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私の理解は白田秀彰氏( http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/17/news002_2.html [itmedia.co.jp] )と同じで
> 極めて簡単に言えば、「Winnyが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Winnyの改良をしたでしょ。だから幇助」ということになる。この判決骨子の論理では、「画期的なソフトウェアを開発したプログラマが、実験的にリリースしたら、利用者に思いもよらない使い方をされてしまった」というだけでは幇助にならない。また仮に「思いもよらない使い方で反社会的な効果が生じてしまった」と認識した後に、
>プログラマには
同じように、事後プログラマに影響を与えるという観点で白田理論を考えてみます。Winnyの直接的な擁護ではありません、Winnyが思いもよらず悪用されたものという判断で、作者がどう考えていたとかここで論じてもしょうがないと思うからです。
>ソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
これは幇助する意思が無かったと示すための要件で、もちろんデジタル情報は何をもって回収とするか、削除したとするか、それが完全に完了したことをどうやって保証するかが困難だから、配布停止の意思表示止まりとするのは、ある意味当然とも思います。ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな、ネット監視をしてソフト再配布の回収、削除につとめる事なんて条件を求められる可能性は残っているのではないかと。
>「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよい
いったん配布開始してしまうと、幇助として見なされないヤバいと認識する瞬間ってどこになるのでしょう。大抵メディアで騒がれた時、正犯が逮捕された時のいずれかではないでしょうかね。ただし、メディアは例えば昔からある三才ブックス系の一部裏技情報に載るのと、専用ムックが発売されるレベルでは大分利用実体が違ってきます。また、作者がその情報を目にするモチベーションによって認識が変わってくる場合もあります。「俺のソフトってこんな使い方も出来るけど、こいつらアホだ」と批判的に読んでいる場合、主観的に悪用する母集団を過小評価してしまう事があります。
またメディアで騒がれたら問題とするなら、Youtubeもニコニコも幇助とみなされるでしょう。Webサービスの例では適切でないなら、Youtube等からダウンロードするソフトだとか、DVDバックアップ系などそういう系統の雑誌で紹介されていますが、その内容を定性的に判断するのか、その数を定量的に判断するのかで曖昧さが残ります。
かといって「正犯が逮捕された後」というのは大分手遅れな状況になっていて、流石に躊躇が生まれると思う。実際、金子氏も正犯がつかまった後のアップデートなどしないようにと警察から指示をうけて従っていたらしい。まあとにかく、その境界を作者一人で判断する事はなかなか難しい。
そういう判断の難しさがあるから、「ヤバイと自主的に思う」ではなく、IPAなりACCSなり、特定の機関で協議した結果、これ以上の配布をやめて下さいと告知するようにしたら良いのではないでしょうか。逆に、作者の言い分だってあるだろうから、反論の余地もあれば与えて…よほどの妥当性が無い限りは、最後は駄目なものは駄目と警告して、それに従えばセーフとか明確に利害関係者が申し入れるようにしたほうが安心。この安心感が無いという点こそが、今回の幇助事件でP2P利用者以外を巻き込みモメてるところでしょう。ruby作者のMatz氏が表明していた懸念もそこでした。
作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。そのソフトを使っているとは思わなかったけど、逮捕してみたら相当そのソフトが悪用されていたと解った、作者は今も公開中…そういうケースが幇助にならなくて済む、議論しなくて済むようにするには、「ヤバイ」と主観で判断させるのなら明確な定義、理想的には作者への告知プロセスを整える事が必要と思います。
>最大限の有利な判決
有利な点があるという主張には同意できる点もありますが、上記のような安心を保証できる条件が不足している気がするので最大限に有利とは思えませんでした。むしろ、最大の不安を残している気がします。
Winnyの判決がどうあれ、安心を確保できる「思わぬ悪用をされて、放置したら幇助逮捕もアリな場合」の、利害関係者との協議手段、問題の低減に協力する意思表示のチャンスを与えられるように整備することは、今からでも出来ると思います。表題「ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい」というのは、そういう動きを望む事で初めて生きてくると思います。法律の判例がどうであれ、そういう仕組みが出来れば幇助意図の定義や問題解決に対する定義が変わってきます。
例えば、問題の低減として、今回の例では金子氏が修整版Winny(ウイルス対策でなく健全化版)を公開して、徐々に機能を微弱にしていくとか(ウリミバエ対策 [papy.co.jp]のように)Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
>ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな
このつながりはよくわかりません。幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?無罪でも和解がなされることもあれば有罪でも和解がなされないこともある。それに和解は互譲に基づく契約なので、ある意味「なんて条件」と修飾されるような事が付いてこそ和解だと思うのだけど。
>作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
これは行為と結果は構成要件に該当する、つまりは条文上は犯罪にあたる行為をしたうえで、無罪となりえる場合があるのではと問うているのでしょうか。刑法にちゃんと規定があります。
>第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意があったか、過失があったか(特別の規定の一つ)という責任の問題ですね(故意過失を構成要件と解釈する立場もある)。思いもよらないとありますが、幇助の過失犯は規定さていませんから不可罰(無罪)です。幇助反になるのなら故意があると認定されるはずです(思いもよらない故意なら錯誤があったということになる)。で、(錯誤の問題があるけど)故意は措いて、危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
過失とは注意散漫な心理状態の事ではなく、結果等が予見できたのに、もしくは回避できたのにしなかった(そして行為に出た)注意義務違反とされています。これは確かに個人の主観を問題にしているけど、その評価はある程度客観的になされることも分かります。つまり一般的(この範囲は個人の身分やその出た行動によって変わるだろうけど)に適切な行動であったか、法律の規範からどれ程逸脱したかで判断されることになる。
犯罪防止の制度構築はともかく、これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。繰り返しておきますが過失の幇助犯であれば不可罰です。
>幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?
