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私の理解は白田秀彰氏( http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/17/news002_2.html [itmedia.co.jp] )と同じで
> 極めて簡単に言えば、「Winnyが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Winnyの改良をしたでしょ。だから幇助」ということになる。この判決骨子の論理では、「画期的なソフトウェアを開発したプログラマが、実験的にリリースしたら、利用者に思いもよらない使い方をされてしまった」というだけでは幇助にならない。また仮に「思いもよらない使い方で反社会的な効果が生じてしまった」と認識した後に、とくにその反社会的な効果の拡大につながる積極的行為をしなければ幇助にならない。だから、「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよいことになる。それ以上の責任、たとえばソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
ということです。プログラマには最大限の有利な判決です。ですから、地裁判決には何も反論せず話を蒸し返すだけの弁護側こそが百害あって一利なしの目下の敵です。
>プログラマには
同じように、事後プログラマに影響を与えるという観点で白田理論を考えてみます。Winnyの直接的な擁護ではありません、Winnyが思いもよらず悪用されたものという判断で、作者がどう考えていたとかここで論じてもしょうがないと思うからです。
>ソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
これは幇助する意思が無かったと示すための要件で、もちろんデジタル情報は何をもって回収とするか、削除したとするか、それが完全に完了したことをどうやって保証するかが困難だから、配布停止の意思表示止まりとするのは、ある意味当然とも思います。ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな、ネット監視をしてソフト再配布の回収、削除につとめる事なんて条件を求められる可能性は残っているのではないかと。
>「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよい
いったん配布開始してしまうと、幇助として見なされないヤバいと認識する瞬間ってどこになるのでしょう。大抵メディアで騒がれた時、正犯が逮捕された時のいずれかではないでしょうかね。ただし、メディアは例えば昔からある三才ブックス系の一部裏技情報に載るのと、専用ムックが発売されるレベルでは大分利用実体が違ってきます。また、作者がその情報を目にするモチベーションによって認識が変わってくる場合もあります。「俺のソフトってこんな使い方も出来るけど、こいつらアホだ」と批判的に読んでいる場合、主観的に悪用する母集団を過小評価してしまう事があります。
またメディアで騒がれたら問題とするなら、Youtubeもニコニコも幇助とみなされるでしょう。Webサービスの例では適切でないなら、Youtube等からダウンロードするソフトだとか、DVDバックアップ系などそういう系統の雑誌で紹介されていますが、その内容を定性的に判断するのか、その数を定量的に判断するのかで曖昧さが残ります。
かといって「正犯が逮捕された後」というのは大分手遅れな状況になっていて、流石に躊躇が生まれると思う。実際、金子氏も正犯がつかまった後のアップデートなどしないようにと警察から指示をうけて従っていたらしい。まあとにかく、その境界を作者一人で判断する事はなかなか難しい。
そういう判断の難しさがあるから、「ヤバイと自主的に思う」ではなく、IPAなりACCSなり、特定の機関で協議した結果、これ以上の配布をやめて下さいと告知するようにしたら良いのではないでしょうか。逆に、作者の言い分だってあるだろうから、反論の余地もあれば与えて…よほどの妥当性が無い限りは、最後は駄目なものは駄目と警告して、それに従えばセーフとか明確に利害関係者が申し入れるようにしたほうが安心。この安心感が無いという点こそが、今回の幇助事件でP2P利用者以外を巻き込みモメてるところでしょう。ruby作者のMatz氏が表明していた懸念もそこでした。
作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。そのソフトを使っているとは思わなかったけど、逮捕してみたら相当そのソフトが悪用されていたと解った、作者は今も公開中…そういうケースが幇助にならなくて済む、議論しなくて済むようにするには、「ヤバイ」と主観で判断させるのなら明確な定義、理想的には作者への告知プロセスを整える事が必要と思います。
>最大限の有利な判決
有利な点があるという主張には同意できる点もありますが、上記のような安心を保証できる条件が不足している気がするので最大限に有利とは思えませんでした。むしろ、最大の不安を残している気がします。
Winnyの判決がどうあれ、安心を確保できる「思わぬ悪用をされて、放置したら幇助逮捕もアリな場合」の、利害関係者との協議手段、問題の低減に協力する意思表示のチャンスを与えられるように整備することは、今からでも出来ると思います。表題「ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい」というのは、そういう動きを望む事で初めて生きてくると思います。法律の判例がどうであれ、そういう仕組みが出来れば幇助意図の定義や問題解決に対する定義が変わってきます。
例えば、問題の低減として、今回の例では金子氏が修整版Winny(ウイルス対策でなく健全化版)を公開して、徐々に機能を微弱にしていくとか(ウリミバエ対策 [papy.co.jp]のように)Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
>ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな
このつながりはよくわかりません。幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?無罪でも和解がなされることもあれば有罪でも和解がなされないこともある。それに和解は互譲に基づく契約なので、ある意味「なんて条件」と修飾されるような事が付いてこそ和解だと思うのだけど。
>作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
これは行為と結果は構成要件に該当する、つまりは条文上は犯罪にあたる行為をしたうえで、無罪となりえる場合があるのではと問うているのでしょうか。刑法にちゃんと規定があります。
>第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意があったか、過失があったか(特別の規定の一つ)という責任の問題ですね(故意過失を構成要件と解釈する立場もある)。思いもよらないとありますが、幇助の過失犯は規定さていませんから不可罰(無罪)です。幇助反になるのなら故意があると認定されるはずです(思いもよらない故意なら錯誤があったということになる)。で、(錯誤の問題があるけど)故意は措いて、危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
過失とは注意散漫な心理状態の事ではなく、結果等が予見できたのに、もしくは回避できたのにしなかった(そして行為に出た)注意義務違反とされています。これは確かに個人の主観を問題にしているけど、その評価はある程度客観的になされることも分かります。つまり一般的(この範囲は個人の身分やその出た行動によって変わるだろうけど)に適切な行動であったか、法律の規範からどれ程逸脱したかで判断されることになる。
犯罪防止の制度構築はともかく、これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。繰り返しておきますが過失の幇助犯であれば不可罰です。
>幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?
そういえば、あの件は刑事と民事と別々に争っていた事を書いておくべきだったかもしれません。民事のことを思い出したのは、刑事と民事で金子氏を訴えるとか聞いたことがあって、Winnyの件を擁護する気は無いですが、他ではそういう事も起こりうるのかなと思ったもので。
そこで、私がここで言いたかったのは、ある時点では思いもよらず悪用されていた作者だったが、やがて悪用の事例を見聞きしてしまったら、開発時点では過失でも、開発継続からは故意と認識されてしまうでしょう。幇助要件の回避(裁判の回避)のために公開停止宣言をしても、適切だったと判断される条件、どの程度悪用事実があれば…等が作者主観ではわかりません。幇助と見なされないためには回収と削除が不要でも、幇助と見なされたら、それに準じる手間が負わされる幇助と見なされたらというのは、裁判に巻き込まれたらが、より正確な言い回しで有罪確定の事ではありません。
>危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
あくまでも主観レベルの話ですからね、法的に客観的にどうかはさておいてます。悪用されている事例や可能性を過小評価して、そんな一部のマニアの悪用のために、自分の理想から遠い仕様変更を自発的に行ったり、配布停止を宣言するべき時期を逃すことはあるでしょう。それが法律的に黒とする事を否定した訳ではありません。
しかし、往々にしてプログラマーは法律のプロではないから、そういった間違いを起こしやすいものです。検索エンジンやarchive.orgのキャッシュのように、便利だから追認されたけど著作権侵害の機能を実装して、不特定多数に公開してしまう事は起こりうる事で、そのような技術が出来てきた時に、杓子定規な解釈で、しかも幇助容疑で継続機会が奪われてしまうのは勿体無いことだと思います。
>これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。
作者保護の要不要という観点よりは、幇助という概念を適用するにはソフトウェアの不正利用というのは、フリーソフトのような配布方法で何かの分野で強力な毒にも薬にもなる道具を作る力がある人ほど不利になります。そういう作者を幇助容疑で巻き込む可能性を残すのは、抵抗があるなと言う考えです。自分は、その心配がまったく無いので、説得力がなくて残念なところですがね…
不特定多数にプログラム等コンテンツを配信していると、案外はだかの王様になっていても気がつかないものです。ある意味そのような鈍感さがないと、表現活動なんて出来ないんじゃないでしょうか。繊細な作品を作るくせに、他人の権利に鈍感で言い訳無い、というのも尤もな意見ですから、しかし作品を作る事も尊重して欲しいという事で、裁判という非常に体力を消耗するものに巻き込まれる前に、他人の権利保護に協力していくという幇助意思の否定もあると思います。
特に著作権侵害の場合、それが親告罪であるのも、極論ですがWinnyを受け入れるという選択まであるという事でしょう。ある権利者が作者を邪魔だと思う一方で、必要あるいは不要じゃないという権利者もいる。だから、そのソフトウェア開発がいきなり裁判と言う個人にとっては死刑宣告に近い仕組みに巻き込まれるより、ユーザーは著しく減るとか、まったく別物になる可能性があっても、継続できる選択肢がある仕組みを考えて良いのではないかと思います。
とはいえ、ここまで書いてきたことの全てについて、Winnyを想定して考えてしまうと、悪用が予想できるユーザーのいる掲示板に書き込んでサポートしたという点などが、どうにもこうにも金子氏に非が無かったという立場で擁護しがたい部分があります。だから「切り離して考える」なら、というテーマは便利だなと思ってここにぶら下げて書いています。
>そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。
もちろん、詳細実装を書いても居ないうちから健全化と聞いただけで、拒絶反応が出るようなターゲットは使わなくなるかも知れませんね。それでも、逮捕を免れて開発を続けるにはそれしかないという選択肢を提示されれば従うでしょう。そこで、「誰も使わなくなるからそれは出来ません」といったら幇助で引っ張っていいでしょうし。古いバージョンを使うという事は「情を知ってダウンロード」した根拠になりますので、それだけでも健全化する効果は小さくありません。
具体的に、使ってくれそうな機能を生かして開発を続けるか、問題があれば削除できる特別機能を付け加えるか、最終的にどうするのか権利者と仲介組織、作者で検討する余地があればそれでいいと思います。健全化といってもWinnyを想定する場合と、それ以外を想定した場合ではアプローチも変わってくるでしょう。
要は、いきなり作者を逮捕に至ってしまう前に、こういう機能を実装されるとまずいという説明をして、こうして軽減になるという前向きな検討をできる体制を築ける道筋を作って欲しいということです。使ってくれる人は限りなくゼロになるかも知れないけど、でも作品の名誉と自分の社会的立場を守りたいのが普通の心理で、そのために取れた可能性があっても、いきなり逮捕に至ってしまうと手段の実施が不可能になってしまいます。
Winnyを想定した話ではありませんが、正犯で逃走のおそれがあるなら即逮捕は効果があるでしょうが、ソフトウェアを作っただけの幇助犯という関わりだと、顔も知らない人間が悪用した犯行のことなど、積極的に手助けしたという実感が湧くものではありません。正犯の得ていた利益(あるいは侵害していた権利)が、ソフトウェア作者も望んでいた結果と一致しないはずです。そこで、幇助したつもりはない事を訴えようとしても幇助犯として捕まってしまえば、たとえ後で無罪となっても社会的地位の回復は出来ません。
幇助と言うのは、不特定多数にソフトを配るのが当たり前の時代、ソフトウェア作者にとって著しく不利です。何を幇助したと認定するかの基準がどうあれ、作者に被害を緩和するように求めてみる1クッションが欲しい、それが安心に繋がるのではないかというのが私の考えです。
>金子氏の場合隠れてやってたからねえ
おまえがいうな > Anonymous Coward
