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この出版社の問題の書籍は、どちらかといえば研究者向けの資料の性格が濃いものだ。このような一次資料に近い性格を持った書籍制作を専門にしている出版社による危機感は理解できる。その危機感というのは、煎じ詰めれば、制作した際のコストがデジタル化の波の中で回収できなくなる懸念であり、かつ国会図書館のような公的施設に対する、民間の太刀打ちできなさだろう(「著作権者がわからなくなっているものは、最初に復刻した出版者に著作権を付与するべき」という発言は、ひとつはそこから来ていると思う。お経の著作権は問えないのでは、という提起もあるかもしれんが)。
ソースでも、ごっちゃにというか、拡大解釈的に書かれているが、同じ「流通している」といっても、一般の読み物にあてはまる問題かどうか。もちろん、文芸作品においても、忘れられた作家の傑作を復刻する際の問題を考えられなくはないが、今回の例とはコストが違ってくると思う(「大正新脩大蔵経」は全88巻からなり、「南伝大蔵経」は全70巻が予定されている。「エロエロ草子」はたった1種の底本から復刻されている)。
言わんとするのはわかるのですが、著作権で保護されるものが「延長できる」ルールを作ってしまえば、誰もがそれを適用しろと言い出すでしょう。ミッキーマウスですら法律で著作権を延長してるのに、日本では出版の意志で自由に著作権が延長できてしまう。
一般の読み物は別だ研究文献のみ著作権は永久に守られるんだ!
それは著作権以外の方法で守られるべきことでは?
ソースを読めばわかるが、くだんの出版社は「著作権を延長しろ」とはひとことも言っていない。むろん、本音はわからないが。なお、編纂者や校訂者に著作権を認めるかどうかは議論があり、青空文庫においてもその点でテキスト化を見合わせているものがある(岩波文庫版を底本とした『風姿花伝』 [aozora.gr.jp]など)。
> 著作権以外の方法で例えば官公庁の建物を民間の建設会社が請け負うように、国会図書館などの主導で、文化財の活字化・書籍化を入札方式などで出版社に託す、というのは考えられる。でもなんかこれは、文化としてよくないんじゃないの、って気はする方法だ。
青空文庫にかかる話題になるのでここにぶら下げます。
金子みすゞは1930年3月10日になくなっているので著作権保護期間を経過していますが、青空文庫では入力を見合わせています。こもれびという掲示板 [nifty.com]に、青空文庫の呼びかけ人である富田さんのコメントがあったので抜粋しておきますね。
著作権の保護期間を過ぎているにもかかわらず、再発見の経緯を根拠とした独占の主張がある以上、踏み入れば、対峙はまぬかれないでしょう。覚悟を決めて、しっかり準備する必要があります。
青空文庫に収録されている作品は、著作権が消滅したら入力して収録されていますが、ごく少数の例外として入力をしなかったり、相手の事情を聞いて収録されなかったりする、それは色々というのが実際ではないでしょうか。今回のケースでも、国立国会図書館で同じような判断がされてもおかしくはないなと思います。
> 。1977年に遺族から著作権も買い取った。遺族との絆もある。そういう意味では、その50年後の2027年までは大蔵出版の著作権保護期間であると考えることもできます。
って言ってるけど、これって「著作権を延長しろ」と同じじゃん。
> ・国会図書館が税金で復刻し、弱小出版社が潰れて露頭に迷う世界
これだね。
著作権は物ではないから、物体と同じように考えるとおかしくなる。
著作権者がわからなくなっているものは、誰がいつ作っていつ死んだのかがそもそも不明なので、著作権期間もわからなくなっているでしょう。
著作権者不明なものなんて、世の中に山のようにあるし、自由に使っていた著作物が、ある日突然出版されて著作権を主張されて、著作権料を徴収しますみたいなことになったら、おかしいでしょう。
物ではないから明文規定が必要なんですよ。有体物はそれそのものが滅失してしまえば権利を考える必要がなくなるけど、物として形を持たず目に見ることも手に取ることもできないから法律で規定しないといけない。ぱっと見で存在が確認できないから権利の存続期間を明確にするんです。
なぜ盗電が別個に明文化されているのかとか、例に挙げているくらいですからその特殊性は分かっているのでしょう?