そういえば、あの件は刑事と民事と別々に争っていた事を書いておくべきだったかもしれません。民事のことを思い出したのは、刑事と民事で金子氏を訴えるとか聞いたことがあって、Winnyの件を擁護する気は無いですが、他ではそういう事も起こりうるのかなと思ったもので。
そこで、私がここで言いたかったのは、ある時点では思いもよらず悪用されていた作者だったが、やがて悪用の事例を見聞きしてしまったら、開発時点では過失でも、開発継続からは故意と認識されてしまうでしょう。幇助要件の回避(裁判の回避)のために公開停止宣言をしても、適切だったと判断される条件、どの程度悪用事実があれば…等が作者主観ではわかりません。幇助と見なされないためには回収と削除が不要でも、幇助と見なされたら、それに準じる手間が負わされる幇助と見なされたらというのは、裁判に巻き込まれたらが、より正確な言い回しで有罪確定の事ではありません。
>危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
あくまでも主観レベルの話ですからね、法的に客観的にどうかはさておいてます。悪用されている事例や可能性を過小評価して、そんな一部のマニアの悪用のために、自分の理想から遠い仕様変更を自発的に行ったり、配布停止を宣言するべき時期を逃すことはあるでしょう。それが法律的に黒とする事を否定した訳ではありません。
しかし、往々にしてプログラマーは法律のプロではないから、そういった間違いを起こしやすいものです。検索エンジンやarchive.orgのキャッシュのように、便利だから追認されたけど著作権侵害の機能を実装して、不特定多数に公開してしまう事は起こりうる事で、そのような技術が出来てきた時に、杓子定規な解釈で、しかも幇助容疑で継続機会が奪われてしまうのは勿体無いことだと思います。
>これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。
作者保護の要不要という観点よりは、幇助という概念を適用するにはソフトウェアの不正利用というのは、フリーソフトのような配布方法で何かの分野で強力な毒にも薬にもなる道具を作る力がある人ほど不利になります。そういう作者を幇助容疑で巻き込む可能性を残すのは、抵抗があるなと言う考えです。自分は、その心配がまったく無いので、説得力がなくて残念なところですがね…
不特定多数にプログラム等コンテンツを配信していると、案外はだかの王様になっていても気がつかないものです。ある意味そのような鈍感さがないと、表現活動なんて出来ないんじゃないでしょうか。繊細な作品を作るくせに、他人の権利に鈍感で言い訳無い、というのも尤もな意見ですから、しかし作品を作る事も尊重して欲しいという事で、裁判という非常に体力を消耗するものに巻き込まれる前に、他人の権利保護に協力していくという幇助意思の否定もあると思います。
特に著作権侵害の場合、それが親告罪であるのも、極論ですがWinnyを受け入れるという選択まであるという事でしょう。ある権利者が作者を邪魔だと思う一方で、必要あるいは不要じゃないという権利者もいる。だから、そのソフトウェア開発がいきなり裁判と言う個人にとっては死刑宣告に近い仕組みに巻き込まれるより、ユーザーは著しく減るとか、まったく別物になる可能性があっても、継続できる選択肢がある仕組みを考えて良いのではないかと思います。
とはいえ、ここまで書いてきたことの全てについて、Winnyを想定して考えてしまうと、悪用が予想できるユーザーのいる掲示板に書き込んでサポートしたという点などが、どうにもこうにも金子氏に非が無かったという立場で擁護しがたい部分があります。だから「切り離して考える」なら、というテーマは便利だなと思ってここにぶら下げて書いています。
例えば、問題の低減として、今回の例では金子氏が修整版Winny(ウイルス対策でなく健全化版)を公開して、徐々に機能を微弱にしていくとか()Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。(もちろんそんなことは金子氏もわかっている。)
>そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。
もちろん、詳細実装を書いても居ないうちから健全化と聞いただけで、拒絶反応が出るようなターゲットは使わなくなるかも知れませんね。それでも、逮捕を免れて開発を続けるにはそれしかないという選択肢を提示されれば従うでしょう。そこで、「誰も使わなくなるからそれは出来ません」といったら幇助で引っ張っていいでしょうし。古いバージョンを使うという事は「情を知ってダウンロード」した根拠になりますので、それだけでも健全化する効果は小さくありません。
具体的に、使ってくれそうな機能を生かして開発を続けるか、問題があれば削除できる特別機能を付け加えるか、最終的にどうするのか権利者と仲介組織、作者で検討する余地があればそれでいいと思います。健全化といってもWinnyを想定する場合と、それ以外を想定した場合ではアプローチも変わってくるでしょう。
要は、いきなり作者を逮捕に至ってしまう前に、こういう機能を実装されるとまずいという説明をして、こうして軽減になるという前向きな検討をできる体制を築ける道筋を作って欲しいということです。使ってくれる人は限りなくゼロになるかも知れないけど、でも作品の名誉と自分の社会的立場を守りたいのが普通の心理で、そのために取れた可能性があっても、いきなり逮捕に至ってしまうと手段の実施が不可能になってしまいます。
Winnyを想定した話ではありませんが、正犯で逃走のおそれがあるなら即逮捕は効果があるでしょうが、ソフトウェアを作っただけの幇助犯という関わりだと、顔も知らない人間が悪用した犯行のことなど、積極的に手助けしたという実感が湧くものではありません。正犯の得ていた利益(あるいは侵害していた権利)が、ソフトウェア作者も望んでいた結果と一致しないはずです。そこで、幇助したつもりはない事を訴えようとしても幇助犯として捕まってしまえば、たとえ後で無罪となっても社会的地位の回復は出来ません。
幇助と言うのは、不特定多数にソフトを配るのが当たり前の時代、ソフトウェア作者にとって著しく不利です。何を幇助したと認定するかの基準がどうあれ、作者に被害を緩和するように求めてみる1クッションが欲しい、それが安心に繋がるのではないかというのが私の考えです。
>金子氏の場合隠れてやってたからねえ
おまえがいうな > Anonymous Coward
すいません、すいません、すいません、言ってみたかっただけです。
個人はいきなり裁判になった時点で、開発継続は無理になる、極論すれば一企業の思惑だけで潰される。幇助に限らず正犯としても同じ事ですけどね、せめて幇助罪という一方的に不利な裁判発生を軽減する仕組みが欲しい。そうした仕組みに頼れず個人が身を守ろうとすると、オープンソースで複数人参加可能な場所でやるとか、なんらかの自主的対抗策、あらゆる「隠れ蓑」を担保にして潜るしかありません。そうまでしなくてはいけない、信頼関係を構築できないのはお互いにとって不幸です。Winnyを切り離し、訴訟の行方とも切り離して、個人のソフトウェアの自由を守る仕組みを検討できるのではないかと、表題から考えた次第なので、金子氏の場合は…人柱的な意味もこめて、今回は幇助罪で逮捕自体には異論はなかったりします。しかし、裁判の行方としては有罪になることを望みません。
金子氏の行動は、たしかに捜査機関や権利者から見れば「隠れてやった」と映ります。ただ、Winnyが考え方を参考にしたといわれる、Freenetからして「匿名」に着目したものでした。日本で匿名でやりとりするとなると、2ちゃんねるを思い出してそこでやりとりしようというのは、本人に逃げ隠れの目的が介在しなくても、ユーモアでそうした行動に出る可能性は高いと思います。ただ2ちゃんねるの中でも、偏った需要を生む場所を選んでしまった(選ぶしかなかった)というのは配慮不足が否めません。
特定の体制によって不都合な情報とされた時にそなえて「匿名」で、ネットワークに「情報を居座り続けさせる」ための手段Freenet、その概念を参考にして、通信手段での保護と、需要に応じた速度で複製されていくこと、需要がなくても複製されるようにした。Winnyには、そこに著作権侵害がなくてもテロに加担しかねないと非難される要素がありました。今でこそプロトコルは解析され、そのまま開発停止していますが。しかし、そういう作品であってもPGPにしてもそうでした [wiredvision.jp]が、少しの議論も許さず裁かれるべきでない [archive.org]と思います。特に個人が対象の場合は。
未来登場するかもしれない、「それ」は社会にどのような問題をつきつけて裁判に巻き込まれているのか、作者が予測できた事か過失か、作者に徹底的に争う意思があるか無いかは解りません、現状そのようなものを議論する場はいきなり裁判、それも幇助という裁判に巻き込みやすい容疑になってしまう。しつこいですが、個人が裁判にかけられれば、結果がどう転んでも社会活動さえままならなくなって制裁完了、目的達成です。例えは悪いですが、痴漢冤罪にも見られるので構造がWinnyと切り離すと見えてきます。この件が持ち合わせている、その問題の部分が放置され慣例化して欲しくないというのが、金子氏無罪以上に願うものです。
あるいはソフトウェアは個人で開発すべきでない、不特定多数に配布すべきでないという事を徹底すれば、煩わしさに巻き込まれる事は防止できる。世の中の殆どの人はソフトウェア開発者ではないのだから、それで誰が困る?というと…そうなのかも知れませんけどね…。
匿名な相手を批判しても相手に話が伝わってる保証すらないんだから。とりあえず表に引っ張り出さない事にはどうにもならない。
というか、そもそも批判されたくないから匿名でやるんだと思いますが?
ファイル交換ソフトのユーザーに対してISP経由でRIAAが警告を送ったりするのを想像しているのかもしれませんが、あれとは状況が違います。あっちは逃げられてもあまり痛くないですから。
そのジオシティーズのアカウントは金子氏の身元が判る形で公開されていましたか?そうでなければ匿名同様ですよね。ジオシティーズのアカウントなんて簡単に取れますから。身元がはっきりしてない相手に一方通行で警告を送った所で「こりゃヤバい」と逃げられる可能性が高いですよね。その時点で捜査令状取ってユーザー情報の開示を求めた所で遅いかもしれません。
最初に警告して、改善が無ければ逮捕っていうのは相手の身元がハッキリしていて逃げる可能性が低いと判断できる場合でないとできません。裁判所の礼状取ってISPから個人情報を得るにはそれ相応の理由が必要な訳で、捜査機関がその段階に達したなら逮捕せざるを得ない。手遅れですよ。
47氏=金子氏だとわかっていて、彼が逃げる可能性が低いと判断可能だったという前提で話をしていませんか?
