喜多方ラーメンは商標として認められないとの判断 40
コモディティの彼岸にて 部門より
喜多方市のラーメン店 40 店余りでつくる協同組合「蔵のまち喜多方老麺会」が、名称「喜多方ラーメン」を地域団体商標に登録申請したのに認めなかった特許庁審決を不当とした訴えに対し、知財高裁は 15 日、地元以外でもすでに長期間名称が使われているとして請求を棄却した (47NEWS の記事、MSN 産経ニュースの記事より) 。
例えば「札幌ラーメン」のように [地域名] + [商品名] の組み合わせからなる商標は商標登録を受けることができなかったが、4 年前に地域団体商標制度がスタートして、いわゆるご当地モノも商標登録することができるようになった。現在 463 件が認められている。しかし有名になりすぎて一般名称化していると、特定団体に対して商標権を認めてしまうことで他の人の商売に支障がでる可能性があり、先ほど例に挙げた「札幌ラーメン」もそうだが「讃岐うどん」なども地域団体商標制度による登録は難しいと見られている。今回の請求棄却は地域団体商標制度導入後、登録を認めなかった審決の是非が争われた初の司法判断となる。
知財高裁は「原告の組合に加入しているのは市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店でも『喜多方ラーメン』の文字を含む商標の登録を受け、県内外で相当長期間にわたって使っている実態がある」点と「原告の組合や加盟店が『喜多方ラーメン』の名称を使い、喜多方市内でラーメンの提供や広告宣伝を積極的に行っていたとしても、名称が原告の組合とその加盟店だけの商品・サービスとして広く認識されているとはいえない」として特許庁の審決を妥当とした。
喜多方市の協同組合の代理人は「有名になりすぎると条件が厳しくなるのは制度の趣旨に反する」と反発しているという。一方で、名称に変化を与えることで認められる可能性もあるといい、高松市のうどん製造販売業者のように「本場さぬきうどん」の名称で登録することができないか模索している例もあるとのこと。
こんなのがまかり通ったら困る (スコア:3, すばらしい洞察)
有名になるまでは自由に使わせておいて、
有名になったあとに商標を取って勝手に使うな、
使うなら金払え、みたいなのがまかり通るわけないですな。
無名のころから商標を取って制限していたら、
ここまで全国に広がったかどうかはわからないですし。
正当な判断だったかと思います。
無名から有名への法的な線引きが難しいところですね。
May the source be with you... always.
Re:こんなのがまかり通ったら困る (スコア:1)
無名な状態の場合、「人名や地名」+「商品の種類」のような単純な名称は、
通常は、商品を識別する能力を持たない、という理由で商標登録できません。
(ご当地ものは地域団体商標制度により登録できるようになりましたが、ようやく4年前からです。)
たとえば『霞ヶ関ラーメン』というお店を開いたとしても、
霞ヶ関でラーメン作ればみんな霞ヶ関ラーメンじゃないの?ということになってしまい、
商標登録は認めてもらえないはずです。
ですが商売を続けて有名になり、
「霞ヶ関ラーメンといえばあそこのあのラーメンだよね」と認識されるようになれば、
それは『霞ヶ関ラーメン』という名称が商品の識別力を獲得したことになり、
ここで初めて商標登録を認めてもらえる可能性が生じます。
つまり単純な名称の場合、有名にならないと商標登録を認めてもらえないのです。
『喜多方ラーメン』も、地域団体商標制度が始まる前は、
無名の状態では商標登録できなかったでしょう。
ですので、有名になったし商標を取ろう、と考えること自体は仕方がないことでもあります。
ただ喜多方ラーメンの場合は、
もともと特定のお店や特定の団体の商品名称だったわけではないはずですので、
商標登録しようとするのは無理があるとは思いますけどね。
Re: (スコア:0)
ブランディングしたい人たちの団体で、
ライセンスを発行すればいいんじゃないですかね。
#そういえば「海外で出鱈目なモノが寿司として出回ってる」とか言って
#免許制とかにするとか言ってたいう話はどうなったんですかね。
「蔵のまち喜多方老麺会」なんだからこうしたら? (スコア:2)