すいません、すいません、すいません、言ってみたかっただけです。
個人はいきなり裁判になった時点で、開発継続は無理になる、極論すれば一企業の思惑だけで潰される。幇助に限らず正犯としても同じ事ですけどね、せめて幇助罪という一方的に不利な裁判発生を軽減する仕組みが欲しい。そうした仕組みに頼れず個人が身を守ろうとすると、オープンソースで複数人参加可能な場所でやるとか、なんらかの自主的対抗策、あらゆる「隠れ蓑」を担保にして潜るしかありません。そうまでしなくてはいけない、信頼関係を構築できないのはお互いにとって不幸です。Winnyを切り離し、訴訟の行方とも切り離して、個人のソフトウェアの自由を守る仕組みを検討できるのではないかと、表題から考えた次第なので、金子氏の場合は…人柱的な意味もこめて、今回は幇助罪で逮捕自体には異論はなかったりします。しかし、裁判の行方としては有罪になることを望みません。
金子氏の行動は、たしかに捜査機関や権利者から見れば「隠れてやった」と映ります。ただ、Winnyが考え方を参考にしたといわれる、Freenetからして「匿名」に着目したものでした。日本で匿名でやりとりするとなると、2ちゃんねるを思い出してそこでやりとりしようというのは、本人に逃げ隠れの目的が介在しなくても、ユーモアでそうした行動に出る可能性は高いと思います。ただ2ちゃんねるの中でも、偏った需要を生む場所を選んでしまった(選ぶしかなかった)というのは配慮不足が否めません。
特定の体制によって不都合な情報とされた時にそなえて「匿名」で、ネットワークに「情報を居座り続けさせる」ための手段Freenet、その概念を参考にして、通信手段での保護と、需要に応じた速度で複製されていくこと、需要がなくても複製されるようにした。Winnyには、そこに著作権侵害がなくてもテロに加担しかねないと非難される要素がありました。今でこそプロトコルは解析され、そのまま開発停止していますが。しかし、そういう作品であってもPGPにしてもそうでした [wiredvision.jp]が、少しの議論も許さず裁かれるべきでない [archive.org]と思います。特に個人が対象の場合は。
未来登場するかもしれない、「それ」は社会にどのような問題をつきつけて裁判に巻き込まれているのか、作者が予測できた事か過失か、作者に徹底的に争う意思があるか無いかは解りません、現状そのようなものを議論する場はいきなり裁判、それも幇助という裁判に巻き込みやすい容疑になってしまう。しつこいですが、個人が裁判にかけられれば、結果がどう転んでも社会活動さえままならなくなって制裁完了、目的達成です。例えは悪いですが、痴漢冤罪にも見られるので構造がWinnyと切り離すと見えてきます。この件が持ち合わせている、その問題の部分が放置され慣例化して欲しくないというのが、金子氏無罪以上に願うものです。
あるいはソフトウェアは個人で開発すべきでない、不特定多数に配布すべきでないという事を徹底すれば、煩わしさに巻き込まれる事は防止できる。世の中の殆どの人はソフトウェア開発者ではないのだから、それで誰が困る?というと…そうなのかも知れませんけどね…。
>技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。
いや、そこまで言った覚えは無いので何ともいえませんが、そう読み取れたなら違います。緩和とか1クッションという言葉を使っているのも、ゼロが当然とは思っていないからです。詳しくは、他のACさんへのレスなど参照してもらえればいいと思います。
想定しているのは、誰もやったことのないような事にチャレンジだとか、リスクをとってでもやるべきなんだとまで使命感を思わなくても、成し遂げてしまえる人、そういう人が世の中には居る事です。#個人的には、ソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)には、#そのような能力の人が多く見受けられると認識し、尊敬しています。
ですから、望まない事態になった時に、争う気もなかった事であり、訴訟を選ぶより、侵害されたと訴える人が納得できる代替機能に変更、あるいはその機能を潰す、ソフトを公開停止する事を選ぶでしょう。問題は、フリーソフトの幇助罪は明確なトリガーを認識できないので、事前にそういうアクションをとるのが難しいという事です。法的にも、正犯ほど明確に故意を認定できない性質のものです。
まったくの過失であったと後に解っても、裁判になった段階で制裁は完遂同然です。(早朝、家の前にパトカーが止まり、手錠をかけられ家を出るのを目撃されただけでもアウト)勝てばそのままの機能を維持できる特典はあるかも知れませんが、譲歩して済むなら譲歩する所だったら、作者にとってなんの価値も無い勝利です。
ジマーマンの場合、RSAの技術に依拠している事に配慮したために最初から権利者と協議をして、交渉決裂が明らかになったところで戦うことを「選択」できました。ジマーマンにかかったのは、幇助罪ではなく暗号不正輸出の正犯容疑でした。そして、彼は確信犯だったので裁判になっても望むところだったでしょう。
でも、リファレンスなく実装されたフリーソフトに幇助罪容疑がかかる場合、そこまで確信犯的に考えて巻き込まれる案件ばかりとは限りません。個人開発は、よく言えば興味に集中、悪く言えば視野が狭くなりやすいもの。侵害事実を訴えるというのは、視野を広げて気づかせる上で意味があります。ですから、牽制、警告の意味もこめて1クッション置いて欲しいだけです。
譲れない信念に基づいている実装であれば、戦う選択をするでしょうが、そうでない場合は譲歩したい、その意思が確認できても現状では、幇助をめぐって戦う道しかないというのは、社会的に不利すぎるのです。権利の管理「組織」と、「個人」開発者との戦いでは尚更です。不毛な戦いを強制されるのは、適切なリスクではなく過度のリスクだと思います。
>弁護士だってつくし、譲歩を含めて取引だって行われるだろう。
最近は録画をしようという動きになってますが、代用監獄で弁護士同席が認められない取り調べ、人質司法は相変わらずではないでしょうか。司法取引って罪状を認めること前提ですからね、私が書いている例については「譲歩を含めて取引」ではクッションになっていません。そもそも、未来の実装手段で「譲歩」した改善を約束する事は、いくら力説しても取引材料にならないのが普通だと思います。
拡散したと言うよりも、この事件と切り離してその先を思考実験していくと、最後は、この根本的な核に辿り着いてしまった感じですかね。その人が、現行の制度が信用できるかどうかのモチベーションの違い。私は、信用が出来ないというより、漠然と不安を感じていました。それが、このスレッドの最初の書き出しで表明していた気持ちでした。
最初から、制度が信用できないと非難すれば、水掛け論になってしまう。だから、幇助罪にはもっと切り分け材料を用意できる手順を作れないか、どこに怖さを感じるのか漠然とした不安を出来るだけ整理しようとしました。実際やりとりをする中で、少なくとも自分の中で言語化する事ができました。取り除く事には至りませんが、不安の姿を表出できた事は前進です。
あとは、信用できるから不要だ、と言えば十分な人がいてもそれは仕方ない。殆どの人はソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)でないのだから、それで実際困ることはないから、技術屋が身勝手に権利主張してるだけと言われる、そういう反応を予測していた事もすでに書いてありました。
原田ウイルス作者をウイルス作成罪でなく、著作権侵害で捕まえるしかなかったというのも必要性や情緒面は理解できるけど、ともすれば、ウイルス作成を取り締まる法律は要らないとなってしまう危険もある。今あるものでなんとかする、というのは法律に限って言えば怖いことだ…という認識が妄想で一蹴される、必要性が共有できない限界があります。ウイルスを含めたプログラム開発は、殆どの人にとっては価値のない事で、危ない作業を規制すると言えば納得できる人のほうが多いでしょう。
根底には、マネジメント能力があれば、コーディング能力がなくてもプログラム開発は出来ると思われているのではないかという位、プログラマーの地位が低いという評価が固定している所にも、共感を生まない原因の一旦があるような気がしています。コーディングは、社会のなかで必要な仕事と見なされていない現状、これからもそれが変わらない日常であり続ける事を予感しています。杞憂だった、と言われる未来があることを願ってやみません。
不安が現実のものとなっても、自分に降りかかる可能性はない事を、既に書いておいたように、かわいそうでしょと同情を誘う必要がありません。
そう読めてしまったのなら、貴方が愛を分け与える事に飢えているだけです。お気持ちだけ頂戴しておきます、コンビニ募金でもして解消してください。
>平和的解決:
他のレスにも書き込ましたが、必ずその会話例のようになるとは書いてありません。そもそも、協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者重視の取引きです。ですから、仰るような例に解決策を限定して話すのが間違っています。
>どう考えても(略)満貫状態
どう考えても、というのはとっても主観的です。これも他のレスに書きましたが、どう考えても、と判断した(親告罪ですから)著作者が抗議する手段の検討です。Youtubeにアップされた動画に、Youtubeが対応をとる事でサービス継続が許されるようなものです。権利者の意思を尊重するために、Youtubeが自主対策する事に「騒ぐ人」のことはどうでもいいです。
>隠れて
ジオシティーズの無料スペースを使った事で、住所や本名が表面的には隠されていましたが、正犯逮捕後にアプローチ出来たのは、捜査機関から逃げ隠れするような、工作をしていなかったからでしょう。フリーソフト作家として名前の知れている立場で、2ちゃんねるに書き込んでもコテハンというだけで叩かれる、匿名同士のコミュニケーションが慣習として定着している文化、それに合わせただけとも考えられます。本当の所はどうか解りませんが、隠れたと断言するには根拠に乏しいと思います。
>権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手
侵害そのもの、ではありません侵害に加担していると疑われるです。
>どこで線を引くのさ?
侵害事実を認定する線引きは、「どこで」じゃなく「誰が」の問題と考えます。特に、著作権侵害の場合には親告罪であり、思惑はコンテンツホルダーそれぞれの思惑で違ってきます。「どこで」というのは、侵害された個々の事実に基づくものになるでしょう。
>なんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
第一に配慮している事になる相手は、侵害に加担していると疑われる人物ではなく、主に侵害されていないと考える別の権利者だとか、侵害目的で使っていない利用者になります。ステークホルダーが複数いるので、事案毎に対応は違うという事でYoutubeの例を出したのは具体的人物や技術を想定しないで方法を考えているだけで、Winny擁護は主目的でないからです。(表題を戻した意図でもある)
だから、以下のレスは返そうかどうか、迷ったのですが参考程度に書いておきます。
>最初から表で活動していればもう少し違った
個人的に、ジオシティーズは十分に「表」の範囲だと思いますけどね。まず訴えられたのは正犯であり、そこを契機として事情聴取のために金子氏にコンタクトをとれていますので、正犯が裁かれるのは当然だったとしても金子氏の逮捕なしでもコンタクトが取れる環境はありました。
しかしながら、仮に「著作権侵害早期警戒態勢」みたいな仕組みがあったとしても、金子氏の作っていたジオシティーズのページには信頼できる機関から苦情を受け付ける窓口が無かった。仰るように、もう少し違う結果になる可能性を下げていたように思います。#ジオシティーズが2001年にメールサービス付加をやめ、2003年10月には#メールサービス自体をやめた事も多少は関係しているでしょう。
今回について、「捜査機関を引きずり込まなければ…」という所は、私も異論がないと書いています。ただ、「早期警戒態勢」みたいな仕組みがあれば、正犯の逮捕さえしないうちに、コンタクトを取れる事に期待しているだけです。わざわざ、中間機関を経由する仕組みを提案しているのは、権利者と開発者に加えて、必要なら専門家とか業界団体の意見を求めて、単に組織VS個人に陥らないようにするためです。一つ前についたAC氏のレスにあるように、裁判になった事の利点は、ある程度の客観性が法廷には存在する事です。単に当事者間のみによるやり取りは、客観性が無いことが問題なので中間機関の介入を求めている訳です。
>国家権力不信
確かに、人質司法問題に不信は表明していますが、相手が国家権力だから不信があると認定されても困ります。金子氏の拘留から保釈までのアプローチを見ていれば、頭をよぎってもおかしくない問題でしょう。私だけが特に熱心に提起している問題でもありません、中には国家権力嫌いで同じ事を言ってる人もいるでしょうけどね。
>金子氏はダウンロード専用のWinnyを作って運用したわけなので、あくまで今回の事件については必要ありませんでした。
ちょっと何が言いたいのか良く解りません、そのダウンロード専用Winnyの運用の内容や意図を知りません。報道でそのようなバージョンがあった事は聞いていますが、訴訟の争点として重要視されたとは聞いていません。どっちにしても、最初にわざわざ断ったように、金子氏事例の擁護でとやかく言いたかったのではありません。
>金子氏がたとえば殺人で逮捕
それは明らかに正犯になるので例えが悪いと思います。正犯行為で残念と言うのは、明らかに特例の情状酌量を求めていることになるでしょうが、私が言いたかったのは幇助容疑の確認に、作者が協力的な姿勢を示せる選択肢が欲しいと言う事でした。それは別ACさんへのレスにも書きました。
>地裁判決には何も反論せず話を蒸し返すだけの>弁護側こそが百害あって一利なしの目下の敵です
事実認定を争う以外に手段がないのですよ。多分誰が弁護人であろうと、今回の弁護団のような手法になると思います。そして、負けるでしょう。
話を蒸し返すこと自体がいけないというのであれば、そもそも控訴した金子氏に文句を言ってください。
Windowsが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Windowsの改良をしたでしょ。だからMSも幇助。
ってこと?