技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。そんな事を許せば金子氏よりもっと酷いマッドサイエンティストが出てきてしまう。
「捜査機関や司法が出てくる」=「何か悪い事やったに違いない」な日本の文化は確かに問題ですが、裁判も平和的な議論や交渉手段の一つだという見方ができませんか?これがもっと野蛮な国ならある日突然黒服の人たちに拉致されて殺されるか収容所送りですよ。
ジマーマン氏にしても、結果的に彼の行動は認められたのですからこれは喜ぶべき話でしょう。ブッシュ政権下ならどうなっていたことやら。
誰もやったことのないような事にチャレンジする人はそれ相応のリスクを背負うべきです。最悪の場合でも逮捕・裁判で済む程度なら十分緩い。
>技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。
いや、そこまで言った覚えは無いので何ともいえませんが、そう読み取れたなら違います。緩和とか1クッションという言葉を使っているのも、ゼロが当然とは思っていないからです。詳しくは、他のACさんへのレスなど参照してもらえればいいと思います。
想定しているのは、誰もやったことのないような事にチャレンジだとか、リスクをとってでもやるべきなんだとまで使命感を思わなくても、成し遂げてしまえる人、そういう人が世の中には居る事です。#個人的には、ソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)には、#そのような能力の人が多く見受けられると認識し、尊敬しています。
ですから、望まない事態になった時に、争う気もなかった事であり、訴訟を選ぶより、侵害されたと訴える人が納得できる代替機能に変更、あるいはその機能を潰す、ソフトを公開停止する事を選ぶでしょう。問題は、フリーソフトの幇助罪は明確なトリガーを認識できないので、事前にそういうアクションをとるのが難しいという事です。法的にも、正犯ほど明確に故意を認定できない性質のものです。
まったくの過失であったと後に解っても、裁判になった段階で制裁は完遂同然です。(早朝、家の前にパトカーが止まり、手錠をかけられ家を出るのを目撃されただけでもアウト)勝てばそのままの機能を維持できる特典はあるかも知れませんが、譲歩して済むなら譲歩する所だったら、作者にとってなんの価値も無い勝利です。
ジマーマンの場合、RSAの技術に依拠している事に配慮したために最初から権利者と協議をして、交渉決裂が明らかになったところで戦うことを「選択」できました。ジマーマンにかかったのは、幇助罪ではなく暗号不正輸出の正犯容疑でした。そして、彼は確信犯だったので裁判になっても望むところだったでしょう。
でも、リファレンスなく実装されたフリーソフトに幇助罪容疑がかかる場合、そこまで確信犯的に考えて巻き込まれる案件ばかりとは限りません。個人開発は、よく言えば興味に集中、悪く言えば視野が狭くなりやすいもの。侵害事実を訴えるというのは、視野を広げて気づかせる上で意味があります。ですから、牽制、警告の意味もこめて1クッション置いて欲しいだけです。
譲れない信念に基づいている実装であれば、戦う選択をするでしょうが、そうでない場合は譲歩したい、その意思が確認できても現状では、幇助をめぐって戦う道しかないというのは、社会的に不利すぎるのです。権利の管理「組織」と、「個人」開発者との戦いでは尚更です。不毛な戦いを強制されるのは、適切なリスクではなく過度のリスクだと思います。
>弁護士だってつくし、譲歩を含めて取引だって行われるだろう。
最近は録画をしようという動きになってますが、代用監獄で弁護士同席が認められない取り調べ、人質司法は相変わらずではないでしょうか。司法取引って罪状を認めること前提ですからね、私が書いている例については「譲歩を含めて取引」ではクッションになっていません。そもそも、未来の実装手段で「譲歩」した改善を約束する事は、いくら力説しても取引材料にならないのが普通だと思います。
拡散したと言うよりも、この事件と切り離してその先を思考実験していくと、最後は、この根本的な核に辿り着いてしまった感じですかね。その人が、現行の制度が信用できるかどうかのモチベーションの違い。私は、信用が出来ないというより、漠然と不安を感じていました。それが、このスレッドの最初の書き出しで表明していた気持ちでした。
最初から、制度が信用できないと非難すれば、水掛け論になってしまう。だから、幇助罪にはもっと切り分け材料を用意できる手順を作れないか、どこに怖さを感じるのか漠然とした不安を出来るだけ整理しようとしました。実際やりとりをする中で、少なくとも自分の中で言語化する事ができました。取り除く事には至りませんが、不安の姿を表出できた事は前進です。
あとは、信用できるから不要だ、と言えば十分な人がいてもそれは仕方ない。殆どの人はソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)でないのだから、それで実際困ることはないから、技術屋が身勝手に権利主張してるだけと言われる、そういう反応を予測していた事もすでに書いてありました。
原田ウイルス作者をウイルス作成罪でなく、著作権侵害で捕まえるしかなかったというのも必要性や情緒面は理解できるけど、ともすれば、ウイルス作成を取り締まる法律は要らないとなってしまう危険もある。今あるものでなんとかする、というのは法律に限って言えば怖いことだ…という認識が妄想で一蹴される、必要性が共有できない限界があります。ウイルスを含めたプログラム開発は、殆どの人にとっては価値のない事で、危ない作業を規制すると言えば納得できる人のほうが多いでしょう。
根底には、マネジメント能力があれば、コーディング能力がなくてもプログラム開発は出来ると思われているのではないかという位、プログラマーの地位が低いという評価が固定している所にも、共感を生まない原因の一旦があるような気がしています。コーディングは、社会のなかで必要な仕事と見なされていない現状、これからもそれが変わらない日常であり続ける事を予感しています。杞憂だった、と言われる未来があることを願ってやみません。
不安が現実のものとなっても、自分に降りかかる可能性はない事を、既に書いておいたように、かわいそうでしょと同情を誘う必要がありません。
そう読めてしまったのなら、貴方が愛を分け与える事に飢えているだけです。お気持ちだけ頂戴しておきます、コンビニ募金でもして解消してください。
平和的解決:
警察「金子さん、あなたの作ってるWinnyさあ。アレ、その、まずいですよねえ」金子「えっ、まずいですか?」警察「ええ。ちょっとなんとかしてくれないと逮捕しないといけなくなるかもしれないよ。こちらとしても不本意だしあまり事を荒立てたくないんだけどねえ。」金子「そうですか、じゃあWinny開発止めます。」警察「お上だって鬼じゃないからね、今回は大目に見るけど今後気をつけてよ。」金子「ご迷惑かけてすんませんでした。」
これ、逮捕して裁判するよりよっぽど新技術開発が萎縮しちゃうと思うんだけど、どうだろう。今「国家権力の横暴だ、不当逮捕だ!」って騒いでる人達は
>平和的解決:
他のレスにも書き込ましたが、必ずその会話例のようになるとは書いてありません。そもそも、協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者重視の取引きです。ですから、仰るような例に解決策を限定して話すのが間違っています。
>どう考えても(略)満貫状態
どう考えても、というのはとっても主観的です。これも他のレスに書きましたが、どう考えても、と判断した(親告罪ですから)著作者が抗議する手段の検討です。Youtubeにアップされた動画に、Youtubeが対応をとる事でサービス継続が許されるようなものです。権利者の意思を尊重するために、Youtubeが自主対策する事に「騒ぐ人」のことはどうでもいいです。
>隠れて
ジオシティーズの無料スペースを使った事で、住所や本名が表面的には隠されていましたが、正犯逮捕後にアプローチ出来たのは、捜査機関から逃げ隠れするような、工作をしていなかったからでしょう。フリーソフト作家として名前の知れている立場で、2ちゃんねるに書き込んでもコテハンというだけで叩かれる、匿名同士のコミュニケーションが慣習として定着している文化、それに合わせただけとも考えられます。本当の所はどうか解りませんが、隠れたと断言するには根拠に乏しいと思います。
>協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者
なら誰かが民事で訴えればよかったのかな?でも裁判は嫌?権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手になんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
大体金子氏の場合、捜査機関を引きずり込まなければ訴えるのは不可能だったじゃない。最初から表で活動していればもう少し違ったかもしれないよ?
