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試しに弾圧側を擁護してみる。今回の映画の問題点は、・一方的な視点に立った主張……自体は制作者の主張だから問題ではない。・制作方法……イルカ漁を行っている様子を断りもなく撮影し、肖像権を無視した事件の映画ですよね。これ・名誉毀損……仕事をしている人に対して、あなたは犯罪者だ!と一方的に決めつけるのは、主張の範囲に収まるのだろうかこのくらい?そもそも圧力とは何だろう。こんなの見たくないから放映するなってのは圧力かもしれない。たばこの煙を吸いたくない見たくないからたばこを売るなってのは圧力かもしれない。名誉毀損を助長する様な放映をしないでくれとお願いするのは、圧力なんだろうか。
>上映してどう判断するかが大事であってさ。 上映自体に圧力かけるっておかしい。極論すれば、「ナチスがいかに優れた政治を行っていて、XX人は腐れ民族だから殺されるべきだったんだ」みたいな映画を作れば、世界中で上映禁止になってもおかしくない。
映画の内容に関係なく、常に上映することを前提に話をするのは非常に頭がおかしい。#今回がどのレベルに相当するかにもよるけどね。
>「ナチスがいかに優れた政治を行っていて、XX人は腐れ民族だから殺されるべきだったんだ」>みたいな映画を作れば、世界中で上映禁止になってもおかしくない。
アメリカにはアメリカ自由人権協会(ACLU)というNGO団体があります。彼らは「言論の自由はその内容がどんなものであれ守られるべきである」という信念の元、あらゆる言論弾圧と戦っています。自由を守る立場の彼らは妊娠中絶の法規制に反対したり、同性愛者への差別の禁止を主張していたりする、立場的には左翼的なリベラルに属しているのですが、彼らは「あらゆる言論弾圧」に反対しているので、時として右派勢力の権利を守るために行動することもあります。
一例として、公共の場でデモ行進をすることを禁止されたアメリカ・ナチ党の裁判に協力し(アメリカ・ナチ党の側の弁護士として)、彼らがデモをする権利を勝ち取りました。また「集会の自由」を守るために、KKK(白人至上主義結社)が州政府に対して起こした裁判に弁護士を派遣して協力し、KKKの集会の自由を守りました。
ACLUが派遣した黒人弁護士がKKKを支援し、ユダヤ人会員の納めた会費でもってアメリカ・ナチ党の裁判の支援が行われる。 仮にアメリカ・ナチ党やKKKが権力を握っても、ACLUの主張する言論の自由など微塵も認めようとしないでしょう。 にも関わらず、あらゆる自由のためにACLUは支援の手を惜しみません。
「寛容主義は不寛容に対しても寛容的でなければならないのか?」という「寛容のパラドックス」を彼らは鼻で笑い飛ばし、平然と不寛容に対しても援助の手を差し伸べます。
彼らの信条はヴォルテールの言葉に集約されているでしょう。『私はあなたの意見に反対だ。しかし、あなたがそれを主張する権利は命を掛けて守ろう』
#こういう団体が全米で50万人の会員を集めているんですからまだまだアメリカも捨てたもんじゃありません。
さて。この『ザ・コーヴ』ですが、東京で上映会が行われます。http://www.tsukuru.co.jp/thecove.html [tsukuru.co.jp]来週水曜の6月9日に中野区のなかのZEROホールで上映会とシンポジウムが行われるとか。興味深いのは民族派右翼一水会の鈴木邦男氏もこのシンポジウムに出演していること。#『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)を著している鈴木邦男氏もこの騒動に意見があるのかもしれません。
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物事のやり方は一つではない -- Perlな人
言論弾圧じゃ? (スコア:5, すばらしい洞察)
Re: (スコア:2, すばらしい洞察)
試しに弾圧側を擁護してみる。
今回の映画の問題点は、
・一方的な視点に立った主張……自体は制作者の主張だから問題ではない。
・制作方法……イルカ漁を行っている様子を断りもなく撮影し、肖像権を無視した事件の映画ですよね。これ
・名誉毀損……仕事をしている人に対して、あなたは犯罪者だ!と一方的に決めつけるのは、主張の範囲に収まるのだろうか
このくらい?
