EU、演奏者の著作権保護を「録音から70年」に延長 79
ストーリー by hylom
手厚い保護? 部門より
手厚い保護? 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
欧州議会は4月23日、音楽演奏者の著作権保護年数を現行の50年から70年に延長する法案を可決した(ITmedia、本家/.)。
現在EUでは演奏者の著作権は楽曲録音から50年間保護されている。しかしこれでは演奏者が生存中に著作権が切れてしまい、ロイヤリティーを得られなくなるとして欧州委員会(EC)は保護年数の延長を提唱していた。ECは始め「録音から95年」への延長を推していたが、反対意見もあり妥協案として「録音から70年」の法案となったという。ちなみに作曲者の著作権保護年数は没後70年となっている。
なお、この法案は今後EU各加盟国の承認を要するそうだ。
著作権延長は文化斜陽国の証 (スコア:4, 興味深い)
新しく生み出される著作物の質が昔に比べて劣っているという認識が強いところほどこういう動きが強くなっている気がする。
権利の保護が必ずしも過去資産の有効利用を阻害するとはいえないんだけど、過去の遺産で食いつなごうという考え方が根底になければ法律として表に出てきたりはしないだろう。
そう考えると、この手の話題が上っているところは今の文化に自信がないといえるんじゃないだろうか。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:著作権延長は文化斜陽国の証 (スコア:1)
>この手の話題が上っているところは今の文化に自信がないといえるんじゃないだろうか。
これまでに今の文化に自信があったというのはどういった時期のどこらへんでしょうか?
今の文化に自信があって十全であれば、それは文化が停止することですよね?
ところが、今まで文化は進歩しつづけて、これまでの文化を越えようとしてきたからこそ文化になりえたわけです。
止まったものは遺跡といいます。
連絡先 (スコア:4, すばらしい洞察)
著作権料を払う(払わされる)方としては、どこに許可取ればいいのかってのが問題になりそう。
かなり古い音源で、演奏者、録音の日時がわかったとして、さて当時のレコード会社はもうない、
権利がどこに売買されたのか追えないという事態は70年たつとありえないだろか。
EU全体で管理している団体があるんだろか?(作るのだろうか?)膨大なデータ量で管理できんの
かよとひとごとながら心配です。
#貴重な音源がみつかりました!でも(権利者の)連絡先がわかないので聴かせられません!
#宝の持ち腐れです。
Re:連絡先 (スコア:4, 参考になる)
日本の場合裁定制度 [bunka.go.jp]ってものが一応あることはあるんですが、“相当な努力”のためにかかるコストが大きいため、あまり有效に機能していない面があります。
今般の改正案 [shugiin.go.jp]にはこの辺の適正化も盛り込まれていたと思います。
Nullius addictus iurare in verba magistri
著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)
だったら50年とか70年とかで区切るんじゃなくて、演奏者が死亡するまでってことにすればいいじゃなかろうか。
Re:著作権は死亡まで (スコア:3, おもしろおかしい)
暗殺されるから駄目、なんだってさ!
Re:著作権は死亡まで (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:著作権は死亡まで (スコア:1, 興味深い)
>過去に何度も出てるけど、「○年か本人が亡くなるまでのどちらか長いほう」とかにすりゃいいだけ。
50年過ぎたら命の危機が!!!
と思ったが、
50年生きててまだ価値のある著作物だったら
それまでに十分な富を産んでいるはず。
著作権の放棄をすれば、命の危険はなくなる。
50年もあれば貯蓄するなどの備えをしているだろう。
していない馬鹿は、保護する価値なし。
50年生きてて金銭的価値が無くなっているような著作物であったら
それはもう奪う意味がない。作者の命は別に保護しなくてもよいあろう。
難しいのが、50年経ってから価値が認められるもの。
こういったものは、絵画などにあったりするが
絵画それ自体に価値があるので著作権で守らなくてはいけないものは少ないだろう。
そしてこういう少ない例のために法を作って
人類の発展にくさびを打つのは是か非か?
# と長々考えたけど、「○年か本人が亡くなるまでのどちらか長いほう」に賛成。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
殺したら、殺した人に著作権が移るんでなく、パブリックドメインになるんですよね。
わざわざ殺すコスト/リスクを支払ってまで著作権をパブリックドメインにしたい人っているのかなぁ?