>とっても主観的
でも貴方が客観的に見ても金子氏は擁護できないんでしょ?どこで線を引くのさ?
主観の話をするなら貴方の過剰な国家権力不信のほうがよっぽど主観的だと思うけど。
>権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手
侵害そのもの、ではありません侵害に加担していると疑われるです。
>どこで線を引くのさ?
侵害事実を認定する線引きは、「どこで」じゃなく「誰が」の問題と考えます。特に、著作権侵害の場合には親告罪であり、思惑はコンテンツホルダーそれぞれの思惑で違ってきます。「どこで」というのは、侵害された個々の事実に基づくものになるでしょう。
>なんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
第一に配慮している事になる相手は、侵害に加担していると疑われる人物ではなく、主に侵害されていないと考える別の権利者だとか、侵害目的で使っていない利用者になります。ステークホルダーが複数いるので、事案毎に対応は違うという事でYoutubeの例を出したのは具体的人物や技術を想定しないで方法を考えているだけで、Winny擁護は主目的でないからです。(表題を戻した意図でもある)
だから、以下のレスは返そうかどうか、迷ったのですが参考程度に書いておきます。
>最初から表で活動していればもう少し違った
個人的に、ジオシティーズは十分に「表」の範囲だと思いますけどね。まず訴えられたのは正犯であり、そこを契機として事情聴取のために金子氏にコンタクトをとれていますので、正犯が裁かれるのは当然だったとしても金子氏の逮捕なしでもコンタクトが取れる環境はありました。
しかしながら、仮に「著作権侵害早期警戒態勢」みたいな仕組みがあったとしても、金子氏の作っていたジオシティーズのページには信頼できる機関から苦情を受け付ける窓口が無かった。仰るように、もう少し違う結果になる可能性を下げていたように思います。#ジオシティーズが2001年にメールサービス付加をやめ、2003年10月には#メールサービス自体をやめた事も多少は関係しているでしょう。
今回について、「捜査機関を引きずり込まなければ…」という所は、私も異論がないと書いています。ただ、「早期警戒態勢」みたいな仕組みがあれば、正犯の逮捕さえしないうちに、コンタクトを取れる事に期待しているだけです。わざわざ、中間機関を経由する仕組みを提案しているのは、権利者と開発者に加えて、必要なら専門家とか業界団体の意見を求めて、単に組織VS個人に陥らないようにするためです。一つ前についたAC氏のレスにあるように、裁判になった事の利点は、ある程度の客観性が法廷には存在する事です。単に当事者間のみによるやり取りは、客観性が無いことが問題なので中間機関の介入を求めている訳です。
>国家権力不信
確かに、人質司法問題に不信は表明していますが、相手が国家権力だから不信があると認定されても困ります。金子氏の拘留から保釈までのアプローチを見ていれば、頭をよぎってもおかしくない問題でしょう。私だけが特に熱心に提起している問題でもありません、中には国家権力嫌いで同じ事を言ってる人もいるでしょうけどね。
>金子氏はダウンロード専用のWinnyを作って運用したわけなので、あくまで今回の事件については必要ありませんでした。
ちょっと何が言いたいのか良く解りません、そのダウンロード専用Winnyの運用の内容や意図を知りません。報道でそのようなバージョンがあった事は聞いていますが、訴訟の争点として重要視されたとは聞いていません。どっちにしても、最初にわざわざ断ったように、金子氏事例の擁護でとやかく言いたかったのではありません。
>金子氏がたとえば殺人で逮捕
それは明らかに正犯になるので例えが悪いと思います。正犯行為で残念と言うのは、明らかに特例の情状酌量を求めていることになるでしょうが、私が言いたかったのは幇助容疑の確認に、作者が協力的な姿勢を示せる選択肢が欲しいと言う事でした。それは別ACさんへのレスにも書きました。
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UNIXはシンプルである。必要なのはそのシンプルさを理解する素質だけである -- Dennis Ritchie
ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:3, 興味深い)
しかし、
金子氏を擁護すべきとは思いません。
困りました。
どうしましょう。
Re: (スコア:5, 参考になる)
私の理解は白田秀彰氏( http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/17/news002_2.html [itmedia.co.jp] )と同じで
> 極めて簡単に言えば、「Winnyが違法コピーに広く使われているってこと、知ってたでしょ。それにもかかわらず、Winnyの改良をしたでしょ。だから幇助」ということになる。この判決骨子の論理では、「画期的なソフトウェアを開発したプログラマが、実験的にリリースしたら、利用者に思いもよらない使い方をされてしまった」というだけでは幇助にならない。また仮に「思いもよらない使い方で反社会的な効果が生じてしまった」と認識した後に、
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:2, 興味深い)
>プログラマには
同じように、事後プログラマに影響を与えるという観点で白田理論を考えてみます。
Winnyの直接的な擁護ではありません、Winnyが思いもよらず悪用されたものという判断で、
作者がどう考えていたとかここで論じてもしょうがないと思うからです。
>ソフトウェアの回収とか削除までしなければならない等は、どこにも述べられていない。
これは幇助する意思が無かったと示すための要件で、もちろんデジタル情報は何をもって回収とするか、削除したとするか、
それが完全に完了したことをどうやって保証するかが困難だから、配布停止の意思表示止まりとするのは、ある意味当然とも思います。
ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな、
ネット監視をしてソフト再配布の回収、削除につとめる事なんて条件を求められる可能性は残っているのではないかと。
>「ヤバい」と思ったら配布公表を停止すればよい
いったん配布開始してしまうと、幇助として見なされないヤバいと認識する瞬間ってどこになるのでしょう。
大抵メディアで騒がれた時、正犯が逮捕された時のいずれかではないでしょうかね。
ただし、メディアは例えば昔からある三才ブックス系の一部裏技情報に載るのと、
専用ムックが発売されるレベルでは大分利用実体が違ってきます。
また、作者がその情報を目にするモチベーションによって認識が変わってくる場合もあります。
「俺のソフトってこんな使い方も出来るけど、こいつらアホだ」と批判的に読んでいる場合、
主観的に悪用する母集団を過小評価してしまう事があります。
またメディアで騒がれたら問題とするなら、Youtubeもニコニコも幇助とみなされるでしょう。
Webサービスの例では適切でないなら、Youtube等からダウンロードするソフトだとか、
DVDバックアップ系などそういう系統の雑誌で紹介されていますが、その内容を定性的に判断するのか、
その数を定量的に判断するのかで曖昧さが残ります。
かといって「正犯が逮捕された後」というのは大分手遅れな状況になっていて、流石に躊躇が生まれると思う。
実際、金子氏も正犯がつかまった後のアップデートなどしないようにと警察から指示をうけて従っていたらしい。
まあとにかく、その境界を作者一人で判断する事はなかなか難しい。
そういう判断の難しさがあるから、「ヤバイと自主的に思う」ではなく、IPAなりACCSなり、
特定の機関で協議した結果、これ以上の配布をやめて下さいと告知するようにしたら良いのではないでしょうか。
逆に、作者の言い分だってあるだろうから、反論の余地もあれば与えて…よほどの妥当性が無い限りは、
最後は駄目なものは駄目と警告して、それに従えばセーフとか明確に利害関係者が申し入れるようにしたほうが安心。
この安心感が無いという点こそが、今回の幇助事件でP2P利用者以外を巻き込みモメてるところでしょう。
ruby作者のMatz氏が表明していた懸念もそこでした。