違法コピー利用者がやたら多いWinnyと、汎用のOSを比較されてもね……?
若干古い資料だけど、これを見る限り [moba-ken.jp]、はっきりとした違法ファイル交換だけでも4割近いのよね。企業なんかでもかなりの数使われてるWindowsのユーザーで、Windowsの(OSとして以外の)機能を使って違法なファイル交換してる人なんて4割も居るのかしら?それとも「OSとして起動する時点でファイル交換の手助けをしている」とでも言い出しちゃったりするのかしら。だとしたらPCのケースのネジを作った会社や、PCのユーザーを産んで育てた両親にも当然、責任を追及すべきよね。
正直、Winny擁護派の、割合も考えずに「他のソフトも違法コピーに使われてるから~」論は見飽きたわ。
世界に流通している市販ソフトウェアの3割以上が違法コピー [bsa.or.jp]なのでファイル交換の内違法なファイルの割合が4割というのは普通な数字だと思われます。
Winnyみたいに日本国内の固有のアプリが起こしてる問題を世界全体の数字で比較ちゃっていいワケ?
「世界中」って言っちゃうと、法整備が進んでなくて著作権関連をきちんと取り締まれてない国とか、法的にはNGでも市民の意識レベルではOKな国とかも含まれちゃうじゃない。
世界全体での飢餓率から見たら今の日本で一部の派遣労働者や老人が苦しんでるけど、餓死しても全然普通、とか言っちゃうのん?
大体、上に書いたような著作権関連に問題がある国も含めた平均より尚、違法アップロードの割合が多いことを「普通」って思うのかしら?
失礼しました。それでは当該記事にある日本の25%という数字より15%も多いので確かに悪質ですねと言っておきます。15%で蓋然性云々というのは若干違和感がありますが。
比較している数字の質がそもそもまったく異なります。
http://srad.jp/yro/comments.pl?sid=435776&cid=1495565 [srad.jp] でいう4割はWinnyで流通するファイルのうち違法なファイルの割合。違法なファイルとは、市販されている製品を丸ごとコピーしたもので、市販製品の一部だけを切り出したものや、市販されていない著作物(DVD化されていないTV番組など)は含まれていません。個人撮影の写真など著作権フリーなものも含まれていません。
http://srad.jp/yro/comments.pl?sid=435776&cid=1495698 [srad.jp] でいう35%なりなんなりという数字(資料で言う「違法コピー率」)は、違法コピー率の算出は、「該当年度ソフトウェア違法コピー数」を「該当年度にインストールされたソフトウェア総数」で割った百分率として算出 [bsa.or.jp]したものです。
Winnyで流通する「違法でないファイル」が全てDRM管理された合法的コピーであるならともかく、そうでない以上両者を比較することは無意味です。
モノは言い様じゃないかしら。
「15%の差」って言うと小さいように見えるけど、25%からみた40%は6割増しですよ、とか。
で、そもそも、そこまで拘るのなら特定空間で出回ってる違法アップロードされたファイルの割合と、単に日本国内で不正コピーして使用されてるソフトの割合を比較することに意味があるのかしら?
Winnyの場合、たとえ違法アップロードされたソフトは少なくてもWinnyユーザーの多数が使用している可能性もあるし、逆もまたしかりだから「違法アップロードされたソフトの割合がアップロードされたファイルの種類数ベースで40%以上と、かなり多い」というWinny空間の特異性と、単に「日本国内では不正コピーの使用実績が25%である」という事実を比較して、何が得られるのかしら、とか。
一般的に用いられる環境において、そのユーザーのクライアント側環境の25%が海賊版ということですから、この比率がOSに対しても同様の比率でありOSがWindowsであったと仮定して、Winnyの40%に対してWindows自体にも25%の権利侵害に対する蓋然性があるんじゃないかと。
もし、蓋然性という概念が適切なのであれば・・・の話ですが。
商用ソフトのインストールだけがWindowsの使用目的であるならそうかもしれませんね。
他方、Winnyはファイル交換だけが使用目的です。
元調査の内容ちゃんと読みました?
あれは「稼働してるソフトの25%」が違法コピーだ、という話で、「25%のパソコンに違法コピーが入ってる」なんて言ってません。
それこそWinnyなんかで違法コピー溜め込んでる人はため込んでますから、パソコン台数ベースならもっと少ないのでは?
たとえば「違法コピーだけ90本インストールされたPC」が1台と、「違法コピーがインストールされていない、正規版が10本インストールされたPC」が9台あれば、あなたが挙げた調査の方式なら「違法コピー率50%」ですが、違法コピーが稼働しているパソコンの台数ベースなら10%にしかなりません。
違法コピーだけ90本インストールされてるPCとかがありムラがあるのであれば、そういうPCがWinnyネットワークに繋がるだけで増えますし、日本ローカルであるならなおさら誤差の範囲な気もしてきますが。まぁ、その結果割合が増えているとして、そういう人が存在するから合法な利用が否定されるべきという結果には疑問がありますな。
逆じゃないの?
違法な利用者が他より無視できないレベル多くて、しかも違法コピーに手を出してないユーザーも違法コピーを公開したりダウンロードする人に手を貸すことになるソフトを、あえて容認する理由はどこに?
問題は「Winnyを合法的な範囲だけで使えるか」ではなくて「Winnyを使わなきゃできない(他に代替がない)合法的な使い方がどれだけあるか」じゃないかしら?
所持そのものが違法、という物は兎も角として、そうでないモノ(ソフトウェアに限らず)はその気になれば大半は「良い方向の使い方」も「反社会的な使い方(違法な使い方)」もできると思うけど、「悪用する人が多く、かつ禁止することによる社会的なデメリットがあまりないもの」は規制されても仕方ないんじゃないかしら。それがソフトウェアだから自由であるべき、なんて理由はないわよね?
(というか、Winnyの場合「他人の違法なファイル交換を手伝わないようにしつつ使う」ことすらマトモにできないので、違法でないにしても「起動してるだけで」反社会的、とすら言えるんじゃないの?それを打ち消せるだけの「Winnyを使わなきゃどうしても○○が成し遂げられない」って大義があるわけじゃないでしょうに。)
ソフトウェアだからというか、所持そのものが違法でないなら、全ての創作物は原則的に自由に公開できるべきだと思いますよ。
その創作物自体が反社会的であれば法などで規制されるのは已む無しですし、Winnyを「規制したい」、「規制すべき」というのは理解できないではありません。しかし、「規制したい」から現行法について新しい解釈をでっちあげて有罪にするというのはどうなんでしょうね。それなら法律なんて要らないんじゃないですか?裁判官がその場で即興で法律を作ってるのとかわらんのと違いますか?自分はそういうのを法治国家とは呼ばない気がするんですが。
「悪用しかできないもの」であれば上記のような運用も已む無しかと思えなくもないんですが、「悪用する人が多く、かつ禁止することによる社会的なデメリットがあまりないもの」という程度では上記のような運用をされることに抵抗があります。
「悪用しかできないもの」の定義が難しいんだけど……、
少なくともWinnyの場合は、起動するだけで不正なファイル交換の手助け(法的な意味での「幇助」かどうかは兎も角)をするので、「不正ファイル交換に関わらずに」使用することは事実上、不可能では?
使用者自身が悪用するつもりがなくても他人の悪事の手助けをしちゃうモノって、十分「悪用しかできないもの」だと思うけど?
不特定多数の人間が利用しうるサービス全般に言えることなんじゃないかと思うんですよね。不正利用の手助けになりうるというのは。Winnyはそのサービスをクライアントに常駐させているというだけで。だからこそ当時Webスペースのレンタルをしてる連中や掲示板絡みの連中は冷や汗をかいたわけで。
不正ファイルを中継しうることが関わることとイコールとするなら、「不正ファイル交換に関わらずに」使用することは事実上、不可能では?という部分についてはその通りで、それについてはNTTの回線設備が将来犯罪せなどに使われる可能性がありやなしやと同程度の確率でありうることだと考えています。
なんで話をループさせますかね……
NTTの回線が社会的に必要とされてる度合い(代替として使えるものがあるか、も含む)や、NTTの回線が犯罪などに使われている度合いと、Winnyのそれとは全然違うでしょうに。
ネットワーク関連だから、とか、同じソフトウェアだから、という大まかすぎる括りで無理やりほかのモノをWinnyと同一視する馬鹿馬鹿しい理屈は説得力ないんだけど?
開発者への萎縮効果を避けるべきであるとするなら、次のどちらかの判決が出ることを望むのが正しいと考える。 (x) Winnyは違法な利用目的以外に利用価値のない技術である(違法目的以外の利用には十分な他の技術が存在する)とした上で、それを理由として有罪と判断される。 (y) 何らかの理由によって無罪と判断される。
そもそも「禁じてません」よ。金子氏が誓約書だか上申書だか申述書だか知りませんが、任意的に書いて提出しているだけ。法的な縛りも何もありません。
最初の裁判で検察側は「違法に使われていると知りつつアップデートを繰り返したことは悪質である」というような主張をしていたと思うが……。実際にはWinny2以降になってからのアップデートは掲示板機能の追加。これは匿名性を犠牲にするもので、実際に掲示板でのやり取りから足がついて逮捕者が出ている。つまり、大半のアップデート内容は違法行為の助長とは無関係だったのに、そういう言い方をされていたわけだ。さらに、覚書とはいえWinny開発は凍結するという約束もしている。
その状況でWinnyのアップデートなんてしようものなら、その意図や内容とは無関係に反省の意思なしという風にみなして攻撃してくることが目に見えている。金子氏サイドからしてみれば、警察がこのあたりの主張を取り下げるか、勝訴しない限り対応なんてできるわけがない。
まあ、それ以前の問題として、いまやWinny使ってる連中なんて惰性でやってるだけだろうし、いまさら新しいものが提供されたたところでアップデートに応じない可能性が高い。暴露ウィルスが問題になり始めた頃に対処できてれば話は別だったんだろうけど、今となっては不可能と言うのはその通りだと思う。
ちなみに、キンタマ系暴露ウィルスに対する対応はアップロードフォルダの管理をのっとられないようにすればいいだけなので、いたちごっこにはなるけど全部のクライアントがアップデートするのであれば対処自体はそんなに難しくないと思う。
>甘いよ。違法に使われていると知りつつアップデートで対策を打たなかったことが問題視されているわけ。
それだといろいろ矛盾するのだが……。まず、対策を求めるのであれば開発禁止というワードを積極的に否定してないとおかしい。それと、対策をとらなかったことが問題なのであれば、アップデートの有無は関係なく、最初からそう主張していないとおかしい。
ちなみに、セキュリティアップデートも違法コピー対策とは関係ないので、仮に君の主張が正しかったとしても対応したくてもできないという状況は変わらないね。
Winnyの掲示板の機能は、違法ファイルの交換情報をやり取りする目的で 付加されたもの、という認識が強いですね。
その認識は偏見に基づく一方的なものでしょう。 極端な表現をすれば、匿名性のある掲示板というものは違法行為を助長する情報をやり取りする目的の物のはずだという きわめて危険な思想であると思います。 確かに匿名性があれば違法な情報をやり取りする心理的抵抗は下がるでしょうし、 Winnyに含まれている機能なので、Winnyで流通しているファイル等についての話題が多くなるでしょう。 しかしながら違法配布ファイルの流通や入手に有利になるかというとかなり疑問です。 違法配布されているファイルはメジャーなコンテンツが多い気がしますし、 そもそもWinnyが人気になった理由の1つには、匿名性の他にキーワードを指定しておけば自動的にダウンロードされる、 そういった手間の少なさがあったのではないでしょうか? そのようなファイルを楽に入手したいという層が掲示板を利用するという場面はというと、 捏造ファイルが多くて欲しいファイルがなかなか入手できない場合ぐらいではないでしょうかね? ところが捏造ファイルを流して入手を妨害しようとする者が掲示板にも捏造ファイルを本物だと書き込んだりして、 結局は違法配布されているファイルを入手したい者にとってはあまり役立たないのではないでしょうか。 ではどういう層がその掲示板の利益を得られるのかというと、マイナーだが価値のあるファイルを欲しがる層であり、 そういったファイルは合法的なものが多かったのではないでしょうか。 # もっとも最近の状況では、マルウェアや誤操作による流出ファイルについての情報が多くなりかねませんけどね・・・ ですから、掲示板機能の開発の目的は合法なファイルだけど匿名で流したいとか匿名で感想を伝えたいという層のためのものであり、 技術的興味に加えて合法的な利用を増やそうというものだったという主張も出来るはずです。 というよりも、そういった主張をしてもらわないと、匿名性を考慮した通信手段を研究すること自体が 違法行為を助長する悪い事だという認識が更に広まりかねないと心配しています。
判決を踏まえるなら ・Winnyを使用することにより容易かつ犯人・犯行を特定されることなく(そう信じられ)著作権侵害を行うことができると広く認識され、 ・実際に著作権侵害が広く行われていることを作者が知りえることができ(そう合理的に推定でき) て初めてバージョンアップが幇助に値するということです。
そのような判決になっているようで非常に残念です。 これでは、悪用可能であることが広く認識され、実際に広く悪用されていると推定できれば その後のバージョンアップはどのようなものであれ、悪意ある行為の幇助とみなされる恐れが出てしまいます。
こういった金子の意図はどうあれ、Winnyがヤバイことになっていたのを金子が知っていたかどうかが論点になりました。 (金子の善なる意図は量刑には関係するかもしれませんが、違法性には関係してこないということです)
自分の作成したソフトが広く悪用されていることを知り、合法利用を増やそうと改良した場合も 悪用を完全に不可能にしていない限り、悪意ある行為の幇助であるので罰するべきだということでしょうか? それは非常に怖ろしい話ですが・・・
ここで争点になっていたのは、正犯を手助けした金子氏の行為、つまりより容易に安全に犯行におよばせた行為が、刑法で定める幇助に値するか否かです。 より容易に安全に犯行におよばせた行為でなければ、つまり著作権侵害対策のバージョンアップなどであれば、そもそもこのような争点の立てようがありません。