ということで「喜多方老麺」ではどうか。
# そういう単純な問題ではない?
Re:「蔵のまち喜多方老麺会」なんだからこうしたら? (スコア:4, 参考になる)
名前の一般性もそうだけど、今回の場合
>>「原告の組合に加入しているのは市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店でも『喜多方ラーメン』の文字を含む商標の登録を受け、県内外で相当長期間にわたって使っている実態がある」
こっちの方が重要なんじゃないかと。
この説明を読めば「なんでおまえの団体が独占的に使う権利を持つんだよ」と、今回の判決を納得できますし。
今後現れるであろう(正直、今回の団体もそういう面があると思っているけど)パテント取得ゴロの出鼻を挫いた、よい判決だと思いますよ。
Re:「蔵のまち喜多方老麺会」なんだからこうしたら? (スコア:3, すばらしい洞察)
私もそっちの要因が強いんだと思います。つまり
というより、
と。
Re: (スコア:0)
リンクぐらい貼ってくれ (スコア:0)
Re: (スコア:0)
何で特許庁行って「商標」を取ろうとしたんだ?>老麺会 (スコア:2, 興味深い)
公正取引委員会承認「特産」「名産」の10品目の麺類 [zenmenren.or.jp][全国製麺協同組合連合会]
これなら札幌ラーメンや讃岐うどんも「名産」「特産」として一種の地域ブランド化してる。
こっち目指せばいいのに。
もしかして店ごとの製法が違いすぎて、「加水率○%以上」とかで分類できなかったのかな、と邪推。
Re:何で特許庁行って「商標」を取ろうとしたんだ?>老麺会 (スコア:1, 興味深い)
公取委の規定だけだと「名産」「特産」「本場」などの表示さえしなければ
「喜多方ラーメン」を名乗れます。
他者に「喜多方ラーメン」を名乗られたくないから商標にしたかったんじゃないですか?
何で名乗られたくないのかは分かりませんが。
似たようなものでは本場の本物マーク [shokusan.or.jp]もありますね。
こっちも本物を識別するのが目的みたいですが。
認められた例 (スコア:2, 参考になる)
宇都宮餃子 [gyozakai.com]
厚木シロコロ・ホルモン [fc2.com]
他に何かあったっけ?
Re:認められた例 (スコア:2, 参考になる)
「地域団体商標」として認められたものなら、記事のリンク先に一覧があります。
産品別表示
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/tourokushoukai/sanpinbetsu.html [jpo.go.jp]
でも、その3品は入ってませんね。
Re:認められた例 (スコア:1)
「地域団体商標」では無く普通の登録商標なんでは?
結構有名そうなのも入っていませんし #有りそうな「信州味噌」とか入ってないし
町興しで頑張っている地域と、取られたら不味いっていう意識が有る地域が申請したら登録出来たって所では?
更に本気で動いたところは普通に登録商標では…ってちょっとググッたらロイヤリティ取るのかよ [umya-yakisoba.com]
非加盟店がおすすめ (スコア:1, 興味深い)
また、実は地元民で一番混み合ってるのは幸楽苑だったり。ちなみに幸楽苑は喜多方でなく会津ラーメンです。
Re: (スコア:0)
一方中国では (スコア:0)
Re: (スコア:0)
他方ロシアでは (スコア:0)
一方ヤクルトは (スコア:0)
地元のスーパーで、このヤクルトと同じ形状の容器で、同じような味の乳酸飲料を
売ってますけど、子供のころはずっとこれもヤクルトだと思ってました。
なんでこんなに安いんだろうと思って良く見たらヤクルトじゃなかった…。
個人的には「喜多方ラーメン」の「喜多方」ってどこなのか良く知らないので
知財高裁の判決にはそんなに異論は無いな。
日本中に喜多方ラーメンの店はあるし、それを一部の加盟店のみで独占しよう
というのはなんだかずるい気もする。
Re: (スコア:0)
つまり、 (スコア:0)
和歌山ラーメン [wikipedia.org]は、
ということかしら?