作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
そのソフトを使っているとは思わなかったけど、逮捕してみたら相当そのソフトが悪用されていたと解った、
作者は今も公開中…そういうケースが幇助にならなくて済む、議論しなくて済むようにするには、
「ヤバイ」と主観で判断させるのなら明確な定義、理想的には作者への告知プロセスを整える事が必要と思います。
>最大限の有利な判決
有利な点があるという主張には同意できる点もありますが、上記のような安心を保証できる条件が
不足している気がするので最大限に有利とは思えませんでした。
むしろ、最大の不安を残している気がします。
Winnyの判決がどうあれ、安心を確保できる「思わぬ悪用をされて、放置したら幇助逮捕もアリな場合」の、
利害関係者との協議手段、問題の低減に協力する意思表示のチャンスを与えられるように整備することは、今からでも出来ると思います。
表題「ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい」というのは、そういう動きを望む事で初めて生きてくると思います。
法律の判例がどうであれ、そういう仕組みが出来れば幇助意図の定義や問題解決に対する定義が変わってきます。
例えば、問題の低減として、今回の例では金子氏が修整版Winny(ウイルス対策でなく健全化版)を公開して、
徐々に機能を微弱にしていくとか(ウリミバエ対策 [papy.co.jp]のように)Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、
健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>ただ、幇助と見なされた後には、ACCS事件でのoffice氏が和解条件として義務付けられたみたいな
このつながりはよくわかりません。幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?無罪でも和解がなされることもあれば有罪でも和解がなされないこともある。それに和解は互譲に基づく契約なので、ある意味「なんて条件」と修飾されるような事が付いてこそ和解だと思うのだけど。
>作者主観に判断をまかせている限り、思いもよらない利用をされていた場合いきなり幇助をでっち上げられ逮捕と感じるでしょう。
これは行為と結果は構成要件に該当する、つまりは条文上は犯罪にあたる行為をしたうえで、無罪となりえる場合があるのではと問うているのでしょうか。刑法にちゃんと規定があります。
>第三十八条 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
故意があったか、過失があったか(特別の規定の一つ)という責任の問題ですね(故意過失を構成要件と解釈する立場もある)。思いもよらないとありますが、幇助の過失犯は規定さていませんから不可罰(無罪)です。幇助反になるのなら故意があると認定されるはずです(思いもよらない故意なら錯誤があったということになる)。で、(錯誤の問題があるけど)故意は措いて、危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
過失とは注意散漫な心理状態の事ではなく、結果等が予見できたのに、もしくは回避できたのにしなかった(そして行為に出た)注意義務違反とされています。これは確かに個人の主観を問題にしているけど、その評価はある程度客観的になされることも分かります。つまり一般的(この範囲は個人の身分やその出た行動によって変わるだろうけど)に適切な行動であったか、法律の規範からどれ程逸脱したかで判断されることになる。
犯罪防止の制度構築はともかく、これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。繰り返しておきますが過失の幇助犯であれば不可罰です。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>幇助は刑法犯の話で和解は民事の領域でしょ?
そういえば、あの件は刑事と民事と別々に争っていた事を書いておくべきだったかもしれません。
民事のことを思い出したのは、刑事と民事で金子氏を訴えるとか聞いたことがあって、
Winnyの件を擁護する気は無いですが、他ではそういう事も起こりうるのかなと思ったもので。
そこで、私がここで言いたかったのは、ある時点では思いもよらず悪用されていた作者だったが、
やがて悪用の事例を見聞きしてしまったら、開発時点では過失でも、開発継続からは故意と認識されてしまうでしょう。
幇助要件の回避(裁判の回避)のために公開停止宣言をしても、適切だったと判断される条件、どの程度悪用事実があれば…等が作者主観ではわかりません。
幇助と見なされないためには回収と削除が不要でも、幇助と見なされたら、それに準じる手間が負わされる
幇助と見なされたらというのは、裁判に巻き込まれたらが、より正確な言い回しで有罪確定の事ではありません。
>危惧されているような過失を問うのはでっち上げられたと言う程不当なものでしょうか。
あくまでも主観レベルの話ですからね、法的に客観的にどうかはさておいてます。
悪用されている事例や可能性を過小評価して、そんな一部のマニアの悪用のために、
自分の理想から遠い仕様変更を自発的に行ったり、配布停止を宣言するべき時期を逃すことはあるでしょう。
それが法律的に黒とする事を否定した訳ではありません。
しかし、往々にしてプログラマーは法律のプロではないから、そういった間違いを起こしやすいものです。
検索エンジンやarchive.orgのキャッシュのように、便利だから追認されたけど著作権侵害の機能を実装して、
不特定多数に公開してしまう事は起こりうる事で、そのような技術が出来てきた時に、
杓子定規な解釈で、しかも幇助容疑で継続機会が奪われてしまうのは勿体無いことだと思います。
>これ以上責任を狭くしてロバの耳をしていることに気付いていない作者を保護する必要があるでしょうか。
作者保護の要不要という観点よりは、幇助という概念を適用するにはソフトウェアの不正利用というのは、
フリーソフトのような配布方法で何かの分野で強力な毒にも薬にもなる道具を作る力がある人ほど不利になります。
そういう作者を幇助容疑で巻き込む可能性を残すのは、抵抗があるなと言う考えです。
自分は、その心配がまったく無いので、説得力がなくて残念なところですがね…
不特定多数にプログラム等コンテンツを配信していると、案外はだかの王様になっていても気がつかないものです。
ある意味そのような鈍感さがないと、表現活動なんて出来ないんじゃないでしょうか。
繊細な作品を作るくせに、他人の権利に鈍感で言い訳無い、というのも尤もな意見ですから、
しかし作品を作る事も尊重して欲しいという事で、裁判という非常に体力を消耗するものに巻き込まれる前に、
他人の権利保護に協力していくという幇助意思の否定もあると思います。
特に著作権侵害の場合、それが親告罪であるのも、極論ですがWinnyを受け入れるという選択まであるという事でしょう。
ある権利者が作者を邪魔だと思う一方で、必要あるいは不要じゃないという権利者もいる。
だから、そのソフトウェア開発がいきなり裁判と言う個人にとっては死刑宣告に近い仕組みに巻き込まれるより、
ユーザーは著しく減るとか、まったく別物になる可能性があっても、継続できる選択肢がある仕組みを考えて良いのではないかと思います。
とはいえ、ここまで書いてきたことの全てについて、Winnyを想定して考えてしまうと、
悪用が予想できるユーザーのいる掲示板に書き込んでサポートしたという点などが、
どうにもこうにも金子氏に非が無かったという立場で擁護しがたい部分があります。
だから「切り離して考える」なら、というテーマは便利だなと思ってここにぶら下げて書いています。
Re: (スコア:0)
そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。(もちろんそんなことは金子氏もわかっている。)
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:2, 興味深い)
>そんなもの作ったって、誰も使わないにきまってるじゃない。
もちろん、詳細実装を書いても居ないうちから健全化と聞いただけで、拒絶反応が出るようなターゲットは使わなくなるかも知れませんね。
