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個人で頼まれて結婚式余興ビデオとかを作っていた時に調べました。以下は「結婚式用に、有名J-POPのCD音源をそのまま使いたい」という、最もありがちな状況が前提です。
権利を持っている団体が2種類あり、別々に考える必要があります。(1)作詞・作曲・編曲者の権利 = 著作権: ほぼ一括して「JASRAC」担当(2)演奏者・歌唱者の権利 = 著作隣接権: それぞれの「レコード会社」担当
また、許諾を要する行為にも2種類あり、別々に考える必要があります。(a)会場内で曲を流す権利(演奏権): JASRACのみ関与(b)市販音源を複製する権利(複製権): JASRACとレコード会社両方が関与
(1-a) について。式場で管理楽曲を流すことに関して、まともな式場は包括的にJASRACと契約して許諾を得ており、個々の手続きは不要です。
(2-a) について。レコード会社はCDの再生自体に関して何の権利もないので、どこで何万回市販CDを再生しても1円も請求できません。(参考URL http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n48098 [yahoo.co.jp] )
ここまで何の問題もありませんが、(b)が厄介です。「複製」とは、参加者にCD-Rで曲を配ることに限りません。式場で上映するプロフィールビデオのBGMに使えば必然的に複製。披露宴をビデオに撮影してBGMとして音源が入り込むと複製。CDを入れ替えないで済むよう使用順に曲を入れたCD-Rを焼くのすら、私的利用の範疇外の複製行為であり、許諾を得るべきと、レコード協会は主張しています。(このURLのQ6参照 http://www.riaj.or.jp/copyright/music/qa_copy.html [riaj.or.jp] )
(1-b) について。まだ、JASRACは楽です。決まったルールの下で窓口が一元化されており、まず拒否されることはなく、値段は一定で、払える値段です。
(2-b) の組み合わせが地獄です。各々のレコード会社の法務に連絡して許諾を貰うのがまっとうな手段のはずですが、個人レベルだったりブライダルビデオだったりする時点で門前払いされて詰むのが普通です。avexはWebで案内と料金の目安を載せています(ビデオだと3万円~)が、これは良心的な方です。値段も会社側の自由なので、1回で数十万円請求されることもあるとか。これ系ビデオ製作を業務でやってる会社の対応は、特定少数の楽曲に関して正式に著作隣接権許諾を得ている会社、市販音源使用を一律拒否する会社、非常に高額な手数料を請求する会社、客側が権利処理し全責任を負うという契約を結んでやりたい放題の会社(いいのか?)、と、バラバラでした。
ISUMという団体の意義は、ほぼこの(2-b)部分です。著作隣接権の問題をクリアにし、金さえ払うならアーティスト音源を使った自作CDやDVDを参加者に正々堂々と配ることすらできそうです。
なお、「じゃあ、複製さえしなけりゃいいの?」と思った方がいると思いますが、はいその通り。市販CDを、CD-RやMP3を経由せず流す。プロフィールビデオ自体は無音にしておき、タイミングよくCDを流す。これでISUMにビタ1文払わずに市販音源を利用できます。
しっかし……。著作隣接権分の料金設定、「用途に関わらず1曲1複製ごと2000円」は、乱暴すぎやしませんかね。CDシングルを直接枚数分買うより高いです。プロフィールビデオのマスターDVDを1枚焼いて上映するなら、何百人が見ようと1曲2000円で済むので割安ですが、参加者に数十枚とか配布するのは現実的価格ではないし、当日のみ使う10曲入りまとめCD-Rを作る行為が2万円とされるのは流石に理不尽と感じる人が殆どでしょう。
え? ビデオの解像度や再生装置の種類(DVDプレーヤ/PC/Android)は、音楽の利用料金と何の関係もないですよ。ISUMがどんな役割を果たすんですか?DVDに焼かずに1080pのH.264のmp4ファイルをUSBメモリで持ちこませたところで、それはやっぱり「音楽の複製」ですから、金額的には何ら変わりません。
ISUMが複製コストをつり上げることで、式場に複製しないで要件を満足する機器の価格がペイするようになって導入が進むという意味でしょ。
余興ビデオの複製DVD配るとか普通にありそうですが、著作権音源を使ってれば違法だというわけですねえ。
しかし複製ダメ絶対というのはわからなくもないけど、CDは流していいけど、編集したCDはダメというのは常識として変な話だなあ。まあ式場の人が指定した曲をCD交換しながら流せばいいのかもしれんけど。
でも本当に法律がそうなってる、という。数少ないちゃんと公開されている「隣接権」側の窓口は以下のようなものですが、「複製さえしなければ再生するのは自由」ということを明言したくないあまり、すっごい微妙な言い回しになっています。
http://www.avex.co.jp/contact/copyright.html [avex.co.jp]
当社より発売している商品に収録されている音源を、スポーツ競技大会や発表会等のイベント・催事でCD-RやMD、カセットテープ等に録音して利用したい(略)というお客様は、下記掲載の事項をご承諾のもと、ご申請下さい。
http://www.riaj.or.jp/all_info/rec_license/ [riaj.or.jp]
当協会では、バトントワリング・マーチングバンド等の競技会で市販CDの音源をMDやカセットテープ等に録音して使用するための権利者への許諾確認業務を行っています。
DVDの配布については、おととし公布された改正著作権法の規定 [bunka.go.jp]が使えませんかね?