元々喜多方ラーメンって (スコア:0)
別にラーメンと何のゆかりもない村が村興しのために作ったブランドだって説を聞いたことがあるんですが、
それが本当なら最初から商標登録しておけば良かったのにと思います~
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1, すばらしい洞察)
しかも美味くもなんともないからな。
東京ならよほど条件の良い(ビジネス街なので不味くても客が入る、等)立地じゃない限り、
数ヶ月で閉店するレベル。
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1)
>しかも美味くもなんともないからな。
喜多方ラーメンといっても、一応、起源となったラーメンがある程度で、
調味/調理や具材からして色々あるから一概には言えないね。
チェーン店で展開している店って、結構似た味付けだったりするので、
たぶん、それが嫌いなので美味しく感じないのかもしれません。
二郎よりは美味いだろ?
Re: (スコア:0)
九州から喜多方へ移住しる!という正論がorz
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1)
>九州から喜多方へ移住しる!という正論がorz
博多でも醤油ラーメンやみそラーメンはあったと記憶しているのだけど、
今はなくなっちゃったのかな?20年程前の記憶なので、この20年で滅んだ?
>何でもいいからとんこつじゃないラーメン食べたい
ということで、ちょっとぐぐってみたら、九州ラーメンのサイト [kyutech.ac.jp]が...
地域別ラーメン店情報をちょこっと覗いて、30店ほどみたら、
「あっさり」か「こってり」の差はあれども、スープがどれもとんこつなので、吹いた。
こりゃ、ほんとに、とんこつ地獄といっていいかもしれないな。
Re: (スコア:0)
二郎はラーメンじゃないだろ馬鹿。
> 調味/調理や具材からして色々あるから一概には言えないね。
だったら喜多方ラーメンとかって括りにする意味ないだろ。
せめて家系とかに並ぶ、ある程度の統一規格を決めてから話を進めるんだな。
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1)
>だったら喜多方ラーメンとかって括りにする意味ないだろ。
しかし、なぜか喜多方ラーメンとして区別したがっているみたいだよ。
いくつか食べ歩いてみるとね。とんこつもあったり、つけ麺だと味噌とかね。
>せめて家系とかに並ぶ、ある程度の統一規格を決めてから話を進めるんだな。
ま、そういう曖昧な括りもあるってことですよ。
それはそれで、面白いと思うけどね。
ま、ラーメン自体、結構な許容範囲があるからね。
九州ラーメンとかでも、とんこつじゃない店もあるね。
>二郎はラーメンじゃない
二郎という食い物だという説もあるそうですが、
二郎の看板にはラーメンと書いてあったりするわけです。
ご本尊がそうおっしゃっているわけですからね。
Re: (スコア:0, 荒らし)
東京で流行ってるような飛び道具っぽいラーメンの方がラーメン文化的には消費財のような気がしますけどね。
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:2, すばらしい洞察)
# 今でも有るかは知りません
一度入りましたが、特筆するものが無い普通の醤油ラーメンだったような気がする。
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1)
Re:元々喜多方ラーメンって (スコア:1)
>特筆するものがないが故に文化として長生きするんですよ。
そうなんだよね。
昔のラーメン屋で食べた、普通の醤油ラーメンを、ちょっとエレガントにした感じ。
>>秋葉原の山手線高架下にも喜多方ラーメンの店がありましたよね?
会津喜多方 蔵々亭 秋葉原店のことかな?