掲示板機能の付加や強化がより容易に安全に犯行に及ばせた行為であるか否かが十分議論されないまま、 そのためのバージョンアップ、要するにより容易に安全に犯行に及ばせた行為かがはっきりしていないものについても 幇助に当たるように扱われているように思います。
また、正犯をより容易に安全に犯行におよばせた行為がみな幇助と認定されるわけではありません。ケースバイケースです。
そのケースバイケースが最大の問題で、どの行為が幇助にあたり どの行為が幇助とはいえないのかが細かく議論されたわけでなく、 線引きがはっきりとしないまま、開発から配布までの全体で幇助とされたことが不安の要因です。
(2) もっとも,WinnyはP2P型ファイル共有ソフトであり,被告人自身が述べるところやE供述等からも明らかなように, それ自体はセンターサーバを必要としないP2P技術の一つとしてさまざまな分野に応用可能で有意義なものであって, 被告人がいかなる目的の下に開発したかにかかわらず,技術それ自体は価値中立的であること,さらに, 価値中立的な技術を提供すること一般が犯罪行為となりかねないような,無限定な幇助犯の成立範囲の拡大も妥当でないことは弁護人らの主張するとおりである。 (3) 結局,そのような技術を実際に外部へ提供する場合,外部への提供行為自体が幇助行為として違法性を有するかどうかは, その技術の社会における現実の利用状況やそれに対する認識,さらに提供する際の主観的態様如何によると解するべきである。 そこで,以下,被告人がどのような目的でWinnyを開発,公開していたのか,本件における幇助行為とされる時点において 被告人がいかなる主観的態様であったかについて検討する。
とも述べられており、技術的に中立な物を公開する場合に「それが実際に悪用もされていることを知っている」ことに加え、 「悪用されることを望んでいる」と幇助になるのか、「悪用する者もいるが仕方が無い」でも幇助になるのか、 このあたりがはっきりさせられておらず、中立的なソフトの開発や配布でも、状況によっては犯罪者にされかねないという 懸念や抗議が生じているのです。 立法論的ではないと思っているのですが、裁判官は社会的影響も考えて判決を出すべきだというような愚痴みたいになってしまっていますね。 流石にこれではどうかと思うので、私なりの考えを書いておくと Winnyはアップロード用フォルダに入れた普通に開けられるファイルだけでなく ダウンロード時にキャッシュフォルダ内に独自形式でそのままでは内容が分からないキャッシュファイルを作成し、 そのファイルもアップロードするようになっており、一定確率で発生する中継の際にも作成するようになっているようです。 そのため問題のあるファイルをアップロードする者にとっては「意図したことではないしそれを認識することも出来なかった」 といった主張が可能であり、正犯甲はそう主張したようですね。 その一方、合法的な利用を行いたいものにとっては、中継時に作成された非合法なキャッシュファイルを アップロードしてしまうという可能性があり、迷惑な機能でもあります。 こういった機能を実装し公開したことを根拠に、「悪用されることを望んでいたはずであり証言とも矛盾しない」と 証言やWebでの発言以外からも迫って欲しかったです。 金子氏は「悪用を容易にする目的でなく、効率性が目的だ」と逃げようとするかもしれませんが、証言などもありますし 最悪でも「現状では安全に合法利用するのは難しい」ということを言わせれば、後の被害を減らせたかもしれませんしね。
>どのような仕組みで防止するのか公表することまで禁じられていないはず。>>なぜ公表しないんでしょうねえ?
セキュリティセミナーで公表 [cnet.com]してますよ。ところで、京都府警は否定という件のソースを見つけられなかったんですが、どこかに残っているでしょうか?
>ファイルのコピーとかが出来る程度の知識があれば、Winnyネットワークを介した>情報流出やマルウェア感染の防止には「全く効果がない」ことは分かると思いますが。少なくとも、今猛威をふるっているほとんどの暴露系ウィルスは動作しなくなるかと思いますが、「全く効果がない」というのはどういうことでしょうか?
>さあ、どうですか?>これで金子被告がWinnyを改修しないのは京都府警が禁じているわけではなく、>自ら凍結したというのが事実だとわかりますが、それでも金子被告の主張が>真実であると信じられますか?
ええと、元コメントの#1495773 [srad.jp]って読まれてます?京都府警から明示的に命令があったなんてことは誰も主張してないし、できない理由は全然別のところにあるんですが。
>そのウィルスが改良されるだけでしょう。>金子氏の示す対策は単純なものであり、悪意のウィルス作者にとっては>容易に対応できるものですので、全く効果がないと言えます。
あなたの言いたいことはわかりました。どうも言葉の使い方に齟齬があったようです。セキュリティベンダーがウィルスデータファイルをアップデートすることも全く効果がないに含まれてしまうわけですね。なるほど、それなら、あなたの言うとおりです。そんなレベルの対策は誰にだって不可能ですから。
>あれあれ?言ってることが変ですね。>>金子被告のほうから自らの意思で「もう更新しません」と約束したから>更新できないわけですか?
裁判において警察側がソフトウェア更新を繰り返したこと自体が悪意ある行為であるかのように主張してるからですよ。
#わざわざすぐ読めるように該当コメントにリンクまでつけたのに読んでないとは……。
検察および地裁は、違法な使用がはびこっている状況を知りながら、その対処を放置しつつ機能拡張のみを行った点を捉えて「幇助」としているのです。
悪用を防止する(例えば匿名性を排除する)ような更新を行っていたなら論点が変わっていたでしょう。
まあ、その通りなんでしょうけど、その条件だとセキュリティアップデートも幇助ですよね。
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン
ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:3, 興味深い)
しかし、
金子氏を擁護すべきとは思いません。
困りました。
どうしましょう。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:5, 参考になる)
私の理解は白田秀彰氏( http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/17/news002_2.html [itmedia.co.jp] )と同じで
> 極めて簡単に言えば、「Winnyが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Winnyの改良をしたでしょ。だから幇助」ということになる。この判決骨子の論理では、「画期的なソフトウェアを開発したプログラマが、実験的にリリースしたら、利用者に思いもよらない使い方をされてしまった」というだけでは幇助にならない。また仮に「思いもよらない使い方で反社会的な効果が生じてしまった」と認識した後に、とくにその反社会的な効果の拡大につながる積極的行為をしなければ幇助にならない。だから、「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよいことになる。それ以上の責任、たとえばソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
ということです。プログラマには最大限の有利な判決です。
ですから、地裁判決には何も反論せず話を蒸し返すだけの弁護側こそが百害あって一利なしの目下の敵です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:2, 興味深い)
>プログラマには
同じように、事後プログラマに影響を与えるという観点で白田理論を考えてみます。
Winnyの直接的な擁護ではありません、Winnyが思いもよらず悪用されたものという判断で、
作者がどう考えていたとかここで論じてもしょうがないと思うからです。
>ソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
これは幇助する意思が無かったと示すための要件で、もちろんデジタル情報は何をもって回収とするか、削除したとするか、
それが完全に完了したことをどうやって保証するかが困難だから、配布停止の意思表示止まりとするのは、ある意味当然とも思います。
ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな、
ネット監視をしてソフト再配布の回収、削除につとめる事なんて条件を求められる可能性は残っているのではないかと。
>「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよい
いったん配布開始してしまうと、幇助として見なされないヤバいと認識する瞬間ってどこになるのでしょう。
大抵メディアで騒がれた時、正犯が逮捕された時のいずれかではないでしょうかね。
ただし、メディアは例えば昔からある三才ブックス系の一部裏技情報に載るのと、
専用ムックが発売されるレベルでは大分利用実体が違ってきます。
また、作者がその情報を目にするモチベーションによって認識が変わってくる場合もあります。
「俺のソフトってこんな使い方も出来るけど、こいつらアホだ」と批判的に読んでいる場合、
主観的に悪用する母集団を過小評価してしまう事があります。
またメディアで騒がれたら問題とするなら、Youtubeもニコニコも幇助とみなされるでしょう。
Webサービスの例では適切でないなら、Youtube等からダウンロードするソフトだとか、
DVDバックアップ系などそういう系統の雑誌で紹介されていますが、その内容を定性的に判断するのか、
その数を定量的に判断するのかで曖昧さが残ります。
かといって「正犯が逮捕された後」というのは大分手遅れな状況になっていて、流石に躊躇が生まれると思う。
実際、金子氏も正犯がつかまった後のアップデートなどしないようにと警察から指示をうけて従っていたらしい。
まあとにかく、その境界を作者一人で判断する事はなかなか難しい。
そういう判断の難しさがあるから、「ヤバイと自主的に思う」ではなく、IPAなりACCSなり、
特定の機関で協議した結果、これ以上の配布をやめて下さいと告知するようにしたら良いのではないでしょうか。
逆に、作者の言い分だってあるだろうから、反論の余地もあれば与えて…よほどの妥当性が無い限りは、
最後は駄目なものは駄目と警告して、それに従えばセーフとか明確に利害関係者が申し入れるようにしたほうが安心。
この安心感が無いという点こそが、今回の幇助事件でP2P利用者以外を巻き込みモメてるところでしょう。
ruby作者のMatz氏が表明していた懸念もそこでした。
作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
そのソフトを使っているとは思わなかったけど、逮捕してみたら相当そのソフトが悪用されていたと解った、
作者は今も公開中…そういうケースが幇助にならなくて済む、議論しなくて済むようにするには、
「ヤバイ」と主観で判断させるのなら明確な定義、理想的には作者への告知プロセスを整える事が必要と思います。
>最大限の有利な判決
有利な点があるという主張には同意できる点もありますが、上記のような安心を保証できる条件が
不足している気がするので最大限に有利とは思えませんでした。
むしろ、最大の不安を残している気がします。
Winnyの判決がどうあれ、安心を確保できる「思わぬ悪用をされて、放置したら幇助逮捕もアリな場合」の、
利害関係者との協議手段、問題の低減に協力する意思表示のチャンスを与えられるように整備することは、今からでも出来ると思います。
表題「ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい」というのは、そういう動きを望む事で初めて生きてくると思います。
法律の判例がどうであれ、そういう仕組みが出来れば幇助意図の定義や問題解決に対する定義が変わってきます。
例えば、問題の低減として、今回の例では金子氏が修整版Winny(ウイルス対策でなく健全化版)を公開して、
徐々に機能を微弱にしていくとか(ウリミバエ対策 [papy.co.jp]のように)Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、
健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな
このつながりはよくわかりません。幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?無罪でも和解がなされることもあれば有罪でも和解がなされないこともある。それに和解は互譲に基づく契約なので、ある意味「なんて条件」と修飾されるような事が付いてこそ和解だと思うのだけど。
>作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
これは行為と結果は構成要件に該当する、つまりは条文上は犯罪にあたる行為をしたうえで、無罪となりえる場合があるのではと問うているのでしょうか。刑法にちゃんと規定があります。
>第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意があったか、過失があったか(特別の規定の一つ)という責任の問題ですね(故意過失を構成要件と解釈する立場もある)。思いもよらないとありますが、幇助の過失犯は規定さていませんから不可罰(無罪)です。幇助反になるのなら故意があると認定されるはずです(思いもよらない故意なら錯誤があったということになる)。で、(錯誤の問題があるけど)故意は措いて、危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
過失とは注意散漫な心理状態の事ではなく、結果等が予見できたのに、もしくは回避できたのにしなかった(そして行為に出た)注意義務違反とされています。これは確かに個人の主観を問題にしているけど、その評価はある程度客観的になされることも分かります。つまり一般的(この範囲は個人の身分やその出た行動によって変わるだろうけど)に適切な行動であったか、法律の規範からどれ程逸脱したかで判断されることになる。
犯罪防止の制度構築はともかく、これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。繰り返しておきますが過失の幇助犯であれば不可罰です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?
