Creative Commonsの
CC BY-NC-SA 4.0 (表示-非営利-継承)ライセンスで利用が認められた文書の印刷を業者に依頼すると、業者の行為がライセンス違反に当たるかどうかを争点とした訴訟が米国で提起されている(
訴状: PDF、
Ars Technicaの記事、
Creative Commonsのブログ記事[1]、
[2])。
この訴訟は米非営利組織
Great Mindsがプリント/コピーサービスを提供する
FedEx Office(FedEx Office and Print Service Inc.,)を訴えたもの。Great Mindsは非営利の教材をCC BY-NC-SAライセンスで提供している。この教材の印刷をニューヨーク州の学区がFedEx Officeに依頼したことから、FedEx OfficeがGreat Mindsの著作権を侵害したと主張している。つまり、FedEx Officeのような営利目的のプリントサービス業者を利用する場合、業者側が教材の使用許可を得る必要があるとの主張だ。
これに対してFedEx Officeは、教材を実際に使用するのは学校であり、同社が使用するわけではないと反論。学区から依頼を受けて印刷することは営利目的の利用には当たらないとし、棄却を申し立てている(
PDF)。
Creative Commonsでは、Great Mindsの主張が認められればCC非営利ライセンスの使用範囲が大幅に制限されることになると指摘している。文書の印刷や配布について営利業者によるサービスの利用が認められることは、CC非営利ライセンスの合理的な解釈であるとし、FedEx Office側を支持する法廷助言書の提出許可を判事に求めているとのこと。なお、訴訟は現在のところ受理されていないようだ。