OSSなプロジェクトを立ち上げて利益を上げるのと似た難しさがあるように思えるのですが。
1を聞いて0を知れ!
Re: (スコア:0)
Re:著作権は死亡まで (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:0)
現実問題として、自然死や純粋な事故死でも、演奏者に遺族がいれば
遺族にも著作権を相続する権利があってしかるべきでは。
Re:著作権は死亡まで (スコア:2, 興味深い)
>遺族にも著作権を相続する権利があってしかるべきでは。
これって未だに意味がよくわからない。というか納得できない。
遺族にとって、生前の著作者は単なる金づるなんでしょうか。
「権利」が「資産」として一人歩きしているのが感覚的に受け入れがたいのは嫌儲的な感情なのかもしれない。
#経済システムが瓦解しかけているのって「生産」から離れたところで金が回っていることじゃないかと邪推してしまう。
Re:著作権は死亡まで (スコア:2, すばらしい洞察)
単に権利者でも相続人でもなくて、金を払う利用者だからでは?
むしろこのことを認めないのが嫌儲的な感情の発露であるように見える。
従前の人たちやそれにたかる人たち、逆に(不当かにかかわらず)「ただ乗り」する人たちがいて、
そこに大きな問題である利益の対立があるんだから、そういうものとして認めればいいじゃない。
お金なんてまさに「生産」から離れたところで回すためのものじゃないの?
Re:著作権は死亡まで (スコア:2, 興味深い)
著作権のややこしいところは、「お金じゃ解決できないところ」にあるような気がする。
ある作品に対して対価を払うことに反対する人はいないんじゃないか?
「作品に対して金を払う」のに異論がないのであれば、別に「ある作品の対価をとり続ける期間」が無限であってもかまわない。
だから単純に作品に対するお金なら、相続とかも問題ないと思う。
でも、問題があるのは「その作品をコントロールする権利」を握り続けることなんだよね。
改変も二次創作も再編集も再録も翻訳も翻案も映画化もできない。
今のところはいないっぽいけど「自分が死んだ後に自分の作品が勝手に使われるのは許せない」として「いっさいの権利は譲渡不可で全部不許可。それを守って行くなら既存の作品の利益は相続させる」とかって作者が遺言して遺族がその通り行動したら、それに関わる作品は発展しなくなる。
排他的な権利であって非常に強力なのが、死後もずーっと続くってのが問題なんじゃないかな。
遺族がうんといわなきゃ、何もできないという。
これが「死後は金払えば何してもOK」だったとしたらずいぶん違った議論になるような気がする。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
>今のところはいないっぽいけど「自分が死んだ後に自分の作品が勝手に使われるのは許せない」として「いっさいの権利は譲渡不可で全部不許可。それを守って行くなら既存の作品の利益は相続させる」とかって作者が遺言して遺族がその通り行動したら、それに関わる作品は発展しなくなる。
相続にそんな条件付けても意味ないと思うよ。
もし、そんな条件がついてても、相続後、それを守る必要は無い。
特定の契約を条件に相続をしたとしても、契約した相手が死んじゃったら、その契約は無くなってしまいますよ。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
遺言関係は民法だけどそれだけじゃないややこしいところがあるので
>作者が遺言して遺族がその通り行動したら
というあたりのエクスキューズで勘弁していただけたら。
# コメントの本質には影響しないので:p
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
>著作権は不動産みたいなものだと思えば、相続は普通だと思うなぁ。
>期間が決められてるほうが不思議だよ。
借地権とおもっていたらいいのでは?
俺は、ある知識/芸能分野でこれだけの広さのモノを獲得した。
これについて、永続的な所有権とするか、
知の世界では借地権の様に扱うべきかの問題で、
現在は借地権みたいなもので、扱わないとまずいだろ?
ってなことになっているわけではないかな?