そういえば、あの件は刑事と民事と別々に争っていた事を書いておくべきだったかもしれません。
民事のことを思い出したのは、刑事と民事で金子氏を訴えるとか聞いたことがあって、
Winnyの件を擁護する気は無いですが、他ではそういう事も起こりうるのかなと思ったもので。
そこで、私がここで言いたかったのは、ある時点では思いもよらず悪用されていた作者だったが、
やがて悪用の事例を見聞きしてしまったら、開発時点では過失でも、開発継続からは故意と認識されてしまうでしょう。
幇助要件の回避(裁判の回避)のために公開停止宣言をしても、適切だったと判断される条件、どの程度悪用事実があれば…等が作者主観ではわかりません。
幇助と見なされないためには回収と削除が不要でも、幇助と見なされたら、それに準じる手間が負わされる
幇助と見なされたらというのは、裁判に巻き込まれたらが、より正確な言い回しで有罪確定の事ではありません。
>危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
あくまでも主観レベルの話ですからね、法的に客観的にどうかはさておいてます。
悪用されている事例や可能性を過小評価して、そんな一部のマニアの悪用のために、
自分の理想から遠い仕様変更を自発的に行ったり、配布停止を宣言するべき時期を逃すことはあるでしょう。
それが法律的に黒とする事を否定した訳ではありません。
しかし、往々にしてプログラマーは法律のプロではないから、そういった間違いを起こしやすいものです。
検索エンジンやarchive.orgのキャッシュのように、便利だから追認されたけど著作権侵害の機能を実装して、
不特定多数に公開してしまう事は起こりうる事で、そのような技術が出来てきた時に、
杓子定規な解釈で、しかも幇助容疑で継続機会が奪われてしまうのは勿体無いことだと思います。
>これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。
作者保護の要不要という観点よりは、幇助という概念を適用するにはソフトウェアの不正利用というのは、
フリーソフトのような配布方法で何かの分野で強力な毒にも薬にもなる道具を作る力がある人ほど不利になります。
そういう作者を幇助容疑で巻き込む可能性を残すのは、抵抗があるなと言う考えです。
自分は、その心配がまったく無いので、説得力がなくて残念なところですがね…
不特定多数にプログラム等コンテンツを配信していると、案外はだかの王様になっていても気がつかないものです。
ある意味そのような鈍感さがないと、表現活動なんて出来ないんじゃないでしょうか。
繊細な作品を作るくせに、他人の権利に鈍感で言い訳無い、というのも尤もな意見ですから、
しかし作品を作る事も尊重して欲しいという事で、裁判という非常に体力を消耗するものに巻き込まれる前に、
他人の権利保護に協力していくという幇助意思の否定もあると思います。
特に著作権侵害の場合、それが親告罪であるのも、極論ですがWinnyを受け入れるという選択まであるという事でしょう。
ある権利者が作者を邪魔だと思う一方で、必要あるいは不要じゃないという権利者もいる。
だから、そのソフトウェア開発がいきなり裁判と言う個人にとっては死刑宣告に近い仕組みに巻き込まれるより、
ユーザーは著しく減るとか、まったく別物になる可能性があっても、継続できる選択肢がある仕組みを考えて良いのではないかと思います。
とはいえ、ここまで書いてきたことの全てについて、Winnyを想定して考えてしまうと、
悪用が予想できるユーザーのいる掲示板に書き込んでサポートしたという点などが、
どうにもこうにも金子氏に非が無かったという立場で擁護しがたい部分があります。
だから「切り離して考える」なら、というテーマは便利だなと思ってここにぶら下げて書いています。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:2, 興味深い)
>そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。
もちろん、詳細実装を書いても居ないうちから健全化と聞いただけで、拒絶反応が出るようなターゲットは使わなくなるかも知れませんね。
それでも、逮捕を免れて開発を続けるにはそれしかないという選択肢を提示されれば従うでしょう。
そこで、「誰も使わなくなるからそれは出来ません」といったら幇助で引っ張っていいでしょうし。
古いバージョンを使うという事は「情を知ってダウンロード」した根拠になりますので、
それだけでも健全化する効果は小さくありません。
具体的に、使ってくれそうな機能を生かして開発を続けるか、問題があれば削除できる特別機能を付け加えるか、
最終的にどうするのか権利者と仲介組織、作者で検討する余地があればそれでいいと思います。
健全化といってもWinnyを想定する場合と、それ以外を想定した場合ではアプローチも変わってくるでしょう。
要は、いきなり作者を逮捕に至ってしまう前に、こういう機能を実装されるとまずいという説明をして、
こうして軽減になるという前向きな検討をできる体制を築ける道筋を作って欲しいということです。
使ってくれる人は限りなくゼロになるかも知れないけど、でも作品の名誉と自分の社会的立場を守りたいのが普通の心理で、
そのために取れた可能性があっても、いきなり逮捕に至ってしまうと手段の実施が不可能になってしまいます。
Winnyを想定した話ではありませんが、正犯で逃走のおそれがあるなら即逮捕は効果があるでしょうが、
ソフトウェアを作っただけの幇助犯という関わりだと、顔も知らない人間が悪用した犯行のことなど、
積極的に手助けしたという実感が湧くものではありません。
正犯の得ていた利益(あるいは侵害していた権利)が、ソフトウェア作者も望んでいた結果と一致しないはずです。
そこで、幇助したつもりはない事を訴えようとしても幇助犯として捕まってしまえば、
たとえ後で無罪となっても社会的地位の回復は出来ません。
幇助と言うのは、不特定多数にソフトを配るのが当たり前の時代、ソフトウェア作者にとって著しく不利です。
何を幇助したと認定するかの基準がどうあれ、作者に被害を緩和するように求めてみる1クッションが欲しい、
それが安心に繋がるのではないかというのが私の考えです。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>金子氏の場合隠れてやってたからねえ
おまえがいうな > Anonymous Coward
すいません、すいません、すいません、言ってみたかっただけです。
個人はいきなり裁判になった時点で、開発継続は無理になる、極論すれば一企業の思惑だけで潰される。
幇助に限らず正犯としても同じ事ですけどね、せめて幇助罪という一方的に不利な裁判発生を軽減する仕組みが欲しい。
そうした仕組みに頼れず個人が身を守ろうとすると、オープンソースで複数人参加可能な場所でやるとか、
なんらかの自主的対抗策、あらゆる「隠れ蓑」を担保にして潜るしかありません。
そうまでしなくてはいけない、信頼関係を構築できないのはお互いにとって不幸です。
Winnyを切り離し、訴訟の行方とも切り離して、個人のソフトウェアの自由を守る仕組みを検討できるのではないかと、
表題から考えた次第なので、金子氏の場合は…人柱的な意味もこめて、今回は幇助罪で逮捕自体には異論はなかったりします。
しかし、裁判の行方としては有罪になることを望みません。
金子氏の行動は、たしかに捜査機関や権利者から見れば「隠れてやった」と映ります。
ただ、Winnyが考え方を参考にしたといわれる、Freenetからして「匿名」に着目したものでした。
日本で匿名でやりとりするとなると、2ちゃんねるを思い出してそこでやりとりしようというのは、
本人に逃げ隠れの目的が介在しなくても、ユーモアでそうした行動に出る可能性は高いと思います。
ただ2ちゃんねるの中でも、偏った需要を生む場所を選んでしまった(選ぶしかなかった)というのは配慮不足が否めません。
特定の体制によって不都合な情報とされた時にそなえて「匿名」で、ネットワークに「情報を居座り続けさせる」ための手段Freenet、
その概念を参考にして、通信手段での保護と、需要に応じた速度で複製されていくこと、需要がなくても複製されるようにした。
Winnyには、そこに著作権侵害がなくてもテロに加担しかねないと非難される要素がありました。
今でこそプロトコルは解析され、そのまま開発停止していますが。
しかし、そういう作品であってもPGPにしてもそうでした [wiredvision.jp]が、少しの議論も許さず裁かれるべきでない [archive.org]と思います。
特に個人が対象の場合は。
未来登場するかもしれない、「それ」は社会にどのような問題をつきつけて裁判に巻き込まれているのか、
作者が予測できた事か過失か、作者に徹底的に争う意思があるか無いかは解りません、
現状そのようなものを議論する場はいきなり裁判、それも幇助という裁判に巻き込みやすい容疑になってしまう。
しつこいですが、個人が裁判にかけられれば、結果がどう転んでも社会活動さえままならなくなって制裁完了、目的達成です。
例えは悪いですが、痴漢冤罪にも見られるので構造がWinnyと切り離すと見えてきます。
この件が持ち合わせている、その問題の部分が放置され慣例化して欲しくないというのが、金子氏無罪以上に願うものです。
あるいはソフトウェアは個人で開発すべきでない、不特定多数に配布すべきでないという事を徹底すれば、煩わしさに巻き込まれる事は防止できる。
世の中の殆どの人はソフトウェア開発者ではないのだから、それで誰が困る?というと…そうなのかも知れませんけどね…。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
Winny本体の配布はジオシティーズで行われていたと思います。
警察が該当ユーザーに連絡を取りたいとジオシティーズの運営に書面で伝えれば
事情や連絡先を記したメールを運営からの重要連絡として金子氏に送ってくれたかも知れないのではないでしょうかね。
何度もそれを無視したとかであれば家宅捜査や逮捕もやむをえないかもしれませんけど。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
もちろん逃げられる可能性はあるでしょうが、可能性が高いとは思いません。
> その時点で捜査令状取ってユーザー情報の開示を求めた所で遅いかもしれません。
> 最初に警告して、改善が無ければ逮捕っていうのは相手の身元がハッキリしていて
> 逃げる可能性が低いと判断できる場合でないとできません。
警告を送った後でユーザー情報の開示を求めたとしても、得られる情報量にはそう変わりは無いでしょう。
警告を送ると身元が割り出せなくなるが送らなければ割り出せる、ということはほとんど無いでしょう。
逃亡生活に入られて身柄の拘束に手間取る可能性はありますが、
ソフトの開発や配布を身元を公開せずに行っている人も多いわけですし
身元がはっきりしていて逃げる可能性が低いといえないなら即逮捕するべき、という考えはどうかと思います。
> 裁判所の礼状取ってISPから個人情報を得るにはそれ相応の理由が必要な訳で、捜査機関がその段階に達したなら逮捕せざるを得ない。
ソフトの仕様を知っている参考人として捜査に必要という理由では
個人情報開示の令状を取れないのでしょうか?
