいの最左翼な原理主義的立場を敢えて貫くのがこの方々の流儀・社会的役割かと。
この頃は「そういう現象」って感じがして来た。
「Stallmanって定義」とも。
Re: (スコア:0)
Re:排除するの? (スコア:3, すばらしい洞察)
>あとは市場の判断に任せるというのがOpenSource畑がとるべき道じゃないんですかね。
いえ違います。
FreeSoftware畑では、身近な人が困っている時に、その人を助けられるはずなのにライセンス的にそれができないというソフトウェアは悪いものなのです。
なので、その理念に従いGNUが良いもの(GPLのソフトウェア群)を作って、模範を先導してフリーソフトウェアが広まったわけです。
だからOpen Sourceという語が生まれても、FSFはFree Softwareという語を最重視してきたわけです。
今回もこの理念は模範を示して広めることが重要だと思いますが、ソフトウェアのようにはいかないでしょうねぇ。
GFDLもオープンソース方面以外ではほとんど使われてないですし。
それに、あくまで研究方面から出てきた思想なので、娯楽方面に適合するかというと…
Re:排除するの? (スコア:1, すばらしい洞察)
売買の成立に関しては、これ以前の問題でしょう。
ここで言っているのは、「そもそも紙の書籍に対して利用可能な部分が劣っている」という点かと。
別物 (スコア:1)
書籍と電子書籍を同様のモノとみなして語るのは間違い。
#電子書籍の自炊って結構あるのかな
HAHAHA! (スコア:1)
ストールマン流の、パンを食べると犯罪者になるコピペでは?
電子書籍を使う奴は企業の奴隷なんだよ!
#電子書籍を買うと社員になれます
別に噛みつかなくても (スコア:1)
一般的に公開されたWEBには、
送付先さえあれば匿名で払える。
ダウンロードしたWEBは所有できる。
WEBの利用を制限するライセンスに署名する必要がない。
フォーマットが公であり、一般的なWEBを読むのにプロプライエタリなテクノロジは不要である。
合法的にWEBを取り込んだりコピーできる。
所有しているWEBを破壊する権利は誰も持たない
これが電子書籍とどう違うんだという。
結局、電子書籍が盛り上がっているというのはマネタイズの方法が浮かび上がってきたからと云うのがあるのでWEBをマネタイズする方法を提示した方がいいんじゃないかと思ったり。
なんでもかんでもフリーにしろって考え方はマズいと思う (スコア:1)
数式なんかも仕組みだと思う。
仕組みってのは、それがたとえば普遍的な仕組みの場合は、仕組みを独占するのはよくない事だと思う。
たとえば、1+1の、+という技法・概念・仕組みを、「ほかの奴には使わせないよ」ってやるのは、よくないとは思う。
だってGIFの圧縮アルゴリズムなんて、宇宙の彼方の宇宙人だって、きっと同じようなアルゴリズムに必然的に辿り着くだろうし、
そういう数式のような、普遍的で、宇宙人も地球人も同じ結論に達するような仕組みを、独占して、「他の人には使わせない」ってやるのは、人類に対する犯罪だとは思う。
でも、本の本文の場合は、数式とは違うと思う。
本自体は数式と同じで一種の普遍的な仕組みだと思うけど、その本文自体は、けして普遍的な仕組みではない。
本文は、ただのデータにすぎない。データは、数式ほど普遍的ではないし、データを秘密にしても、みんなが困るわけではないと思う。
たとえば、ハリー・ポッター読んだこと無いけど、たとえばハリー・ポッターの本の本文を誰かが独占したとしても、
それによって、他の作家の、他の小説の執筆が頓挫するなんてことは無いとおもう。(「ここでハリー・ポッターモジュールを組み込めないから、執筆に詰んだ!」とは、ならないでしょ。ぶっちゃけ、どうにでもなるでしょ。)
ハリー・ポッターの小説は、本っていう仕組みを利用した、データにすぎないと思う。
データは、宇宙の彼方の宇宙人も同じ結論にたどり着いてるような、そんな普遍的なものではないと思う。地球人のデータと宇宙人のデータは、たぶん違ってるはず。
本という仕組みは、それはもちろんフリーにすべきだけど、そこに書かれてる本文というデータは、本という仕組みを使って表現できるデータの1パターンにすぎない。
そんなものまでフリーにしろって圧力かけるのは、それは横暴だと思う。
「数式を独占したら、その数式に辿り着くあらゆるプログラムが書けないから、どうか数式をフリーにしてくれ」って論理なら、理解も共感もできるけど。