1.写真撮影・録音・録画限定で2.撮影等の対象物から分離困難な付随物や音のうち3.社会通念上、質的・量的に軽微と評価できるものは4.著作権者の権利を不当に害さない限り複製・改作し、利用することができるとしました。
日本版フェアユース2 ~フェアユースと「写り込み」~ | 法、納得!どっとこむ [hou-nattoku.com]
その規定って、その音源がなくとも成立するコンテンツならば、たまたま入っちゃった著作物は問題にしないってことでしょう。
結婚式のBGMとか、かなり音源に依存してるので、たまたまはいっちゃった、には全く当たらず、コピーや放映に当たる行為をすれば著作権料を払うべきケースだと思われます。
#個人的には細かいこと言うなよとは思いますが。
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア
キーワードは「複製権」 (スコア:5, 参考になる)
個人で頼まれて結婚式余興ビデオとかを作っていた時に調べました。以下は「結婚式用に、有名J-POPのCD音源をそのまま使いたい」という、最もありがちな状況が前提です。
権利を持っている団体が2種類あり、別々に考える必要があります。
(1)作詞・作曲・編曲者の権利 = 著作権: ほぼ一括して「JASRAC」担当
(2)演奏者・歌唱者の権利 = 著作隣接権: それぞれの「レコード会社」担当
また、許諾を要する行為にも2種類あり、別々に考える必要があります。
(a)会場内で曲を流す権利(演奏権): JASRACのみ関与
(b)市販音源を複製する権利(複製権): JASRACとレコード会社両方が関与
(1-a) について。式場で管理楽曲を流すことに関して、まともな式場は包括的にJASRACと契約して許諾を得ており、個々の手続きは不要です。
(2-a) について。レコード会社はCDの再生自体に関して何の権利もないので、どこで何万回市販CDを再生しても1円も請求できません。(参考URL http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n48098 [yahoo.co.jp] )
ここまで何の問題もありませんが、(b)が厄介です。「複製」とは、参加者にCD-Rで曲を配ることに限りません。式場で上映するプロフィールビデオのBGMに使えば必然的に複製。披露宴をビデオに撮影してBGMとして音源が入り込むと複製。CDを入れ替えないで済むよう使用順に曲を入れたCD-Rを焼くのすら、私的利用の範疇外の複製行為であり、許諾を得るべきと、レコード協会は主張しています。(このURLのQ6参照 http://www.riaj.or.jp/copyright/music/qa_copy.html [riaj.or.jp] )
(1-b) について。まだ、JASRACは楽です。決まったルールの下で窓口が一元化されており、まず拒否されることはなく、値段は一定で、払える値段です。
(2-b) の組み合わせが地獄です。各々のレコード会社の法務に連絡して許諾を貰うのがまっとうな手段のはずですが、個人レベルだったりブライダルビデオだったりする時点で門前払いされて詰むのが普通です。avexはWebで案内と料金の目安を載せています(ビデオだと3万円~)が、これは良心的な方です。値段も会社側の自由なので、1回で数十万円請求されることもあるとか。これ系ビデオ製作を業務でやってる会社の対応は、特定少数の楽曲に関して正式に著作隣接権許諾を得ている会社、市販音源使用を一律拒否する会社、非常に高額な手数料を請求する会社、客側が権利処理し全責任を負うという契約を結んでやりたい放題の会社(いいのか?)、と、バラバラでした。
ISUMという団体の意義は、ほぼこの(2-b)部分です。著作隣接権の問題をクリアにし、金さえ払うならアーティスト音源を使った自作CDやDVDを参加者に正々堂々と配ることすらできそうです。
