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著作権

EU、演奏者の著作権保護を「録音から70年」に延長 79

ストーリー by hylom
手厚い保護? 部門より

あるAnonymous Coward 曰く、

欧州議会は4月23日、音楽演奏者の著作権保護年数を現行の50年から70年に延長する法案を可決した(ITmedia本家/.)。

現在EUでは演奏者の著作権は楽曲録音から50年間保護されている。しかしこれでは演奏者が生存中に著作権が切れてしまい、ロイヤリティーを得られなくなるとして欧州委員会(EC)は保護年数の延長を提唱していた。ECは始め「録音から95年」への延長を推していたが、反対意見もあり妥協案として「録音から70年」の法案となったという。ちなみに作曲者の著作権保護年数は没後70年となっている。

なお、この法案は今後EU各加盟国の承認を要するそうだ。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by akiraani (24305) on 2009年04月28日 15時08分 (#1556566) 日記

     新しく生み出される著作物の質が昔に比べて劣っているという認識が強いところほどこういう動きが強くなっている気がする。
     権利の保護が必ずしも過去資産の有効利用を阻害するとはいえないんだけど、過去の遺産で食いつなごうという考え方が根底になければ法律として表に出てきたりはしないだろう。

     そう考えると、この手の話題が上っているところは今の文化に自信がないといえるんじゃないだろうか。

    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • >この手の話題が上っているところは今の文化に自信がないといえるんじゃないだろうか。

      これまでに今の文化に自信があったというのはどういった時期のどこらへんでしょうか?
      今の文化に自信があって十全であれば、それは文化が停止することですよね?
      ところが、今まで文化は進歩しつづけて、これまでの文化を越えようとしてきたからこそ文化になりえたわけです。
      止まったものは遺跡といいます。

      親コメント
  • 連絡先 (スコア:4, すばらしい洞察)

    by ta98 (10561) on 2009年04月28日 15時32分 (#1556584) ホームページ

    著作権料を払う(払わされる)方としては、どこに許可取ればいいのかってのが問題になりそう。
    かなり古い音源で、演奏者、録音の日時がわかったとして、さて当時のレコード会社はもうない、
    権利がどこに売買されたのか追えないという事態は70年たつとありえないだろか。

    EU全体で管理している団体があるんだろか?(作るのだろうか?)膨大なデータ量で管理できんの
    かよとひとごとながら心配です。

    #貴重な音源がみつかりました!でも(権利者の)連絡先がわかないので聴かせられません!
    #宝の持ち腐れです。

    • Re:連絡先 (スコア:4, 参考になる)

      by oguma (17986) on 2009年04月28日 16時03分 (#1556603)

      #貴重な音源がみつかりました!でも(権利者の)連絡先がわかないので聴かせられません!
      #宝の持ち腐れです。

       日本の場合裁定制度 [bunka.go.jp]ってものが一応あることはあるんですが、“相当な努力”のためにかかるコストが大きいため、あまり有效に機能していない面があります。

       今般の改正案 [shugiin.go.jp]にはこの辺の適正化も盛り込まれていたと思います。

      --
      Nullius addictus iurare in verba magistri
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  • 著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2009年04月28日 14時51分 (#1556555)
    > しかしこれでは演奏者が生存中に著作権が切れてしまい、ロイヤリティーを得られなくなるとして

    だったら50年とか70年とかで区切るんじゃなくて、演奏者が死亡するまでってことにすればいいじゃなかろうか。
    • Re:著作権は死亡まで (スコア:3, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2009年04月28日 14時55分 (#1556556)

      暗殺されるから駄目、なんだってさ!

      親コメント
      • Re:著作権は死亡まで (スコア:3, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2009年04月28日 15時06分 (#1556565)
        過去に何度も出てるけど、「○年か本人が亡くなるまでのどちらか長いほう」とかにすりゃいいだけ。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2009年04月28日 15時46分 (#1556592)

          >過去に何度も出てるけど、「○年か本人が亡くなるまでのどちらか長いほう」とかにすりゃいいだけ。

          50年過ぎたら命の危機が!!!

          と思ったが、
          50年生きててまだ価値のある著作物だったら
          それまでに十分な富を産んでいるはず。
          著作権の放棄をすれば、命の危険はなくなる。
          50年もあれば貯蓄するなどの備えをしているだろう。
          していない馬鹿は、保護する価値なし。
          50年生きてて金銭的価値が無くなっているような著作物であったら
          それはもう奪う意味がない。作者の命は別に保護しなくてもよいあろう。

          難しいのが、50年経ってから価値が認められるもの。
          こういったものは、絵画などにあったりするが
          絵画それ自体に価値があるので著作権で守らなくてはいけないものは少ないだろう。

          そしてこういう少ない例のために法を作って
          人類の発展にくさびを打つのは是か非か?