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。
いや、そこまで言った覚えは無いので何ともいえませんが、そう読み取れたなら違います。
緩和とか1クッションという言葉を使っているのも、ゼロが当然とは思っていないからです。
詳しくは、他のACさんへのレスなど参照してもらえればいいと思います。
想定しているのは、誰もやったことのないような事にチャレンジだとか、
リスクをとってでもやるべきなんだとまで使命感を思わなくても、
成し遂げてしまえる人、そういう人が世の中には居る事です。
#個人的には、ソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)には、
#そのような能力の人が多く見受けられると認識し、尊敬しています。
ですから、望まない事態になった時に、争う気もなかった事であり、
訴訟を選ぶより、侵害されたと訴える人が納得できる代替機能に変更、
あるいはその機能を潰す、ソフトを公開停止する事を選ぶでしょう。
問題は、フリーソフトの幇助罪は明確なトリガーを認識できないので、
事前にそういうアクションをとるのが難しいという事です。
法的にも、正犯ほど明確に故意を認定できない性質のものです。
まったくの過失であったと後に解っても、裁判になった段階で制裁は完遂同然です。
(早朝、家の前にパトカーが止まり、手錠をかけられ家を出るのを目撃されただけでもアウト)
勝てばそのままの機能を維持できる特典はあるかも知れませんが、譲歩して済むなら譲歩する所だったら、
作者にとってなんの価値も無い勝利です。
ジマーマンの場合、RSAの技術に依拠している事に配慮したために最初から権利者と協議をして、
交渉決裂が明らかになったところで戦うことを「選択」できました。
ジマーマンにかかったのは、幇助罪ではなく暗号不正輸出の正犯容疑でした。
そして、彼は確信犯だったので裁判になっても望むところだったでしょう。
でも、リファレンスなく実装されたフリーソフトに幇助罪容疑がかかる場合、
そこまで確信犯的に考えて巻き込まれる案件ばかりとは限りません。
個人開発は、よく言えば興味に集中、悪く言えば視野が狭くなりやすいもの。
侵害事実を訴えるというのは、視野を広げて気づかせる上で意味があります。
ですから、牽制、警告の意味もこめて1クッション置いて欲しいだけです。
譲れない信念に基づいている実装であれば、戦う選択をするでしょうが、
そうでない場合は譲歩したい、その意思が確認できても現状では、
幇助をめぐって戦う道しかないというのは、社会的に不利すぎるのです。
権利の管理「組織」と、「個人」開発者との戦いでは尚更です。
不毛な戦いを強制されるのは、適切なリスクではなく過度のリスクだと思います。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>弁護士だってつくし、譲歩を含めて取引だって行われるだろう。
最近は録画をしようという動きになってますが、代用監獄で弁護士同席が認められない取り調べ、人質司法は相変わらずではないでしょうか。
司法取引って罪状を認めること前提ですからね、私が書いている例については「譲歩を含めて取引」ではクッションになっていません。
そもそも、未来の実装手段で「譲歩」した改善を約束する事は、いくら力説しても取引材料にならないのが普通だと思います。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
拡散したと言うよりも、この事件と切り離してその先を思考実験していくと、
最後は、この根本的な核に辿り着いてしまった感じですかね。
その人が、現行の制度が信用できるかどうかのモチベーションの違い。
私は、信用が出来ないというより、漠然と不安を感じていました。
それが、このスレッドの最初の書き出しで表明していた気持ちでした。
最初から、制度が信用できないと非難すれば、水掛け論になってしまう。
だから、幇助罪にはもっと切り分け材料を用意できる手順を作れないか、
どこに怖さを感じるのか漠然とした不安を出来るだけ整理しようとしました。
実際やりとりをする中で、少なくとも自分の中で言語化する事ができました。
取り除く事には至りませんが、不安の姿を表出できた事は前進です。
あとは、信用できるから不要だ、と言えば十分な人がいてもそれは仕方ない。
殆どの人はソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)でないのだから、
それで実際困ることはないから、技術屋が身勝手に権利主張してるだけ
と言われる、そういう反応を予測していた事もすでに書いてありました。
原田ウイルス作者をウイルス作成罪でなく、著作権侵害で捕まえるしか
なかったというのも必要性や情緒面は理解できるけど、ともすれば、
ウイルス作成を取り締まる法律は要らないとなってしまう危険もある。
今あるものでなんとかする、というのは法律に限って言えば怖いことだ…
という認識が妄想で一蹴される、必要性が共有できない限界があります。
ウイルスを含めたプログラム開発は、殆どの人にとっては価値のない事で、
危ない作業を規制すると言えば納得できる人のほうが多いでしょう。
根底には、マネジメント能力があれば、コーディング能力がなくても
プログラム開発は出来ると思われているのではないかという位、
プログラマーの地位が低いという評価が固定している所にも、
共感を生まない原因の一旦があるような気がしています。
コーディングは、社会のなかで必要な仕事と見なされていない現状、
これからもそれが変わらない日常であり続ける事を予感しています。
杞憂だった、と言われる未来があることを願ってやみません。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
不安が現実のものとなっても、自分に降りかかる可能性はない事を、
既に書いておいたように、かわいそうでしょと同情を誘う必要がありません。
そう読めてしまったのなら、貴方が愛を分け与える事に飢えているだけです。
お気持ちだけ頂戴しておきます、コンビニ募金でもして解消してください。
Re:「逮捕→裁判」という流れで解決するのを避けた場合 (スコア:1)
>平和的解決:
他のレスにも書き込ましたが、必ずその会話例のようになるとは書いてありません。
そもそも、協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者重視の取引きです。
ですから、仰るような例に解決策を限定して話すのが間違っています。
>どう考えても(略)満貫状態
どう考えても、というのはとっても主観的です。
これも他のレスに書きましたが、どう考えても、と判断した(親告罪ですから)著作者が抗議する手段の検討です。
Youtubeにアップされた動画に、Youtubeが対応をとる事でサービス継続が許されるようなものです。
権利者の意思を尊重するために、Youtubeが自主対策する事に「騒ぐ人」のことはどうでもいいです。
>隠れて
ジオシティーズの無料スペースを使った事で、住所や本名が表面的には隠されていましたが、
正犯逮捕後にアプローチ出来たのは、捜査機関から逃げ隠れするような、
工作をしていなかったからでしょう。
フリーソフト作家として名前の知れている立場で、2ちゃんねるに書き込んでもコテハンというだけで叩かれる、
匿名同士のコミュニケーションが慣習として定着している文化、それに合わせただけとも考えられます。
本当の所はどうか解りませんが、隠れたと断言するには根拠に乏しいと思います。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手
侵害そのもの、ではありません侵害に加担していると疑われるです。
>どこで線を引くのさ?
侵害事実を認定する線引きは、「どこで」じゃなく「誰が」の問題と考えます。
特に、著作権侵害の場合には親告罪であり、思惑はコンテンツホルダー
それぞれの思惑で違ってきます。
「どこで」というのは、侵害された個々の事実に基づくものになるでしょう。
>なんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
第一に配慮している事になる相手は、侵害に加担していると疑われる人物ではなく、
主に侵害されていないと考える別の権利者だとか、侵害目的で使っていない利用者になります。
ステークホルダーが複数いるので、事案毎に対応は違うという事でYoutubeの例を出したのは
具体的人物や技術を想定しないで方法を考えているだけで、Winny擁護は主目的でないからです。
(表題を戻した意図でもある)
だから、以下のレスは返そうかどうか、迷ったのですが参考程度に書いておきます。
>最初から表で活動していればもう少し違った
個人的に、ジオシティーズは十分に「表」の範囲だと思いますけどね。
まず訴えられたのは正犯であり、そこを契機として事情聴取のために
金子氏にコンタクトをとれていますので、正犯が裁かれるのは当然
だったとしても金子氏の逮捕なしでもコンタクトが取れる環境はありました。
しかしながら、仮に「著作権侵害早期警戒態勢」みたいな仕組みがあったとしても、
金子氏の作っていたジオシティーズのページには信頼できる機関から苦情を受け付ける窓口が無かった。
仰るように、もう少し違う結果になる可能性を下げていたように思います。
#ジオシティーズが2001年にメールサービス付加をやめ、2003年10月には
#メールサービス自体をやめた事も多少は関係しているでしょう。
今回について、「捜査機関を引きずり込まなければ…」という所は、私も異論がないと書いています。
ただ、「早期警戒態勢」みたいな仕組みがあれば、正犯の逮捕さえしないうちに、コンタクトを取れる事に期待しているだけです。
わざわざ、中間機関を経由する仕組みを提案しているのは、権利者と開発者に加えて、
必要なら専門家とか業界団体の意見を求めて、単に組織VS個人に陥らないようにするためです。
一つ前についたAC氏のレスにあるように、裁判になった事の利点は、ある程度の客観性が法廷には存在する事です。
単に当事者間のみによるやり取りは、客観性が無いことが問題なので中間機関の介入を求めている訳です。
>国家権力不信
確かに、人質司法問題に不信は表明していますが、相手が国家権力だから不信があると認定されても困ります。
金子氏の拘留から保釈までのアプローチを見ていれば、頭をよぎってもおかしくない問題でしょう。
私だけが特に熱心に提起している問題でもありません、中には国家権力嫌いで同じ事を言ってる人もいるでしょうけどね。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>金子氏はダウンロード専用のWinnyを作って運用したわけなので、あくまで今回の事件については必要ありませんでした。
ちょっと何が言いたいのか良く解りません、そのダウンロード専用Winnyの運用の内容や意図を知りません。
報道でそのようなバージョンがあった事は聞いていますが、訴訟の争点として重要視されたとは聞いていません。
どっちにしても、最初にわざわざ断ったように、金子氏事例の擁護でとやかく言いたかったのではありません。
>金子氏がたとえば殺人で逮捕
それは明らかに正犯になるので例えが悪いと思います。
正犯行為で残念と言うのは、明らかに特例の情状酌量を求めていることになるでしょうが、
私が言いたかったのは幇助容疑の確認に、作者が協力的な姿勢を示せる
選択肢が欲しいと言う事でした。
それは別ACさんへのレスにも書きました。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
違法利用の程度の問題で、どの程度が合法で、どの程度が違法なのか
ひどくあいまいな判決だとわかるだろう?
事前に勧告でもあるなら別だが、勧告なしでいきなり逮捕では
プログラマにひどく不利だと思わないかい?
反社会的の程度の基準なんて、人それぞれだよ。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
また、取引先との契約で金子氏の事件があったおかげで契約書の条項が増えたりしてますので、
実際金子氏弁護団の主張する「萎縮効果」は存在するのは確かであるというのは身にしみております。
さて、
引用ですが、非常に参考になりました。ただしリンクは3つあるうちの2ではなく最初(1)にした方が良いと思います(下記)。
全体を読まないと白田の主張を十分に理解することは出来ないと思われます。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/17/news002.html
> プログラマには最大限の有利な判決です。
実際、引用された白田氏の文章内の、2/3の下から4段落目の最初の文:
「そういう意味で、本件判決は、金子氏や弁護団がいうように技術開発や公開に対して萎縮効果をもっている。」
としていることからすると「プログラマには最大限の有利な判決です。」とは言えない(少なくとも白田氏はそう思っていない
-- 「あなたが白田氏に賛成していること」と「あなたが『プログラマには最大限の有利な判決です。』」と主張することは矛盾します)。
また、文中の(β)(γ)の件に関しては明かに「プログラマに不利に判決されている」と白田氏は指摘しています。引用するなら、
・従来の幇助の故意をより抽象的な水準でも認めたことになる (2/3の最後から2番目の文)
・ところが、本件では、上記の例に似た状況において幇助の成立を認めているわけで、... (3/3の2段落目の最初の文)
の2点です。
全体を読む限り、白田氏は判決の問題点として彼の指摘した(α)(β)(γ)について弁護側が(十分に、あるいは全く)議論しなかったために、
金子側が負けた。「しょうがねぇ判決」ということです(3/3の第4〜6段落)。
「判決は不当とは言えない」と言っていますが、それを即「金子氏が有罪であるべき」という解釈するのは早とちりで、
「金子弁護団の戦略が不十分で裁判官に伝えるべきことを十分に伝えていないので有罪と判決されても『しょうがねぇ』な」
ということです。
> 地裁判決には何も反論せず話を蒸し返すだけの弁護側
もし、弁護側がそうするのであれば無意味ですが、弁護側がそうしているという証拠はありませんし、
控訴内で上記3点を追及すれば弁護側にも勝目がある(3/3 第7段落)ということでしょう。
少なくとも、私としては白田氏の指摘した(β)(γ)の2点において「プログラマ(およびソフトウェア開発会社)に不利な」判決となっている
点に関しては是非弁護側に追及して頂きたいと考えております。
Best regards, でぃーすけ
Re: (スコア:0)
>地裁判決には何も反論せず話を蒸し返すだけの
>弁護側こそが百害あって一利なしの目下の敵です
事実認定を争う以外に手段がないのですよ。
多分誰が弁護人であろうと、今回の弁護団のような手法
になると思います。そして、負けるでしょう。
話を蒸し返すこと自体がいけないというのであれば、
そもそも控訴した金子氏に文句を言ってください。
Re: (スコア:0)
Windowsが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Windowsの改良をしたでしょ。だからMSも幇助。
ってこと?
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
違法コピー利用者がやたら多いWinnyと、汎用のOSを比較されてもね……?
若干古い資料だけど、これを見る限り [moba-ken.jp]、はっきりとした違法ファイル交換だけでも4割近いのよね。企業なんかでもかなりの数使われてるWindowsのユーザーで、Windowsの(OSとして以外の)機能を使って違法なファイル交換してる人なんて4割も居るのかしら?
