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著作権

今年いっぱいで著作権保護期間が終了する「アンネの日記」で共著者を増やして保護期間を延長する動き 66

ストーリー by hylom
これは認められるのだろうか 部門より
insiderman 曰く、

文学作品「アンネの日記」の著者であるユダヤ系少女アンネ・フランクは1945年にドイツの強制収容所内で亡くなっており、今年で欧米での著作権保護期間である70年が経過する。そのため、本来であれば来年の1月1日よりアンネの日記はパブリックドメイン、いわゆる著作権フリーになるはずなのだが、アンネの日記の著作権を管理している団体がこの保護期間を延ばそうと策を練っているという(TorrentFreak)。

この「策」というのは、アンネの父であり、その日記をまとめ出版したオットー・フランクを共著者とするというものだ。オットー氏が亡くなったのは1980年なので、氏を共著者とすることで著作権の保護期間はその70年後である2050年まで延長されることになる。

しかし、オットー氏や第三者によってその内容の部分的削除や修正は行われているものの、オランダでの調査によってアンネの日記はアンネ自身によって書かれたものであるとされているため、この主張が通るかどうかは分からない(Wikipediaの「日記のオリジナル性」項)。

これについてTrentFreakは、「もしも氏が本当に共著者であるのであれば最初からそれを主張するはずだ」とし、保護期間があと6週間で切れるというときになってそのような主張が出てくることについて異議を主張している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 編集者 (スコア:5, 興味深い)

    by ogino (1668) on 2015年11月17日 12時53分 (#2918779) 日記

    削ったり用語を直した、ようするに編集作業 [wikipedia.org]をしたということなんでしょうが、これで著作権を後出しで主張できるとなると、「アンネの日記」だけの問題ではなく、かなりの出版物に関わり合いがあるように思います。

    • Re:編集者 (スコア:2, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2015年11月17日 16時33分 (#2918980)

      日本では「智恵子抄」の判例があるので取捨選択程度の編集では後出しで著作権を主張するのは難しいと思われます。

      親コメント
  • オットーなのに父とは (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時18分 (#2918748)

    これいかに

  • by akiraani (24305) on 2015年11月17日 12時46分 (#2918770) 日記

    この手の知財は権利者が増え過ぎると、そのせいで製品化できなくなる等のトラブルが起きやすくなる。これをアンチコモンズの悲劇と呼びます。

    日本だと、音楽の演奏者の権利、レコード製作者の権利と分かれているせいでネットラジオではJASRACに金を払ってるのに、他の権利者が窓口作ってなくて払う先が見つからなくて使えない、とかありましたし。

    共著者を後付け追加なんて手法を認めると、これがありなら今売れている他の作品でも、と考えられるだろうし、全世界で権利関係の複雑化を招くんじゃないかな。
    つまり、権利保持者が野放図に増えてアンチコモンズの悲劇を増やすリスクがある。

    なので、認めるべきではないと思う。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時54分 (#2918782)

      ちょっと違うんでは?
      本当に共著でああれば当然、権利は全ての者に有るのが当たり前でしょう。
      創造的功績がありながら、利用者の利便性の為に認められないというのはちょっとおかしい。
      権利が発生するかどうかと利便性は直接の関係は無いよね。
      許諾窓口がまとまっていた方が便利ってのはまた別のお話でしょう。

      この話はそこが論点ではなく、共著と言えるレベルはどこからどこまでか?って話ではないかな。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 13時01分 (#2918789)

        >権利は全ての者に有るのが当たり前でしょう。
        そのために続編や翻案物が作れなくなるのも、アンチコモンズの悲劇。
        全員に権利があるならあるで、全員とは具体的に誰々を言うのか明らかにしておかないと
        最後には誰も使えなくなったコンテンツの死骸が横たわるなんてことになってしまう。
        後出しの共著者を認めるというのは大変に危険なんですよ。

        #キャンディ・キャンディとか~、ステルヴィアとか~、解決したっぽいけどマスターキートンとか~

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          「アンチコモンズの悲劇」と「著作者の権利」は関係ないって話だよね?
          まとめた方が利便性は高いが、それはそれで公開者が営業的観点で考えればよいだけのこと。
          アンチコモンズの悲劇回避の意義を以て権利範疇を決めるってのは本末転倒。

          後出しだろうがなんだろうが、それは著作に対する貢献のみが論点とされるべき。

      • by Anonymous Coward

        >本当に共著でああれば当然、権利は全ての者に有るのが当たり前でしょう。

        で。仮にオットーが共著だったとして。
        今回の変更で、オットー・フランクさんは、いままで長年ものあいだ不当に得られなかった部分について、どう処理するんですかね?