Re:著作権は死亡まで (スコア:2, 興味深い)
日本の著作権法では著作者人格権は永遠に存続すると定められて(第59条-第60条)いますよね。
著作権延長の是非の議論で何となくいつも権利者に同調できないのは、
既得権益保護のために意図的に著作者人格権と著作権を混同させようとしているのを感じるからかも知れません。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
>既得権益保護のために意図的に著作者人格権と著作権を混同させようとしているのを感じるからかも知れません。
わたしゃ混同してしまってるようです(^^ゞ
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
著作権と金が結びつくから
延長とか相続とか言い出す輩が沸いて出てくるんだなぁ・・・
copyleftって言い出す連中が出てくるのも解るわ
#両極端なんだよ
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
>#両極端なんだよ
極端というかその議論が二派に別れる場合、
その両方の示す両翼の端にあるものから議論しないとね。
実は左翼の先端がすごくよかったとしても、左の真ん中から議論をはじめても最善にはいたらんのだ。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
死なないモノに演奏させれば…
ビッグベンの鐘の演奏とか。
Re:著作権は死亡まで (スコア:3, おもしろおかしい)
HPスキャナ [srad.jp]だと、先に死にそうだ・・・。
# なんてタイムリー
Re: (スコア:0)
それってビッグベンを楽器にしてるだけじゃないの?
それともビッグベンって自分の意思を持っていて自分の意思で鐘を鳴らしてるの?
#無粋なツッコミなんでAC
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
それってビッグベンを楽器にしてるだけじゃないの?
ビッグベンの演奏(プログラミング?)で他と区別できるほどの創作性を表現できるなら、著作権で保護される対象と認められるかもしれないね。
誰が演奏(プログラミング?)しても同じにしかならないのなら、著作権で保護されない、ということになるんじゃなかろうか。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)
生存中に著作権が切れてはいけない理由は?
著作権の理念って、著作者の利益を確保してモチベーションを高めることで
文化の発展に寄与せしめることじゃないの?
#少なくとも日本ではそうなってる
50年(70年?)もあれば十分すぎる保護期間ではなかろうか。
むしろ、大抵の演奏(演劇etc含む)は旬を過ぎてしまってほとんど使われなくなってると思う。
Re:著作権は死亡まで (スコア:2)
別に50年でも70年でもどうでもいいじゃん。
でも、フルト・ベングラーとか出て来るんだよなぁ‥今になっても
録音が残っている限り永延に繰り返される命題のような‥
Re:著作権は死亡まで (スコア:1, 興味深い)
多作する能力のある人が、大ヒットを1発当てて満足してしまい、
その後作らなくなったら社会的損失だよね。
どうせ延長だ何だと言ってるのは
「既に当ててもう作る気の無い人」であって、
今作ってる人達はそれどころじゃなく、がむしゃらに頑張ってる。
公益を考えれば、「既に当ててもう作る気の無い人」の利益は保護しなくていい。
むしろ、彼らから取り上げて、これからの人達へと回す方法を考えるべき。
Re:著作権は死亡まで (スコア:3, すばらしい洞察)
違うのでは?延長したがってるのは「創っている人」たちではなく、「それに群がってる寄生虫ども」でしょう?
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
むしろ、大抵の演奏(演劇etc含む)は旬を過ぎてしまってほとんど使われなくなってると思う。
ならば、70年だろうが100年だろう、永遠でも構わない、って話にならないか?だって、ほとんど使われないんだから。
むしろ、50年たっても価値を認められるようなすばらしい作品をどうするか、というのに主眼を置かないと、妙な議論になると思うぞ。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
発想が逆。
「逆」とは言わないんじゃないか?方向性が違うって感じでは?
価値がある程度目減りしたと思われるが、ゼロにはなっていないぐらいの期間(おそらく50年よりずっと短い)で著作権が切れれば
それはそれで著作権者がかわいそうだよね。
著作権者が積極的に著作権を放棄するなり、自由な配布・改変を認める、というのなら話は別だけど。
絶対に働きたくないでござる (スコア:0)
人間、印税で不労所得が保証されると、もう仕事しようってモチベーションが完全になくなってオンラインゲーム三昧の生活にどっぷり浸ってしまったりするのは良くあること
Re:絶対に働きたくないでござる (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)
著作権につきものの「生きているあいだはロイヤリティーを取りたい」という論拠がわからない。
人格権は著作者の寿命基準で,財産権は固有年限までと分けて考えるのが妥当ではないか?
