学生のアイデアで特許を取得し、利益を上げる大学 28
契約がしっかりしてればそれでいいんじゃないですか 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
本家記事によると MIT の大学院生 Erez Lieberman 氏は NASA でのインターンシップ時、宇宙飛行士が帰還後に歩行時のバランスを取り戻す研究に携わったことをきっかけとして、人がバランス良く立てているいるかどうかを見分けるアルゴリズムを開発した。彼はこれを用いて歩行時にバランスが崩れがちな高齢者などをサポートする中敷「iShoe」を開発し起業しようとしたが、彼の発明に関する特許を取得していた MIT から特許使用料として 7 万 5 千ドルの支払いを求められたとのこと。
1980 年以前は大学など学術研究機関が取得した特許は年間 250 件にも満たなかったが、1980 年に大学や研究機関に特許権の帰属を認めるバイドール法が制定されてからはその数は増え続け、現在では年間 3,000 件にも上るとのこと。NY Times によると、大学などが特許使用料や企業へのスピンオフから得た金額は 2006 年では総額 450 億ドルにも上る。強力な研究組織のあるスタンフォード大学は 6100 万ドル、またニューヨーク大学は 1.5 億ドル以上の利益を上げたとのことで、大学や研究機関の重要な財政源となっているようだ。
ちなみに Erez Lieberman 氏および iShoe の開発メンバーは MIT, ハーバードおよび NASA と合同でこの技術に関する特許を取得しているので「学生の頃に思いついた件について、いきなり MIT から特許使用料を取られた」とかそういうお話ではない。
大学が知財で収益を得ようとするのは別段不思議なお話でもない。ただ、学生の身分だと知財に関する取り扱いに詳しくないため、知らない間に自分の研究成果が大学の知財になっていたよ ! などという事もあるかも。起業する意志のある学生はそのあたりをきっちり調べておいた方がいいでしょう。ちなみに日本国内の大学で特許収入が一番多いのは名古屋大学で、2005 年度実績で 1.99 億円とのこと。
値段の書き方 (スコア:4, おもしろおかしい)
1億990万円
上の方が高く見えるのは何故だろう
Re:値段の書き方 (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:値段の書き方 (スコア:1)
ああっ、で、でも
らめええええ
Hiroki (REO) Kashiwazaki
Re:値段の書き方 (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:値段の書き方 (スコア:4, おもしろおかしい)
特許の帰属に関する書類を交わしているはず (スコア:3, 参考になる)
私自身は MIT から給料をもらっているわけではないのですが,
MIT で行った研究について,特許が MIT Media Lab に帰属することを
承諾する書類にこちらに来たときサインをしています.
大学院生は一般的に大学に雇用されているケースが多いのですが,
そのような場合でも特許が大学に所属する場合が多いでしょう.
また大学の設備を利用することでなし得た発明も同様です.
詳細は以下を参照下さい.
http://web.mit.edu/policies/13.1.html [mit.edu]
Re:特許の帰属に関する書類を交わしているはず (スコア:1)
すべて届け出ることになっており、「当該発明等につき特許等を受ける権利を大学法人が承継すると決定したときは、別に
定める様式による権利譲渡書を知的財産部に提出しなければならない」となっています。もちろん補償金はもらえるのですが、
利益から必要経費を引いた残りを「大学6割:研究者4割」で分け合うことが明記されています。発明する前から配分が
決まってしまっているので結構萎えます。これを嫌がって研究委託などで逃れている研究員もいるようです。院生の場合は
立場によって微妙に変わるようですが、基本的には「研究員等」としてこの規則に縛られます。
ただ、同規則には発明者に対する特許申請等のコンサルティングが明記されていますし、大学に帰属した発明等については
係争など面倒なことを全部任せられますから、ある面では優れているとも言えます。
#手間賃6割の管理会社みたいなもの
学生だからどうこうと言うより、学生も大学の研究員の一員であるという視点に立てば特許が大学に帰属して
結果として利益を得るのは当たり前といえば当たり前の話です。
ただし、この規則は学内じゃないとたぶん見れない場所に書かれてたりしますし、
入学書類にもそれらしきものは見当たらないような・・・・
そもそも国立大学は法人化する前には儲けようという意識が薄かったせいもあって、
この手の規則の整備はかなり遅れてましたので、特許申請もしづらい雰囲気の部局も・・・・
#同業者が特許取得して初めて「えっ、こんなのが特許になるの?」なんて台詞吐いた教授とか
Re: (スコア:0)
あとで揉めないで済むので、安心して研究できるじゃないですか。
高い月給をもらって、その上、成果が出たら高額報酬が出て当然というのは、虫が良すぎます。
特許料は全部寄越せ、その代わり無給で働く
