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特許制度の成り立ちについてはいくつかの見方があるようですが、近代的な特許制度のそもそもの目的は発明者の権利保護ではありません。歴史上、製法を秘密にされたことで失われり、再発見・発明までに長い年月を要した知識が多々あるわけで、そういったものへの反省の上に特許制度があるわけです。逆に言えば、簡単に再発見できるようなもの、再発見する価値のないものは、そもそも保護の対象にする必要すらない。
現行の特許制度は、本来の趣旨にかえって反した運用になってしまっている点は多くの人が気づいていますが、なかなかこれを変えようという動きは起こらない。(中にいる人は抜本的なアクションがとりづらい)
いきなり特許制度をなくすということは不可能にしろ、特許制度の問題を再考させるきっかけという点では、海賊党が議席を獲得したのは素晴らしいことです。実際にこうした政治的行動を起こせる人がいるところが、欧州の良いところの一つでしょう。
# 日本だとなかなか…ね。
現状の特許制度で個人的に不満に感じるのは、元特許とは独立に同じものを開発しても回避できないことですね。誰かが独自に同じものを発明できるのならば、それは保護するに値しないことの証左に他ならないと思うのですが……。パクリかそうでないかの判定は難しいですから、簡単に片付けられないものだとは思いますけど。
# 以前、同僚が頑張って作っていたソフトが、商品化直前に特許侵害(存在自体を知りませんでした)を指摘され、権利者と折り合いが付かずにポシャったことがあり、実に気の毒でした。
とくに、ソフトウェア特許だと「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されていながら、本当に高度なものだけ特許になってるかと言うと審査がザルだし、無効訴訟は金がかかりすぎて中小企業では手が出ない、という印象があります。
独立に同じものを発明したという例では、電話があたります。努力したことに対して、同じものを発明したから保護に値しないというのは、言いすぎです。
ソフトウェア業界における特許の問題は、ソフトウェアが論理的なもので物理的な障壁(自然法則の制約)がなく、論理的なアイデアだけで特許がかけるため、単なるアイデア勝負になってしまっている点ではないでしょうか。具体的に言うと、問題点を裏返したものがそのまま解決策になっており、問題点から思いつかない物理的な制約による付加・制限がありません。
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コンピュータは旧約聖書の神に似ている、規則は多く、慈悲は無い -- Joseph Campbell
特許制度の本来の目的は、発明者の権利保護ではない (スコア:4, 参考になる)
特許制度の成り立ちについてはいくつかの見方があるようですが、近代的な特許制度のそもそもの目的は発明者の権利保護ではありません。歴史上、製法を秘密にされたことで失われり、再発見・発明までに長い年月を要した知識が多々あるわけで、そういったものへの反省の上に特許制度があるわけです。逆に言えば、簡単に再発見できるようなもの、再発見する価値のないものは、そもそも保護の対象にする必要すらない。
現行の特許制度は、本来の趣旨にかえって反した運用になってしまっている点は多くの人が気づいていますが、なかなかこれを変えようという動きは起こらない。(中にいる人は抜本的なアクションがとりづらい)
いきなり特許制度をなくすということは不可能にしろ、特許制度の問題を再考させるきっかけという点では、海賊党が議席を獲得したのは素晴らしいことです。実際にこうした政治的行動を起こせる人がいるところが、欧州の良いところの一つでしょう。
# 日本だとなかなか…ね。
Re:特許制度の本来の目的は、発明者の権利保護ではない (スコア:0)
現状の特許制度で個人的に不満に感じるのは、元特許とは独立に同じものを開発しても回避できないことですね。
誰かが独自に同じものを発明できるのならば、それは保護するに値しないことの証左に他ならないと思うのですが……。
パクリかそうでないかの判定は難しいですから、簡単に片付けられないものだとは思いますけど。
# 以前、同僚が頑張って作っていたソフトが、商品化直前に特許侵害(存在自体を知りませんでした)を指摘され、権利者と折り合いが付かずにポシャったことがあり、実に気の毒でした。
Re:特許制度の本来の目的は、発明者の権利保護ではない (スコア:1)
とくに、ソフトウェア特許だと「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されていながら、本当に高度なものだけ特許になってるかと言うと審査がザルだし、無効訴訟は金がかかりすぎて中小企業では手が出ない、という印象があります。
Re: (スコア:0)
独立に同じものを発明したという例では、電話があたります。
努力したことに対して、同じものを発明したから保護に値しないというのは、言いすぎです。
ソフトウェア業界における特許の問題は、ソフトウェアが論理的なもので物理的な障壁(自然法則の制約)がなく、論理的なアイデアだけで特許がかけるため、単なるアイデア勝負になってしまっている点ではないでしょうか。
具体的に言うと、問題点を裏返したものがそのまま解決策になっており、問題点から思いつかない物理的な制約による付加・制限がありません。