> 再版する価値がある失われた文献を発見した者には相応の報酬を与えよう
価値のある書籍であるなら、復刻したものの販売で対価は得られているはずです。最初に発見した人には最初に刊行する機会を得ているわけで、最初から有利な立場にあるはずなんですよ。もしその発見を出版社に先んじて無償で公開できる人がいるというのであれば、その文献は新たに発見されたわけではなくて既に知られていたものだということだと思います。
いや、権利がないとわかっているのに、訳の分からない理由で他人を不道徳呼ばわりする行為のどこにも理屈なんて通ってないでしょう。
まだしも、「著作者が死亡したことは証明されてないので、生きてるかもしれない」と主張するほうが理屈も通っているし、可愛げもある。
#まだ弘法大師は亡くなってないんですよね。風信帖とかを復刻すればいいんじゃない?
今回の話って慣習上なら存在する権利なんですかね?そういうわけでもないような気がするんですけど。
道徳上問題だからって権利を与えることが正しいとも限らないですよ。前提があれば結論を自動的に導けるような話ではないです。
ねぇねぇ?著作権ってどうやって「ひろう」の?
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ見習い
一般の読み物にあてはまる問題かどうか (スコア:4, 興味深い)
この出版社の問題の書籍は、どちらかといえば研究者向けの資料の性格が濃いものだ。
このような一次資料に近い性格を持った書籍制作を専門にしている出版社による危機感は理解できる。
その危機感というのは、煎じ詰めれば、制作した際のコストがデジタル化の波の中で回収できなくなる懸念であり、
かつ国会図書館のような公的施設に対する、民間の太刀打ちできなさだろう
(「著作権者がわからなくなっているものは、最初に復刻した出版者に著作権を付与するべき」という発言は、
ひとつはそこから来ていると思う。お経の著作権は問えないのでは、という提起もあるかもしれんが)。
ソースでも、ごっちゃにというか、拡大解釈的に書かれているが、
同じ「流通している」といっても、一般の読み物にあてはまる問題かどうか。
もちろん、文芸作品においても、忘れられた作家の傑作を復刻する際の問題を考えられなくはないが、
今回の例とはコストが違ってくると思う(「大正新脩大蔵経」は全88巻からなり、
「南伝大蔵経」は全70巻が予定されている。「エロエロ草子」はたった1種の底本から復刻されている)。
Re: (スコア:0)
言わんとするのはわかるのですが、
著作権で保護されるものが「延長できる」ルールを作ってしまえば、誰もがそれを適用しろと言い出すでしょう。
ミッキーマウスですら法律で著作権を延長してるのに、日本では出版の意志で自由に著作権が延長できてしまう。
一般の読み物は別だ研究文献のみ著作権は永久に守られるんだ!
それは著作権以外の方法で守られるべきことでは?