それでも、逮捕を免れて開発を続けるにはそれしかないという選択肢を提示されれば従うでしょう。
そこで、「誰も使わなくなるからそれは出来ません」といったら幇助で引っ張っていいでしょうし。
古いバージョンを使うという事は「情を知ってダウンロード」した根拠になりますので、
それだけでも健全化する効果は小さくありません。
具体的に、使ってくれそうな機能を生かして開発を続けるか、問題があれば削除できる特別機能を付け加えるか、
最終的にどうするのか権利者と仲介組織、作者で検討する余地があればそれでいいと思います。
健全化といってもWinnyを想定する場合と、それ以外を想定した場合ではアプローチも変わってくるでしょう。
要は、いきなり作者を逮捕に至ってしまう前に、こういう機能を実装されるとまずいという説明をして、
こうして軽減になるという前向きな検討をできる体制を築ける道筋を作って欲しいということです。
使ってくれる人は限りなくゼロになるかも知れないけど、でも作品の名誉と自分の社会的立場を守りたいのが普通の心理で、
そのために取れた可能性があっても、いきなり逮捕に至ってしまうと手段の実施が不可能になってしまいます。
Winnyを想定した話ではありませんが、正犯で逃走のおそれがあるなら即逮捕は効果があるでしょうが、
ソフトウェアを作っただけの幇助犯という関わりだと、顔も知らない人間が悪用した犯行のことなど、
積極的に手助けしたという実感が湧くものではありません。
正犯の得ていた利益(あるいは侵害していた権利)が、ソフトウェア作者も望んでいた結果と一致しないはずです。
そこで、幇助したつもりはない事を訴えようとしても幇助犯として捕まってしまえば、
たとえ後で無罪となっても社会的地位の回復は出来ません。
幇助と言うのは、不特定多数にソフトを配るのが当たり前の時代、ソフトウェア作者にとって著しく不利です。
何を幇助したと認定するかの基準がどうあれ、作者に被害を緩和するように求めてみる1クッションが欲しい、
それが安心に繋がるのではないかというのが私の考えです。
Re: (スコア:0)
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>金子氏の場合隠れてやってたからねえ
おまえがいうな > Anonymous Coward
すいません、すいません、すいません、言ってみたかっただけです。
個人はいきなり裁判になった時点で、開発継続は無理になる、極論すれば一企業の思惑だけで潰される。
幇助に限らず正犯としても同じ事ですけどね、せめて幇助罪という一方的に不利な裁判発生を軽減する仕組みが欲しい。
そうした仕組みに頼れず個人が身を守ろうとすると、オープンソースで複数人参加可能な場所でやるとか、
なんらかの自主的対抗策、あらゆる「隠れ蓑」を担保にして潜るしかありません。
そうまでしなくてはいけない、信頼関係を構築できないのはお互いにとって不幸です。
Winnyを切り離し、訴訟の行方とも切り離して、個人のソフトウェアの自由を守る仕組みを検討できるのではないかと、
表題から考えた次第なので、金子氏の場合は…人柱的な意味もこめて、今回は幇助罪で逮捕自体には異論はなかったりします。
しかし、裁判の行方としては有罪になることを望みません。
金子氏の行動は、たしかに捜査機関や権利者から見れば「隠れてやった」と映ります。
ただ、Winnyが考え方を参考にしたといわれる、Freenetからして「匿名」に着目したものでした。
日本で匿名でやりとりするとなると、2ちゃんねるを思い出してそこでやりとりしようというのは、
本人に逃げ隠れの目的が介在しなくても、ユーモアでそうした行動に出る可能性は高いと思います。
ただ2ちゃんねるの中でも、偏った需要を生む場所を選んでしまった(選ぶしかなかった)というのは配慮不足が否めません。
特定の体制によって不都合な情報とされた時にそなえて「匿名」で、ネットワークに「情報を居座り続けさせる」ための手段Freenet、
その概念を参考にして、通信手段での保護と、需要に応じた速度で複製されていくこと、需要がなくても複製されるようにした。
Winnyには、そこに著作権侵害がなくてもテロに加担しかねないと非難される要素がありました。
今でこそプロトコルは解析され、そのまま開発停止していますが。
しかし、そういう作品であってもPGPにしてもそうでした [wiredvision.jp]が、少しの議論も許さず裁かれるべきでない [archive.org]と思います。
特に個人が対象の場合は。
未来登場するかもしれない、「それ」は社会にどのような問題をつきつけて裁判に巻き込まれているのか、
作者が予測できた事か過失か、作者に徹底的に争う意思があるか無いかは解りません、
現状そのようなものを議論する場はいきなり裁判、それも幇助という裁判に巻き込みやすい容疑になってしまう。
しつこいですが、個人が裁判にかけられれば、結果がどう転んでも社会活動さえままならなくなって制裁完了、目的達成です。
例えは悪いですが、痴漢冤罪にも見られるので構造がWinnyと切り離すと見えてきます。
この件が持ち合わせている、その問題の部分が放置され慣例化して欲しくないというのが、金子氏無罪以上に願うものです。
あるいはソフトウェアは個人で開発すべきでない、不特定多数に配布すべきでないという事を徹底すれば、煩わしさに巻き込まれる事は防止できる。
世の中の殆どの人はソフトウェア開発者ではないのだから、それで誰が困る?というと…そうなのかも知れませんけどね…。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
Winny本体の配布はジオシティーズで行われていたと思います。
警察が該当ユーザーに連絡を取りたいとジオシティーズの運営に書面で伝えれば
事情や連絡先を記したメールを運営からの重要連絡として金子氏に送ってくれたかも知れないのではないでしょうかね。
何度もそれを無視したとかであれば家宅捜査や逮捕もやむをえないかもしれませんけど。
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re: (スコア:0)
隠れず堂々とやっていたなら、誰かがちゃんと批判していたでしょうね。そうすれば、開発者がその批判にどう対応するかが問われるわけで。
匿名が悪いとは言いませんが、匿名でやっている人に誰も批判しなくなっちゃってる日本の人たちが駄目なんだよな、と思うんですけども、どうですかね。
そりゃ無茶だ (スコア:0)
匿名な相手を批判しても相手に話が伝わってる保証すらないんだから。とりあえず表に引っ張り出さない事にはどうにもならない。
というか、そもそも批判されたくないから匿名でやるんだと思いますが?
Re: (スコア:0)
ファイル交換ソフトのユーザーに対してISP経由でRIAAが警告を送ったりするのを想像しているのかもしれませんが、あれとは状況が違います。あっちは逃げられてもあまり痛くないですから。
そのジオシティーズのアカウントは金子氏の身元が判る形で公開されていましたか?そうでなければ匿名同様ですよね。ジオシティーズのアカウントなんて簡単に取れますから。身元がはっきりしてない相手に一方通行で警告を送った所で「こりゃヤバい」と逃げられる可能性が高いですよね。その時点で捜査令状取ってユーザー情報の開示を求めた所で遅いかもしれません。
最初に警告して、改善が無ければ逮捕っていうのは相手の身元がハッキリしていて逃げる可能性が低いと判断できる場合でないとできません。裁判所の礼状取ってISPから個人情報を得るにはそれ相応の理由が必要な訳で、捜査機関がその段階に達したなら逮捕せざるを得ない。手遅れですよ。
47氏=金子氏だとわかっていて、彼が逃げる可能性が低いと判断可能だったという前提で話をしていませんか?
Re: (スコア:0)
本人確認せずにアカウントを発行しているので、匿名的なサイトとも言えるし。
しかし、事情に明るくない人を基準にせにゃならんとは、いろいろ厳しいですね。
誰でもアクセスできるパブリックなWebにもかかわらず、マスコミが「裏サイト」とか「闇サイト」とか表現するからなぁ。
本当に裏や闇なのは、誰でもアクセスできませんから。せいぜい「反社会的サイト」くらいにしとけばいいのに。
Re: (スコア:0)
当たり前でしょ。
自分が明るくない分野で、利害関係に巻き込まれた場合を想像してみたら?