それとも「OSとして起動する時点でファイル交換の手助けをしている」とでも言い出しちゃったりするのかしら。だとしたらPCのケースのネジを作った会社や、PCのユーザーを産んで育てた両親にも当然、責任を追及すべきよね。
正直、Winny擁護派の、割合も考えずに「他のソフトも違法コピーに使われてるから~」論は見飽きたわ。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
世界に流通している市販ソフトウェアの3割以上が違法コピー [bsa.or.jp]なのでファイル交換の内違法なファイルの割合が4割というのは普通な数字だと思われます。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
Winnyみたいに日本国内の固有のアプリが起こしてる問題を世界全体の数字で比較ちゃっていいワケ?
「世界中」って言っちゃうと、法整備が進んでなくて著作権関連をきちんと取り締まれてない国とか、法的にはNGでも市民の意識レベルではOKな国とかも含まれちゃうじゃない。
世界全体での飢餓率から見たら今の日本で一部の派遣労働者や老人が苦しんでるけど、餓死しても全然普通、とか言っちゃうのん?
大体、上に書いたような著作権関連に問題がある国も含めた平均より尚、違法アップロードの割合が多いことを「普通」って思うのかしら?
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
失礼しました。それでは当該記事にある日本の25%という数字より15%も多いので確かに悪質ですねと言っておきます。
15%で蓋然性云々というのは若干違和感がありますが。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
比較している数字の質がそもそもまったく異なります。
http://srad.jp/yro/comments.pl?sid=435776&cid=1495565 [srad.jp] でいう4割はWinnyで流通するファイルのうち違法なファイルの割合。違法なファイルとは、市販されている製品を丸ごとコピーしたもので、市販製品の一部だけを切り出したものや、市販されていない著作物(DVD化されていないTV番組など)は含まれていません。個人撮影の写真など著作権フリーなものも含まれていません。
http://srad.jp/yro/comments.pl?sid=435776&cid=1495698 [srad.jp] でいう35%なりなんなりという数字(資料で言う「違法コピー率」)は、違法コピー率の算出は、「該当年度ソフトウェア違法コピー数」を「該当年度にインストールされたソフトウェア総数」で割った百分率として算出 [bsa.or.jp]したものです。
Winnyで流通する「違法でないファイル」が全てDRM管理された合法的コピーであるならともかく、そうでない以上両者を比較することは無意味です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
モノは言い様じゃないかしら。
「15%の差」って言うと小さいように見えるけど、25%からみた40%は6割増しですよ、とか。
で、そもそも、そこまで拘るのなら特定空間で出回ってる違法アップロードされたファイルの割合と、単に日本国内で不正コピーして使用されてるソフトの割合を比較することに意味があるのかしら?
Winnyの場合、たとえ違法アップロードされたソフトは少なくてもWinnyユーザーの多数が使用している可能性もあるし、逆もまたしかりだから「違法アップロードされたソフトの割合がアップロードされたファイルの種類数ベースで40%以上と、かなり多い」というWinny空間の特異性と、単に「日本国内では不正コピーの使用実績が25%である」という事実を比較して、何が得られるのかしら、とか。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
一般的に用いられる環境において、そのユーザーのクライアント側環境の25%が海賊版ということですから、この比率がOSに対しても同様の比率でありOSがWindowsであったと仮定して、Winnyの40%に対してWindows自体にも25%の権利侵害に対する蓋然性があるんじゃないかと。
もし、蓋然性という概念が適切なのであれば・・・の話ですが。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
商用ソフトのインストールだけがWindowsの使用目的であるならそうかもしれませんね。
他方、Winnyはファイル交換だけが使用目的です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
元調査の内容ちゃんと読みました?
あれは「稼働してるソフトの25%」が違法コピーだ、という話で、「25%のパソコンに違法コピーが入ってる」なんて言ってません。
それこそWinnyなんかで違法コピー溜め込んでる人はため込んでますから、パソコン台数ベースならもっと少ないのでは?
たとえば「違法コピーだけ90本インストールされたPC」が1台と、「違法コピーがインストールされていない、正規版が10本インストールされたPC」が9台あれば、あなたが挙げた調査の方式なら「違法コピー率50%」ですが、違法コピーが稼働しているパソコンの台数ベースなら10%にしかなりません。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
違法コピーだけ90本インストールされてるPCとかがありムラがあるのであれば、そういうPCがWinnyネットワークに繋がるだけで増えますし、日本ローカルであるならなおさら誤差の範囲な気もしてきますが。まぁ、その結果割合が増えているとして、そういう人が存在するから合法な利用が否定されるべきという結果には疑問がありますな。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
逆じゃないの?
違法な利用者が他より無視できないレベル多くて、しかも違法コピーに手を出してないユーザーも違法コピーを公開したりダウンロードする人に手を貸すことになるソフトを、あえて容認する理由はどこに?
問題は「Winnyを合法的な範囲だけで使えるか」ではなくて「Winnyを使わなきゃできない(他に代替がない)合法的な使い方がどれだけあるか」じゃないかしら?
所持そのものが違法、という物は兎も角として、そうでないモノ(ソフトウェアに限らず)はその気になれば大半は「良い方向の使い方」も「反社会的な使い方(違法な使い方)」もできると思うけど、「悪用する人が多く、かつ禁止することによる社会的なデメリットがあまりないもの」は規制されても仕方ないんじゃないかしら。それがソフトウェアだから自由であるべき、なんて理由はないわよね?
(というか、Winnyの場合「他人の違法なファイル交換を手伝わないようにしつつ使う」ことすらマトモにできないので、違法でないにしても「起動してるだけで」反社会的、とすら言えるんじゃないの?それを打ち消せるだけの「Winnyを使わなきゃどうしても○○が成し遂げられない」って大義があるわけじゃないでしょうに。)
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
ソフトウェアだからというか、所持そのものが違法でないなら、全ての創作物は原則的に自由に公開できるべきだと思いますよ。
その創作物自体が反社会的であれば法などで規制されるのは已む無しですし、Winnyを「規制したい」、「規制すべき」というのは理解できないではありません。
しかし、「規制したい」から現行法について新しい解釈をでっちあげて有罪にするというのはどうなんでしょうね。それなら法律なんて要らないんじゃないですか?裁判官がその場で即興で法律を作ってるのとかわらんのと違いますか?自分はそういうのを法治国家とは呼ばない気がするんですが。
「悪用しかできないもの」であれば上記のような運用も已む無しかと思えなくもないんですが、「悪用する人が多く、かつ禁止することによる社会的なデメリットがあまりないもの」という程度では上記のような運用をされることに抵抗があります。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
「悪用しかできないもの」の定義が難しいんだけど……、
少なくともWinnyの場合は、起動するだけで不正なファイル交換の手助け(法的な意味での「幇助」かどうかは兎も角)をするので、「不正ファイル交換に関わらずに」使用することは事実上、不可能では?
使用者自身が悪用するつもりがなくても他人の悪事の手助けをしちゃうモノって、十分「悪用しかできないもの」だと思うけど?
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
不特定多数の人間が利用しうるサービス全般に言えることなんじゃないかと思うんですよね。不正利用の手助けになりうるというのは。Winnyはそのサービスをクライアントに常駐させているというだけで。だからこそ当時Webスペースのレンタルをしてる連中や掲示板絡みの連中は冷や汗をかいたわけで。
不正ファイルを中継しうることが関わることとイコールとするなら、「不正ファイル交換に関わらずに」使用することは事実上、不可能では?という部分についてはその通りで、それについてはNTTの回線設備が将来犯罪せなどに使われる可能性がありやなしやと同程度の確率でありうることだと考えています。
◆IZUMI162i6 [mailto]
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
なんで話をループさせますかね……
NTTの回線が社会的に必要とされてる度合い(代替として使えるものがあるか、も含む)や、NTTの回線が犯罪などに使われている度合いと、Winnyのそれとは全然違うでしょうに。
ネットワーク関連だから、とか、同じソフトウェアだから、という大まかすぎる括りで無理やりほかのモノをWinnyと同一視する馬鹿馬鹿しい理屈は説得力ないんだけど?
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:2, 興味深い)
Re:巻き添え (スコア:1)
そもそも「禁じてません」よ。
金子氏が誓約書だか上申書だか申述書だか知りませんが、任意的に書いて提出しているだけ。
法的な縛りも何もありません。
Re:巻き添え (スコア:1)
最初の裁判で検察側は「違法に使われていると知りつつアップデートを繰り返したことは悪質である」というような主張をしていたと思うが……。
実際にはWinny2以降になってからのアップデートは掲示板機能の追加。これは匿名性を犠牲にするもので、実際に掲示板でのやり取りから足がついて逮捕者が出ている。つまり、大半のアップデート内容は違法行為の助長とは無関係だったのに、そういう言い方をされていたわけだ。
さらに、覚書とはいえWinny開発は凍結するという約束もしている。
その状況でWinnyのアップデートなんてしようものなら、その意図や内容とは無関係に反省の意思なしという風にみなして攻撃してくることが目に見えている。
金子氏サイドからしてみれば、警察がこのあたりの主張を取り下げるか、勝訴しない限り対応なんてできるわけがない。
まあ、それ以前の問題として、いまやWinny使ってる連中なんて惰性でやってるだけだろうし、いまさら新しいものが提供されたたところでアップデートに応じない可能性が高い。
暴露ウィルスが問題になり始めた頃に対処できてれば話は別だったんだろうけど、今となっては不可能と言うのはその通りだと思う。
ちなみに、キンタマ系暴露ウィルスに対する対応はアップロードフォルダの管理をのっとられないようにすればいいだけなので、いたちごっこにはなるけど全部のクライアントがアップデートするのであれば対処自体はそんなに難しくないと思う。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:巻き添え (スコア:1)
>甘いよ。違法に使われていると知りつつアップデートで対策を打たなかったことが問題視されているわけ。
それだといろいろ矛盾するのだが……。
まず、対策を求めるのであれば開発禁止というワードを積極的に否定してないとおかしい。それと、対策をとらなかったことが問題なのであれば、アップデートの有無は関係なく、最初からそう主張していないとおかしい。
ちなみに、セキュリティアップデートも違法コピー対策とは関係ないので、仮に君の主張が正しかったとしても対応したくてもできないという状況は変わらないね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
匿名掲示板機能 (スコア:2)
その認識は偏見に基づく一方的なものでしょう。
極端な表現をすれば、匿名性のある掲示板というものは違法行為を助長する情報をやり取りする目的の物のはずだという
きわめて危険な思想であると思います。
確かに匿名性があれば違法な情報をやり取りする心理的抵抗は下がるでしょうし、
Winnyに含まれている機能なので、Winnyで流通しているファイル等についての話題が多くなるでしょう。
しかしながら違法配布ファイルの流通や入手に有利になるかというとかなり疑問です。
違法配布されているファイルはメジャーなコンテンツが多い気がしますし、
そもそもWinnyが人気になった理由の1つには、匿名性の他にキーワードを指定しておけば自動的にダウンロードされる、
そういった手間の少なさがあったのではないでしょうか?
そのようなファイルを楽に入手したいという層が掲示板を利用するという場面はというと、
捏造ファイルが多くて欲しいファイルがなかなか入手できない場合ぐらいではないでしょうかね?
ところが捏造ファイルを流して入手を妨害しようとする者が掲示板にも捏造ファイルを本物だと書き込んだりして、
結局は違法配布されているファイルを入手したい者にとってはあまり役立たないのではないでしょうか。
ではどういう層がその掲示板の利益を得られるのかというと、マイナーだが価値のあるファイルを欲しがる層であり、
そういったファイルは合法的なものが多かったのではないでしょうか。
# もっとも最近の状況では、マルウェアや誤操作による流出ファイルについての情報が多くなりかねませんけどね・・・
ですから、掲示板機能の開発の目的は合法なファイルだけど匿名で流したいとか匿名で感想を伝えたいという層のためのものであり、
技術的興味に加えて合法的な利用を増やそうというものだったという主張も出来るはずです。
というよりも、そういった主張をしてもらわないと、匿名性を考慮した通信手段を研究すること自体が
違法行為を助長する悪い事だという認識が更に広まりかねないと心配しています。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:匿名掲示板機能 (スコア:2)
そのような判決になっているようで非常に残念です。
これでは、悪用可能であることが広く認識され、実際に広く悪用されていると推定できれば
その後のバージョンアップはどのようなものであれ、悪意ある行為の幇助とみなされる恐れが出てしまいます。
自分の作成したソフトが広く悪用されていることを知り、合法利用を増やそうと改良した場合も
悪用を完全に不可能にしていない限り、悪意ある行為の幇助であるので罰するべきだということでしょうか?