あそこは2回ほど入ったけど、そんなに喜多方喜多方していなかった様に思う。
Re: (スコア:0)
そうなんだが、俺が定期的に行ってしまうのは喜多方ラーメンの店。
毎日食べられる系のは結構強い。
喜多方ラーメンは戦前から (スコア:1, 興味深い)
喜多方ラーメンは戦前からありますよ。
増えたのは戦後、中国から復員してきたおおくの兵隊さんが俺もやってみようとラーメン屋を始めたから。
人口三万人の町にラーメン屋は100軒以上もあるのは正直どうかしてる。
(喜多方では「蕎麦」といえば普通はラーメンのこと。いわゆる蕎麦のことは日本蕎麦とか和蕎麦とよぶ)
で、80年代に蔵の街として蔵を観光名所にしたのはいいけど、観光客に食わせるものがないってんでお客にとりあえずラーメンを食べさせたらこれがなぜか好評だったので今に至るわけです。
ポっと出のでっちあげご当地ラーメンと一緒にされたら怒られますよ。
Re:喜多方ラーメンは戦前から (スコア:5, 興味深い)
> 喜多方ラーメンは戦前からありますよ。
そりゃ、喜多方市になる以前から、あの地域にラーメン屋はあったでしょう。
喜多方町の時代からも、今で言うラーメンを売る店はあったことでしょうが、
しかし、喜多方ラーメンとしては、戦前からそう名乗っていたわけでもない。
というか、当時は、ソバとか支那そばでしたから、喜多方を付けていたわけでも
ないわけです。実際、古来からある店では、メニューに喜多方ラーメンという
呼び方をしてはいるものは小数です。
> ポっと出のでっちあげご当地ラーメンと一緒にされたら怒られますよ。
戦後直後あたりから特徴的なラーメンが売れて、それなりの数の出店が
あったそうですが、その当時から「喜多方ラーメン」と称していたわけ
でもありません。
昭和30年代の後半ですが、いくつかの旧喜多方町にある現在の
有名ラーメン店は、「会津ラーメン」と記載していたり、地名表記は
なかったと記憶しています。
店名に、「喜多方○○軒」とか「喜多方××屋」などはありましたが、
これはラーメンに限った使い方ではありません。小平大勝軒とかといった、
使い方でしかないわけです。
メニューなども、支那そば/中華そば/ラ-メンなど色々でしたよ。
ブランドとしての歴史はそう長くはないのですが、実際にはブランドと
して呼ばれる前にすでにラーメン(そば)として現地での人気食品であった
ことは、確かですが、「喜多方ラーメン」として語られたのは、戦後も
戦後、1980年代中頃からです。
ブランドとして確立していなかったため、独自に各店が商品開発してい
たので、「一応、スープと麺の形状に特定の特徴があるものが多い」が、
そうでないラーメンも「喜多方」が付いております(味の差が大きい、
ベース調味すらバラバラ、太くて縮れた麺だけでもない)。
初期から喜多方ラーメンとして、かっちりとした形がなかったことと、
そもそも喜多方という地名を冠したもので売り出されたモノでもありません。
戦前からあった、起源とされる「源来軒」さんの看板(中華そば)や
メニュー(ラーメン)といった表記のブレからもわかりますが、
「当時は喜多方ラーメン」というブランドはなかったとするのが正解でしょう。
あったのは、現在の喜多方ラーメンというブランドの元となったモノです。
Re:喜多方ラーメンは戦前から (スコア:2)
組合が商標独占登録しちゃうのは問題なんでしょうな。 ポっと出の村おこし的ラーメンの方が、人為的な分だけ「うちが元祖だ」ってことを
はっきりさせやすいんでしょうし。
本場 (スコア:0)
「本場」が通るなら、「元祖」と「宗家」が出てきてドロドロの愛憎劇に...
# 心配しすぎ? :p
Re: (スコア:0)
そのうち、「裏」が歴史の表舞台に出てきたりして。
Re:本場 (スコア:2, おもしろおかしい)
裏方ラーメン...
# あの、いや、つい