「おまえは間違っている。勉強しろ」といわれて
素直に引っ込めるってんなら仕方がないが。
Re: (スコア:0)
技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。そんな事を許せば金子氏よりもっと酷いマッドサイエンティストが出てきてしまう。
「捜査機関や司法が出てくる」=「何か悪い事やったに違いない」な日本の文化は確かに問題ですが、裁判も平和的な議論や交渉手段の一つだという見方ができませんか?これがもっと野蛮な国ならある日突然黒服の人たちに拉致されて殺されるか収容所送りですよ。
ジマーマン氏にしても、結果的に彼の行動は認められたのですからこれは喜ぶべき話でしょう。ブッシュ政権下ならどうなっていたことやら。
誰もやったことのないような事にチャレンジする人はそれ相応のリスクを背負うべきです。最悪の場合でも逮捕・裁判で済む程度なら十分緩い。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
もちろん逃げられる可能性はあるでしょうが、可能性が高いとは思いません。
> その時点で捜査令状取ってユーザー情報の開示を求めた所で遅いかもしれません。
> 最初に警告して、改善が無ければ逮捕っていうのは相手の身元がハッキリしていて
> 逃げる可能性が低いと判断できる場合でないとできません。
警告を送った後でユーザー情報の開示を求めたとしても、得られる情報量にはそう変わりは無いでしょう。
警告を送ると身元が割り出せなくなるが送らなければ割り出せる、ということはほとんど無いでしょう。
逃亡生活に入られて身柄の拘束に手間取る可能性はありますが、
ソフトの開発や配布を身元を公開せずに行っている人も多いわけですし
身元がはっきりしていて逃げる可能性が低いといえないなら即逮捕するべき、という考えはどうかと思います。
> 裁判所の礼状取ってISPから個人情報を得るにはそれ相応の理由が必要な訳で、捜査機関がその段階に達したなら逮捕せざるを得ない。
ソフトの仕様を知っている参考人として捜査に必要という理由では
個人情報開示の令状を取れないのでしょうか?
単なる臆病者の Anonymous Cat です。略してACです。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>技術の発展の為にノーリスクで好き勝手させろというのはあまりにも技術屋の手前勝手な言い分すぎます。
いや、そこまで言った覚えは無いので何ともいえませんが、そう読み取れたなら違います。
緩和とか1クッションという言葉を使っているのも、ゼロが当然とは思っていないからです。
詳しくは、他のACさんへのレスなど参照してもらえればいいと思います。
想定しているのは、誰もやったことのないような事にチャレンジだとか、
リスクをとってでもやるべきなんだとまで使命感を思わなくても、
成し遂げてしまえる人、そういう人が世の中には居る事です。
#個人的には、ソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)には、
#そのような能力の人が多く見受けられると認識し、尊敬しています。
ですから、望まない事態になった時に、争う気もなかった事であり、
訴訟を選ぶより、侵害されたと訴える人が納得できる代替機能に変更、
あるいはその機能を潰す、ソフトを公開停止する事を選ぶでしょう。
問題は、フリーソフトの幇助罪は明確なトリガーを認識できないので、
事前にそういうアクションをとるのが難しいという事です。
法的にも、正犯ほど明確に故意を認定できない性質のものです。
まったくの過失であったと後に解っても、裁判になった段階で制裁は完遂同然です。
(早朝、家の前にパトカーが止まり、手錠をかけられ家を出るのを目撃されただけでもアウト)
勝てばそのままの機能を維持できる特典はあるかも知れませんが、譲歩して済むなら譲歩する所だったら、
作者にとってなんの価値も無い勝利です。
ジマーマンの場合、RSAの技術に依拠している事に配慮したために最初から権利者と協議をして、
交渉決裂が明らかになったところで戦うことを「選択」できました。
ジマーマンにかかったのは、幇助罪ではなく暗号不正輸出の正犯容疑でした。
そして、彼は確信犯だったので裁判になっても望むところだったでしょう。
でも、リファレンスなく実装されたフリーソフトに幇助罪容疑がかかる場合、
そこまで確信犯的に考えて巻き込まれる案件ばかりとは限りません。
個人開発は、よく言えば興味に集中、悪く言えば視野が狭くなりやすいもの。
侵害事実を訴えるというのは、視野を広げて気づかせる上で意味があります。
ですから、牽制、警告の意味もこめて1クッション置いて欲しいだけです。
譲れない信念に基づいている実装であれば、戦う選択をするでしょうが、
そうでない場合は譲歩したい、その意思が確認できても現状では、
幇助をめぐって戦う道しかないというのは、社会的に不利すぎるのです。
権利の管理「組織」と、「個人」開発者との戦いでは尚更です。
不毛な戦いを強制されるのは、適切なリスクではなく過度のリスクだと思います。
Re: (スコア:0)
逮捕から裁判まで一瞬ってわけじゃない。
弁護士だってつくし、譲歩を含めて取引だって行われるだろう。
クッションならそれで十分。
>まったくの過失であったと後に解っても、裁判になった段階で制裁は完遂同然です。
>(早朝、家の前にパトカーが止まり、手錠をかけられ家を出るのを目撃されただけでもアウト)
これは、あんたがそういう偏見を持ってるってだけのハナシ。
Re: (スコア:0)
多くの会社では、逮捕された時点で解雇されます。
裁判で無実が認められたとしても、逮捕されなかった場合に得られたものは補償されませんし、復職も難しいです。
すでに空いた穴を別の人が埋めていますからね。
そして、たとえ復職できたとしても、キャリアの空白は回復不能なダメージです。
逮捕されて(本人にとっては)長い裁判をやっても平気だというのなら、
実際にそれを体験した上で主張しないと説得力はないと思いますよ。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>弁護士だってつくし、譲歩を含めて取引だって行われるだろう。
最近は録画をしようという動きになってますが、代用監獄で弁護士同席が認められない取り調べ、人質司法は相変わらずではないでしょうか。
司法取引って罪状を認めること前提ですからね、私が書いている例については「譲歩を含めて取引」ではクッションになっていません。
そもそも、未来の実装手段で「譲歩」した改善を約束する事は、いくら力説しても取引材料にならないのが普通だと思います。
Re: (スコア:0)
つか、現行の制度が信用ならんという時点で終わってる。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
拡散したと言うよりも、この事件と切り離してその先を思考実験していくと、
最後は、この根本的な核に辿り着いてしまった感じですかね。
その人が、現行の制度が信用できるかどうかのモチベーションの違い。
私は、信用が出来ないというより、漠然と不安を感じていました。
それが、このスレッドの最初の書き出しで表明していた気持ちでした。
最初から、制度が信用できないと非難すれば、水掛け論になってしまう。
だから、幇助罪にはもっと切り分け材料を用意できる手順を作れないか、
どこに怖さを感じるのか漠然とした不安を出来るだけ整理しようとしました。
実際やりとりをする中で、少なくとも自分の中で言語化する事ができました。
取り除く事には至りませんが、不安の姿を表出できた事は前進です。
あとは、信用できるから不要だ、と言えば十分な人がいてもそれは仕方ない。
殆どの人はソフトウェア作家(≠ソフトウェア開発従事者)でないのだから、
それで実際困ることはないから、技術屋が身勝手に権利主張してるだけ
と言われる、そういう反応を予測していた事もすでに書いてありました。
原田ウイルス作者をウイルス作成罪でなく、著作権侵害で捕まえるしか
なかったというのも必要性や情緒面は理解できるけど、ともすれば、
ウイルス作成を取り締まる法律は要らないとなってしまう危険もある。
今あるものでなんとかする、というのは法律に限って言えば怖いことだ…
という認識が妄想で一蹴される、必要性が共有できない限界があります。
ウイルスを含めたプログラム開発は、殆どの人にとっては価値のない事で、
危ない作業を規制すると言えば納得できる人のほうが多いでしょう。
根底には、マネジメント能力があれば、コーディング能力がなくても
プログラム開発は出来ると思われているのではないかという位、