それは非常に怖ろしい話ですが・・・
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:匿名掲示板機能 (スコア:2)
掲示板機能の付加や強化がより容易に安全に犯行に及ばせた行為であるか否かが十分議論されないまま、
そのためのバージョンアップ、要するにより容易に安全に犯行に及ばせた行為かがはっきりしていないものについても
幇助に当たるように扱われているように思います。
そのケースバイケースが最大の問題で、どの行為が幇助にあたり
どの行為が幇助とはいえないのかが細かく議論されたわけでなく、
線引きがはっきりとしないまま、開発から配布までの全体で幇助とされたことが不安の要因です。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:匿名掲示板機能 (スコア:2)
一般化してはいませんよ。
> > そのケースバイケースが最大の問題で、どの行為が幇助にあたり
> いいですか。ケースは金子氏の地裁判決しか存在しません。裁判官は金子氏のケースについてのみ判断をくだしています。
何度でも言いますが、金子氏のケースについての判決についての議論をしています。
> 裁判では金子氏スペシフィックの行為が幇助にあたるか否かが論点になりました。金子を有罪にするかどうかが(と量刑)裁判の目的全部ですから、それで十分です。
あなたが金子氏は有罪になるべきと考えていることはよく分かります。
私も報道などで知る限り、金子氏の一連の行動には問題があると思っています。
しかしながら、行動のどの部分を犯罪要素と認めるのかということを細かく議論し、
犯罪となりうる行為を明確にすることが、法と社会秩序の維持には必要でしょう。
> 地裁判決では、金子氏の行為についてはより容易に安全に犯行に及ばせた行為であると裁判官が認定したのです。
> それ以外の金子氏の行為、あるいは金子氏以外の全ての人間の行為については裁判官はまったく言及していません。
> Winnyによる不法行為が横行していたと金子氏が知りえ、なおかつ正犯の犯行をより容易とする行為を行い、それは正犯の幇助であると判断されたということです。
その正犯の犯行を容易とする行為というものが十分に絞り込まれているとは言えないのが問題です。
もっと具体的に、「正犯の犯行を容易にするためとしか考えられないこういった機能を実装した」などといった
犯罪の幇助としか考えられない行為を裁判官が明確にすべきでしょう。
そうせずに「悪用されていることを知りつつ開発や公開を続けていた」ということも
裁判官が問題視しているように見受けられます。
> 地裁判決はあくまで金子氏個人に対するものです。線引き(すべき)というのはあなたの妄想です。
金子氏個人の個々の行動が不可分であり、幇助に当たるもしくは幇助とみなさざるを得ない等といった
判断を個々について行う必要はない、と考えているとしか思えないあなたの発言の方が妄想だと思いたいですね。
> 別の論点になりますが、地裁判決は開発も配布も幇助とはみなしていません。
もはや何を言っているのか意味不明ですね。
2chに開発すると書き込んだり、匿名性の高さ等をアピールしたりしたことを幇助とみなしたとでも言いたいのでしょうか?
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:匿名掲示板機能 (スコア:1)
> > しかしながら、行動のどの部分を犯罪要素と認めるのかということを細かく議論し、
> > 犯罪となりうる行為を明確にすることが、法と社会秩序の維持には必要でしょう。
> これは立法論です。裁判官にできることは法解釈論のみです。
裁判で論点となっている点に疑問や不安があったので、法解釈や適応の仕方について論じているつもりでしたが
金子氏の件はちょっと特殊すぎることもあり、立法論的になっているかもしれません。なるべく気をつけます。
> 裁判官が行うべき、また実際に行ったことは、金子氏が実際に行った行為を現在の法律に照らして判断することです。
そうですね。
> > > 別の論点になりますが、地裁判決は開発も配布も幇助とはみなしていません。
> > もはや何を言っているのか意味不明ですね。
> > 2chに開発すると書き込んだり、匿名性の高さ等をアピールしたりしたことを幇助とみなしたとでも言いたいのでしょうか
> 裁判所が幇助としたのは、長々と引用しますが以下の行為についてのみです。それ以外のすべてことについて裁判所は幇助としていません。
配布を幇助とみなしたようにしか思えませんけど・・・
> > もっと具体的に、「正犯の犯行を容易にするためとしか考えられないこういった機能を実装した」などといった
> > 犯罪の幇助としか考えられない行為を裁判官が明確にすべきでしょう。
> 上に引用したとおり金子のこれこれこういった具体的行為が幇助であるとの判断は裁判官が明確にしました。
「Winnyが著作権侵害に広く利用されていること、またそれを安全に行えると広く考えられていること、
効率もよく便利で広く利用されていること、そういったことを認識し、またそういった利用をされることを期待しながら
2つのバージョンのWinnyを不特定多数への提供をしたこと」が具体的な幇助行為であると考えているのですよね?
この件ではそれでも十分なのかもしれませんが、一連の行為をひとまとめにして論じているようにしか見えません。
もちろん不当判決だとは思いませんし、また個々の行為を結び付けるべきではない
と言っているわけではないので勘違いしないでくださいね。
> 金子が実際に行った行為があるわけですから、それを当てはめてもう一度説明していただけませんか。
大雑把に分けると「開発宣言や宣伝」「Winnyの開発」「Winnyの公開」となりますよね。
そして幇助として犯罪とされているのは「広く悪用されていると知りつつ公開」したことですよね。
「Winnyのどういった特徴が著作権侵害を行おうとする者にとってのみ他のソフトより都合がいい」のか
それが具体的にされていないということが問題だと考えています。
この件では「新しいビジネスモデルが生まれることも期待して」であるので、その点を具体的にする必要も無く
むしろ余計なものであるのかもしれませんけど・・・
公開するための開発の中の具体的にどの機能が「悪用に都合のいいもの」であり
「悪用しない場合には不要、というより迷惑」なものであるかまで踏み込み、
そういった機能を実装したものを公開したことを幇助とすべきではなかったかと思います。
それどころか
とも述べられており、技術的に中立な物を公開する場合に「それが実際に悪用もされていることを知っている」ことに加え、
「悪用されることを望んでいる」と幇助になるのか、「悪用する者もいるが仕方が無い」でも幇助になるのか、
このあたりがはっきりさせられておらず、中立的なソフトの開発や配布でも、状況によっては犯罪者にされかねないという
懸念や抗議が生じているのです。
立法論的ではないと思っているのですが、裁判官は社会的影響も考えて判決を出すべきだというような愚痴みたいになってしまっていますね。
流石にこれではどうかと思うので、私なりの考えを書いておくと
Winnyはアップロード用フォルダに入れた普通に開けられるファイルだけでなく
ダウンロード時にキャッシュフォルダ内に独自形式でそのままでは内容が分からないキャッシュファイルを作成し、
そのファイルもアップロードするようになっており、一定確率で発生する中継の際にも作成するようになっているようです。
そのため問題のあるファイルをアップロードする者にとっては「意図したことではないしそれを認識することも出来なかった」
といった主張が可能であり、正犯甲はそう主張したようですね。
その一方、合法的な利用を行いたいものにとっては、中継時に作成された非合法なキャッシュファイルを
アップロードしてしまうという可能性があり、迷惑な機能でもあります。
こういった機能を実装し公開したことを根拠に、「悪用されることを望んでいたはずであり証言とも矛盾しない」と
証言やWebでの発言以外からも迫って欲しかったです。
金子氏は「悪用を容易にする目的でなく、効率性が目的だ」と逃げようとするかもしれませんが、証言などもありますし
最悪でも「現状では安全に合法利用するのは難しい」ということを言わせれば、後の被害を減らせたかもしれませんしね。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:匿名掲示板機能 (スコア:1)
> 長いですけれども、同じ行為でも前提によっては罪になったりならなかったりますので、一まとめにして論じる必要があったと思います。
同じ行為でも前提というか他の行為や条件によって罪になるか否かが変わるのは分かりますし、
最終的にはそれらをまとめて結論を出すことになると思いますが、分け方が不十分なのではないかという気がしてしまいます。
まあ「Winnyは価値的中立であり、社会情勢や開発動機による」と言っている以上
Winnyの機能について細かく判断する必要も無く、あれ以上分けて論じるのは無駄だったのでしょうけど。
> 上記引用の通り、金子ちんの判決を下すにはWinnyのどこがまずかったかという話は必要ではなく、裁判官は問われた以上のことを答えてはいけないのです。
Winnyのどこがまずかったかという話は必要ではなくなってしまっていましたねえ・・・
> > とも述べられており、技術的に中立な物を公開する場合に「それが実際に悪用もされていることを知っている」ことに加え、
> >「悪用されることを望んでいる」と幇助になるのか、「悪用する者もいるが仕方が無い」でも幇助になるのか、
> > このあたりがはっきりさせられておらず、
> 今回の裁判は金子ちんのケースですので、あなたや私が将来お縄になるのかどうかわからないのは当然です。
> それは立法の役割です。
裁判で論点とならなかった部分については、少なくともその裁判官の裁量外となってしまいますね。
このあたりの線引きが出てくるとすれば他の事例の裁判となるので
その前にはっきりさせたければ立法でということになってしまいますね。
> しかし、金子ちんが有罪になった理由は判決文に書いてありますので、その理由に当てはまらない行動を取る限り、法の下の平等によりあなたも私もお縄になる心配はありません。
> (ただし判例として確定してからですけど)
有罪になった理由というのが
・技術的に中立なソフトだが悪用されていることを知っていた
・広く悪用され続けることを望んでいた
・公開して不特定多数に配布した
ですから、有罪になる心配は無くても、公開の動機を確認するとして取調べを受ける可能性はあるのではないか
というのが不安な点です。
こういう懸念などは立法のほうに伝えてなんとかしてもらうしかないのでしょうねえ。
> > こういった機能を実装し公開したことを根拠に、「悪用されることを望んでいたはずであり証言とも矛盾しない」と
> > 証言やWebでの発言以外からも迫って欲しかったです。
> 検察がそのように主張していたと思いましたが、立証できなかったのかもしれません。
残念ですね。
ここで検察が折れてくれればよかったのですが、立場的に難しかったのでしょうねえ・・・
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:巻き添え (スコア:1)
>どのような仕組みで防止するのか公表することまで禁じられていないはず。
>
>なぜ公表しないんでしょうねえ?
セキュリティセミナーで公表 [cnet.com]してますよ。
ところで、京都府警は否定という件のソースを見つけられなかったんですが、どこかに残っているでしょうか?
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:金子被告は自らの意思で開発を凍結した (スコア:1)
>ファイルのコピーとかが出来る程度の知識があれば、Winnyネットワークを介した
>情報流出やマルウェア感染の防止には「全く効果がない」ことは分かると思いますが。
少なくとも、今猛威をふるっているほとんどの暴露系ウィルスは動作しなくなるかと思いますが、「全く効果がない」というのはどういうことでしょうか?
>さあ、どうですか?
>これで金子被告がWinnyを改修しないのは京都府警が禁じているわけではなく、
>自ら凍結したというのが事実だとわかりますが、それでも金子被告の主張が
>真実であると信じられますか?
ええと、元コメントの#1495773 [srad.jp]って読まれてます?
京都府警から明示的に命令があったなんてことは誰も主張してないし、できない理由は全然別のところにあるんですが。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:金子被告は自らの意思で開発を凍結した (スコア:1)
>そのウィルスが改良されるだけでしょう。
>金子氏の示す対策は単純なものであり、悪意のウィルス作者にとっては
>容易に対応できるものですので、全く効果がないと言えます。
あなたの言いたいことはわかりました。どうも言葉の使い方に齟齬があったようです。
セキュリティベンダーがウィルスデータファイルをアップデートすることも全く効果がないに含まれてしまうわけですね。なるほど、それなら、あなたの言うとおりです。そんなレベルの対策は誰にだって不可能ですから。
>あれあれ?言ってることが変ですね。
>
>金子被告のほうから自らの意思で「もう更新しません」と約束したから
>更新できないわけですか?
裁判において警察側がソフトウェア更新を繰り返したこと自体が悪意ある行為であるかのように主張してるからですよ。
#わざわざすぐ読めるように該当コメントにリンクまでつけたのに読んでないとは……。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
Re:金子被告は自らの意思で開発を凍結した (スコア:1)
検察および地裁は、違法な使用がはびこっている状況を知りながら、その対処を放置しつつ機能拡張のみを行った点を捉えて「幇助」としているのです。
悪用を防止する(例えば匿名性を排除する)ような更新を行っていたなら論点が変わっていたでしょう。
Re:金子被告は自らの意思で開発を凍結した (スコア:1)
まあ、その通りなんでしょうけど、その条件だとセキュリティアップデートも幇助ですよね。
しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される