Re: (スコア:0)
ソースを読めばわかるが、くだんの出版社は「著作権を延長しろ」とはひとことも言っていない。
むろん、本音はわからないが。なお、編纂者や校訂者に著作権を認めるかどうかは議論があり、
青空文庫においてもその点でテキスト化を見合わせているものがある(岩波文庫版を底本とした『風姿花伝』 [aozora.gr.jp]など)。
> 著作権以外の方法で
例えば官公庁の建物を民間の建設会社が請け負うように、
国会図書館などの主導で、文化財の活字化・書籍化を入札方式などで出版社に託す、というのは考えられる。
でもなんかこれは、文化としてよくないんじゃないの、って気はする方法だ。
Re:一般の読み物にあてはまる問題かどうか (スコア:1)
青空文庫にかかる話題になるのでここにぶら下げます。
金子みすゞは1930年3月10日になくなっているので著作権保護期間を経過していますが、青空文庫では入力を見合わせています。
こもれびという掲示板 [nifty.com]に、青空文庫の呼びかけ人である富田さんのコメントがあったので抜粋しておきますね。
青空文庫に収録されている作品は、著作権が消滅したら入力して収録されていますが、ごく少数の例外として入力をしなかったり、相手の事情を聞いて収録されなかったりする、それは色々というのが実際ではないでしょうか。
今回のケースでも、国立国会図書館で同じような判断がされてもおかしくはないなと思います。
Re: (スコア:0)
> 。1977年に遺族から著作権も買い取った。遺族との絆もある。そういう意味では、その50年後の2027年までは大蔵出版の著作権保護期間であると考えることもできます。
って言ってるけど、これって「著作権を延長しろ」と同じじゃん。
Re: (スコア:0)
・誰も復刻せずこの世に件のお経が存在しない世界
・国会図書館が税金で復刻し、弱小出版社が潰れて露頭に迷う世界
・必要な人がお金を出して復刻し、それで食ってく人もいる世界
どの選択肢がみんなの幸せか、一目瞭然でしょ。
Re: (スコア:0)
> ・国会図書館が税金で復刻し、弱小出版社が潰れて露頭に迷う世界
これだね。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
物権に対して当然に受け入れられている拾得者の権利を知財にも自然に延長しようというだけの主張でしょ。賛否はともかくキチガイ呼ばわりするあなたよりは理屈通ってる。
Re:一般の読み物にあてはまる問題かどうか (スコア:1)
著作権は物ではないから、物体と同じように考えるとおかしくなる。
著作権者がわからなくなっているものは、誰がいつ作っていつ死んだのかがそもそも不明なので、
著作権期間もわからなくなっているでしょう。
著作権者不明なものなんて、世の中に山のようにあるし、
自由に使っていた著作物が、ある日突然出版されて著作権を主張されて、
著作権料を徴収しますみたいなことになったら、おかしいでしょう。
Re: (スコア:0)
だとしたらそもそも著作権なんてものが必要ないよね。あと電気も盗み放題にしよう。
著作権っつーのはコピーする権利なので、仮に一度切れた著作権が復活しても、すでに持っている本が読めなくなったりはしません。そういう意味では何も問題はない。
再版する価値がある失われた文献を発見した者には相応の報酬を与えようってのにはそれほど違和感はないけどな。人が見つけて儲かること分かってから俺も俺もーって業者がわらわら出て来るのは、まあ賛否両論あって構わないとは思うけど、さすがにそれを税金でやるのは害悪しかないだろう。
Re: (スコア:0)
物ではないから明文規定が必要なんですよ。
有体物はそれそのものが滅失してしまえば権利を考える必要がなくなるけど、
物として形を持たず目に見ることも手に取ることもできないから法律で規定しないといけない。
ぱっと見で存在が確認できないから権利の存続期間を明確にするんです。
なぜ盗電が別個に明文化されているのかとか、例に挙げているくらいですからその特殊性は分かっているのでしょう?
> 再版する価値がある失われた文献を発見した者には相応の報酬を与えよう
価値のある書籍であるなら、復刻したものの販売で対価は得られているはずです。
最初に発見した人には最初に刊行する機会を得ているわけで、最初から有利な立場にあるはずなんですよ。
もしその発見を出版社に先んじて無償で公開できる人がいるというのであれば、
その文献は新たに発見されたわけではなくて既に知られていたものだということだと思います。
Re:一般の読み物にあてはまる問題かどうか (スコア:1)
いや、権利がないとわかっているのに、訳の分からない理由で他人を不道徳呼ばわりする行為の
どこにも理屈なんて通ってないでしょう。
まだしも、「著作者が死亡したことは証明されてないので、生きてるかもしれない」と主張するほうが
理屈も通っているし、可愛げもある。
#まだ弘法大師は亡くなってないんですよね。風信帖とかを復刻すればいいんじゃない?
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
今回の話って慣習上なら存在する権利なんですかね?
そういうわけでもないような気がするんですけど。
道徳上問題だからって権利を与えることが正しいとも限らないですよ。
前提があれば結論を自動的に導けるような話ではないです。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ねぇねぇ?
著作権ってどうやって「ひろう」の?