          # と長々考えたけど、「○年か本人が亡くなるまでのどちらか長いほう」に賛成。

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      • 殺したら、殺した人に著作権が移るんでなく、パブリックドメインになるんですよね。
        わざわざ殺すコスト/リスクを支払ってまで著作権をパブリックドメインにしたい人っているのかなぁ?

        OSSなプロジェクトを立ち上げて利益を上げるのと似た難しさがあるように思えるのですが。

        --
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      • by Anonymous Coward
        暗殺って死亡じゃないの?
      • by Anonymous Coward

        現実問題として、自然死や純粋な事故死でも、演奏者に遺族がいれば
        遺族にも著作権を相続する権利があってしかるべきでは。

        • by nemui4 (20313) on 2009年04月28日 16時03分 (#1556604) 日記

          >遺族にも著作権を相続する権利があってしかるべきでは。

          これって未だに意味がよくわからない。というか納得できない。
          遺族にとって、生前の著作者は単なる金づるなんでしょうか。

          「権利」が「資産」として一人歩きしているのが感覚的に受け入れがたいのは嫌儲的な感情なのかもしれない。

          #経済システムが瓦解しかけているのって「生産」から離れたところで金が回っていることじゃないかと邪推してしまう。

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          • Re:著作権は死亡まで (スコア:2, すばらしい洞察)

            by hishakuan (32621) on 2009年04月28日 17時45分 (#1556653) 日記

            単に権利者でも相続人でもなくて、金を払う利用者だからでは?
            むしろこのことを認めないのが嫌儲的な感情の発露であるように見える。
            従前の人たちやそれにたかる人たち、逆に(不当かにかかわらず)「ただ乗り」する人たちがいて、
            そこに大きな問題である利益の対立があるんだから、そういうものとして認めればいいじゃない。

            お金なんてまさに「生産」から離れたところで回すためのものじゃないの?

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            • by kousokubus (37099) on 2009年04月28日 23時37分 (#1556780)

              著作権のややこしいところは、「お金じゃ解決できないところ」にあるような気がする。
              ある作品に対して対価を払うことに反対する人はいないんじゃないか?
              「作品に対して金を払う」のに異論がないのであれば、別に「ある作品の対価をとり続ける期間」が無限であってもかまわない。
              だから単純に作品に対するお金なら、相続とかも問題ないと思う。

              でも、問題があるのは「その作品をコントロールする権利」を握り続けることなんだよね。
              改変も二次創作も再編集も再録も翻訳も翻案も映画化もできない。
              今のところはいないっぽいけど「自分が死んだ後に自分の作品が勝手に使われるのは許せない」として「いっさいの権利は譲渡不可で全部不許可。それを守って行くなら既存の作品の利益は相続させる」とかって作者が遺言して遺族がその通り行動したら、それに関わる作品は発展しなくなる。

              排他的な権利であって非常に強力なのが、死後もずーっと続くってのが問題なんじゃないかな。
              遺族がうんといわなきゃ、何もできないという。
              これが「死後は金払えば何してもOK」だったとしたらずいぶん違った議論になるような気がする。

              親コメント
              • >今のところはいないっぽいけど「自分が死んだ後に自分の作品が勝手に使われるのは許せない」として「いっさいの権利は譲渡不可で全部不許可。それを守って行くなら既存の作品の利益は相続させる」とかって作者が遺言して遺族がその通り行動したら、それに関わる作品は発展しなくなる。

                相続にそんな条件付けても意味ないと思うよ。
                もし、そんな条件がついてても、相続後、それを守る必要は無い。

                特定の契約を条件に相続をしたとしても、契約した相手が死んじゃったら、その契約は無くなってしまいますよ。

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              • by kousokubus (37099) on 2009年04月29日 1時05分 (#1556815)

                遺言関係は民法だけどそれだけじゃないややこしいところがあるので
                >作者が遺言して遺族がその通り行動したら
                というあたりのエクスキューズで勘弁していただけたら。
                # コメントの本質には影響しないので:p

                親コメント
        • 著作権と金が結びつくから
          延長とか相続とか言い出す輩が沸いて出てくるんだなぁ・・・

          copyleftって言い出す連中が出てくるのも解るわ

          #両極端なんだよ

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        • by Anonymous Coward
          遺族に著作権を相続する前に譲渡する契約をやればいい。
      • by Anonymous Coward

        死なないモノに演奏させれば…
        ビッグベンの鐘の演奏とか。

        • Re:著作権は死亡まで (スコア:3, おもしろおかしい)

          by koduckin (15749) on 2009年04月28日 15時29分 (#1556583)

          HPスキャナ [srad.jp]だと、先に死にそうだ・・・。

          # なんてタイムリー

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        • by Anonymous Coward

          それってビッグベンを楽器にしてるだけじゃないの?