そもそも圧力とは何だろう。こんなの見たくないから放映するなってのは圧力かもしれない。たばこの煙を吸いたくない見たくない
からたばこを売るなってのは圧力かもしれない。名誉毀損を助長する様な放映をしないでくれとお願いするのは、圧力なんだろうか。
Re: (スコア:3, 参考になる)
>上映してどう判断するかが大事であってさ。 上映自体に圧力かけるっておかしい。
極論すれば、
「ナチスがいかに優れた政治を行っていて、XX人は腐れ民族だから殺されるべきだったんだ」
みたいな映画を作れば、世界中で上映禁止になってもおかしくない。
映画の内容に関係なく、常に上映することを前提に話をするのは非常に頭がおかしい。
#今回がどのレベルに相当するかにもよるけどね。
戦う自由主義 (スコア:4, 興味深い)
>「ナチスがいかに優れた政治を行っていて、XX人は腐れ民族だから殺されるべきだったんだ」
>みたいな映画を作れば、世界中で上映禁止になってもおかしくない。
アメリカにはアメリカ自由人権協会(ACLU)というNGO団体があります。
彼らは「言論の自由はその内容がどんなものであれ守られるべきである」という信念の元、あらゆる言論弾圧と戦っています。
自由を守る立場の彼らは妊娠中絶の法規制に反対したり、同性愛者への差別の禁止を主張していたりする、立場的には左翼的なリベラルに属しているのですが、彼らは「あらゆる言論弾圧」に反対しているので、時として右派勢力の権利を守るために行動することもあります。
一例として、公共の場でデモ行進をすることを禁止されたアメリカ・ナチ党の裁判に協力し(アメリカ・ナチ党の側の弁護士として)、彼らがデモをする権利を勝ち取りました。
また「集会の自由」を守るために、KKK(白人至上主義結社)が州政府に対して起こした裁判に弁護士を派遣して協力し、KKKの集会の自由を守りました。
ACLUが派遣した黒人弁護士がKKKを支援し、ユダヤ人会員の納めた会費でもってアメリカ・ナチ党の裁判の支援が行われる。
仮にアメリカ・ナチ党やKKKが権力を握っても、ACLUの主張する言論の自由など微塵も認めようとしないでしょう。
にも関わらず、あらゆる自由のためにACLUは支援の手を惜しみません。
「寛容主義は不寛容に対しても寛容的でなければならないのか?」という「寛容のパラドックス」を彼らは鼻で笑い飛ばし、平然と不寛容に対しても援助の手を差し伸べます。
彼らの信条はヴォルテールの言葉に集約されているでしょう。
『私はあなたの意見に反対だ。しかし、あなたがそれを主張する権利は命を掛けて守ろう』
#こういう団体が全米で50万人の会員を集めているんですからまだまだアメリカも捨てたもんじゃありません。
さて。この『ザ・コーヴ』ですが、東京で上映会が行われます。
http://www.tsukuru.co.jp/thecove.html [tsukuru.co.jp]
来週水曜の6月9日に中野区のなかのZEROホールで上映会とシンポジウムが行われるとか。
興味深いのは民族派右翼一水会の鈴木邦男氏もこのシンポジウムに出演していること。
#『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)を著している鈴木邦男氏もこの騒動に意見があるのかもしれません。
Re:戦う自由主義 (スコア:1)
樋川真 hikawa makoto
Re: (スコア:0)
もし彼らがあなたの言うような団体だとすれば、市井の一個人を根拠なく誹謗中傷するような言論すら全面的に認めるだろうし、そうでなければ「言論の自由はその内容がどんなものであれ守られるべきである」とは言えない。
わたしは言論の暴力性を警戒しているので、とても賛成はできないな。
このストーリーでも一番強いやつは映画を撮った側で、市民団体なんて吹けば飛ぶようなものでしょう。右翼が騒いだところでみんな興味を持って余計に見るだけって言説ばかりだし。
わたしの非リバタリアン的理解によれば、言論の自由は弱い立場のものを守る(とくに国から)ためのものであるから、市民団体側をあまり責める気にはなれないのよね。