あるいは
無給で働くから、その代わり特許料は全部ください
と言うのなら、潔いと思いますが。
そんなことでは生活が安定しないので、日本中の特許料で飯を食う人たちで互助会を作ってですね、
その互助会から十分な生活費が出るかわりに、入った特許料はすべて互助会に寄付するってことで。
Re:特許の帰属に関する書類を交わしているはず (スコア:1)
「あるいは」になってない。
研究の場としての大学 (スコア:1, すばらしい洞察)
授業料を払っているという意見もあるかもしれないけど、それに見合うものばかりではない。
特に宇宙系になると、実験すら難しくなりそうだ。
ただ、大学院生にもなれば、本人もそういった著作権事情を勉強すべきという意見もあろう。
大学に一任してしまうことで今回のような事例が挙がってくるわけで。
そう考えると、一律に大学が知財とするのはおかしいともいえない。
個別案件で個別にきちんと契約をするとなると、コストもね・・・。
Re:研究の場としての大学 (スコア:1)
Re: (スコア:0)
だからアッチでは知材に絡む開発者の契約には神経質になる。
Re: (スコア:0)
Re:研究の場としての大学 (スコア:1)
就職してからの新人研修の中に、特許とクレームの書き方(実際に書かされる)なんてのがありました。
(前職ですが)。
逆に言うと、そこで習わなかったら「良く聞くけど実際のところどういうものかよく分からない」という
まま今に至っていたかも知れません。比較的創造的な作業が出来る大学生(というか院生?)にはそういう
指導は必要かもしれませんね。
今居る会社ではそういう教育はありませんし、今居る会社に新卒で入ってきた人は、多分その辺について
特に知識も無いまま技術系の仕事をやっていると思います。まぁ、言われたことを言われたとおりにやって
泥のように働く仕事なんで、ほとんど関係無いんですけどね。
多分今の会社の若い人に言っても「いや、自分達別に関係無いですし」とか言いそう。
大学も営利目的で (スコア:1)
Re:大学も営利目的で (スコア:1)
Re:大学も営利目的で (スコア:1)
Re: (スコア:0)
さあ、まず入学料をお支払いください!授業料はこれこれです!トレーニングにはパソコンは必須ですのでこの機種をお買い求めください!
このスクールのこの講習をお受けください!ミシンも使えると内職ができて便利です! お金が足りないなら融資します!
ぜひご友人もお誘いください!ご友人一人紹介につき○○円キャッシュバックします!」
こういう商法ありますね
現実問題として (スコア:0)
そのほうが、新たな特許技術の開発のための資金を獲得しやすい。
発明者本人が取り分を欲しければ、自分も資金に出資する、あるいは、給料を安くする代わりに成功報酬が出る雇用契約を結ぶべき。
もちろん、発明者本人が総取りしたいのなら、すべて自己資金でやってください、と。
たとえば、超電導の研究をする。
リーダーが10人の研究者にくじ引きで10の物質を割り当てて、発見的な手法で研究をさせた。
そして、そのうちの1人が常温超電導を発見した。さて成果は誰のもの?
Re:現実問題として (スコア:1)
後者だけど、10の物質を決めたのがリーダーなら成果はリーダーのものなんじゃないの。 リーダーが意図しなかった添加物とか何かあれば別だけど。
Re: (スコア:0)
会社から矢のような催促と介入を受けまくって思うように研究ができないよりは、
終身雇用で定年まで十分な予算で研究できたほうが、よっぽど良いと思う。
ま、仮に特許収入が全て会社のものだとしても、無理な話ですけどね。
Re: (スコア:0)
つか、取り分0だったら詐欺に走っちゃうよ? 常温核y(ry
給料安め+小説や漫画の印税位か、給料普通+その半分程度は発明者が貰っても良いような気がするな。
Re: (スコア:0)
経済的利益については…取り決めや研究グループの組織形態次第だと思いますが、インセンティブ0は、
そもそもそういう契約自体やり過ぎでしょう。
名古屋大学といえば (スコア:0)
http://www.google.co.jp/search?q=%E9%9D%92%E8%89%B2LED+%E5%90%8D%E5%8F... [google.co.jp]
Re:名古屋大学といえば (スコア:3, おもしろおかしい)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
タレこみにある大学のひとつでPh.D.をとりました (スコア:0)
在学中にした研究について特許を申請したのですが、そのときにタレこみにあるように権利は大学に存在するといわれました。
ところが、当時はまだいいかげんだったのか、私は入学時にそのような書類に一切サインしていなかったので、私は拒否しました。特許権がデフォルトで発明者(私)にある以上、大学側はいろいろな理由をつけて私を訴えない限り大学の特許処理システムにのせることができません。
金になるかどうかもわからない権利をとるために訴えたりは大学もしたくないのか、あるいは大学が院生を訴えるというのは人聞きが悪いと考えたのか、交渉数回の末、結局私が通常の取り分の2倍を取るということで妥協して譲渡契約をしました。
オチは結局(いまのところ)1ドルにもなっていないということですが。