          それともビッグベンって自分の意思を持っていて自分の意思で鐘を鳴らしてるの?

          #無粋なツッコミなんでAC

          • by Ryo.F (3896) on 2009年04月28日 19時09分 (#1556683) 日記

            それってビッグベンを楽器にしてるだけじゃないの?

            ビッグベンの演奏(プログラミング?)で他と区別できるほどの創作性を表現できるなら、著作権で保護される対象と認められるかもしれないね。
            誰が演奏(プログラミング?)しても同じにしかならないのなら、著作権で保護されない、ということになるんじゃなかろうか。

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    • Re:著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年04月28日 15時49分 (#1556596)

       生存中に著作権が切れてはいけない理由は?

      著作権の理念って、著作者の利益を確保してモチベーションを高めることで
      文化の発展に寄与せしめることじゃないの?
      #少なくとも日本ではそうなってる

      50年(70年?)もあれば十分すぎる保護期間ではなかろうか。
      むしろ、大抵の演奏(演劇etc含む)は旬を過ぎてしまってほとんど使われなくなってると思う。

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      • 別に50年でも70年でもどうでもいいじゃん。
        でも、フルト・ベングラーとか出て来るんだよなぁ‥今になっても
        録音が残っている限り永延に繰り返される命題のような‥

        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2009年04月28日 16時50分 (#1556623)
        むしろ、短くした方が「新たな創作に取り組む」事を促せて良いんじゃない?
        多作する能力のある人が、大ヒットを1発当てて満足してしまい、
        その後作らなくなったら社会的損失だよね。

        どうせ延長だ何だと言ってるのは
        「既に当ててもう作る気の無い人」であって、
        今作ってる人達はそれどころじゃなく、がむしゃらに頑張ってる。
        公益を考えれば、「既に当ててもう作る気の無い人」の利益は保護しなくていい。
        むしろ、彼らから取り上げて、これからの人達へと回す方法を考えるべき。
        親コメント
        • Re:著作権は死亡まで (スコア:3, すばらしい洞察)

          by Anonymous Coward on 2009年04月28日 17時30分 (#1556645)
          >どうせ延長だ何だと言ってるのは「既に当ててもう作る気の無い人」であって、

          違うのでは?延長したがってるのは「創っている人」たちではなく、「それに群がってる寄生虫ども」でしょう?
          親コメント
      • by Ryo.F (3896) on 2009年04月28日 19時12分 (#1556684) 日記

        むしろ、大抵の演奏(演劇etc含む)は旬を過ぎてしまってほとんど使われなくなってると思う。

        ならば、70年だろうが100年だろう、永遠でも構わない、って話にならないか?だって、ほとんど使われないんだから。
        むしろ、50年たっても価値を認められるようなすばらしい作品をどうするか、というのに主眼を置かないと、妙な議論になると思うぞ。

        親コメント
      • 著作権の理念って、著作者の利益を確保してモチベーションを高めることで
        文化の発展に寄与せしめることじゃないの?

        人間、印税で不労所得が保証されると、もう仕事しようってモチベーションが完全になくなってオンラインゲーム三昧の生活にどっぷり浸ってしまったりするのは良くあること

    • Re:著作権は死亡まで (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年04月29日 3時49分 (#1556841)
      > しかしこれでは演奏者が生存中に著作権が切れてしまい、ロイヤリティーを得られなくなるとして

      著作権につきものの「生きているあいだはロイヤリティーを取りたい」という論拠がわからない。

      人格権は著作者の寿命基準で,財産権は固有年限までと分けて考えるのが妥当ではないか?
      財産権の延長の根拠に著作者の寿命がでてくるのはおかしい。
       クラシックなど、作曲者には著作料払わないけど演奏者(というか権利管理会社だろうけど)は
      70年間使用料を払えという例は出てきますが、それはバランスとしてどうなのかという気はします。
      親コメント
      • 特許と比べても、著作権は長すぎですよね。

        特許だって、発明者が生存中に特許権が切れてしまって、ロイヤリティーを得られなくなることがあるはずだけど、
        それはおかしいから延長だ!って議論はあんまり聞いたことがない。

        --
        1を聞いて0を知れ!
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  • by Anonymous Coward on 2009年04月28日 15時35分 (#1556585)

    この手の問題って人間の寿命を基準にされがちだが、(日本では)権利料の半分を得られる音楽出版社という「企業」の観点が意図的に抜かれてるんだよなぁ。
    まぁ今回は演奏なので、録音ということでレコード会社がモロに絡む案件だから、もっと分かりやすいんだが。
    企業の寿命で考えれば1000年くらいの期間が必要なのは当然である。

    矢面に立たされて、批判を浴びてる人物、組織って大変だなぁと思う。

    「漫画が無くなっても、会社がある限り、私達は給料をもらえるんですよね」なんて名言もあったし。

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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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