なお、「じゃあ、複製さえしなけりゃいいの?」と思った方がいると思いますが、はいその通り。市販CDを、CD-RやMP3を経由せず流す。プロフィールビデオ自体は無音にしておき、タイミングよくCDを流す。これでISUMにビタ1文払わずに市販音源を利用できます。
しっかし……。著作隣接権分の料金設定、「用途に関わらず1曲1複製ごと2000円」は、乱暴すぎやしませんかね。CDシングルを直接枚数分買うより高いです。プロフィールビデオのマスターDVDを1枚焼いて上映するなら、何百人が見ようと1曲2000円で済むので割安ですが、参加者に数十枚とか配布するのは現実的価格ではないし、当日のみ使う10曲入りまとめCD-Rを作る行為が2万円とされるのは流石に理不尽と感じる人が殆どでしょう。
Re:キーワードは「複製権」 (スコア:1)
たぶん、DVDを前提にして式場の配線やら機材設置やら当日スタッフの操作やらが組まれているんでしょう。
おかげで、ブライダル業界はいつまでたってもSD解像度のままです。
ISUMがもっとハデに主張してくれれば、式場もDVDを捨てて、HD対応のメディアプレイヤーやAndroidに置き換えてくれるので、新郎新婦には朗報です。きっと、業界のHDクオリティを推し進めるためにISUMは誕生したんでしょう。半年ぐらいで役目を終えそうですが。
無音のmpeg-4とAACの音声ファイルを、同期取って再生するAndroidアプリ作れば、式場には売れるかも。ついでに、式次第をタップすると、登場曲でも、ループ再生のBGMでも、プロフィールビデオでも、一発で再生してくれるようにすれば、ソリューションとしていい感じ。
Re: (スコア:0)
え? ビデオの解像度や再生装置の種類(DVDプレーヤ/PC/Android)は、音楽の利用料金と何の関係もないですよ。ISUMがどんな役割を果たすんですか?
DVDに焼かずに1080pのH.264のmp4ファイルをUSBメモリで持ちこませたところで、それはやっぱり「音楽の複製」ですから、金額的には何ら変わりません。
Re: (スコア:0)
ISUMが複製コストをつり上げることで、
式場に複製しないで要件を満足する機器の価格がペイするようになって導入が進む
という意味でしょ。
Re: (スコア:0)
余興ビデオの複製DVD配るとか普通にありそうですが、
著作権音源を使ってれば違法だというわけですねえ。
しかし複製ダメ絶対というのはわからなくもないけど、
CDは流していいけど、編集したCDはダメというのは常識として変な話だなあ。
まあ式場の人が指定した曲をCD交換しながら流せばいいのかもしれんけど。
Re:キーワードは「複製権」 (スコア:1)
でも本当に法律がそうなってる、という。数少ないちゃんと公開されている「隣接権」側の窓口は以下のようなものですが、「複製さえしなければ再生するのは自由」ということを明言したくないあまり、すっごい微妙な言い回しになっています。
http://www.avex.co.jp/contact/copyright.html [avex.co.jp]
http://www.riaj.or.jp/all_info/rec_license/ [riaj.or.jp]
Re:キーワードは「複製権」 (スコア:1)
DVDの配布については、おととし公布された改正著作権法の規定 [bunka.go.jp]が使えませんかね?
日本版フェアユース2 ~フェアユースと「写り込み」~ | 法、納得!どっとこむ [hou-nattoku.com]
Re: (スコア:0)
その規定って、その音源がなくとも成立するコンテンツならば、たまたま入っちゃった著作物は問題にしないってことでしょう。
結婚式のBGMとか、かなり音源に依存してるので、
たまたまはいっちゃった、には全く当たらず、
コピーや放映に当たる行為をすれば著作権料を払うべきケースだと思われます。
#個人的には細かいこと言うなよとは思いますが。
Re:キーワードは「複製権」 (スコア:2)
このツリーはそれじゃなくて結婚式内で流す余興のPV的なものに著作物を使う際の話だと思います。