プログラマーの地位が低いという評価が固定している所にも、
共感を生まない原因の一旦があるような気がしています。
コーディングは、社会のなかで必要な仕事と見なされていない現状、
これからもそれが変わらない日常であり続ける事を予感しています。
杞憂だった、と言われる未来があることを願ってやみません。
Re: (スコア:0)
つらかったんだね。よしよし。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
不安が現実のものとなっても、自分に降りかかる可能性はない事を、
既に書いておいたように、かわいそうでしょと同情を誘う必要がありません。
そう読めてしまったのなら、貴方が愛を分け与える事に飢えているだけです。
お気持ちだけ頂戴しておきます、コンビニ募金でもして解消してください。
「逮捕→裁判」という流れで解決するのを避けた場合 (スコア:0)
平和的解決:
警察「金子さん、あなたの作ってるWinnyさあ。アレ、その、まずいですよねえ」
金子「えっ、まずいですか?」
警察「ええ。ちょっとなんとかしてくれないと逮捕しないといけなくなるかもしれないよ。こちらとしても不本意だしあまり事を荒立てたくないんだけどねえ。」
金子「そうですか、じゃあWinny開発止めます。」
警察「お上だって鬼じゃないからね、今回は大目に見るけど今後気をつけてよ。」
金子「ご迷惑かけてすんませんでした。」
これ、逮捕して裁判するよりよっぽど新技術開発が萎縮しちゃうと思うんだけど、どうだろう。今「国家権力の横暴だ、不当逮捕だ!」って騒いでる人達は
Re:「逮捕→裁判」という流れで解決するのを避けた場合 (スコア:1)
>平和的解決:
他のレスにも書き込ましたが、必ずその会話例のようになるとは書いてありません。
そもそも、協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者重視の取引きです。
ですから、仰るような例に解決策を限定して話すのが間違っています。
>どう考えても(略)満貫状態
どう考えても、というのはとっても主観的です。
これも他のレスに書きましたが、どう考えても、と判断した(親告罪ですから)著作者が抗議する手段の検討です。
Youtubeにアップされた動画に、Youtubeが対応をとる事でサービス継続が許されるようなものです。
権利者の意思を尊重するために、Youtubeが自主対策する事に「騒ぐ人」のことはどうでもいいです。
>隠れて
ジオシティーズの無料スペースを使った事で、住所や本名が表面的には隠されていましたが、
正犯逮捕後にアプローチ出来たのは、捜査機関から逃げ隠れするような、
工作をしていなかったからでしょう。
フリーソフト作家として名前の知れている立場で、2ちゃんねるに書き込んでもコテハンというだけで叩かれる、
匿名同士のコミュニケーションが慣習として定着している文化、それに合わせただけとも考えられます。
本当の所はどうか解りませんが、隠れたと断言するには根拠に乏しいと思います。
Re: (スコア:0)
>協議する相手として想定しているのは警察よりも権利者
なら誰かが民事で訴えればよかったのかな?でも裁判は嫌?権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手になんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
大体金子氏の場合、捜査機関を引きずり込まなければ訴えるのは不可能だったじゃない。最初から表で活動していればもう少し違ったかもしれないよ?
>とっても主観的
でも貴方が客観的に見ても金子氏は擁護できないんでしょ?どこで線を引くのさ?
主観の話をするなら貴方の過剰な国家権力不信のほうがよっぽど主観的だと思うけど。
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>権利を侵害されていると思ってる方が侵害していると思ってる相手
侵害そのもの、ではありません侵害に加担していると疑われるです。
>どこで線を引くのさ?
侵害事実を認定する線引きは、「どこで」じゃなく「誰が」の問題と考えます。
特に、著作権侵害の場合には親告罪であり、思惑はコンテンツホルダー
それぞれの思惑で違ってきます。
「どこで」というのは、侵害された個々の事実に基づくものになるでしょう。
>なんでそんなに配慮してあげなきゃいけないの?
第一に配慮している事になる相手は、侵害に加担していると疑われる人物ではなく、
主に侵害されていないと考える別の権利者だとか、侵害目的で使っていない利用者になります。
ステークホルダーが複数いるので、事案毎に対応は違うという事でYoutubeの例を出したのは
具体的人物や技術を想定しないで方法を考えているだけで、Winny擁護は主目的でないからです。
(表題を戻した意図でもある)
だから、以下のレスは返そうかどうか、迷ったのですが参考程度に書いておきます。
>最初から表で活動していればもう少し違った
個人的に、ジオシティーズは十分に「表」の範囲だと思いますけどね。
まず訴えられたのは正犯であり、そこを契機として事情聴取のために
金子氏にコンタクトをとれていますので、正犯が裁かれるのは当然
だったとしても金子氏の逮捕なしでもコンタクトが取れる環境はありました。
しかしながら、仮に「著作権侵害早期警戒態勢」みたいな仕組みがあったとしても、
金子氏の作っていたジオシティーズのページには信頼できる機関から苦情を受け付ける窓口が無かった。
仰るように、もう少し違う結果になる可能性を下げていたように思います。
#ジオシティーズが2001年にメールサービス付加をやめ、2003年10月には
#メールサービス自体をやめた事も多少は関係しているでしょう。
今回について、「捜査機関を引きずり込まなければ…」という所は、私も異論がないと書いています。
ただ、「早期警戒態勢」みたいな仕組みがあれば、正犯の逮捕さえしないうちに、コンタクトを取れる事に期待しているだけです。
わざわざ、中間機関を経由する仕組みを提案しているのは、権利者と開発者に加えて、
必要なら専門家とか業界団体の意見を求めて、単に組織VS個人に陥らないようにするためです。
一つ前についたAC氏のレスにあるように、裁判になった事の利点は、ある程度の客観性が法廷には存在する事です。
単に当事者間のみによるやり取りは、客観性が無いことが問題なので中間機関の介入を求めている訳です。
>国家権力不信
確かに、人質司法問題に不信は表明していますが、相手が国家権力だから不信があると認定されても困ります。
金子氏の拘留から保釈までのアプローチを見ていれば、頭をよぎってもおかしくない問題でしょう。
私だけが特に熱心に提起している問題でもありません、中には国家権力嫌いで同じ事を言ってる人もいるでしょうけどね。
Re: (スコア:0)
> 特定の機関で協議した結果、これ以上の配布をやめて下さいと告知するようにしたら良いのではないでしょうか。
相手に幼稚園児並の常識もない可能性を考えると悪くはないかもしれませんが
> 作者は今も公開中…そういうケースが幇助にならなくて済む、議論しなくて済むようにするには、
>「ヤバイ」と主観で判断させるのなら明確な定義、理想的には作者への告知プロセスを整える事が必要と思います。
金子氏はダウンロード専用のWinnyを作って運用したわけなので、あくまで今回の事件については必要ありませんでした。
> Winny利用者には信頼できる47氏としての立場を生かした、
> 健全化する方向での問題解決の道を断ち切って逮捕に至ってしまったように見えるのが、私が残念と考えている点です。
どうしようもないことです。おかしな特例は認めるべきではないでしょう。
金子氏がたとえば殺人で逮捕されたらどうしますか?
Re:ソフトウェアの自由と、金子氏の事件は、切り離したい (スコア:1)
>金子氏はダウンロード専用のWinnyを作って運用したわけなので、あくまで今回の事件については必要ありませんでした。
ちょっと何が言いたいのか良く解りません、そのダウンロード専用Winnyの運用の内容や意図を知りません。
報道でそのようなバージョンがあった事は聞いていますが、訴訟の争点として重要視されたとは聞いていません。
どっちにしても、最初にわざわざ断ったように、金子氏事例の擁護でとやかく言いたかったのではありません。
>金子氏がたとえば殺人で逮捕
それは明らかに正犯になるので例えが悪いと思います。
正犯行為で残念と言うのは、明らかに特例の情状酌量を求めていることになるでしょうが、
私が言いたかったのは幇助容疑の確認に、作者が協力的な姿勢を示せる
選択肢が欲しいと言う事でした。
それは別ACさんへのレスにも書きました。