「あらゆるデータを、なんでもかんでもフリーにしなさい」ってのは、ちっとも必要性を感じないし、実際、フリーへの潮流を利用した、ただのジャイアンだと思う。
電子書籍なんて、それこそデータそのものであって、けして普遍的な仕組みではないのだから、フリーにする義理など無いと思う。
フリーにしたい人は勝手にフリーにすればいいし、したくない人はしなければいい。そういうものだと思う。
リチャードストールマンってひとは、常々フリーを唱えてるけど、
数式側寄りのものも、データ側寄りのものも、どっちも同様に全部フリーにしろって考えは、
ちょっと目的が、当初の「自由なコンピュータープログラミング文化の発展」よりも、「あらゆるものをフリーにする」に目的が変わっちゃってるんじゃないか…って個人的に思う。
フリーが手段じゃなくて目的になっちゃったせいで、本来プログラミングで自由にすべきは数式側寄りなものだけで十分なのに、データ側寄りなものまで調子に乗って欲しがってるように見える。
Re:なんでもかんでもフリーにしろって考え方はマズいと思う (スコア:1, 参考になる)
その上で、少しstallmanの主張を誤解されているかと。
ここで言われてるのは本という仕組みのフリーです。
電子書籍というメディアは、紙のメディアに比べて、自由度が少ない、と言ってるのであって本をタダにさせろとか言ってるわけではないのです。
複製が簡単なので、そこに注目しちゃいがちですが、例えばAmazonがデータを消せる、とか
最悪、オンライン認証先が潰れたら、2度とみれない、とか
そういう所が紙より確実に劣ります。加えて、
より閲覧性の高いプレイヤーを独自開発できない、とか
新しくパソコン(iPad等含む)買った時でも古いマシンでしかみれない、とか
デジタルデータの特性を活かしきれない点もあるのが課題です。
そういった利用者の権利を守ろう、というのが趣旨です。
まあ、一番単純なDRMフリーにしてしまうと、今のビジネスモデルでは著作者の権利を犯しかねないので
混同して議論しちゃいがちですが、本が無料に成ることとは全然違うことです。
一方、日本では…… (スコア:1, 興味深い)
なのに電子書籍の方を買うとガチガチにDRMかけられてて、印刷その他はもちろん、読む為のデバイス毎(ガラケーなんかの機種変含む)に買い直せという
とてつもないスタンスをとっているので、あえて電子書籍を買うのは、それ以外に選択肢のない本を購入する時か、あるいは情報弱者のみという現状
一般人は裁断器片手にScansnapでせっせと自炊に励むのだった。
幸か不幸か、自炊物が大半を占める日本の電子書籍は、尊師から見たら「フリー」に映ることでしょう。
Amazonって (スコア:0)
毎月の様に山ほど紙書籍を買って居るけど、やっぱりユーザー認証を求められるよ?
Re: (スコア:0)
支払方法によっては必要ないですよね。コンビニ払いとか。
居るのは送り先の住所氏名で、それは購入した本人のものである必要はないし。
Re: (スコア:0)
あなたは18歳未満ですね?
Re: (スコア:0)
Re:Amazonって (スコア:1)
日本だったら例えば青空文庫は尊師のおめがねにかなうのでないかと。
(著作権切れの書籍だけだし、販売業者ではないのでいい例じゃないですけど)
元コメは「Amazonで電子書籍を買う場合」と対比するなら「本屋で紙の書籍を買う場合」ではなくて、「Amazonで紙の書籍を買う場合」をとりあげるべきじゃないのか、という趣旨だと思います。
全体の論旨には大して影響はないにしても、基本的にユーザ認証があるので確かに「匿名での購入」にはならないですね。
Re:Amazonって (スコア:2)
多くの図書館の場合、その場で閲覧する場合は認証を求められない。Amazonの場合、書籍以外の購買記録、傾向まで知られてしまう。(Amazonでの購入を強いられるわけではないが)
現実的な解決 (スコア:0)
・電子書籍はDRM freeで、かつ複数のフォーマットで提供される場合が多い
・サイトでのユーザ登録が必要だけど書店で買ってきた印刷された書籍があれば
ISBNを登録するだけで(レシート提出とか面倒な事は不必要)その電子書籍が
出ていれば4.99ドルで追加購入可能(ただし英語版の本のみ)
批判するのが目的ならそれは構わないけどもっと視野を広げる努力も必要だよな
#自分を含めた一般論であり特定の御仁に対する個人攻撃ではありません:)
Re: (スコア:0)
つーかタレコミが悪いんじゃないのか。
件の教祖様が非難してるのは一般名詞としての「電子書籍」?
「電子書籍」を名乗る特定の商品?どっち?
