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強制捜査(強制処分)は、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものであることから、国会の定めた法律に根拠が定められている必要であり(強制処分法定主義。刑事訴訟法197条1項ただし書)、かつ、(一定の例外はあるものの)裁判所による個別事案ごとの令状が必要です(令状主義。日本国憲法35条)。
この点、GPS捜査は、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であることから強制捜査に該当するため、令状が必要ということになりますが、現行の刑事訴訟法はGPS捜査の場合に適合する規定を置いていないため、そもそも裁判所はGPS捜査のための令状を出すことができず、GPS捜査をやりたければまずは法律できちんと定めなさい、というのが今回の最高裁大法廷判決の内容です。
したがって、GPS捜査を行うには、まずは国会が法律によってGPS捜査の根拠となる規定を定める必要であり、そのうえで当該規定に基づき裁判所の令状を得て行う必要があることになります。
なお、3名の裁判官が補足意見で、法制化前であってもごく限られた特別の事情の下で裁判官の審査を受けてGPS捜査を実施する余地は否定しないとしていますが、このような見解には他の12名の裁判官は同調しなかったということに留意が必要です。
現場の先走り感も感じるけど、あわよくばなし崩し的に、ダメでも不祥事を切っ掛けに国民の間に議論を起こさせて法改正に持っていきたいんじゃないか、という警察庁の思惑とかありそう便利なものがあるのに使わない手はないよね
15人の裁判官のうち、3人も理解を示してくれたのは驚き法改正待ったなしじゃないの?
現状はGPS捜査ができないままなので、法改正に向けた作業は急いでなされるでしょうね。ただ、どういう要件で許容するかという専門的な議論が必要になるため、どうしても時間はかかり、秋の臨時国会には間に合わない可能性が高いと思います。
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家
必要なのは立法と令状 (スコア:3, 参考になる)
強制捜査(強制処分)は、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものであることから、国会の定めた法律に根拠が定められている必要であり(強制処分法定主義。刑事訴訟法197条1項ただし書)、かつ、(一定の例外はあるものの)裁判所による個別事案ごとの令状が必要です(令状主義。日本国憲法35条)。
この点、GPS捜査は、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であることから強制捜査に該当するため、令状が必要ということになりますが、現行の刑事訴訟法はGPS捜査の場合に適合する規定を置いていないため、そもそも裁判所はGPS捜査のための令状を出すことができず、GPS捜査をやりたければまずは法律できちんと定めなさい、というのが今回の最高裁大法廷判決の内容です。
したがって、GPS捜査を行うには、まずは国会が法律によってGPS捜査の根拠となる規定を定める必要であり、そのうえで当該規定に基づき裁判所の令状を得て行う必要があることになります。
なお、3名の裁判官が補足意見で、法制化前であってもごく限られた特別の事情の下で裁判官の審査を受けてGPS捜査を実施する余地は否定しないとしていますが、このような見解には他の12名の裁判官は同調しなかったということに留意が必要です。
Re: (スコア:0)
現場の先走り感も感じるけど、あわよくばなし崩し的に、ダメでも不祥事を切っ掛けに国民の間に議論を起こさせて法改正に持っていきたいんじゃないか、という警察庁の思惑とかありそう
便利なものがあるのに使わない手はないよね
15人の裁判官のうち、3人も理解を示してくれたのは驚き
法改正待ったなしじゃないの?
Re:必要なのは立法と令状 (スコア:1)
現状はGPS捜査ができないままなので、法改正に向けた作業は急いでなされるでしょうね。ただ、どういう要件で許容するかという専門的な議論が必要になるため、どうしても時間はかかり、秋の臨時国会には間に合わない可能性が高いと思います。