        ああ。オットーさんは、もうとっくに亡くなってますから弁済求めたりしないと。
        権利は全ての者に有るけど、亡くなって権利主張されたりしないから名前と死んだ経歴だけもらう……と。

        • by Anonymous Coward
          正直オットーさんの利益はどうでもいいけど、父親の創作だいうネオナチの主張を認めることになるので都合が悪いという話のようだが。
  • https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%BB%E3%... [wikipedia.org]
    3,100万部なんですね。単一書籍としては、まあまあ売れている方です。
    #聖書か毛沢東かという感じです。

  • by I-say (18650) on 2015年11月18日 10時57分 (#2919359)

    もう有償で保護期間伸ばせるようにしちゃった方がマシなんじゃねーか
    一部団体の利益のために無理矢理法改正したり判例作ったりするより

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 14時11分 (#2918862)

    同一タイミングで著作権が切れるわけで、もしこの事案が認められれば、「我が闘争」を出版させたくないドイツ政府とバイエルン州が延長を図るかもね。

    # 総統は実は生きていたって?

  • ペンネームによる著作物は公表後50年しか保護されませんが、50年めまでに「実は私が」と白状すれば通常の著作物同様死後50年まで延長されます。アンネフランクってのがこの父親のペンネームだと公表すればそれで仕舞いでしょう。
  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時35分 (#2918760)

    虚偽だった場合に
    虚偽が通った場合の利益分を罰金に課すとか
    共著になると「勘違いした」場合はその一割負担とか

    ノーリスクで公共財産を掠め取れる仕組みはあかんよね

    • by Anonymous Coward

      あっちの法律は知らないが、著作者を騙るのは著作者人格権にかかわる。
      しかしそれを罰するのは事実でないと知りながら騙るような故意の場合であって、
      権利が存在するはずだと信じて主張したが間違っていたという場合は過失であって罰しない。

      • by Anonymous Coward

        おっと忘れてた。
        過失であってもそれで損害を被ったというなら、それに対しその当事者が損害賠償を請求することは出来る。

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時38分 (#2918762)

    著作権がキレて格安で世界に出回るようになればいつまでも忘れられることはないだろう。
    それとも反ユダヤ団体が勝手に手を入れたバージョンを流通させることでも恐れているのだろうか?

    まさか金儲けできなくなるから困る、とかじゃないよね?

    • 元記事ではあまり言及されてませんが、Anne Frank Fonds [annefrank.ch](アンネ・フランク財団)なるものがありまして、この財団がアンネ・フランクやその家族が持っていた権利をまとめて管理しています。アンネの日記やその関連商品から得た収益もこの財団に入る仕組み。

      この財団は慈善団体ということで色々なところに寄付とか支援を行っているわけですが、アンネの日記からの収益がなくなるとその原資がなくなっちゃうので困る、という話だと思います。

      # ところでこの組織の職員とか組織構成についての情報が全然ないんですけどどうなってるんでしょうね

      --
      theInsiderman(-1:フレームの元)
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        アンネの日記読もうとするくらいなら、割と真面目で問題意識のありそうな人だろうし、
        本の収益が減っても、寄付など募ればそれなりに金は集まりそうだけどなぁ。
        市場は世界だし。
        ユダヤ系の人とか金持ち多いし。

      • by Anonymous Coward

        著作権が切れれば、どこでも出版できるだけで、財団の出版が売れなくなるわけじゃない。
        (減るだろうけど)
        いちゃもんの付け方がなんかおかしいのですよ。

    • by Anonymous Coward

      得するのは出版社くらい?
      思想性の面から見たらPDのほうが伝わるとは思いますが。
      どちらにせよ著作者不在の議論でしかないのですな。

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時38分 (#2918764)

    そんな公益性の高いものを何で公的なものにしたくないんだ?
    日記の著作権持ってるのがネオナチ的な人なのか?

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 12時56分 (#2918783)

    チャーチルの飼っていたオウムはまだ存命の模様。
    そこで、チャーチルはオウムの喋る内容を口述筆記していた、ということにすればチャーチルの著作権をずっと先まで伸ばせるジャマイカ。

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 14時36分 (#2918886)

    どうなるんじゃろ、まだ生きているとか…いや、いるじゃない、生きてるか死んでるかわからない人。

  • by Anonymous Coward on 2015年11月17日 14時37分 (#2918888)
    タイトルに「共著者を増や」すとありますが、つまりこれまでも(オートーさん以外の)共著者がいたということでしょうか?
    でないと「共著者」は「増え」ないですよね?
    調べても分からないので誰か教えて〜〜
    • by Anonymous Coward

      英語でaddだと、なにもないところに「追加」する意味にもなります。
      0+1=1もadd

    • by Anonymous Coward

      原文では
      naming her father Otto a co-author of her diary where he was previously just an editor.(編集者である彼女の父を共著者と名付ける(意味づける、かな))でした。
      共著者を増やすというのは意訳ですね。

      • by Anonymous Coward
        意訳になってないよね
        誤訳だな
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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