財産権の延長の根拠に著作者の寿命がでてくるのはおかしい。
クラシックなど、作曲者には著作料払わないけど演奏者(というか権利管理会社だろうけど)は
70年間使用料を払えという例は出てきますが、それはバランスとしてどうなのかという気はします。
Re:著作権は死亡まで (スコア:1)
特許と比べても、著作権は長すぎですよね。
特許だって、発明者が生存中に特許権が切れてしまって、ロイヤリティーを得られなくなることがあるはずだけど、
それはおかしいから延長だ!って議論はあんまり聞いたことがない。
1を聞いて0を知れ!
音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1, 興味深い)
この手の問題って人間の寿命を基準にされがちだが、(日本では)権利料の半分を得られる音楽出版社という「企業」の観点が意図的に抜かれてるんだよなぁ。
まぁ今回は演奏なので、録音ということでレコード会社がモロに絡む案件だから、もっと分かりやすいんだが。
企業の寿命で考えれば1000年くらいの期間が必要なのは当然である。
矢面に立たされて、批判を浴びてる人物、組織って大変だなぁと思う。
「漫画が無くなっても、会社がある限り、私達は給料をもらえるんですよね」なんて名言もあったし。
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1, すばらしい洞察)
いろいろ解決できると私は(だれ?)思っているのですが、なぜ
これに賛成しないのでしょうか?
特許なんて申請にも手数料が必要なのに。
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1)
GPL等のオープンソースが破綻してしまうから、それは良く無いと思う。
金銭以外の対価を、著作権によって手に入れようとしている人たちもいるんです。
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1)
それだと、やっぱりダメなんじゃない?
有料化ってのは、儲けに繋がらないような著作物は権利が早く切れるようにして、利用を増やそうってのも利点の一つでしょ。
収入を得ない場合に権利が70年になっちゃうのでは、その利点が失われてしまう。
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1)
>だいたい著作権が特許以上に手厚く保護される理由が分からん。
根本が変わってないのでどんなに小手先を変えようが手厚くなりようがないと思いますが…
今回の変更なんて、自分で演奏するなら簡単に回避できるのでは?
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1, おもしろおかしい)
働かずに金貰いたいって奴のほうがよっぽど乞食だろ。
Re:音楽出版社は?レコード会社は? (スコア:1)
少なくとも版権を持っているレコード出版社は喜んでいるでしょうね。
Re: (スコア:0)
一般的な企業の寿命を調べてごらんよ
企業の寿命ですか (スコア:1)
気になったのでぐぐってみたら30年ってワードが並んでた。
適当にリンクを開いてみたら、もう15年にまで短縮されてるとか言うのもある・・・
定年まで勤め上げるって事も既に幻想なのか。
友人の会社は退職金を前倒しで分割前払いする制度を始めたらどんどこ人が辞めていったそうだ。
#そいつも去年辞めて故郷に帰った。
著作権というか権利(利権?)にだけ頼っている会社や受益者達が必死なのはわかるけど、ついて行けなくなりそう。
Re: (スコア:0)
Re:期間なんか取り払えばいい (スコア:2, 参考になる)
> 著作権を遺族が引き継ぐなら、相続税を払え。
いや、今も相続税払ってますよね。
評価額については「財産評価基本通達148(著作権の評価)」あたりを参照。
なお、
> 適当な期間でどんどんパブリックドメインになっていく。
を目的として、著作物の相続のみを対象に
> 録音されてからそれまでに全著作権者が受け取った合計金額を元にして計算した額
のような特殊な考え方を導入するのであれば、
相続とは別枠での課税を考えたほうがいいと思います。
また、「3代目や4代目での」パブリックドメイン化を目論むのであれば、
流行ものは従来どおり、古典の開放時期が多少早まる程度の変化になりそうです。
課税で解決ということですからあくまで財産権の範囲だけですよね。
それって現状とほとんどかわらない状況のようにも見えてしまうのですが、
具体的にどういう人がどのくらいメリットを受けるのでしょうか?
# 従来より税収がちょっと増える可能性があるくらい?
# でも、逆に大手が握り続けて商売したほうが一般税収は増えそうな気も...
Re:期間なんか取り払えばいい (スコア:1)
(法人は死なないので以降、相続という事象は発生しません。)
notice : I ignore an anonymous contribution.