Re:現実的な解決 (スコア:2, 興味深い)
# 要するに「あきそら」の単行本は大切にしろよ、と。
自炊最強 (スコア:0)
外国でも「自炊」(自分で紙の本を裁断して電子化する行為)ってやる人多いのかな。
Jisui (Re:自炊最強) (スコア:2, 興味深い)
"Jisui"として紹介
http://bookseller-association.blogspot.com/2010/08/jisui-digital-book-... [blogspot.com]
自炊=digital book DIY というのは,分かりやすいですね。
スキャンするのならできんじゃないの? (スコア:0)
Re:スキャンするのならできんじゃないの? (スコア:2)
しかし、OCR で、再電子化すると、捕まるだろうか?
読んでココを使って、おかしな文書になったのを
笑ってもらうために公開すると、改変したことになって捕まるかな?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
;;-、
/ヽ;;)
∧_∧ /
∧_∧_(◎・∀・∩ これで撮影すれば
( ・∀|[__|o|_∧つ ___ 著作権は俺らのモノ…
| つ ∩( ・∀・)) | i \ \
と_)_)( つ|三|O | i l =l
と_) ̄) | |__ノ ノ
 ̄ | ̄ ̄| ̄ ̄|
Stallman年取った。 (スコア:0)
Re: (スコア:0)
E-books = Amazon なのか? (スコア:0)
ほとんどの指摘はAmazon特有のものに思えるが。
EPUBなどオープンフォーマットで流通している電子書籍はいくらでもあるだろう。
Re:E-books = Amazon なのか? (スコア:1)
Re: (スコア:0)
それも、販売に対する制約ってのも有るんじゃ?とか思う。
オンラインで即DL購入ならどうやっても認証が必要だろうに。
既存著作権をベースにすると現実にそぐわないって事で出版社に文句言う人も多い。
しかしこいういのも又、古く現実にそぐわない著作権をベースとした発言。
槍玉に上がっているAmazonの方が未だ、新たな状況での現実的な落としどころを求めて模索している。
DRMなんかはその辺りの努力でも有るし、それで現実的に回っているのも有る。
正に「代案は?」と聞き返したくなるお話だ。
噛みつく (スコア:0)
Stallmanの歯型つき携帯電話とか電子書籍端末はちょっとほしいかも。
後方互換の旅 (スコア:0)
煽りすぎたのだろうか。
Re:後方互換の旅 (スコア:2, 興味深い)
「フォーマットも含めてちゃんと公開して Free にするべきだ~~~~」←今ここ
データフォーマットは持ちますとも。
データフォーマットを解釈できるソフトが10年持たないだけです。
「だから全部 Free にしておけといっただろうが~~~~」
fjの教祖様
Re:蛇足(Re:後方互換の旅) (スコア:1)
場所を選ばないと長期の保管ができないのは他のメディアと同じ。
残っている石碑を見て保存性が高いねーと思ってはいけない。
生存バイアスがかかっているから。
Re:後方互換の旅 (スコア:1, おもしろおかしい)
データフォーマットの仕様書をちゃんとプリントアウトしてファイルしておけば再実装できますよ、きっと。
FSFが電子出版社を立ち上げればいいと思うよ。 (スコア:0)
もちろん、グルのありがたい経典を売るんだ。
原始共産主義? (スコア:0)
理想の社会として。
Re:原始共産主義? (スコア:2, 参考になる)
おそらく違うと思います。
彼が求めているものは「平等」ではなく「自由」でしょうから。
Re:原始共産主義? (スコア:1)
勿論この場合の自由とは利用者にとっての自由でしょう。
それが提供者の利害と反するのは別に不思議でもないと思いますが。
Re:Creative Commons Attribution Noderivs 3.0 (スコア:4, すばらしい洞察)
GNU FDLは著作権者以外が無断で改変することを許すライセンスなので、
ソフトウェアのドキュメントには適切だけど、
こういう政治的文書では無断改変許しちゃだめでしょ。
目的によってライセンスを使い分けるのは基本ですよ。
Re: (スコア:0, すばらしい洞察)
こういう低レベルなやつがrmsやFSFを批判してるのがまるっとまるわかりだな。
Re: (スコア:0)
>なんでストールマンを「尊師」って呼ぶの?
「グル」を和訳しただけ。
Re:なんでストールマンを「尊師」って呼ぶの? (スコア:1)
宗教家にとっての「尊師」という言葉と、
ソフトウェア技術者にとっての「ハッカー」という言葉は、
同じような扱いを受けているような気がする。
外部で勝手に悪い意味づけをなされてきたという意味で。
Re:ふと思った (スコア:1)